完全護憲の会ニュースNo.48 2017年12月10日

     *例会参加の方は本ニュ―スをご持参ください (予約不要 会議室代300円)

        完全護憲の会
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   目次  第47回 例会・勉強会の報告          P.1
       第44回 運営・編集委員会の報告(略)     P.1
       別紙 1 政治現況報告            P.2
       別紙 2 事務局報告             P.3
       別紙 3 緊急警告026号            P.5
            内閣の改憲提案は越権、不法、憲法違反!
       別紙 4 緊急警告027号            P.6
            軍事的選択肢を含むトランプ大統領方針の
            100%支持は許されない。

       第47回 例会・勉強会の報告

*11月26(日)、港区・三田いきいきプラザ集会室で開催、参加者6名、会員56名

 司会を草野運営・編集委員長が担当し、まず「政治現況報告」(別紙1)が代読されたのち、「事務局報告」が行われ、これらの報告をめぐり次のような意見が交わされた。
 「大阪市がサンフランシスコと、慰安婦像の設置を理由に姉妹都市を解消したとの報道に驚いている。サ市はすごく民主的な都市で、小学校では、どこから来た子どもであろうと全く差別がない。そのような思想的な理解なしに大阪市は姉妹関係を結んでいたのだろう」「憲法は制定後時間が経っているから改憲してもいいと単純に言う知人がいたので、あきれた」「新パンフレットの内容で意見の異なる箇所には、その旨の脚注を入れたらどうか」「できるだけ意見の一致を図りたい」「全部の箇所で意見が一致することはあり得ない」「基本的には同意している。個々の記述で意見が違うだけだ」「意見の対立は内輪モメではない。討論の過程だ」「戦前の男尊女卑は戦後まで余韻が残り、女子は教育しなくても良い、腰が重くなるからと言われていた」「戦前は、天皇家をモデルにして、父権を中心にした一家というイメージが作られていた」……
 ついで緊急警告026号、027号が検討され、027号について一部表現の不備が指摘され、修正された。
 その後勉強会に移り、新パンフレット第3集討議のための編集会議(11月12日)以降の要望・意見・提案をまとめた分厚い「検討資料」を参考に、新パンフレット草案の検討に入った。すでに事務局報告で紹介されている「教育勅語」の徳目評価や愛国心の評価とともに、新教育基本法成立過程における「復古的な志向」と「新しい時代への対応」の本質的な意味などについて討議したのち、執筆者の意向を尊重して、大筋合意に達し、標題も『平和に向けて活用したい道徳/教育勅語の重圧と死線をさまよった臣民たち/歴史から見る道徳の教科化』に決めて閉会した。

     当面の日程について
 1)新パンフレット編集会議 12月3日(日)13:00~ 三田いきいきプラザ
 2)新パンフレット編集会議 12月8日(金)13:00~ 三田いきいきプラザ
 3)新パンフレット編集会議(予備日)12月11日(月)13:00~
 4)第48回例会・勉強会  12月24日(日)13:30~ 三田いきいきプラザ
   勉強会のテーマ:朝鮮半島をめぐる情勢 講師:大畑竜次氏(アジア問題研究者)
 5)第45回運営・編集委員会12月27日(水)14:00~ 三田いきいきプラザ
 6)第46回臨時運営・編集委員会1月中旬( )14:00~ 
 7)第4回総会兼第49回例会・勉強会 1月28日(日)13:30~ 神明いきいきプラザ
 8)第48回運営・編集委員会1月31日(水)14:00~ 三田いきいきプラザ

