国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律(国際平和支援法)

国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律(国際平和支援法)

法律第七十七号(平二七・九・三〇)

 

第一章 総則

 

(目的)

 

第一条 この法律は、国際社会の平和及び安全を脅かす事態であって、その脅威を除去するために国際社会が国際連合憲章の目的に従い共同して対処する活動を行い、かつ、我が国が国際社会の一員としてこれに主体的かつ積極的に寄与する必要があるもの(以下「国際平和共同対処事態」という。)に際し、当該活動を行う諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等を行うことにより、国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的とする。

 

(基本原則)

 

第二条 政府は、国際平和共同対処事態に際し、この法律に基づく協力支援活動若しくは捜索救助活動又は重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律(平成十二年法律第百四十五号)第二条に規定する船舶検査活動(国際平和共同対処事態に際して実施するものに限る。第四条第二項第五号において単に「船舶検査活動」という。)(以下「対応措置」という。)を適切かつ迅速に実施することにより、国際社会の平和及び安全の確保に資するものとする。

 

2 対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。

 

3 協力支援活動及び捜索救助活動は、現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われている現場では実施しないものとする。ただし、第八条第六項の規定により行われる捜索救助活動については、この限りでない。

 

4 外国の領域における対応措置については、当該対応措置が行われることについて当該外国(国際連合の総会又は安全保障理事会の決議に従って当該外国において施政を行う機関がある場合にあっては、当該機関)の同意がある場合に限り実施するものとする。

 

5 内閣総理大臣は、対応措置の実施に当たり、第四条第一項に規定する基本計画に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督する。

 

6 関係行政機関の長は、前条の目的を達成するため、対応措置の実施に関し、防衛大臣に協力するものとする。

 

(定義等)

 

第三条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 

一 諸外国の軍隊等 国際社会の平和及び安全を脅かす事態に関し、次のいずれかの国際連合の総会又は安全保障理事会の決議が存在する場合において、当該事態に対処するための活動を行う外国の軍隊その他これに類する組織(国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号)第三条第一号に規定する国際連合平和維持活動、同条第二号に規定する国際連携平和安全活動又は同条第三号に規定する人道的な国際救援活動を行うもの及び重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律第六十号)第三条第一項第一号に規定する合衆国軍隊等を除く。)をいう。

 

イ 当該外国が当該活動を行うことを決定し、要請し、勧告し、又は認める決議

 

ロ イに掲げるもののほか、当該事態が平和に対する脅威又は平和の破壊であるとの認識を示すとともに、当該事態に関連して国際連合加盟国の取組を求める決議

 

二 協力支援活動 諸外国の軍隊等に対する物品及び役務の提供であって、我が国が実施するものをいう。

 

三 捜索救助活動 諸外国の軍隊等の活動に際して行われた戦闘行為によって遭難した戦闘参加者について、その捜索又は救助を行う活動(救助した者の輸送を含む。)であって、我が国が実施するものをいう。

 

2 協力支援活動として行う自衛隊に属する物品の提供及び自衛隊による役務の提供(次項後段に規定するものを除く。)は、別表第一に掲げるものとする。

 

3 捜索救助活動は、自衛隊の部隊等(自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八条に規定する部隊等をいう。以下同じ。)が実施するものとする。この場合において、捜索救助活動を行う自衛隊の部隊等において、その実施に伴い、当該活動に相当する活動を行う諸外国の軍隊等の部隊に対して協力支援活動として行う自衛隊に属する物品の提供及び自衛隊による役務の提供は、別表第二に掲げるものとする。

 

第二章 対応措置等

 

(基本計画)

 

第四条 内閣総理大臣は、国際平和共同対処事態に際し、対応措置のいずれかを実施することが必要であると認めるときは、当該対応措置を実施すること及び当該対応措置に関する基本計画(以下「基本計画」という。)の案につき閣議の決定を求めなければならない。

 

2 基本計画に定める事項は、次のとおりとする。

 

一 国際平和共同対処事態に関する次に掲げる事項

 

イ 事態の経緯並びに国際社会の平和及び安全に与える影響

 

ロ 国際社会の取組の状況

 

ハ 我が国が対応措置を実施することが必要であると認められる理由

 

