完全護憲の会ニュース No.24 2015年12月10日

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目次

①  第23回 例会の議事録                         1p
③  次の例会・勉強会のご案内                  6p

別紙  1  政治現況報告                                   8p
別紙  2  事務局報告                                   10p

さる11月22日(日)、港区・三田いきいきプラザ集会室で第23回例会を開催、参加者19名。入会者 計46名。

     第23回  例会の議事録(要旨)      2015年11月22日

 草野編集委員長が司会した。
1)まず岡部太郎共同代表(元『東京新聞』政治部長)からの政治現況報告(別紙1)があった。
2)ついで野村光司共同代表(『日本国憲法が求める国の形』原案起草者)が『日本国憲法が求める国の形』追加項目(試案)<ニュース前号に掲載>について、以下のように討議を求めた。

 政府・自民党は安保法制を可決させた。彼らの意図は戦前の日本を取り戻すことであり、現憲法の縛りを無効にすることだ。彼らの提出する法案の8、9割が国会で通っている状態だ。
 これまで当パンフを政党やマスコミに送り、友人、知人にも渡したが、これにたいする反論は今のところ出ていない。政府・自民党の新しい違憲の政策にたいする反対の見解を次々に自信をもって発表したい。
 焦眉の問題が次々に発生している。沖縄・辺野古の事態、国会議員4分の1以上による国会開催要求、中国を仮装敵国にした首相の外遊と資金のばらまき、これにたいする会計監査院の無能、言論統制をめざして総務省がNHKに厳重注意するという権力乱用、地方創生を名目にした補助金による中央統制、猛烈な勢いで広がっているこれらの政策の違憲性を緊急に指摘したい。
 当会の最終決定は例会で行われるが、その準備をする編集委員会にもぜひ参加してほしい。私たちの追加の見解はまずマスコミ、政党、外国大使館を対象に伝達したい。
3)そのあと福田玲三共同代表(事務局担当)から事務局報告(別紙3)があった。

 上記テーマ1、2、3について次のような質問・意見があった。
●Sさん)拉致問題に関して。小泉政権が日朝平壌宣言を交わし、拉致された蓮池さんたちが帰国できたのだが、約束通り帰さなかった。それまでの生活で積み上げた何もかもを置いてきた。横田めぐみさんが帰ってこられないでいるが、横田さんは子どももいると言われている。蓮池さんたちのように一度帰国したら戻れないようでは、生きていたとしても帰れないのではないか。
● 野村)現安倍首相が官房長官のとき日朝両政府間の約束を破って、日本に帰国した被害
者を朝鮮に帰さなかった。憲法には出国の自由がある。阿倍はこれで出世した。日本には戦争中朝鮮人を強制動員した過去がある。核開発問題で国連が北朝鮮に貿易制限をかけたが、日本は万景峰号の寄港、マツタケなど全部止めてしまった。蓮池さんたちの問題では、私は政府間の約束通り彼らを一旦北朝鮮に戻すべきだと主張し、パンフレットへの掲載を求めたが、この部分は編集委員会で止めら削られた。
●岡部)北朝鮮は拉致問題を再調査すると言ったが、進まなかった。外交問題は相手を説得できなければうまくいかない。その努力が足りない。
●野村)拉致被害者には両国通行認めるべき。日朝共同宣言は守るべきだ。
●S氏)横田めぐみさん問題は人権の問題なのに国の面子の問題にされている。拉致されたことは国の防衛問題でもある。
●Kさん)拉致問題は人権の問題でありながら政治的なカードとして使われている。ISにとらわれて殺された後藤さん、湯川さんの問題も安倍政権が政治利用した。いま行われているISに対するアメリカの空爆も公式報道を鵜呑みにできない。
●S氏)野村さんの追加項目、よくわからない。パンフレット「日本国憲法の国の形」の追加項目というのは必要ない。
●川本)伊藤真弁護士はじめ多数の弁護士が安保法制問題で差し止め請求の裁判準備中。これを完全護憲の会ホームページブログに載せた。
●N氏)何を差し止めるものなのか。
●川本)集団的自衛権行使の差し止めと武力行使と一体となる駆けつけ警護の差し止めだ。
●野村)追加項目は私の意見としてだしている。皆さんも出してほしい。
●S氏)追加項目というかたちで出すということがおかしいと思う。