<別紙 1>
         政治現況報告

                岡部太郎(東京新聞元政治部長) 2017年11月26日 

 衆院選で自民大勝、野党の民進、希望の分裂を起こすなど予想外の結果を残した解散騒ぎは、11月1日に特別国会を召集。安倍晋三首相が衆参両院での首相指名選挙で第98代の首相に指名されて幕を閉じた。安倍は同日中に八月の内閣改造で就任した閣僚全員を再任。自公連立の第4次安倍内閣を発足させた。会期は12月8日(金)までだが、11月5日にはトランプ米大統領が初来日。引き続きベトナムでASEAN首脳会議があったため、実際の審議は17日の首相所信表明演説からになった。
 一方、野党は希望の党の惨敗、民進党の希望の党への合流失敗による分裂で、自民との対決どころではなくなった。まず希望の党は、日本を逃げてパリで開票を迎えた小池都知事が14日に責任をとって希望の党代表を辞任。後任の代表選出選挙で、小池氏に近く、右寄りの玉木雄一郎氏を選出。同じ民進党左派の大串博志氏を抑え、古川元久元国家戦略相を幹事長に、長島昭久元防衛副大臣を政調会長、細野豪志元環境相の憲法調査会長と、新執行部を決めた。しかし党内の対立を抱え、小池ブームの消滅で、同党の将来は暗い。現にこの後の都議補欠選挙でも、5人が立候補して1人しか当選しなかった。逆に希望の党に入党を拒否された枝野幸男代表の立憲民主党は衆院選で55人当選し思わぬ野党第一党に。民進党に残ったままの参院民進党は大塚耕平広報局長を代表に選出。38人の参院議員を中心に、旧民進党議員の団結を目指す。さらに岡田、野田など民進元委員長など11人の幹部は無所属のまま活動することになり、旧民進党は4分裂した。
 また松井大阪府知事を中心とする維新の会も衆院選で惨敗し、完全に影響力を失った。このような中で、自民党と連立を組む公明党は山口代表、北側党憲法調査会長らが、①憲法の国会発議は3分の2以上の国民の支持が望ましい②特に野党第一党の立憲との合意が必要③安倍が“結党以来の党是”としてアプローチすると失敗する④党としての改憲案を提示する予定はない――と慎重姿勢を見せた。戦争反対・平和維持を基本とする同党の姿勢が強くなると、自公連立にも響くことになる。
 こんな中で安倍首相は所信表明で対北朝鮮の核挑発について「強固な日米同盟の下、具体的共同作戦を取る」と圧力をかけ、少子高齢化を国難ととらえ、教育の無償化に力を入れるとしたが、演説時間は平成に入ってから2番目に短く、具体的提案もないため、やる気がないと不評だった。
 野党の代表質問では、立憲が憲法改正・安保法反対と反安倍を強調したのに対し、希望の党の玉木代表は9条への自衛隊加憲には反対したものの、自民に是々非々で対応すると接近も見せ、立場の違いを明らかにした。
 また自民は与野党の国会での質問時間に対し、与党議員が多いのだから、現行の与党2対野党8の比率を5対5にすべきと主張している。しかし野党の持ち時間が多いのは、立法府の国会で、現在ではほとんどの法案が政府提出となり、与党議員は自民党内での法案作成に関与できる。これに対し、野党にはその機会がないため、自民の野党時代に8対2の比率が決まったもの。とんでもない云いがかりだ。
 ただ今国会の本格論戦は27、28日の衆参予算委員会、29、30日の森友・加計問題の集中審議に持ち越されており、審議は注目される。加計問題では文科省の大学設置・学校法人審議会が、林文科相に新設“可“の答申をした(10日)。また森友では会計検査院が国有地の売却で、8億2千万円の値引き理由となった地中のゴミの量について「十分な根拠が確認できないずさん算定」に疑問を投げかけている。
 11月の共同通信世論調査によると、安倍内閣の支持率こそ9月に比べて49・5%と5ポイント上回ったものの、憲法9条に自衛隊を明記することへの反対は52・6%(賛成38・3%)、来年秋の安倍総裁三選については「続けてほしくない」51・2%「続けてほしい」41・0%だった。
 また国外では、トランプ米大統領が初めて日本・韓国・中国・ベトナム(ASEAN首脳会議)などアジアを訪問。日本では最初に2泊3日滞在した。ただ初日はゴルフ、2日目の首脳会議は1時間足らずと儀礼的で、北朝鮮への圧力を確認しただけ。トランプのミサイル防衛システムやイージス艦、戦闘機など武器の売り込みとゴルフ場に持ち込んだアメリカン・ビーフの昼食は商人ぶりが目立った。昔、池田首相が米国に「トランジスタの商人」と言われた立場が逆転したようだ。しかも武器輸入の詳細は不明だ。
 韓国のムン・テジュン大統領とは、北への統一歩調を確認したものの、ムン大統領は“同一民族”の北との調和にも言及。すれ違いも残った。それに比べ、外交上手が浮き彫りになったのが中国で、トランプのため、清王朝の宮殿“故宮”を貸し切りにして歓迎した上、両国で総額2500億ドル(28兆円)の商談を成立させ、トランプを骨抜きにした。結局トランプがやったのは、北朝鮮のテロ国家再指定だけだった。