二 前号に掲げるもののほか、対応措置の実施に関する基本的な方針

 

三 前条第二項の協力支援活動を実施する場合における次に掲げる事項

 

イ 当該協力支援活動に係る基本的事項

 

ロ 当該協力支援活動の種類及び内容

 

ハ 当該協力支援活動を実施する区域の範囲及び当該区域の指定に関する事項

 

ニ 当該協力支援活動を自衛隊が外国の領域で実施する場合には、当該協力支援活動を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等の規模及び構成並びに装備並びに派遣期間

 

ホ 自衛隊がその事務又は事業の用に供し又は供していた物品以外の物品を調達して諸外国の軍隊等に無償又は時価よりも低い対価で譲渡する場合には、その実施に係る重要事項

 

ヘ その他当該協力支援活動の実施に関する重要事項

 

四 捜索救助活動を実施する場合における次に掲げる事項

 

イ 当該捜索救助活動に係る基本的事項

 

ロ 当該捜索救助活動を実施する区域の範囲及び当該区域の指定に関する事項

 

ハ 当該捜索救助活動の実施に伴う前条第三項後段の協力支援活動の実施に関する重要事項(当該協力支援活動を実施する区域の範囲及び当該区域の指定に関する事項を含む。)

 

ニ 当該捜索救助活動又はその実施に伴う前条第三項後段の協力支援活動を自衛隊が外国の領域で実施する場合には、これらの活動を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等の規模及び構成並びに装備並びに派遣期間

 

ホ その他当該捜索救助活動の実施に関する重要事項

 

五 船舶検査活動を実施する場合における重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律第四条第二項に規定する事項

 

六 対応措置の実施のための関係行政機関の連絡調整に関する事項

 

3 協力支援活動又は捜索救助活動を外国の領域で実施する場合には、当該外国(第二条第四項に規定する機関がある場合にあっては、当該機関)と協議して、実施する区域の範囲を定めるものとする。

 

4 第一項及び前項の規定は、基本計画の変更について準用する。

 

(国会への報告)

 

第五条 内閣総理大臣は、次に掲げる事項を、遅滞なく、国会に報告しなければならない。

 

一 基本計画の決定又は変更があったときは、その内容

 

二 基本計画に定める対応措置が終了したときは、その結果

 

(国会の承認)

 

第六条 内閣総理大臣は、対応措置の実施前に、当該対応措置を実施することにつき、基本計画を添えて国会の承認を得なければならない。

 

2 前項の規定により内閣総理大臣から国会の承認を求められた場合には、先議の議院にあっては内閣総理大臣が国会の承認を求めた後国会の休会中の期間を除いて七日以内に、後議の議院にあっては先議の議院から議案の送付があった後国会の休会中の期間を除いて七日以内に、それぞれ議決するよう努めなければならない。

 

3 内閣総理大臣は、対応措置について、第一項の規定による国会の承認を得た日から二年を経過する日を超えて引き続き当該対応措置を行おうとするときは、当該日の三十日前の日から当該日までの間に、当該対応措置を引き続き行うことにつき、基本計画及びその時までに行った対応措置の内容を記載した報告書を添えて国会に付議して、その承認を求めなければならない。ただし、国会が閉会中の場合又は衆議院が解散されている場合には、その後最初に召集される国会においてその承認を求めなければならない。

 

4 政府は、前項の場合において不承認の議決があったときは、遅滞なく、当該対応措置を終了させなければならない。

 

5 前二項の規定は、国会の承認を得て対応措置を継続した後、更に二年を超えて当該対応措置を引き続き行おうとする場合について準用する。

 

(協力支援活動の実施)

 

第七条 防衛大臣又はその委任を受けた者は、基本計画に従い、第三条第二項の協力支援活動としての自衛隊に属する物品の提供を実施するものとする。

 

2 防衛大臣は、基本計画に従い、第三条第二項の協力支援活動としての自衛隊による役務の提供について、実施要項を定め、これについて内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊等にその実施を命ずるものとする。

 

3 防衛大臣は、前項の実施要項において、実施される必要のある役務の提供の具体的内容を考慮し、自衛隊の部隊等がこれを円滑かつ安全に実施することができるように当該協力支援活動を実施する区域(以下この条において「実施区域」という。)を指定するものとする。

