<例会参加の方は本ニュ―スをご持参ください>
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目次 第46回例会・勉強会の報告 P.1
第43回運営・編集委員会の報告(略) P.1
別紙 1 政治現況報告 P.2
別紙 2 事務局報告 P.3
別紙 3 緊急警告025号
「小池百合子都知事の改憲発言は許されない」P.4 .
第46回 例会・勉強の報告
10月29(日)、港区・専売ビル集会室で開催、参加者5名、会員56名。
司会を草野編集委員長が担当し、まず「政治現況報告」(別紙1)が代読されたのち、「事務局報告」が行われ、これらの報告をめぐり次のような意見が交わされた。
「若い人の保守化傾向が恐ろしい」「公明党がなぜむきになって立憲民主党批判をするのか理解できない」「だれが民進党分裂の筋書きを作ったのか。策略を巡らしたものがいるに違いない」「自由党の小沢一郎氏ではないか」「いや、小沢氏は野党共闘支持者だ」「「野党共闘が成立していれば自民党を減らせたはずだ」「お父さんが運動していなければ自民党に投票するだろう、と子供に言われた」「自民党支持は必ずしも改憲支持ではない」「労働者は正社員になることに必死だ。労組がないから社会運動の経験もない」「昔は臨時雇用員を正社員にするのが労組の務めだった」「連合は『無所属の会』に期待しているようだ」「社共は立憲民主党にふり飛ばされてしまった」……。
ついで緊急警告025号「小池百合子都知事の改憲発言は許されない」の検討に入り、「敗戦時に権力者を自力で倒していないことが、護憲運動の甘さにつながっている」「いま、護憲活動をしているさなかに、改憲された後のことにまで言及するのは適当でない」などの意見が出され、さらに修正を加えることとした。
その後、新冊子「教育勅語と子供たち――歴史から見る道徳の教科化」案について、起草者安立きくこ氏から各章にわたって執筆の意図が報告され、12月初旬発行を目途に、この原案を検討する場を設けることとし、第1回を11月12日(日)13:30~と決めた。
当面の日程について
1)新パンフレット編集会議 11月12日(日)13:30~ 神明いきいきプラザ(浜松町)
2)第47回例会・勉強会 11月26日(日)13:30~ 三田いきいきプラザ
3)第44回運営・編集委員会11月29日(水)14:00~ 三田いきいきプラザ
4)第48回例会・勉強会 12月24日(日)13:30~ 三田いきいきプラザ
5)第45回運営・編集委員会12月27日(水)14:00~ 三田いきいきプラザ
<別紙 1>
政治現況報告 2017年10月29日
岡部太郎(東京新聞元政治部長)
第48回衆院選挙は10月10日公示、22日投票で行われた。安倍首相の臨時国会召集日の冒頭解散から始まって、いろいろ紆余曲折のある山あり谷ありの選挙だったが、結局は自民党が解散時と同じ284議席の絶対過半数をとって圧勝。29議席の公明党(5議席)とあわせて313議席を得て、憲法改正に必要な310議席を上回った。一方、野党は公示直前に小池都知事の都民ファーストの会が、全国組織「希望の党」を立ち上げたものの、対応がまずく、分裂選挙となり、小党が票を分散させたため、自公に漁夫の利を占められた。
9月25日に「希望の党」を立ち上げ、自ら代表の地位についた小池氏に対し、民進党の前原代表が党を解党しても全党をあげて希望の党に参加すると表明。8月の都議選での都民ファーストの会で小池ブームを見せられた自民党に緊張が走った。小池ブームが続いていれば、民進党の小選挙区300人近い候補者は確実に戦力になり、自民党は過半数を割り惨敗することになる。私なども一瞬、安倍が破れ、護憲の会も終わりになるか、と思ったほどだ。安倍が冒頭解散に踏み切った唯一の理由は、強敵の希望の党は、まだ十分選挙準備ができておらず、候補者の人数をそろえられないと思っていたからだ。それが民進党との合同となれば話が違う。大希望の党に共産や維新の他の野党が協力、安倍に対する大野党連合が成立すれば、これ以上の強敵はない。