4)パンフ「追補版」(リーフレット形式)に取り入れるテーマ・憲法条項について
① 野村「追加項目(試案)」からの編集委選択条項提案(別紙)
② 第22回例会で出された優先的検討テーマと憲法条項提案(別紙)
この2件についての質疑・討論
●S氏)われわれは差し迫った問題で緊急提言をすべきであり、パンフの追加項目作成に終わってはならない。パンフレットの9条、国連軍の提起はおかしい。
●草野)私たちは憲法専門家ではないのだから、素人意見でよいのではないか。
●野村)政府から手当を受けている諮問委員会の委員や政府の指名をうける最高裁裁判官は、政府へのゴマすり見解をだすが、われわれは憲法に基づき政策を批判する。
●Knさん)憲法の解釈論と政策論は分けるべき。違憲の指摘は条文順ではなく、テーマ別がよい。
●後藤)素人集団がこのような憲法解釈のパンフを出すこと、意味ない。私もそんなことに時間費やすことしたくない。このパンフの3ページにも書いているように、現状が憲法から「曲がりに曲がっ」ているということは、憲法が実現されていないのだから、完全護憲の会というなら、憲法に書いてある通りにやらせるような活動をすべき。沖縄問題も基地問題だけではない。地方自治の問題でもある。
●野村)われわれは憲法に基づく原理主義運動をしている。現憲法がいかに素晴らしいかをお示しする。マルチン・ルターが「聖書にかえれ」と言って宗教改革をなしたように、トーマス・ペインがコモンセンスを書いてアメリカの独立の機運を作り上げたように。
●Knさん)その原理主義、それが間違っているのではないか。野村さんの解釈は正しいのか。
●川本)野村さんの原理主義に基づいてパンフレットを作った。これが世の中に大きな影響を与えることはない。これとは別に新しく集まった人たちがやりたいと思うことやるべきだ。 新しく集まった人には追補版に抵抗があるのではないか。
●後藤)追加のパンフレットを作ることに何でそんなに時間をかけるのですか。送ってもらった追加文書は長く、とても読む気がしない。こんなことで私たちの時間とエネルギーを浪費させないで欲しい。むしろ、完全護憲の会として集まってきた意義があるのだから、そこに焦点を当てて、世の中にアピールできることを追求すべきだ。
●Knさん)追加文書の沖縄問題、私が沖縄県民だったら血の涙を流します。なんで独立なんですか。護憲の会を名乗って沖縄の人たちを否定するようなこと許されない。独立論は地方自治と逆ベクトルだ。
●後藤)地方自治の問題は沖縄の問題だけではない。大阪もそうだし。国民と住民は違う。自治とは直接民主主義だ。
●野村)私の憲法上の地方自治は明確。地方自治はぜんぜん実現されていない。
●T氏)いまの議論に関連して朝日新聞11月18日の天声人語が触れているので紹介したい。
●稲田)沖縄の独立を決めるのは沖縄の人々。ヤマトンチュウが言うことではない。ヤマトンチュウにやることがあるとすれば、沖縄に集中している米軍基地を本土が引き取ることだ。
●Kさん)沖縄の民意は選挙で示されているのに訴訟合戦になっている。今は何を指摘すべきか検討する必要がある。
●後藤)ここは沖縄の現実をどうすべきか論じるところではない。いかに日本国憲法からはずれているかである。名護市に払わなければならない金を三つの区に払うなんて。憲法の踏みにじられ方が異常。
●Kさん)地方自治は札束でたたかれている。国策的なものは、沖縄だけでなく原発問題も含め全部同じパターン。
●岡部)沖縄問題は、ある意味で護憲の問題と根本は一緒だと思う。沖縄は始めから日本国憲法から除外されている。悪いのは内地のわれわれが沖縄は別だと思っていることだ。
●S氏)パンフの内容がいいから集まってきたのではなくて、現状に危機感があってのことだ。
●川本)そうなんですよ、実際は。野村さんは自分の意見を変えてもいいとおっしゃるが、あれだけの大量の文章をホームページにあげますと、それが護憲の会の見解と受け取られる。みなさんが誤解すると思う。
●野村)まだ決定でないものをホームページに載せることがおかしい。村個人の試案なのだから。皆さんも出してください。たたかれるのを覚悟で。