 

4 防衛大臣は、実施区域の全部又は一部において、自衛隊の部隊等が第三条第二項の協力支援活動を円滑かつ安全に実施することが困難であると認める場合又は外国の領域で実施する当該協力支援活動についての第二条第四項の同意が存在しなくなったと認める場合には、速やかに、その指定を変更し、又はそこで実施されている活動の中断を命じなければならない。

 

5 第三条第二項の協力支援活動のうち我が国の領域外におけるものの実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の長又はその指定する者は、当該協力支援活動を実施している場所若しくはその近傍において戦闘行為が行われるに至った場合若しくは付近の状況等に照らして戦闘行為が行われることが予測される場合又は当該部隊等の安全を確保するため必要と認める場合には、当該協力支援活動の実施を一時休止し又は避難するなどして危険を回避しつつ、前項の規定による措置を待つものとする。

 

6 第二項の規定は、同項の実施要項の変更(第四項の規定により実施区域を縮小する変更を除く。)について準用する。

 

(捜索救助活動の実施等)

 

第八条 防衛大臣は、基本計画に従い、捜索救助活動について、実施要項を定め、これについて内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊等にその実施を命ずるものとする。

 

2 防衛大臣は、前項の実施要項において、実施される必要のある捜索救助活動の具体的内容を考慮し、自衛隊の部隊等がこれを円滑かつ安全に実施することができるように当該捜索救助活動を実施する区域(以下この条において「実施区域」という。)を指定するものとする。

 

3 捜索救助活動を実施する場合において、戦闘参加者以外の遭難者が在るときは、これを救助するものとする。

 

4 前条第四項の規定は、実施区域の指定の変更及び活動の中断について準用する。

 

5 前条第五項の規定は、我が国の領域外における捜索救助活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の長又はその指定する者について準用する。この場合において、同項中「前項」とあるのは、「次条第四項において準用する前項」と読み替えるものとする。

 

6 前項において準用する前条第五項の規定にかかわらず、既に遭難者が発見され、自衛隊の部隊等がその救助を開始しているときは、当該部隊等の安全が確保される限り、当該遭難者に係る捜索救助活動を継続することができる。

 

7 第一項の規定は、同項の実施要項の変更(第四項において準用する前条第四項の規定により実施区域を縮小する変更を除く。)について準用する。

 

8 前条の規定は、捜索救助活動の実施に伴う第三条第三項後段の協力支援活動について準用する。

 

(自衛隊の部隊等の安全の確保等)

 

第九条 防衛大臣は、対応措置の実施に当たっては、その円滑かつ効果的な推進に努めるとともに、自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならない。

 

(関係行政機関の協力)

 

第十条 防衛大臣は、対応措置を実施するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、その所管に属する物品の管理換えその他の協力を要請することができる。

 

2 関係行政機関の長は、前項の規定による要請があったときは、その所掌事務に支障を生じない限度において、同項の協力を行うものとする。

 

(武器の使用)

 

第十一条 第七条第二項(第八条第八項において準用する場合を含む。第五項及び第六項において同じ。)の規定により協力支援活動としての自衛隊の役務の提供の実施を命ぜられ、又は第八条第一項の規定により捜索救助活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員(自衛隊法第二条第五項に規定する隊員をいう。第六項において同じ。)若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命又は身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器(自衛隊が外国の領域で当該協力支援活動又は当該捜索救助活動を実施している場合については、第四条第二項第三号ニ又は第四号ニの規定により基本計画に定める装備に該当するものに限る。以下この条において同じ。)を使用することができる。

 

2 前項の規定による武器の使用は、当該現場に上官が在るときは、その命令によらなければならない。ただし、生命又は身体に対する侵害又は危難が切迫し、その命令を受けるいとまがないときは、この限りでない。

 

3 第一項の場合において、当該現場に在る上官は、統制を欠いた武器の使用によりかえって生命若しくは身体に対する危険又は事態の混乱を招くこととなることを未然に防止し、当該武器の使用が同項及び次項の規定に従いその目的の範囲内において適正に行われることを確保する見地から必要な命令をするものとする。

 

4 第一項の規定による武器の使用に際しては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条又は第三十七条の規定に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。

 

