完全護憲の会ニュース71号    2019年11月10日

完全護憲の会ニュース71号          2019年11月10日

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目 次

第70回例会・勉強会の報告
別紙1 政治の現況について
別紙2 事務局報告com/
別紙3 「冊子シリーズ№.9(案)」の骨子
第70回運営・編集委員会の報告(略)

第70回 例会・勉強会の報告

10月27日、港区豊岡いきいきプラザにて例会を開催した(参加者8名;会員75名)

例会では鹿島委員が座長となり、政治の現況(別紙1)を草野委員長が報告、つづいて事務局報告(別紙2)を、福田共同代表が入院闘病中のため大西委員が代読し、このあと政治現況報告と事務局報告を一括して討議した。

討議では、「消費税の10%引き上げ」と「あいちトリエンナーレ2019」に意見が集中し、「アベノミクス7年間の分析が必要だ」「消費税の引き上げが社会保障費に使われず法人減税に当てられ格差が拡大した」「消費税引き上げの問題点を指摘しないマスコミの責任は大きい」「表現の不自由展を巡る議論では一部が切り取られヘイトの材料として使われている」「何がヘイトか厳密な検討が必要だ」等々の意見が出された。

ついで勉強会に移り、山岡聴子氏から「冊子シリーズNo.9」の骨子(別紙3)をめぐり各章にわたって解説があり、それを受け「冊子No.9には山岡さんの独自の視点を期待する」「加害者側と被害者側の感覚の落差の分析」「日本人の集団心理の特徴」「内容は分かりやすく、深く、おもしろく」「天皇の戦争責任および天皇制の是非」「民族自決の解釈」「日本の指導層は一度決めると後戻りできず、発想の転換ができない。原発、辺野古、今も同じなのは国民性なのか?」等々の意見が交わされた。

なお、次回の勉強会(11月24日13:30~16:30;三田いきいきプラザ)では、今回にひき続き山岡聴子氏から「冊子シリーズNo.9(案)」の報告を受け、全体で討議する予定である。

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<別紙1> 政治の現況について

(1)主なニュース一覧(2019/9/19-10/20)

①東京地裁、福島原発事故で東電旧経営陣3人に無罪判決(2019/9/19)
②日米首脳、貿易協定で最終合意・署名(2019/9/26)
③文化庁、「あいちトリエンナーレ2019」への補助金不交付決定(2019/9/26)
④関西電力会長、社長ら役員20人、原発立地自治体助役から3億2千万受領(2019/9/27)
⑤消費税8%から10%に引き上げ(2019/10/1)
⑥第200回臨時国会が開会。安倍首相、憲法改正の議論呼びかけ(2019/10/4)
⑦「あいちトリエンナーレ2019」、中止していた「表現の不自由展・その後」を再開(2018/10/8)
⑧台風19号、東日本一帯に甚大な被害(2019/10/12-13)
⑨政府、自衛隊をホルムズ海峡周辺に派遣検討。安倍首相国家安全保障会議(NSC)で指示(2019/10/18)

(2)新聞社説、ニュース記事(議論の活発化のため、あえて意見の異なる主張も掲載)

①産経新聞 (2019.9.27)
【主張】愛知の企画展 反省なき再開は通らない
日本国の象徴である天皇や日本人へのヘイト(憎悪)を表したとしかいえない展示だ。それへの反省を伴う全面的な見直しなくして企画展の再開などとんでもない。
昭和天皇の肖像をバーナーで燃やす映像や、慰安婦を象徴する少女像などを展示し、中止となった国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」のことである。
文化庁は26日、芸術祭への補助金約7800万円を交付しないと発表した。県が設置した検証委員会が「条件が整い次第、速やかに再開すべきだ」などとする中間報告を出したのを受けた措置だ。
条件とは、脅迫や攻撃を回避すること、展示方法や解説を改善すること、などである。脅迫を回避できたとしても、ヘイトであることは変わらない。
そのような展示会を公的な場で行うこと自体がおかしい。実行委員会会長を務める愛知県の大村秀章知事は再開の意向を示したが、そこに公金を支出するなど認められるものではない。文化庁の判断は当然である。
企画展には、昭和天皇の肖像を燃やす映像も展示されていた。少女像の説明文には英語で「性奴隷制」と書かれていた。天皇を傷つけ、史実を歪曲(わいきょく)する。芸術の名を借りた政治的な宣伝だったと言われても仕方あるまい。
8月に展示会が始まると、実行委員会には批判が相次いだ。脅迫的なものも多く、企画展は3日で中止となった。脅迫が許されないのは言うまでもない。
中止は憲法が保障する表現の自由に反する、とする声もあった。しかし、憲法は公共の福祉のために自由や権利を利用する責任を求めている。自由には節度とルールが伴わなければならない。表現の自由は公共の福祉によって制限されるとする最高裁判断もある。
そもそも、左右どちらの陣営であれ、ヘイト行為は「表現の自由」に含まれず、許されない。当然の常識を弁(わきま)えるべきである。
中間報告は、トリエンナーレの津田大介芸術監督の責任を厳しく指摘した。大村知事は津田氏を厳重注意としたが、芸術監督に責任を押しつけて再開を強行しようとしているようでもある。脅迫は論外として、筋の通った批判にきちんと応える気があったのか。
大村知事の責任は免れない。