<別紙 2>
       第47回例会 事務局報告

                福田玲三(事務局)2017.11.26

1)「もう待てない!外国籍 元BC級戦犯者問題 年内に立法解決を求める緊急集会」
 上記の集会が、さる11月15日、衆院第2議員会館第1会議室で開かれた。
 戦犯とされた朝鮮人は148名(うち死刑23名)、台湾人は173名(うち死刑21名)。その多くは捕虜監視員で、戦争を計画・遂行したA級戦犯の刑死者7名に比べ、いかに重い刑が末端の朝鮮・台湾出身者に課せられたかがわかる。
 朝鮮や台湾は当時は日本統治下にあったため、罪は日本人として負わされたが、サンフランシスコ講和条約発効にあたり、不法に日本国籍を奪われた(『日本国憲法が求める国の形』P.20)のちも拘禁され、釈放後も「日本人ではない」と補償を拒絶された。
 1999年2月、最高裁は謝罪と補償の請求を棄却したが、立法府に問題の解決を委ねた。それから18年、その間に、「特定連合国裁判被拘禁者等に対する特別交付金支給法案」が国会に提出されたが未解決で、いま提出の準備が進められている同法案骨子は次の通り。
 ① 特定連合国裁判被拘禁者(朝鮮・台湾出身の元戦犯者)が置かれている特別の事情にかんがみ、人道的精神に基づき、本人と遺族に特別給付金を支給する。
 ② 特別給付金の額は、特定連合国裁判被拘禁者1人につき260万円。
  *対象総数 朝鮮人元戦犯者148名、台湾人元戦犯者173名 必要額は2億5千万円。

2)新パンフレット草案をめぐる討議
 新パンフレット討議のための編集会議が11月12日(日)13:30~17:00、神明いきいきプラザの会議室で行われた。参加者7名。
 当日に先立って次の意見(要旨)が寄せられた。(ページ数は、先に限定配布された初期の仮綴じ本による)
 ① 教育基本法の「全部改正」という表現の引用元は?P.6、P.11
 ②「教育勅語の排除が教育の荒廃を生む一因になったという認識」の出所は?P.19
 ③「この考え方は愛国心について小泉首相が答弁した……」は削るべきでは?P.34
 ④「あまりの体験の重視は、自ら体験しなかったことはなかったことだとする考えと表裏一体であり」について、現場の教師はこのような極論は言わないと思う。P.37
 ⑤「さてこれら義勇兵のみならず…戻ったのである」の表現はまずい。P.62
 ⑥ 少年の写真と作文はどこから?P.77
 ⑦「太平洋戦争以降実は景気が良かった」は、とんでも論では?P.82
 ⑧「今年度については…学校はなかった」と言い切れないのでは?P.85
 ⑨「これまで見てきた内容」とは?P.87
 ⑩「1987年8月15日京都新聞」の引用元は?P.89【ページ順に入れ替えました】
 ⑪「徴兵制についてのある調査によると」の引用元は?P.89
 ⑫「いつかまた生まれてくる子供たち」とは?
 ⑬「確かに親孝行など一つ一つの徳目は」から「じゃがいもは良いものとして食べられなくなってしまう」まで、教育勅語の徳目に対する評価に疑問。P.51

 また岡部共同代表からは、入院先から、「さっそく『戦争とメディア』の章を読んでみた。良く書かれている」「靖国神社と国家神道への言及が簡単でも欲しい」「目次を見ただけで、良いと思った」との電話があった。