しかし、この心配も僅か3日ほどで、相手のミスで霧消する。こともあろうに小池都知事が、新党について「革新的保守」と規定した上に、新党参加の条件は①安保二法の賛成、②憲法改正に賛成すること――とし、「これに合わない民進党議員は排除する」と断言した。
ただでさえ、時の政権にタテついて、政権を狙うものは、反対勢力の全てを糾合しなければ勝てないのは常識。味方の一部を敵に回すなど、おごり以上の何ものでもない。
小池都知事はかねてからアメリカの二大保守党(民主と共和)が交代で政権を担うのが理想としていたという。しかし大統領制で、議会と対立しているアメリカと議院内閣制で政府と首相があり、保守・革新と別れるのが普通のイギリスや日本と同じわけがない。ましてや日本も英国も島国で、黒白をつけたい性格をもっている。
選挙民はこの小池の“排除発言”に、独裁的な面を感じ、日本の希望を託すわけにはいかない、とアッという間に冷めてしまった。小池ブームは去った。そして希望の党をシャット・アウトされた民進党のリベラル議員は枝野氏を代表に「立憲民主党」を急遽設立。13人の現職(小選挙区)を中心に選挙を闘った。その結果、200人以上を公認した希望の党は50人当選で野党の第二党に。立憲民主党は有権者の同情票を得て、現有勢力の3倍以上の票を集めて55人当選の野党第1党へ。野党共闘の思惑の狂った共産党は公示前の21人から12人と敗退。維新の党も橋下前大阪市長が党をやめたため、14人の現職が10人に減った。社民は同じ2人。民進党は希望へも立憲へも行けない野田元首相、岡田元党代表など大物が21人も無所属で出馬、18人が当選した。無所属当選者の総数は22人。三つに別れた民進党は今後の国会で野党再編に向けて動き出すだろう。
ただ問題は投票率が非常に悪く、53・68%。前回に続いて二番目に悪く、特に心配なのは選挙権をもらった18歳が50・74%、19歳に至っては、何と32・34%だった。国民の半分が選挙に行かないことは、日本にまだ民主主義が定着せず、特に若年層が悪いのは、中・高校からの政治教育、選挙教育が絶対に必要になる。
また、ほとんどの選挙区で2、3の野党の票を合計すると、自民党を上回るなど、小選挙区と野党協力のあり方についても再考したい。
国会は11月1日、特別国会を召集、安倍首相が再任されるが、11月5日には、トランプ米大統領が初来日するなど、政局が動き出す。
<別紙 2>
第46例会 事務局報告
福田玲三(事務局)2017.10.29
1)来信
29日はちょうど、横浜市学童保育の市政からの補助を訴える署名活動を桜木町で行ない、こちらの出席が叶いません。残念です!
しかしながら、いまどきの高校三年生は、投票は多くが自民党、なんとなれば、「安部でないと、ぐちゃぐちゃになりそう」「トランプと仲良くできなくなりそう」「政治はニガテ」だそうです。
東大に毎年30-40人送り込む進学校で、この様相です。(そういえばどこかの週刊誌に、「東大生は自民支持」と報道が有りました)有る意味彼らも「既得権益層」なのでしょうか。お父さんが一部上場企業の部長であったり、自らも官僚を希望していたり。
広島出身の私としては、改憲、原発再稼動だけで、ガックリします。
また皆様にお会いできますことを、心待ちにしております! (神奈川県・H)
2)「安倍9条改憲NO!」3000万人署名始動
「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」の呼びかけによる署名の第1次集約は12月20日、第2次集約は4月25日、第3次集約は5月末になっています。
現在までに佐賀県、愛知県、埼玉県、都内から各1通(いずれも5筆)届いています。
来る11月3日(金・休日、憲法公布記念日)には国会議事堂周辺(14:00スタート、15:30終了)で10万人規模の集会を開き、全国で100万人の参加を呼び掛けています。ご協力ください。
当会は「署名取り扱い団体」に当会の名前を入れた署名用紙を用意しています。
3)第46回例会・勉強会の延期、会場の変更
当初予定の10月22日が重要な選挙の投票日となったため、急遽29日に延期し、会場を変更しました。変更の案内はニュース第46号で行いました。
4)集会の案内
① 第10回平和学習会――「『ナチスの手口』を学べ~世界最先端の憲法を『ナチス』の魔手から守るために~」(仮題)
報告:王道貫 氏
2018年1月13日(土) 13:30~16:30 資料代:200円
東京ボランティア市民活動センター 会議室B (JR飯田橋駅隣・セントラルプラザ)
② 第24回「7・1閣議決定」違憲訴訟勉強・相談会
――控訴完了:憲法前文「排除」が意味するもの――
11月17日(金) 13:30~16:30 神明いきいきプラザ(JR浜松町駅徒歩4分) D室
参加費:200円
③ 『週刊金曜日』東京南部読者会
11月24日(金) 18:30~20:30 大田区生活センター 会議室(JR蒲田駅徒歩5分)
<別紙 3>
緊急警告025号 小池百合子都知事の改憲発言は許されない(10月17日)
小池百合子・東京都知事はさる9月25日、都庁で臨時記者会見を開き、「希望の党」代表に自らが就く考えを示し、目指す政策に、憲法改正、情報公開の徹底、議員の定数や報酬の削減、原発ゼロなどをかかげた。
4日後の9月29日、小池都知事は「希望の党」代表として記者会見を行い、安全保障や改憲で考え方が一致しない民進党離党者が、衆院選で党の公認を申請してきても「排除する」と明言した。
さらに小池都知事は、9月30日、大阪市内で、松井一郎・大阪府知事、大村秀章・愛知県知事と会談し、改憲や脱原発などを柱とする共通政策を打ち出した。
その小池氏は、2016年に衆院議員から都知事に転身する以前から一貫して改憲を主張している。2000年の衆院憲法調査会で小池氏は、占領下で生まれた憲法が武力行使を制約し「日本をがんじがらめにしている」と主張、「現行憲法を廃止し新しいものを作る、て・に・を・はを変えるというような議論では間に合わない」と語り、参考人として出席していた石原慎太郎都知事(当時)の現憲法廃止論に呼応した。ここに小池都知事の本心がある。
だが、公務員には憲法尊重擁護義務があり、この義務に違反する改憲発言は許されない。その趣旨の改憲発言をするなら職を辞してからするべきだ。
閣僚の改憲発言は1999年まで辞任を招いていた(中村正三郎法相の場合)。2012年、石原慎太郎都知事はワシントンの記者会見で占領下制定憲法の無効破棄をとなえ、ついで都議会本会議で、その趣旨を再び言明した。安倍首相は、同じ2012年衆院選のさい、現憲法を「みっともない」とまでけなした。これらの憲法軽視の姿勢に習い、地方公務員のトップクラスである小池東京都知事、松井大阪府知事、大村愛知県知事まで公然と改憲を主張し、しかもマスコミをはじめ世論は、そこに今は何の抗議もしていない。
内外2000万人の犠牲を生んだ侵略戦争に敗北した代償として、現憲法は当時世界で最も進んだ民主的潮流(日本の進歩的伝統を含む)から日本国民に授けられた。その頃の日本国民にとって夢のような民主的・平和的憲法を国民は歓呼して迎えた。ここに甘さがあった。流血によって憲法を獲得した諸国民の厳しさを欠いた。
憲法尊重・擁護義務のある公務員が、憲法廃止発言を公言すれば、諸外国ではどうなるだろうか。弾劾を受け、即座にその職を失うだろう。日本では憲法誕生のいきさつから、当時やむを得ず現憲法を受け入れた一部の支配層が、いま「占領軍によって強制された憲法だ」と発言すれば、一瞬とまどう弱さを私たち国民は持っている。国家公務員のトップ、地方公務員のトップクラスが廃憲発言を公然と行い、黙認されるところに国民のその当時の甘さが尾を引いている。
こうした改憲攻撃に対する長期の苦闘を経験するなかで、はじめて現憲法は真に私たちのものとなり、国民のこの至宝への愛着が広がるだろう。憲法は教えている。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない」(第12条)と。
かれら権力者が現憲法を敵視するのは、現憲法の理念がかれらの言動を拘束するからだ。だからこそ、なおさら主権者国民は、彼らの憲法軽視を厳しくとがめ、憲法の尊重・擁護義務を果たさせることが強く求められる。