② 東京新聞 (2019.9.28)
【社説】補助金の不交付 明らかな権力の検閲だ
「表現の不自由展・その後」が中止された「あいちトリエンナーレ2019」を巡り、文化庁は補助金の不交付を決めた。手続きを理由としているが、明らかな権力による検閲だ。撤回を求める。
文化庁は二十六日、交付が内定していたトリエンナーレへの補助金約七千八百万円を交付しないと発表した。実行委員会の中心で、補助金を申請した愛知県に対して「芸術祭の円滑な運営を脅かす事態を予想していたにもかかわらず、文化庁の問い合わせまで申告しなかった」と説明している。
変な理屈だ。芸術展は基本的に「性善説」の上に成り立つ。展示作や観覧者を脅かす悪意を前提としては開けない。不自由展の再開が検討される中で、手続きを口実に狙い撃ちにしたかのようだ。
萩生田光一文部科学相は「検閲には当たらない」と言う。しかし「退廃芸術」を排除しようとしたナチス・ドイツを持ち出すまでもなく、政治が芸術に介入するのは危険極まる。政策の基本的な計画で「文化芸術の『多様な価値』を活(い)かして、未来をつくる」とうたう文化庁が、多様な価値観を持つ芸術家の表現活動を圧迫し、萎縮させる結果になるのではないか。
大村秀章知事は「憲法が保障する表現の自由に対する重大な侵害だ」と強く批判し、裁判で争う意向を示した。補助金カットに伴う県財政や県民の負担を考えれば、もっともな対応といえよう。
不自由展は、元慰安婦の象徴とされる少女像や、昭和天皇の肖像を用いた版画を燃やす作品などを展示。激しい抗議が寄せられた。「ガソリンの携行缶を持ってお邪魔する」という脅迫文さえ届き、わずか三日で中止となった。
実行委を構成する名古屋市の河村たかし市長は「日本国民の心を傷つけた」と述べた。だが自由な民主国家である日本の名誉を傷つけ、社会と国民を圧迫するのは、むしろこうした行為ではないか。政治家や官僚は意に沿わない芸術家や作品に目を光らせるより、暴力や圧力でものごとを動かそうとする風潮こそ戒めるべきだ。
少女像などに不快な感情を持つ人がいるのは無理もない。だが仮に像を撤去したとしても、慰安婦を巡るこの国の負の歴史まで消せるわけではない。社会の問題を誠実に問い続ける芸術家の創造活動は、私たちに都合の悪いものや直視したくないものを作品に昇華させて提出する。
私たちが芸術展で見てとるべきは、そこにある。