●Kさん)そもそも編集委員会できちんと読む暇もなく出されてしまう。後藤先生に言わせると無駄なことなのかも知らないが、いま時局に適した、これほど憲法が踏みにじられている現実を特別号にまとめて出したらいいのではないかと思う。
●後藤)いまKさんが言われたようなことをこの場で議論しようと思ったら、永久に出ないと思う。私はここが自由に意見を言える場なんですよ、ということが大切。何かを決めたり何かを決議したりする場でない方がいい。Kさんが考えていることと私が考えていることが違ってもいい。
●Kさん)この場は憲法の問題について自由な議論、意見交換ができればいいと。出版なんかしなくていい、時間の無駄と?
●後藤)出版を目的として中身をあとから考えるなんて本末転倒と思う。活発な討論ができれば本なんかできると思う。
●福田)緊急の問題についてその仕方ですが、特別号を出すのか、ホームページに出していくのがいいのか。具体的にはどうすればいいのか。
●川本)ここで話し合ったことから何かまとめることができれば、あとでホームページ載せることができるし、パンフレットにすることもできる。多分、ここに集まった皆さんが今日は勉強になった、自分にとってプラスになったと思えることが大事で、その結果が何かにまとめられればいいのかな、と思う。
●野村)さっきのホームページの件、私の意見を護憲の会として出したのか。
●川本)そうではなく野村案として出るんですけれど、あれだけ大量の物が上がっていると共同代表の出したものですのでこの会の見解ととられる。
●司会)ホームページに試案が載るっているのは削りましょう。
●大西)前回なぜ配付しないんだ、と言われたので、あわてて配布した。ニュースに試案が載るので、それがそのままホームページに載ってしまった。
●稲田)会員に対して配るのは問題ないと思う。ホームページへの掲載はやめるべきだ。
●大西)後藤さんの意見にもあったように、ここの会議で出版物をまとめるのは無理がある。とりあえずここで出た意見を編集委員会でまとめ、本にするかどうかの判断を編集委員会にまかせてもらったらどうか。ここは自由な議論の場に集中して。
●Sさん)沖縄の問題、私は野村さんの意見に近いのかな、と思う。野村さんは沖縄が独立した方がいいとは言っていないと思う。沖縄の歴史を考えると特に。戦後の天皇の沖縄に対する対応も含めて。翁長さんは日米安保体制は否定しないというが、私は安保体制というものを考え直さないと解決しないと思う。
●S氏)戦後日本が平和だったというところがボケていると思う。憲法は実現されず、むしろ否定されてきたと言える。朝日訴訟のように人権が否定されてきた。ある程度恵まれた人が平和だったと思っているのだ。
●後藤)沖縄の問題にしても朝日訴訟にしても、全く事実をふまえて議論がされていない。朝日訴訟は食っていけないということではなく、彼は結核の療養において一日に使うチリ紙なんかを制限されることに対して訴訟を起こした。それから沖縄は日米安保体制の問題をからめたら、今のままでいろ、ということになってしまう。それに対して基地を本土がひきとるべき、そうすべきでない、との議論が出ているが、そういうどうすべきかということは政治の議論なんです。皆さん事実を知らないところで議論していることに危機感を覚える。
●N氏)7.1閣議決定違憲訴訟をやりたいということで取り組んでいる。一昨日、第1回相談会をやりました。例会に参加させていただいて大変勉強になっている。会の運営はこの会の創始者である野村さんの意見に従ってすすめるのが一番いいと思います。次回相談会は12月18日(金)です。よろしかったらご参加ください。
●稲田)会のメーリングリストを提案させていただきました。いくつか問題点があるようですが、議論の不足を補うために是非これを使ってみては、と思います。
(まとめ)
●司会)会の方向をめぐって様々な意見が出され、この場でそれをまとめるのは難しいので、編集委員会でさらに討議させてほしい。パンフの追加項目(試案)にさまざまな批判が出されたが、できれば対案を用意してほしい。なおパンフ『日本国憲法が求める国の形』に予備があるので、この普及を会員に要請したい。