 以上の意見を巡る討議は時間切れとなり、⑬と③について保留、継続審議とされた。会議ではまた、パンフレットの標題として『「教育勅語」の重圧――死線をさまよった臣民たち』の提案があり、執筆者の山岡氏は賛成したが、冗長との批判もあり保留になった。

 討議はメールによって続行され、次の要望・意見(要旨)が寄せられた。
 ① 道徳の教科化によって行われる成績評価(採点)について言及されたい。 
 ②「教育の荒廃や学力の低下への関心の高まりも大きな影響を与えた」は、この主張(教育の荒廃)を肯定しているのか?P.6
 ③「2006年に制定された新たな教育基本法は、成立の過程から復古的な志向と新しい時代への対応という異なる方向性を持った働きかけが作用し……誕生した」。この分析に異論がある。復古的志向とグローバリズムはきわめて親和性が強いと思う。P.6、7、P.12
 ④「神話は神話として楽しむもので」の表現に疑問。P.52
 ⑤ 関東大震災で「朝鮮人や日本人が数多く殺される事態も発生した」で、人数も内容も並列的に扱ってよいか?P.64
 ⑥「母国語の理解にも匹敵するような思考回路の鋳型化」は難解。P.82
 ⑦「教育勅語を敢えて閣議決定まで行って肯定したことの意義を考えなくてはならない、の「意義」は「意味」としたらどうか。P.87
 ⑧ 保留となった教育勅語の徳目評価について、これらの徳目は置かれた条件によって評価が分かれるので、徳目それ自体に普遍的価値がないと決めつけるのは誤りだが、教育勅語にもいいところがある、という宣伝に吸引されない努力が求められる。
 ⑨ いま一つ保留になった「この考え方は愛国心について小泉首相が……答弁した内容に通じ……」では、「愛国心」教育において、小泉首相が定義した「国」とはをきちんと守らせることが大切になると思う。P.34

この2つの保留個所については、ほかからも意見が寄せられ、これらに対して草案執筆者から返信が送られており、来る11月26日の例会・勉強会では十分時間をとって審議する。

3)上記編集会議で緊急警告026号と027号案について検討し、別紙3と4の通りとした。

4)集会の案内
① 第10回平和学習会
 「ナチスの手口」を学ぶ ~「世界最先端の憲法」が崩壊した歴史を繰り返すのか?~
  報告:王道貫氏
  2018年1月13日(土)13:30~16:30 資料代:200円
  東京ボランティア・市民活動センター(JR飯田橋駅隣・セントラルプラザ)
  B会議室(40人収容)
② 第25回「7・1閣議決定」違憲訴訟勉強・相談会――上告理由書の解説――
  12月15日(金) 13:30~16:30
  神明いきいきプラザD室(JR浜松町駅徒歩5分) 参加費:200円 
③ 「封印された広島・長崎(米国の元資料から)」 講師:高橋博子氏
  12月16日(土) 14:00~17:00
  キリスト友会会堂(港区三田4-8-19) 資料代 1000円
  米国の原爆投下の責任を問う会 第4回拡大世話人会
④ 安倍9条改憲を許さない!安倍内閣の退陣を要求する12・19国会議員会館前行動
  12月19日(火)18:30~ 衆議院第2議員会館前
  主催:安倍9条改憲NO!全国市民アクション実行委員会、
     戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会。
  http://sogakari.com/?p=3201
⑤ 『週刊金曜日』東京南部読者会
  12月22日(金)18:30~20:00 大田区生活センター 会議室(JR蒲田駅徒歩5分)
  会のあと忘年交流会 3000円台
⑥ 戦争とめよう!安倍9条改憲NO!2018 新春のつどい
  2018年1月7日(日)14:00~16:30 
  北とぴあ・さくらホール:JR王寺駅徒歩2分/座席数1300 先着順、入場無料、カンパあり
  お話・松尾貴史(俳優)、憲法講演・石川健治(東京大学教授・憲法学)、
  各立憲野党の挨拶、3000万署名運動リレートークなど
  主催:上記④に同じ http://kaikenno.com/?p=338

<別紙 3>
 緊急警告026号 内閣の改憲提起は越権、不法、憲法違反!