③ 琉球新報 (2019.10.1)
【社説】消費税が引き上げ 減税へ方向転換すべきだ
1日から消費税が10%に引き上げられた。私たち国民は今回の増税が本当に必要だったのか、いま一度立ち止まって考える必要がある。
今回の増税の特徴を国民目線で端的に言うと、混乱と負担増だろう。
混乱は既に始まっている。軽減税率の導入やポイント還元制度があまりにも複雑なため、消費者だけでなく事業者にも理解が深まっていない。
軽減税率は、お酒や外食を除く飲食料品の税率を8%に据え置く制度だが、どこまで対象なるのか分かりにくい。
キャッシュレス決済によるポイント還元に至っては、軽減対象品目か否か、還元する店舗か否かで、3、5、6、8、10%の5種類の実質税率(小数点以下四捨五入)が存在する。複数の税率に対応せざるを得ない事業者の経理作業にも大きな負担となる。
経済産業省によると、還元制度を増税当初から導入する店舗は対象となる中小事業者の2割強にとどまる。申請手続きの不備や締め切りに間に合わないことなどが理由で、混乱ぶりがうかがえる。事業者でさえそうなのだから、消費者にとってはなおさらだ。より安価な商品の選択方法を巡り戸惑いが広がっている。
今回の増税は日常生活への打撃も大きい。軽減税率の対象にならない日用品や交通費、電気・水道料金など暮らしに直結する費目は軒並み値上げされる。特に低所得者層にとっては深刻だ。
9月11、12日に共同通信が実施した世論調査では、10%引き上げ後の経済が「不安」「ある程度不安」が計81.1%に上った。経済不安は消費控えを招く。実際に負担増を実感すれば経済は滞りかねない。県内各業界の8月の景況感が前月より4.6ポイント悪化したのも、増税対応への負担感と消費減少への懸念からだ。
そもそも消費税は低所得者ほど負担が大きくなる逆進性の側面がある。今回の増税も恩恵は高所得者層に厚いと指摘されている。軽減税率やポイント還元などの措置は、その場しのぎにすぎない。国民に広く負担を強いる今回の増税の根本には不公平感を増大させる税制の在り方がある。
消費税は1989年の導入以来、今年まで増税を重ねている。しかし所得税はその間50%から45%に減った。法人税も40%から23.2%まで段階的に減少した。その結果、国の2019年度予算の税収に占める消費税の割合は89年の6%から31%まで拡大した。
外国で消費税は付加価値税と呼ばれ、低所得者に配慮した軽減税率が欧米やアジア諸国で浸透している。韓国や台湾では食料品は非課税だ。
低所得者に負担をかけない仕組みが不可欠だ。所得税で高所得者の、法人税で高収益法人の課税率を上げる方法もある。今回の混乱や負担増の教訓を、税制の根本的在り方を巡る国民的議論につなげたい。消費税は増税ではなく減税へ方向を転換すべきだ。

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<別紙2> 第70回例会 事務局報告

福田玲三(事務局)
1)当会ニュース読者からの来信

①水野スウ氏(石川県)より(「いのみら通信」No.110,2019.8.19)
「まえそら」始めました。日本国憲法前(まえ)文を覚えて諳(そら)んじることです。黙読よりも音読よりも憲法のSpiritが体の中にしみこんでくる気がします。何回もくり返される「国民」「われら」は、憲法が国の持ち物じゃない証拠。先の戦争を起こしたのは誰か、そもそも政治は誰のために、何のためにあるのかもはっきりわかる。日本ファーストじゃないのもすばらしい。「人間相互の関係を支配する崇高な理想」のところ、13条をあてはめたらすとんと理解できました。

②馬場園孝次氏(宮崎県)より(三鷹事件)
国民救援会・県本部大会(9月14日)発言要旨

1.7月31日、東京高裁は第二次再審請求に対し“棄却”の決定をした。
2.昭和24年(1949)中央線三鷹駅で無人電車が暴走、20数名の死傷者が出た事件。裁判では9名が無罪、竹内景助さんのみ死刑確定。しかし8対7の1人差。本人は再審請求中“くやしい”のことばを残し獄死。
それから44年後、2011年長男の健一郎さんが第二次再審申請していた。30回近くの三者協議をしながら弁護団が提出した新証拠に一切事実調べもなく棄却。
3.「NHKスペシャル」でも放映された。その中で、不当決定を受けた竹内さんの子息は“そんなのない。おやじは犯人じゃない~これからは顔を出します”と。
4.最近、竹内さんの「上申書」(上・下)~約2万字、370余ページ(非売品)を読んでいますが涙なしには読めません。
冤罪を晴らすまで支援していきたい。残された家族の幸せを願って。
※先日いただいた「ニュースNo.69」の5ページ「三鷹事件」勉強会、小生も希望します。(10月8日)

2)臨時国会 改憲論議(朝日新聞 10月4日朝刊より)
首相は2017年5月の憲法記念日に「20年を新憲法が施行される年にしたい」と表明した。今年7月の参院選後には「残された任期の中で憲法改正に挑む」と述べ、やや後退した感もある。それでも21年9月の任期中に改憲するには、基本的に残り4国会のうちに発議し国民投票に持ち込まねばならない。
このため、自民党は今国会で国民投票法改正を終わらせ、自衛隊を憲法9条に明記するなど改憲4項目の審議に入りたい考えだ。憲法審での議論の進め方も、野党の要望を一定程度受け入れる構えを見せる。
だが与党の誘いに野党が乗る兆しは見えない。立憲と国民民主党などは臨時国会で統一会派を結成し、政権への追及を強める方針。安住氏(立憲民主党国対委員長)は関西電力の金品受領問題などに力を入れる考えで、「ちゃんと実態解明をやらない国会で、憲法審議は程遠いと牽制」する。

「どうなる改憲スケジュール」

2019年10月 ①臨時国会
(国民投票法改正案を成立?)
(自民党「改憲4項目」を憲法審で提示?)

