緊急警告020号 「共謀罪」法案は違憲! 採決強行は許されない。

安倍政権は本年3月21日、「共謀罪」の趣旨をふくむ組織犯罪処罰法改正案を閣議決定し、国会に提出した。今回政府はこの法案を「テロ等準備罪」法案などと呼称し、あたかもテロ対策法案であるかのごとく偽って国民に受け入れさせようとしているが、実態は「共謀罪」法案そのものである。(当初の法案にはテロの文言がまったくなく、批判されてあわてて挿入した経過からも明らかである。)
「共謀罪」法案は過去3回にわたって国会に提出された。この法案の眼目は、犯罪実行の合意をもって、処罰対象にしようというもので、「刑罰の対象は外部に客観的に表れた行為に限られる(行為原理)」「どのような行為が犯罪になるかをあらかじめ法律で明確に定めなければならない(罪刑法定主義)」といった近代刑法の大原則を根本からくつがえし、ひいては、個人の尊重(憲法第13条)、内心の自由(憲法第19条)、表現の自由(憲法第21条)、法定の手続き保障(憲法第31条)など憲法で定められた人権保障と真っ向から対立する本質から、過去3回の法案はいずれも廃案となった。
そして、以下に見るとおり、この度の組織犯罪処罰法改正案には重大な違憲性がなお指摘される。
すなわち、この法案が成立すれば、
① 共謀を立証するために捜査機関が電話やメールなどの通信傍受を拡大する可能性があり、これは憲法第13条「(個人の尊重と公共の福祉)すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」(個人情報を守る「プライバシー権」の根拠とされる)に抵触する。
② 犯罪が実行される前に、合意しただけで処罰でき、人の内心を罰することが可能になる。安倍首相は準備行為があって初めて処罰対象とすると説明しているが、何が準備行為なのかはあいまいで、これは憲法第19条「(思想及び良心の自由) 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」に真っ向から違反する。
③ 米軍基地反対や反原発など、自らの主張を表現する市民団体の行動が捜査対象になり、その活動を委縮させるものであり、これは憲法第21条「(集会・結社・表現の自由) 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」に違反する。
④ 何が準備行為と判断されるか分からず、これは憲法第31条「(法定の手続きの保障)何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない。)に違反する。

さらに安倍首相は「一般人には全く関係ない」と強調するが、戦前の治安維持法も、当初は、国体を変革する共産主義者が取り締まりの対象とされたが、後に政府の政策を批判する人、戦争に懐疑的な人まで、警察は容赦なく逮捕した。

与党は、この「共謀罪」法案について、現国会の会期末である6月18日から逆算して、5月17日衆院法務委で審議、採決、18日衆院本会議で採決、衆院通過、22日参院本会議で審議入り、23日参院法務委で審議入り、6月中旬での参院で採決、成立を狙っている。
しかし、法務委員会での審議を通じて、本法案への理解は深まるどころか、国民の懸念はいっそう広がるばかりだ。憲法違反の「共謀罪」法案の強行採決は許されない。

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