    次の例会・勉強会のご案内

日時 12月20日(日) 13:30~16:30
場所  港区・神明いきいきプラザ・「憲法研究会」
〒105-0013 港区浜松町1-6-7    電話03-3436-2500
JR 山手線・京浜東北線、浜松町駅北口から徒歩4分
都営地下鉄、大門駅A2 出口から徒歩4分、B1出口から徒歩3分
報告 政治の現況について   岡部太郎(元『東京新聞』政治部長)
違憲の現状について   野村光司(「パンフレット」原案起草者)
事務局報告           福田玲三(事務局担当)
討議 報告および提案への質疑、意見
会場費  100円(できれば、ご参加の予定をメール、葉書あるいは電話などで予めお知らせください。)

(連絡先 〒140-0015 東京都品川区西大井4-21-10-312 完全護憲の会
電話03-3772-5095 メール:kanzengoken@gmail.com
なお本配信ご不用の方は恐れ入りますが、その旨ご返信ください。)

お願い
「戦争法の廃止を求める統一署名」用紙を同封します。
「統一署名」主催の実行委員会は署名者 2000万人の達成を4月25日締切で、目指しています。5人の署名欄が埋まりましたら、第1次として1月末までに当会あてお送り下さるようお願いします。(事務局)

ご案内
「7.1閣議決定」違憲訴訟のための第2回相談会。
12月18日(金)13:30~、神明いきいきプラザ「憲法研究会」。主催・長坂伝八氏ほか。

 

<別紙 1>
      政治現況報告                2015年11月23日

            岡部太郎共同代表(「東京新聞」元政治部長)

本来なら10月から1月にかけては、例年、臨時国会の季節である。しかし安倍首相は外国訪問と予算編成があるという理由で衆参両院野党の国会召集要求を拒否、これは憲法53条の「4分の1以上の要求があれば内閣は召集しなければならない」に反する憲法違反だ。
予算編成は戦後70年、年末にどの内閣もやってきたことで理由にならず、外交日程も調整すればすむこと。安倍首相は何故か外遊好きで、この三年弱で63カ国を訪問、国民の税金を経済協力という名目でポンポン訪問国に大盤振舞いしている。増税分もほとんど食われている勘定。それなのに最も重要な東アジア外交では、中国、韓国、北朝鮮の三国を公式訪問しておらず、朴槿恵・韓国大統領とも、この11月に初めて会談した。これも従軍慰安婦問題で外務省間で検討することを決めただけで、何の進展もなく、米国から言われたから会ったという感じ。中国・習国家主席とは国際会議で握手しただけで、十分な会談も行われていない。安倍首相のいう危機管理や積極的平和外交はどこへいっているのか。日本にいるのが嫌で外国を回っている印象が強い。
臨時国会を開かなかったのは、小泉内閣で二度あるが、これは選挙のあとで特別国会を開いたという理由があり、安倍首相の安保法制やTPP、沖縄、原発、スキャンダルなど、野党に追及されるのが嫌だから、というのは理由にならない。
こんなわけで、中国・台湾両主席の66年振りの握手やパリでのISのテロ事件など、外国が騒がしいのに比べ国内政治は全く静かなものだった。
その中で自民党は11月15日、保守合同・結党から満60年を迎えた。昭和30年、吉田自由党と、日本独立で追放解除になった鳩山民主自由党が合併した。
敗戦の日本は、戦後、外交官だった吉田茂が自由党総裁になり、GHQのマッカーサー司令部と話し合いながら、戦後日本のカジを取って来た。英国大使だった吉田は、自由や民主主義をよく理解しており、保守というより中道路線で復興に当たった。そこへ日本が独立し、戦後、公職追放された政治家が政界復帰。昭和30年ごろは鳩山、岸、石橋など追放組の勢力が強い中で保守合同が行われた。
そのため新自民党の総理・総裁は、鳩山、石橋、岸(外相)と鳩自の右寄り系列の就任が続く。しかし日米安保条約の改正をめぐる混乱で岸が退陣すると、吉田派の池田勇人さらに佐藤栄作(足かけ10年・岸の弟)、田中角栄、三木武夫と中道右派系が続く。このあとを岸派の福田赳夫が継ぐが、大平正芳、鈴木善幸と池田派宏池会が続き、中立系のタカ派中曽根康弘。このあとは1、2年の乱立で竹下登、宇野宗佑、三木派の海部俊樹、宏池会の宮沢喜一、橋本竜太郎、小渕恵三と中道首相が続いた後は福田派の森喜郎、小泉純一郎(五年)、安倍普三(一次)、福田康夫、麻生太郎と右寄り首相が続いた。
この間、宮沢首相の時に野党七派連合の細川護煕連立内閣が成立したが、醜聞で一年で退陣、麻生の時に選挙で大敗して初めて民主党が政権を取り、鳩山、菅、野田首相で三年やったあと、安倍が自民党で返り咲き、現在に至っている。自民党はこのように吉田系のハト派と鳩山系のタカ派が同一党派(八大派閥)で右と中道で政権交代を果たし、この60年のほとんどを政権党として日本の政治を担って来た。時によって国民の不満や要求をうまく吸い上げ政権交代のキャッチボールに成功して来たといえるだろう。
ただ安倍首相のように、極端な復古主義、タカ派体質で内閣主導の安保法制、集団的自衛権を進めた首相は初めてであり、小選挙制や二、三世議員の当選の弊害が現われており、日本の政治や社会を暗くしているといえる。
国連の表現の自由担当ディビッド・ケイ氏が月末に来日、特定秘密保護法などの調査を予定していたが、日本は予算編成を口実に延期させ、来年の秋、参院選後を示唆した。日本の報道の自由度ランキングは1998年に11位、今年は61位に下がった。政府の報道に対する圧力が強まっている。

