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目次 ① 第27回例会の報告 1p
② 次の例会・勉強会のご案内 1p
別紙 1 政治現況報告 3p
別紙 2 事務局報告(緊急警告 011号を含む) 4p
第27回 例会の報告
さる3月27日(日)、港区・神明いきいきプラザ集会室で第27回例会を開催、参加者11名。入会者 計51名。
司会を草野編集委員長が担当し、まず、政治現況報告を岡部共同代表が行い、ついで事務局報告(別紙2)を福田共同代表が行った。
以上2つの報告に対する質疑と討論では、緊急警告009号(憲法擁護義務違反の安倍内閣は総辞職に値する)では、予算委員会での首相発言は、あくまで公務員としての発言であり、これを自民党総裁発言と見なせないことを付言せよ、010号(党利党略の衆院解散は憲法違反!)では、衆参両院の特殊性を混同してはならないことを加筆する必要がある、011号(安倍政権の原発再稼働推進は憲法違反!)では、被害地域に琵琶湖を加えるように、との要望があった。
今後の課題として国民投票法の違憲性が提起された。
事務局報告にある4月例会からの勉強会では、まず自民党改憲案の人権条項批判から初め、ついで安保法制の法制批判の準備に入ることとした。
「緊急警告」という名称の適否に関連して「日本会議」が推進する「家族保護条項」批判やその草の根改憲運動を検討する必要が提起された。
次の例会・勉強会のご案内
日時 4月24日(日) 13:30~16:30
場所 港区・神明いきいきプラザ・「憲法研究会」
〒105-0013 港区浜松町1-6-7 電話03-3436-2500
JR 山手線・京浜東北線、浜松町駅北口から徒歩4分
都営地下鉄、大門駅A2 出口から徒歩4分、B1出口から徒歩3分
報告 1)政治の現況について 岡部太郎(元『東京新聞』政治部長)
2)緊急警告:発信予定の012号以降について 事務局
勉強会 テーマ(検討中) 加東遊民氏
会場費ほか 300円
<別紙 1>
政治現況報告 2016年3月27日
岡部太郎共同代表(「東京新聞」元政治部長)
今通常国会の最初の与野党対決である平成28年度予算案は29日の参院本会議で可決、成立することが与野党で合意され、4月からの後半国会ではTPP法案の審議が本格化。さらに大島衆院議長の手元で調整中の衆院定数区割改正はアダムス方式による定数10の削減で話し合いが進む。マイナス金利で全く不透明になった経済やアベノミクスの先行きで、安倍首相が招いた2人の経済学者が、来年4月の消費税3%の値上げが、日本や世界経済の足を引っ張るなどと慎重論を唱えたため、再々延期の可能性が出て来ている。また29日には問題の安保法制が実施段階に入る。それ以上に七月早々の参議院選挙が目前に迫って来たため、与野党とも選挙対策に全力を集中ことになろう。
安倍首相が自公協力プラスαで改憲に必要な2/3参院議席獲得に集中しているのに対し、野党は選挙協力で2/3議席阻止を狙っている。この間、野党第一党民主党と第二党維新の会の合併問題が急速に進み新党名も民進党と決まり、27日に東京で結党大会が開かれる。民主・維新の合流で民進党は衆院96、参院60、計156人となり一強多弱は少し解消される。
新党名は民主党が立憲民主党、維新の党が民進党を希望、党員や一般市民の提案や調査で民進党に決まった。昔、改進党というのがあったが、少数のまま自民党に吸収された。改革進歩も民主進歩も、進歩という言葉に少しあいまいさと漸進さがあり、革新より弱い感じがする。委員長は岡田克也氏、幹事長は枝野幸男氏、国対委員長は安住淳氏といずれも民主党の現幹事が留任する。ただ政調会長は細野豪志氏と現幹部とのソリが合わず、2回生の山尾志桜里氏(41)を大抜てきする。
山尾氏は例の「保育園落ちた、日本死ね」を取り上げて安倍首相を追い詰めるなど、検事出身の異才。政府追及の突破口を狙う。ただ維新の党側は、強く要請されている江田憲司前代表、松野頼久現代表とも執行部入りを固辞していたが、結局、江田氏が代表代行に入った。
