「ミサイル」より「核シェルター」 ――世界の核シェルター事情

(弁護士 後藤富士子)

 核シェルターは、戦争時の各種攻撃を避けて生き延びるために人間が一時的に利用する空間であり、世界で多くは地下に設置され、収容人数が数千人規模のものから一般家庭用の小型のものまで様々ある。世界各国では、核ミサイルの脅威への備えの重要性を認識し、核シェルターの整備を政府主導で進めている。人口当たりの核シェルターの普及率は、スイス・イスラエルで100%、ノルウェー98%、アメリカ82%、ロシア78%、イギリス67%、シンガポール54%であるが、日本は僅か0.02%で無いに等しい。
 スイスは「シェルター精神」を持つことで有名であり、1962年のキューバ危機を受けて、翌63年に全戸に核シェルターの設置を義務付ける連邦法が成立している。2012年に法改正され国民の自宅設置義務はなくなったが、自治体に代価を支払い、最寄りの公共シェルターに家族全員分のスペースを確保する必要がある。こうした政策により30万基以上の核シェルターが設置され、人口約800万人の114%、国民全員以上の収容が可能となっている。
 イスラエルは実際にミサイル攻撃に耐えた経験を持ち、現在世界で最も危機対策が調った国。独立を宣言した3年後の1951年の民間防衛法で法制化され、すべての住宅、工業用建物(工場)に避難所を建設し維持することが義務付けられている。
 韓国のソウル市内には核シェルターが1038か所に設置されており、普及率は323.2%に達する。地下シェルターは地下鉄と共用され、コンビニを初め生活に必要な品々が調達できるようになっている。
 ところが、日本は、唯一の被爆国であり、周囲を中国、ロシア、北朝鮮などの核保有国に囲まれているにもかかわらず、普及率は0.02%。日本では、国や自治体が核ミサイルから国民の命を守ってくれないのである。それどころか、自衛隊基地の地下化が進められているという。このような政府こそ、「平和ボケ」しているのではないのだろうか?

情報出典 https://takayakoumuten.co.jp/8877

(2023年1月23日)

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