5 第七条第二項の規定により協力支援活動としての自衛隊の役務の提供の実施を命ぜられ、又は第八条第一項の規定により捜索救助活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、外国の領域に設けられた当該部隊等の宿営する宿営地(宿営のために使用する区域であって、囲障が設置されることにより他と区別されるものをいう。以下この項において同じ。)であって諸外国の軍隊等の要員が共に宿営するものに対する攻撃があった場合において、当該宿営地以外にその近傍に自衛隊の部隊等の安全を確保することができる場所がないときは、当該宿営地に所在する者の生命又は身体を防護するための措置をとる当該要員と共同して、第一項の規定による武器の使用をすることができる。この場合において、同項から第三項まで及び次項の規定の適用については、第一項中「現場に所在する他の自衛隊員(自衛隊法第二条第五項に規定する隊員をいう。第六項において同じ。)若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」とあるのは「その宿営する宿営地(第五項に規定する宿営地をいう。次項及び第三項において同じ。)に所在する者」と、「その事態」とあるのは「第五項に規定する諸外国の軍隊等の要員による措置の状況をも踏まえ、その事態」と、第二項及び第三項中「現場」とあるのは「宿営地」と、次項中「自衛隊員」とあるのは「自衛隊員(同法第二条第五項に規定する隊員をいう。)」とする。

 

6 自衛隊法第九十六条第三項の規定は、第七条第二項の規定により協力支援活動としての自衛隊の役務の提供(我が国の領域外におけるものに限る。)の実施を命ぜられ、又は第八条第一項の規定により捜索救助活動(我が国の領域外におけるものに限る。)の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官については、自衛隊員以外の者の犯した犯罪に関しては適用しない。

 

第三章 雑則

 

(物品の譲渡及び無償貸付け)

 

第十二条 防衛大臣又はその委任を受けた者は、協力支援活動の実施に当たって、自衛隊に属する物品(武器を除く。)につき、協力支援活動の対象となる諸外国の軍隊等から第三条第一項第一号に規定する活動(以下「事態対処活動」という。)の用に供するため当該物品の譲渡又は無償貸付けを求める旨の申出があった場合において、当該事態対処活動の円滑な実施に必要であると認めるときは、その所掌事務に支障を生じない限度において、当該申出に係る物品を当該諸外国の軍隊等に対し無償若しくは時価よりも低い対価で譲渡し、又は無償で貸し付けることができる。

 

(国以外の者による協力等)

 

第十三条 防衛大臣は、前章の規定による措置のみによっては対応措置を十分に実施することができないと認めるときは、関係行政機関の長の協力を得て、物品の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供について国以外の者に協力を依頼することができる。

 

2 政府は、前項の規定により協力を依頼された国以外の者に対し適正な対価を支払うとともに、その者が当該協力により損失を受けた場合には、その損失に関し、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

 

(請求権の放棄)

 

第十四条 政府は、自衛隊が協力支援活動又は捜索救助活動(以下この条において「協力支援活動等」という。)を実施するに際して、諸外国の軍隊等の属する外国から、当該諸外国の軍隊等の行う事態対処活動又は協力支援活動等に起因する損害についての請求権を相互に放棄することを約することを求められた場合において、これに応じることが相互の連携を確保しながらそれぞれの活動を円滑に実施する上で必要と認めるときは、事態対処活動に起因する損害についての当該外国及びその要員に対する我が国の請求権を放棄することを約することができる。

 

(政令への委任)

 

第十五条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

 

附 則

 

この法律は、我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律(平成二十七年法律第七十六号)の施行の日から施行する。

別表第一(第三条関係)

種 類 内         容
補給 給水、給油、食事の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
輸送 人員及び物品の輸送、輸送用資材の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
修理及び整備 修理及び整備、修理及び整備用機器並びに部品及び構成品の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
医療 傷病者に対する医療、衛生機具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
通信 通信設備の利用、通信機器の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
空港及び港湾業務 航空機の離発着及び船舶の出入港に対する支援、積卸作業並びにこれらに類する物品及び役務の提供
基地業務 廃棄物の収集及び処理、給電並びにこれらに類する物品及び役務の提供
宿泊 宿泊設備の利用、寝具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
保管 倉庫における一時保管、保管容器の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
施設の利用 土地又は建物の一時的な利用並びにこれらに類する物品及び役務の提供
訓練業務 訓練に必要な指導員の派遣、訓練用器材の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
建設 建築物の建設、建設機械及び建設資材の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
備考 物品の提供には、武器の提供を含まないものとする。