綱領では「自由・共生・未来への責任」を盛り込むが、安倍政権では教育・子育て・雇用で格差が拡大したとして「格差是正」を前面に掲げた。野党は共産や社民も含め、参院選での選挙協力を話し合い、共産が候補を取り下げ、一本化したのが、宮城、山梨、長野など9選挙区、さらに秋田、岐阜、岡山など11区でも調整しており、成果が注目される。これが機能すれば一人区を中心に面白い勝負になる。4月中に北海道と京都、熊本で衆院の補欠選挙があり前哨戦となる。
<別紙 2>
第27回例会 事務局報告 2016年3月27日
福田玲三(事務局)
1) 緊急警告009号~011号
緊急警告009号~010号はニュース27号に掲載。ここには011号のみ紹介する。これらの発信文書は例会の討議を経て正式文書とし、一定の号数に達すればリーフレットに集成して発行し、さらに何号かのリーフレットを集成しパンフレットとして発行する予定。なお001号から010号までを集成したリーフレットの見本を検討されたい。
緊急警告011号 安倍政権の原発再稼動推進は憲法違反!
3月9日、大津地裁は高浜原発3、4号機の運転差し止め仮処分決定を出した。大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じた福井地裁判決(2014.5.21)、福井地裁の高浜原発3、4号機運転差し止め仮処分決定(2015.4.14)に続くもので、しかも稼働中の原発を停止させるという初めての画期的な判決である。ようやく、原発はやめて欲しい、という国民多数の声が司法に届き始めたと言えよう。
だが、この大津地裁決定が出た翌日、安倍首相は記者会見において「再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針であり、この方針には変わりはありません。」と発言し、司法の判断を一顧だにしない姿勢をあらわにしたのである。
福島第一原発事故による放射能汚染によってふるさとを奪われ、5年経ったいまも10万人もの人々が避難を強いられている現実を前にしてなお、原発を推進するというのである。
安倍首相の言う「美しい国」とはどういう国なのか。現に国土の一部が汚染され、人間が住めない状況をつくり出しているにもかかわらず、万が一にも次の原発事故を発生させたら、日本列島は汚染列島と化すのである。地震の活動期に入って巨大地震に襲われる可能性が高いことも科学的に予測されているのにである。仮に高浜原発が福島原発のような事故を起こしたなら、日本文化の象徴のような京都・奈良や大都市の大阪をも含め、近畿、北陸、東海地方の広範囲に被害が広がる恐れがあるのである。想像するだけでも恐ろしいことである。
福島第一原発事故による被害の大きさを実感した国民の意識は大きく変化した。約6割の国民が脱原発を願うようになったのである。だが、安倍自民党政権はこの国民の意思とは逆の原発回帰・再稼働路線を突き進んだ。
定期点検も含め全原発が停止していたにもかかわらず、「原子力規制委員会」の新規制基準を「世界で最も厳しいレベル」とし、これに合格したものは再稼働するとして、川内原発1、2号機、高浜原発3、4号機を再稼働させ、さらに次々と残りの原発を再稼働させるつもりなのだ。しかも大津地裁決定が指摘する如く、福島原発の事故原因究明は「道半ば」であり、使用済み核燃料の最終処分場も定まらない状況での再稼働なのである。
さらに懸念されるのが安倍首相が熱心に取り組んでいる原発の輸出である。日本国内においてさえ福島原発事故の全容が把握できず、事故はいまもって進行中なのであり、なおかつ、使用済み核燃料の最終処分方法も確立できていないものを他国に売りつけるなど、正気の沙汰とは思えない。輸出先の国で事故が発生したら、その責任は誰がとるのであろうか。福島第一原発事故の責任も取らない日本政府が、大事故の可能性のある原発を他国に売り歩くなど、無責任と反道徳性の極みである。
何故に原発再稼働や原発輸出などという理性的に考えたらあり得ない選択をするのであろうか。すべては原発利権のため、「原子力ムラ」の既得利権のためである。安倍政権がこれら既得利権勢力に支えられているからだとしか言いようがない。さらに、2012年6月に改定された原子力基本法に「我が国の安全保障に資することを目的として」との文言が挿入されたことにも表れているように、すでに破綻が明白な核燃料サイクル計画に日本政府が固執しているのは、潜在的核保有能力を手放したくないからである。