②2020年 1月~ ②通常国会
(憲法改正の具体案の論議を開始?)

夏   東京都知事選

7月~9月  東京五輪・パラリンピック

秋   ③臨時国会
(憲法改正案の発議?)

2021年 1月~ ④通常国会
(国民投票?)

9月  自民党総裁任期満了
10月  衆院議員任期満了

3)福田玲三共同代表入院
福田代表は10月23日日赤病院に入院した。翌24日胃がん手術、経過が良ければ約2週間後に退院の予定。(結果、11月4日退院、もっか復帰のためのリハビリ中)

4)集会の案内

①【9条地球憲章の会】緊急公開研究会

10月29日(火)18:00~(開場 17:30)
全国教育文化会館5階 会議室A 千代田区二番町12-1
話題提供者:浜地 道雄 氏(国際ビジネスコンサルタント、9条地球憲章の会世話人)
「NY国連軍縮関係訪問の報告?」
「来年5月『9条の価値・核兵器廃絶』を国連でアピールへの提案?」
話題提供者より:
9月、NYC訪問。UNODA国連軍縮室はじめ関係者を訪ねました。マレーシア・国連大使館や、国際核軍縮・不拡散議員連盟PNND、及び国際反核法律家協会IALANA国連担当との打ち合わせ。そこで来年5月、NYC国連での『核兵器不拡散条約NPT運用検討会議』のサイドイベントでの『核兵器廃絶と憲法9条をふまえた問題提起』との提言を受けました。帰国後、日本反核法律家協会JALANAと同趣旨の打ち合わせを行いました。本年7月18 日の『公開研究会』でのICAN国際運営委員川崎哲氏のことばと合致します。『核兵器廃絶』と『九条を世界に』は一体。これらを総合して、『報告』と同時に具体的施策の検討に向けて『意見交換会』を持ちたく。

➁「韓国って敵なの?! 日韓関係を検証し対話を求めるシンポ」徹底討論
内田雅敏(弁護士 戦後補償問題解決に尽くす人権派)
宋 世一(在日韓国民主統一連合副議長 祖国の統一と東アジアの平和を目指す)
福島みずほ(参議院議員 国会で平和のために連日奮闘)

11月20日(水)18:30~(開場18:00)
大田区産業プラザPiO 4階コンベンションホール
(大田区南蒲田1-20-20 京急蒲田駅前)
戦争をさせない1000人委員会事務局長主催
参加費700円

➂『週刊金曜日』東京南部読者会
11月22日(金) 18:30~20:30
大田区生活センター会議室(蒲田駅)

④「米国の原爆投下の責任を問う会」(第12回)講演学習会
講師:
市田真理さん
第五福竜丸展示会学芸員
中央大学・立教大学専任講師

11月 23 日(土・祝) 13:00開場
13:30~14:45 映画「西から昇った太陽」
15:00~17:30 講演「外交交渉にみるビキニ事件~開示文書の分析から」
キリスト友会・東京友会会堂
東京都港区三田4-8-19
資料代1000円(学生は無料)

5)当面の日程について

第71回例会・勉強会
11月24日(日)13:30~16:30
三田いきいきプラザ 集会室A

第71回運営・編集委員会
11月27日(水)14:00~
三田いきいきプラザ 講習室

第72回例会・勉強会
12月22日(日)13:30~16:30
三田いきいきプラザ 集会室A

第72回運営・編集委員会
12月25日(水)14:00~
三田いきいきプラザ 講習室

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<別紙3> 「冊子シリーズNo.9(案)」の骨子

タイトル(案)
集団の暴走に抗う ―戦争が終わった“奇跡”を未来につなぐ―

序章 はじめに(集団における勇気)
一章 明治政府による領土拡張への舵取り
二章 侵略の象徴としての南京
三章 勝利への道の行き着く所(731部隊と従軍慰安婦)
四章 靖国神社と民族自決
五章 日の丸を支えた赤子たち
六章 ドイツの戦後を参考に

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