<別紙 2>
第23回例会  事務局報告
2015年11月22日
福田玲三(事務局)

1) ニュース23号への意見など(いずれも要旨)

*珍道世直氏  完全護憲の会ニュースNo23お送りいただき有難うございました。また、事務局報告の中で私のコメントをお取上げいただき、感謝いたしております。貴重な内容の資料、熟読させていただきます。
なお、「違憲立法」に関する訴訟の件でございますが、私は、「違憲な閣議決定」から「違憲な安保法制」が発出・公布されたと受け止めております。しかし、「違憲立法」に対する訴訟の動きが、全国的に鈍いように思われます。弁護士など専門家は、「法施行後」の2016年3月以降の提訴を検討していると思慮いたしておりますが、私はそれまでの間、動きを止めるのではなく、司法に対しても「違憲」であると言い続けていくことが必要だと考えております。
過去に社会党が、「裁判所法改正案と違憲裁判手続法案」を上程し廃案となりましたが、
この法案に、「訴えの期間としては、法律の公布日から」と規定されていたこともあり、
「施行」を待たずに「公布」の段階の今、この時に、「九条の会・津」の訴訟支援を得て
「閣議決定・安保法制違憲訴訟」提起することといたしました。
明日 11月16日(月)に「津地方裁判所」に提訴し、同日午前11時30分から司法記者クラブで、「九条の会・津」代表と共に記者会見させていただくことになっております。
「記者クラブ提出用資料」をご参考までに添付でお届けいたします。
どうか、「閣議決定」の際と同様、ご注視くださいますようお願い申し上げます。完全護憲の会が、その使命を果されますよう願っております。
*W氏(鹿児島県) ニュースNO.22の中で二、三点違和感というか疑問のある箇所がありますので、記させていただきます。
① 9頁別紙2-2第2項に現行建国記念日の改定とありますが、正しくは建国記念の日ではないでしょうか。かつて紀元節派と反紀元節派の間で激論が交わされた折、「建国記念日」では神話を歴史的事実ととらえることになり、あくまで単に建国を記念する祝日である「建国記念の日」に落ち着いたと言われています。つまりは妥協の産物なのでしょう。
② 11頁第10条の中に「混血児」という表現があります。いかがなものでしょうか。血が混ざる、血が混ざらない、万世一系を念頭に置いているとは思いませんが、今日では適切な表現とは思われません。もちろん母と父の血が混ざって子どもが誕生するとはとても科学的にはあり得ないことです。
③ 天皇制について 先月川内博前衆議院議員の講演があり参加したところ、「天皇陛下」「天皇陛下のお言葉」「天皇陛下が戦争を終わらせた」「秋篠宮さま」等連発するので、余計なことと思いつつも講演後「実は私は改憲論者である。真の『共和制(国)憲法』を作りたいと考えており、そのためには現憲法の天皇条項第1条から第8条をばっさり削除したい。主権在民の観点から現憲法に置ける天皇制についてどのように考えるか」と質問した。ここでは川内氏の説明は省きます。また貴会が完全護憲の会ということなので、天皇制に関する私の個人的見解は留保させていただきます。
以上三点について貴会内部で検討或いは一考していただければ幸いです。
*T氏(神奈川県) 私が4月に初めて例会に出席いたしました時と今日とでは本会は若干方向がずれてきているようで気になっております。「無位無官の市民であり、学者でもない」ものにとって、あまりにも話の内容が細かすぎて、重箱の隅をお互いにつつきあっているようで息苦しく感じます。あくまでも素人の集まりなんですからもう少し素人らしい発想の意見交換にすべきではないかと思います。他にも、護憲派の皆さんの使う言葉の難解さも問題ありと思います。特にカタカナ語です。
たとえば、10/19に行われたどこかの大学教授の講演会ですが題が「野党はオルタナティブを提示できるか 路上から議会へ」というものです。私は憲法のことを学ぼうと思っている一人ですからこういう記事も目に入りますが普段からまるで他人事のようにしている人は、まず注目しません。万が一見ても「なんのこっちゃい」と無視して意識を次へ移してしまいます。
