違憲性に対する緊急警告

違憲性に対する緊急警告

緊急警告068号  武器輸出のなし崩しの緩和を許すな

岸田政権は2024年3月26日、イギリス、イタリアと共同開発する次期戦闘機の日本から第三国への輸出を解禁する方針を閣議決定した。高い殺傷能力を持つ戦闘機の輸出解禁は、武器輸出を抑制してきた従来の日本の安全保障政策を、憲法論議もないまま大きく変質させてしまった。

戦後日本は憲法第9条の平和主義原則を踏まえ、武器輸出を抑制してきた。それが「武器輸出三原則等」であり、これが長らく守られてきた。その歴史を紐解くと、

1967年:佐藤栄作首相が「武器輸出三原則」を表明。

三原則とは、次の①~③に該当する国には輸出しないというもの。

  • 共産圏諸国向け
  • 国連決議で禁止されている国向け
  • 国際紛争の当事国又は恐れのある国向け

1976年:三木武夫首相が武器輸出三原則の追加として加えた政府統一見解を表明。 (さらに…)

緊急警告067号 福島第1事故原発トリチウム汚染水の海洋投棄をやめよ!

下記のPDF→緊急警告067号

 政府は、3・11東日本大震災でメルトダウン事故を起こした福島第1原発の放射能汚染水を「処理水」と言い換え、今夏、地元漁協を始め、国内外の反対を押し切ってでも海洋放出する構えである。

 政府・東電は、ALPS(多核種除去設備)によってトリチウム以外の大半の放射性物質を除去した上、海水で薄め「国際基準」を満たして放出するので安全である、と主張する。そして、「風評被害」だけが問題なのだと言う。

 こうした政府・東電の主張を後押しし、お墨付きを与えているのが国際原子力機関(IAEA)であり、原子力発電を推進する学者・専門家たちである。IAEAは「包括的報告書」において、ALPS処理水の放出は、「国際安全基準」に合致し、「人及び環境に対する放射線影響は無視できるほどである」と結論付けている。(但し、IAEAは用心深く、「処理水」の放出は「推奨するものでも、支持するものでもない」と付け加えている。日本の「原子力規制委員会」が原発の再稼働をめぐって合格判定を出しながら、「安全を保証するものではない」と言っていることとよく似ている。) (さらに…)

緊急警告066号  岸田政権は放送行政の歪みを正し、表現の自由を回復せよ

2023年3月2日、立憲民主党の小西洋之参議院議員が、放送法が定める放送局の政治的公平性を巡る総務省の内部文書を公表した。この文書は総務省の勇気ある官僚が「放送法を国民の手に取り戻して下さい」との必死の思いで、総務省出身の小西議員に託したもの。文書によれば、第二次安倍政権下の2014〜15年にかけて、当時の磯崎陽輔首相補佐官が総務省に強引な働きかけを行い、「一つの番組でも政治的な公平性が問われる」という解釈を求めていたことが赤裸々に記されており、結果的に当時の高市早苗総務大臣が、総務委員会で文書の筋書き通りに (さらに…)

緊急警告065号  反社会的団体の宗教法人解散と政治家の責任を明らかにせよ

2022年7月4日、安倍晋三元首相が銃撃され、その容疑者が統一教会(2015年に名称変更しているが、実態は変わらないため本稿では統一教会とする)に恨みを持ち、深い関係にあった安倍元首相が狙われたことが発覚。その後、統一教会への多額の寄付が原因で信者や家族が悲惨な状況に追い込まれた実態が多数明らかになった。

統一教会の悪質性は、オウム真理教事件が起こる前に既に社会問題化していたが、オウム事件以降はオウム真理教に関心が集中し、統一教会及び傘下団体の活 (さらに…)

緊急警告064号 「安保三文書」改定は軍事国家化と戦争への道

岸田政権が「安保三文書」(「国家安全保障戦略」「防衛大綱」「中期防衛力整備計画」)の改定作業を本格化させている。

10年前、2013年版「国家安全保障戦略」が策定された時の最大の特徴は、安全保障をめぐる東アジアの環境が、中国の急速な政治・経済・軍事的台頭によるパワーバランスの変化と、北朝鮮の軍事力増強への脅威などから厳しくなり、それらへの対応の必要性を理由に、改憲して戦争のできる国にしたいという安倍首相(当時)をはじめとする自民党右派の意向を反映したものであった。 (さらに…)