別表第二(第三条関係)

種 類 内         容
補給 給水、給油、食事の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
輸送 人員及び物品の輸送、輸送用資材の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
修理及び整備 修理及び整備、修理及び整備用機器並びに部品及び構成品の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
医療 傷病者に対する医療、衛生機具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
通信 通信設備の利用、通信機器の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
宿泊 宿泊設備の利用、寝具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
消毒 消毒、消毒機具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
備考 物品の提供には、武器の提供を含まないものとする。

(内閣総理臨時代理・総務・法務・外務臨時代理・財務・文部科学・厚生労働臨時代理・農林水産・経済産業・国土交通・環境・防衛大臣署名)

 

我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律(自衛隊法等十法一括改正法=政府命名「平和安全法制整備法」)

我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律

 

法律第七十六号(平二七・九・三〇)

 

 (自衛隊法の一部改正)

 

第一条 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。

 

第二条第五項中「第九十四条の六第三号」を「第九十四条の七第三号」に改める。

 

第三条第一項中「直接侵略及び間接侵略に対し」を削り、同条第二項第一号中「我が国周辺の地域における」を削る。

 

第二十二条第二項中「原子力災害派遣」の下に「、第八十四条の三第一項の規定による保護措置」を加える。

 

第二十九条の二第一項中「武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律」を「武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律」に改める。

 

第七十六条第一項中「我が国に対する外部からの武力攻撃(以下「武力攻撃」という。)が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至つた」を「次に掲げる」に、「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に改め、同項に次の各号を加える。

 

一 我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態又は我が国に対する外部からの武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至つた事態

 

二 我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態

 

第七十七条の二中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)」を加える。

 

第七十七条の三中「武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律」に改める。

 

第七十七条の四第一項中「武力攻撃事態等対策本部長」を「事態対策本部長」に改める。

 

第八十条第一項中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。)」を加える。

 

第八十四条の四の見出しを「(後方支援活動等)」に改め、同条第一項中「周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律第六十号)又は周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律(平成十二年法律第百四十五号)の定めるところにより、後方地域支援としての物品の提供」を「次の各号に掲げる法律の定めるところにより、それぞれ、当該各号に定める活動」に改め、同項に次の各号を加える。

 

一 重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律第六十号) 後方支援活動としての物品の提供

 

二 重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律(平成十二年法律第百四十五号) 後方支援活動又は協力支援活動としての物品の提供

 

三 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号) 大規模な災害に対処するアメリカ合衆国又はオーストラリアの軍隊に対する物品の提供

 

四 国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律(平成二十七年法律第七十七号) 協力支援活動としての物品の提供

 

第八十四条の四第二項第一号中「周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律」を「重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律」に、「後方地域支援」を「後方支援活動」に、「後方地域捜索救助活動」を「捜索救助活動」に改め、同項第二号中「周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律」を「重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律」に、「後方地域支援」を「後方支援活動又は協力支援活動」に改め、同項第四号中「(平成四年法律第七十九号)」を削り、「及び委託」を「、委託」に改め、「輸送」の下に「及び大規模な災害に対処するアメリカ合衆国又はオーストラリアの軍隊に対する役務の提供」を加え、同項に次の一号を加える。

 

五 国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律 部隊等による協力支援活動としての役務の提供及び部隊等による捜索救助活動

 

第八十四条の四を第八十四条の五とする。

 

第八十四条の三第三項中「第九十四条の五」を「第九十四条の六」に改め、同条を第八十四条の四とし、第八十四条の二の次に次の一条を加える。

 

(在外邦人等の保護措置)

 

第八十四条の三 防衛大臣は、外務大臣から外国における緊急事態に際して生命又は身体に危害が加えられるおそれがある邦人の警護、救出その他の当該邦人の生命又は身体の保護のための措置(輸送を含む。以下「保護措置」という。)を行うことの依頼があつた場合において、外務大臣と協議し、次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、部隊等に当該保護措置を行わせることができる。

 