その一方で「日本を取り戻す!!」なんて書いてあれば「えっ、日本は誰かにとられてたの? そりゃあ取り返さなくちゃね」なていう風にしてそちらに注目することになるというわけです。「野党は代わりの案を示せるか」ではいけないんでしょうか。これならば続きを読んでくれるかもしれないじゃないですか。
パンフレットの解説や設立趣意書の文言も話題になっているようです。私はパンフレットも設立趣意書も一言一句直さないでほしいと思っています。特に趣意書は設立者が会を設立するにあたっての思い入れを書いたものですからこれをいじる意味が解りません。と同時にパンフレットの内容もそのままにして、書き加える必要がある場合のみ、追加すれば良いのではないかと思います。本文をいじるとどこかにつじつまが合わないところが出てくるものです。
今日、専門家あるいは当事者に来てもらってはどうかという提案がありましたが私は反対です。私は文字通り素人ですからそんなに掘り下げて憲法を勉強したくはありません。
世の中には色々な分野があります。私は私の専門分野に100%エネルギーをつぎ込みたいし、皆さんもそうすべきと思います。
素人中の素人ですが素人の中では私なんかまともな方です。この私よりも更に無関心な人が世の中の多数であることを意識してください。その「多数」は自分が戦争法に賛成している方に数えられていることも知らないでいるわけです。なんとかその人たちの目を開かせてあげられるような会にしてください。解りやすい言葉で。
*Sさん(都下) 先日の例会及び編集委員会に参加して感じ考えたことをお伝え致します。
まず私が確認したい2点とそれに関すると思われる会員の発言をいくつか挙げさせていただいた上で、私の感想を述べさせていただきたいと思います。
①野村さんが「急いでいる」と委員会の初めにおっしゃった意味  ――  工程表の目的
②新聞の写真のこと(T氏) ――  写真の宣伝効果
①について
・野村さん「完全護憲の会はシンクタンク、素材の提供をする所であり政治活動はしない」
「安保法を裁判で争うのは無理」「まったく正しい」
T氏「パンフレットも設立趣意書も一言一句直さないでほしい、いじるとどこかにつじつまが合わないところが出てくる、素人なので憲法を掘り下げて勉強したくはない、話の内容が細かすぎる、無関心な大多数の人にもわかりやすい言葉で」
i氏「月1回の例会では、補遺集に何を盛り込むのか、その内容をどうするかまで話し合う  には時間が足りない(メーリングリストの提案)」
川本さん「あの冊子を作る時の一つ一つのやりとりはすごく大変だった(考えの相違)」
Kさん「(野村さんの補遺について)喫緊の問題として安保法に関係する条文を取り上げるが内容は検討が必要」「自分が提出した発言もボツになる」
以上のご発言から改めて考えますと、個々の条文や問題について改めて統一見解を出すことはないのではないかと思いました。冊子(国の形)は専門家でなく市民の出したものという所に意義があるのであって、だからこそ考えの違いもぶつかり合うし憲法に対する意識も高められるわけですから、それこそがこの会の存在価値なのでしょう。つまり、最初に出された冊子は大体の賛成による見解?であって、その他の見解??…があってもよい、それをメーリングリストで挙げていく試みを行うということですね。I氏の11/1付けの疑問は納得出来る部分が多く勉強になりますし、とは言っても野村さんのご意見であれ、I氏のご意見であれ、私とは異なる所はありますので。(以前私も冊子についての意見ということで、わかりやすいのは条文順か項目ごとかということを軽々しく言ってしまいましたが、皆さんの話を聞くにつれて頭が整理された結果、話の内容が先にきて条文は後にくるというのは無理があると思いました。そうすると見解がまとまらない限り形にできなくなるか異論が散らかってわかりにくいものになるからです。)その上で安保問題などの優先事項についてはわかりやすくまとめていこうということで一致したと理解いたしました。
②について
後藤さん「こっち側の人達はそんなことばかり言ってるから嫌がられる、人が喜んでることは素直に喜べばいい」
野村さん「どんな写真を掲載するのも表現の自由の問題」