 11月1日、国会は安倍晋三自民党総裁を首相に選出、その夜の記者会見で首相は憲法改正について、「(衆参両院の)憲法調査会に各党が改正案を持ち寄って、建設的な議論をしていくことが大切だ……与野党に関わらず幅広い合意を形成するよう努力を重ね、国民的な理解を得られるようにしていきたい」と改憲議論の加速に意欲を示した。
 これに対して、公明党の山口那津男代表は両院議員総会で、衆院選について「議席数に応じた勝利感や高揚感は伴っていない」と発言。「数におごることがあってはならない。謙虚に真摯に、政権運営に取り組む」とした上で、改憲について「内閣で取り組む政策課題ではない。内閣は憲法尊重擁護義務を負っている」と述べた。
 山口代表の指摘は正しい。憲法第5章「内閣」の第66条「内閣の組織」第1項は「内閣は、法律の定めるところにより……」から始まり、第73条「内閣の職務」の第1項も「法律を誠実に執行し……」で始まり、最高法規である憲法の遵守を内閣に命じている。さらに第99条「憲法の尊重擁護の義務」ではとくに「国務大臣」がその義務を負うと記述されている。
 安倍内閣はまた、第53条「臨時会」の「いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」との明文の規定を無視したまま衆院解散に踏み切るなど、かずかずの越権の果てに、与党からも違憲を主張される蛮行に走っている。
 内閣による改憲の提起は越権、不法、憲法違反である。

<別紙 4> 
  緊急警告027号 軍事的選択肢を含むトランプ大統領方針の
              100%支持は許されない

 さる11月6日、東京で行われた日米首脳会談後の共同記者会見で、安倍晋三首相は「日米が主導し、あらゆる手段を通じて北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていくことで完全一致した」と述べた。
 両者の「完全一致」は日米の外務・防衛当局の筋書き通りだったと言われている。
 米国の軍事行動を含む「すべての選択肢がテーブルの上にある」という方針について首相は「改めて日米が百%ともにあることを力強く確認した」と表明。トランプ米大統領は「『戦略的忍耐』の時代はもう終わった」と言い切った。
 だが、この安倍首相の表明はまさに憲法の明文に違反している。憲法前文は言う。
 「日本国民は……政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、……全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」と、そこには書かれている。
 これに併せて、2002年9月に、小泉純一郎総理と金正日委員長の間でまとめられた「日朝平壌宣言」は、第1項で「双方は、相互の信頼関係に基づき、国交正常化の実現に至る過程においても、日朝間に存在する諸問題に誠意をもって取り組む強い決意を表明した」とし、第2項では「日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した」としている。
 安倍首相はトランプ大統領とともに、北朝鮮による拉致被害者の家族と都内の迎賓館で面会したが、戦前、どれほどの朝鮮人が日本に強制連行されたか。当局は故意にその実態をかくしているようだが、「GHQにより送還事業が(敗戦直後から)開始され、翌1946年(3月)までに徴用者を中心に140万名が朝鮮半島に帰還」との記録が残されており、この数字がほぼ実態を示しているようだ。日本が朝鮮を植民地支配していた当時、「徴用」がほぼ「強制連行」を意味していたことは想像に難くない。
 憲法尊重義務のある日本政府の見習うべき手本が、隣国で示されている。11月7日夕に開かれた米韓首脳共同会見で文韓国大統領は「我々は、北朝鮮の核問題を平和的に解決するよう協力することで一致した」と強調した。また文大統領は11月1日の韓国国会演説で「いかなる場合にも朝鮮半島で武力衝突があってはならない。韓国の事前同意のない軍事的行動はあり得ない」と言明し、平和を守ることは「憲法が大統領に付与した責務だ」と述べた。さらに韓国は本年9月、国際機関を通じて北朝鮮へ計800万ドル(9億円)の人道支援を行うことも決めている。
 これこそ日本政府が、「歴史の事実を謙虚に受け止め」、「平壌宣言」にのっとって取るべき措置ではないか。
軍事的選択肢を排除しないトランプ大統領の立場を、日本政府が100パーセント支持することは絶対に許されない。

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