こうした原発利権や潜在的核保有能力を保持しようとする安倍政権のありように鉄槌を加えたものこそ、大飯原発運転差し止め福井地裁判決、福井地裁の高浜原発運転差し止め仮処分決定、そして今回の大津地裁高浜原発運転差し止め仮処分決定なのである。
この一連の判決の基礎となったのは、大飯原発3、4号機運転差し止め福井地裁判決(樋口英明裁判長)である。
福井地裁判決は、「個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益は、その総体が人格権と言える」とし、「多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等を並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的に許されないと考える」と断じ、「このコスト問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止で多額の貿易赤字が出るとしても、国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻せなくなることが国富の喪失だと当裁判所は考える」と、まさに目の覚めるような核心を突く見解を提示したのである。事実上の違憲判決である。
今回の大津地裁判決で山本裁判長は、原発事故による「環境破壊の及ぶ範囲はわが国を越えてしまう可能性さえある」と指摘し、新規制基準も「直ちに公共の安心、安全の基礎となると考えることをためらわざるを得ない」と指弾する。そして、福島事故の際、「事故発生時に影響の及ぶ範囲の圧倒的な広さとその避難に大きな混乱が生じたこと」に鑑み、「国家主導での具体的な可視的な避難計画が早急に策定されることが必要であり、この避難計画をも視野に入れた幅広い規制基準(……)を策定すべき義務が国家には発生している」と指摘した。そのうえで、本件各原発について、過酷事故対策についての設計思想や緊急時の対応に関する問題点、基準地震動策定に関する問題点、津波対策や避難計画に関する疑問等を挙げた上で、「住民らの人格権が侵害される恐れが高い」と判断し、原発の停止を命じたのである。
目先の既得利権のために、次の世代の子どもたちの生活やこの緑あふれる豊かな国土がどうなろうと知ったことではない、とするかのような原発再稼働は、憲法第13条の人格権や第25条の生存権を侵害しており、憲法違反と言わねばならない。
2)今後の勉強会企画について
懸案の勉強会について、自民党改憲草案と日本国憲法の人権規定比較を加東氏を講師として4月例会から開始の予定。
3)野村共同代表の辞意
なお辞意の撤回を求めて慰留を続行中。
4)その他
① 「戦争法の廃止を求める統一署名」は現在16枚(80筆)を回収。近く主催団体に持参の予定。
② 高市総務相の地元、奈良1区の会員から、選挙法違反の疑惑について連絡があった。
③ 柘植氏より、安保法制についての膨大な国会審議の論点を整理した「国会ウオッチ」
http://anporonten.jp/index.htmlの提供があった。
④ 集会案内
労働運動研究所 研究会「安倍政権が狙う緊急事態条項の制定」
講 師:野村光司
4月16日(土)午後2~4時 於・大阪経法大学6階B会議室
講演会「『集団的自衛権』行使容認閣議決定と中東」
講 師:栗田禎子(千葉大学教授)
4月22日(金)午後1時半~4時半 於・神明いきいきプラザ(港区)
参加費500円 連絡先 044-55-3280 長坂
交流会 水野スウさんとの
4月22日(金)午後1時半~5時
於・調布市布田 1―10-5 稲毛屋1階 クッキングハウス 電話0424-88-6369
参加費 1500円(お茶とケーキ付き)
4月23日(土)午前10時~12時 「憲法初心者向け講座」
於・さいたま市浦和区本太 1-24-16 認定こども園母の会 電話0488-83-3021
参加費 500円 定員50名
同日 午後2時~4時 以後交流会 「深堀り講座」
講師:竪十萌子弁護士/水野スウさん/小林玲子弁護士
於・さいたま市民会館うらわ「コンサート室」
参加費・1000円 定員130名