緊急警告065号  反社会的団体の宗教法人解散と政治家の責任を明らかにせよ

2022年7月4日、安倍晋三元首相が銃撃され、その容疑者が統一教会(2015年に名称変更しているが、実態は変わらないため本稿では統一教会とする)に恨みを持ち、深い関係にあった安倍元首相が狙われたことが発覚。その後、統一教会への多額の寄付が原因で信者や家族が悲惨な状況に追い込まれた実態が多数明らかになった。

統一教会の悪質性は、オウム真理教事件が起こる前に既に社会問題化していたが、オウム事件以降はオウム真理教に関心が集中し、統一教会及び傘下団体の活動への社会の目が離れてしまった感がある。その間に統一教会は政治家への接触を強め、その実態の一部が、銃撃事件を端緒に次々に明らかになっている。

統一教会問題は、憲法20条に抵触する明白な憲法違反事例と言えるが、具体的には次の二点に集約される。

1.正体隠しの勧誘や、マインドコントロールにより高額寄付を募るなど、悪質な不法行為を繰り返し、生活困窮・家庭崩壊などの被害者を多数出していたこと。

2.国や地方の議員が統一教会の広告塔となり、その悪質性を隠蔽・助長し、統一教会の教義に基づく政策実現にも関与したこと。

憲法20条第1項は、信教の自由と政教分離について、次の通りうたっている。

「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」

上記統一教会問題の「1」について、憲法20条は「信教の自由」を保障しているが、それはあくまで13条の「公共の福祉に反しない限り」を前提としている。マインドコントロール下における恐怖心をあおっての多額寄付の強要や高額商品の購入強要は犯罪行為であり、数多くの裁判で不法行為に対する損害賠償と使用者責任が認定されている。また、宗教二世や合同結婚式問題は「個人の尊重、幸福追求の権利、婚姻の自由」という憲法で保障された人権を侵害し、明らかに公共の福祉に反する団体である。現在文科省が「質問権」を行使しているが、このような反社会的団体は、即刻宗教法人解散命令を行使すべきである。そして被害者救済を迅速に行うべきである。

上記「2」については、政権党である自民党との深刻な癒着構造が顕在化した。統一教会は傘下に多くの政治団体を作り、自民党議員に接触。選挙支援の見返りに統一教会の悪質性の隠蔽を図ってきた。多くの議員は危険組織というリスクを承知しながら、己の当選あるいは党議員当選を第一に考え、関係を継続。その結果、統一教会という反社会的団体にお墨付きを与え、その教義に基づく政策実現に協力してきたのである。その代表が歴代最長政権を維持した安倍晋三元首相に他ならない。統一教会は、憲法20条第1項後段の「国から特権」を受けていたと言えるのではないか。この問題は、通常国会でも掘り下げて、徹底的に追求しなければならない。

芸能人やアスリートが反社会的団体と関係していたことが判明すると、引退を余儀なくされることが多い。それは社会への影響力が大きいためである。同じく影響力の大きいとされる「政治家」も、潔(いさぎよ)く政界を退出すべきであるが、残念ながらそんな政治家は見当たらない。したがって、私たちは次の選挙で関係議員に対して厳しい判断を下すべきである。

(2023年1月6日)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください