(11月13日)
11月1日、国会は安倍晋三自民党総裁を首相に選出、その夜の記者会見で首相は憲法改正について、「(衆参両院の)憲法調査会に各党が改正案を持ち寄って、建設的な議論をしていくことが大切だ……与野党に関わらず幅広い合意を形成するよう努力を重ね、国民的な理解を得られるようにしていきたい」と改憲議論の加速に意欲を示した。
これに対して、公明党の山口那津男代表は両院議員総会で、衆院選について「議席数に応じた勝利感や高揚感は伴っていない」と発言。「数におごることがあってはならない。謙虚に真摯に、政権運営に取り組む」とした上で、改憲について「内閣で取り組む政策課題ではない。内閣は憲法尊重擁護義務を負っている」と述べた。
山口代表の指摘は正しい。憲法第5章「内閣」の第66条「内閣の組織」第1項は「内閣は、法律の定めるところにより……」から始まり、第73条「内閣の職務」の第1項も「法律を誠実に執行し……」で始まり、最高法規である憲法の遵守を内閣に命じている。さらに第99条「憲法の尊重擁護の義務」ではとくに「国務大臣」がその義務を負うと記述されている。
安倍内閣はまた、第53条「臨時会」の「いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」との明文の規定を無視したまま衆院解散に踏み切るなど、かずかずの越権の果てに、与党からも違憲を主張される蛮行に走っている。
内閣による改憲の提起は越権、不法、憲法違反である。