T氏の発言は、2014年末に衆院選に際し自民党がマスコミに対して異例の中立要請をしたことにも関わる大事な問題提起だと思います。自民党の宣伝は良く、他は中立を損ねるからダメだというのは全く論理が成り立たず、これは、憲法21条の検閲の問題に関わるのではないでしょうか。中立の名において政権に有利な情報に多く接することは国民が常に知る権利を奪われた状態にあると言えます。自民議員のマスコミを懲らしめる発言についても、”表現の自由をなくすべきだ”などという表現の自由は認められません。
以上、気になった点を述べさせていただきました。
あと一点気になることがあったので付け加えさせていただきます。
③コンピューターの使用について
S氏「メールを使わなければやれないと最初からわかっていれば入会しなかった」 ・福田さん「メールをやってない会員が半数くらいいる」というようなご発言があったように思いますが、これについては、コンピューター環境の有無だけでなく使用不使用も個人の自由ですし、コンピューター使用が前提のような会の運営になってしまうと、せっかく心あって集まられた方のお気持ちが離れるようで残念ですので、メーリングリストでのやりとりが会の中心になってしまう事にはならない方がいいと思いました。
*I氏(都内) 私は「完全護憲の会」について、ようやく少しわかりかけてきた程度の者ですので、わたしごときの発言で貴重な例会の時間をつぶしては申し訳ありませんので、あまり発言しませんでしたが、やはり月1回の例会では、補遺集に何を盛り込むのか、また、その内容をどうするかまで話し合うには、時間が足りないようにも思いました。そこで、時間の不足を補うため、また、東京の例会に出てこられない方のご意見を直接伺うための場として、メーリングリストを作成するというのはいかがでしょうか? メーリングリストを使えば、会員同士の意見交換がスムーズに行うことができるのではないかと思います。
例えば、野村さんの補遺集案もメーリングリストに投稿して頂ければ、それに対して、他の会員の方が意見を述べたり、これは重要な問題なので、次回の補遺集で是非取り上げようとか、これはもう少し後でもいいのではないかといった意見を出すこともできますし、もちろん他の方も自由にご自身の補遺案を出すことができると思います。
また、外部の方からの意見に対して、編集委員の間で見解が分かれるような場合(例えば四国のSさんのご質問など)も、メーリングリストで広く一般の会員から意見を募ることもできるのではないでしょうか。
*大西編集委員  この度、会員のIさんの提案より、メーリングリストを開設しました。メーリングリストは、他のジャンルで以前より利用させて戴いていますので、私が担当することになりました。
メーリングリストは、会員相互の意見交換を主目的にしていますので、参加は完全護憲の会会員に限定されます。こちらから参加をお願いする場合は、参加の確認をお願い致します。登録された方以外からの参加要請や投稿は管理者の承認が必要です。
第一弾として、編集委員とI氏に参加をお願いしています。
また、サブの管理者としてI氏と編集長の草野さんにお願いしたいと思っています。
*I氏(都内)
完全護憲の会ホームページ「憲法関連資料2」に以下の資料またはリンクを追加致しました。安保関連法など追加すべきものはまだまだあるかと思いますが、徐々に増やしていければよいかと思っております。
1.サンフランシスコ講和条約(日本国との平和条約)2.日韓基本条約 3.日中共同声明 4.日中平和友好条約 5.日華平和条約 6.日ソ共同宣言 7.大西洋憲章 8.カイロ宣言 9.ヤルタ協定 10.降伏文書 11.旧・日米安全保障条約 12.日米安全保障条約 13.人種差別撤廃条約 14.女性差別撤廃条約 15.子どもの権利条約 16.難民条約 17.難民議定書 18.障害者権利条約 19.日本国憲法の誕生(国立国会図書館)20.ミネソタ大学人権図書館 21.裁判所

2) ニュース
文芸評論家、加藤典洋氏がさる10月、新著『戦後入門』で新9条案を提起している。その内容は、陸海空の戦力の一部を国土防衛隊、残りを国連の待機軍とし、交戦権を国連に委譲する、というもの。氏の立場は9条の改正であり、われわれと全く異なるが、発想は似ている。
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