一 当該外国の領域の当該保護措置を行う場所において、当該外国の権限ある当局が現に公共の安全と秩序の維持に当たつており、かつ、戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。第九十五条の二第一項において同じ。)が行われることがないと認められること。

 

二 自衛隊が当該保護措置(武器の使用を含む。)を行うことについて、当該外国(国際連合の総会又は安全保障理事会の決議に従つて当該外国において施政を行う機関がある場合にあつては、当該機関)の同意があること。

 

三 予想される危険に対応して当該保護措置をできる限り円滑かつ安全に行うための部隊等と第一号に規定する当該外国の権限ある当局との間の連携及び協力が確保されると見込まれること。

 

2 内閣総理大臣は、前項の規定による外務大臣と防衛大臣の協議の結果を踏まえて、同項各号のいずれにも該当すると認める場合に限り、同項の承認をするものとする。

 

3 防衛大臣は、第一項の規定により保護措置を行わせる場合において、外務大臣から同項の緊急事態に際して生命又は身体に危害が加えられるおそれがある外国人として保護することを依頼された者その他の当該保護措置と併せて保護を行うことが適当と認められる者(第九十四条の五第一項において「その他の保護対象者」という。)の生命又は身体の保護のための措置を部隊等に行わせることができる。

 

第九十二条第一項中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)」を加え、同条第二項後段中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。)」を加える。

 

第九十二条の二中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。)」を加える。

 

第九十四条の二第一項第一号中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。)」を加え、同項第三号中「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に改め、同条第二項第二号中「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律第二十五条第一項」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律第二十二条第一項」に改める。

 

第九十四条の八中「武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律」を「武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律」に改め、同条を第九十四条の九とする。

 

第九十四条の七中「武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律」を「武力攻撃事態及び存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律」に改め、同条を第九十四条の八とする。

 

第九十四条の六の見出し中「後方地域支援等」を「後方支援活動等」に改め、同条中「自己又は」及び「者の生命又は身体を防護するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある」を削り、同条第一号中「第八十四条の四第二項第一号」を「第八十四条の五第二項第一号」に、「後方地域支援」を「後方支援活動」に、「後方地域捜索救助活動」を「捜索救助活動」に、「自己と共に当該職務に従事する者」を「自己又は自己と共に現場に所在する他の隊員若しくは当該職務を行うに伴い自己の管理の下に入つた者若しくは自己と共にその宿営する宿営地(重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律第十一条第五項に規定する宿営地をいう。)に所在する者の生命又は身体を防護するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合」に改め、同条第二号中「第八十四条の四第二項第二号」を「第八十四条の五第二項第二号」に、「自己と共に当該職務に従事する者」を「自己又は自己と共に現場に所在する他の隊員若しくは当該職務を行うに伴い自己の管理の下に入つた者の生命又は身体を防護するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合」に改め、同条第三号中「第八十四条の四第二項第四号」を「第八十四条の五第二項第四号」に改め、「自衛官」の下に「(次号及び第五号に掲げるものを除く。)」を加え、「自己と」を「自己又は自己と」に、「又は」を「若しくは」に改め、「入つた者」の下に「若しくは自己と共にその宿営する宿営地(同法第二十五条第七項に規定する宿営地をいう。)に所在する者の生命又は身体を防護するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合」を加え、同条に次の三号を加える。

 

四 第八十四条の五第二項第四号に規定する国際平和協力業務であつて国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律第三条第五号トに掲げるもの又はこれに類するものとして同号ナの政令で定めるものに従事する自衛官 前号に定める場合又はその業務を行うに際し、自己若しくは他人の生命、身体若しくは財産を防護し、若しくはその業務を妨害する行為を排除するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合

 

五 第八十四条の五第二項第四号に規定する国際平和協力業務であつて国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律第三条第五号ラに掲げるものに従事する自衛官 第三号に定める場合又はその業務を行うに際し、自己若しくはその保護しようとする活動関係者(同条第五号ラに規定する活動関係者をいう。)の生命若しくは身体を防護するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合

 

六 第八十四条の五第二項第五号に規定する協力支援活動としての役務の提供又は捜索救助活動の実施を命ぜられた部隊等の自衛官 自己又は自己と共に現場に所在する他の隊員若しくは当該職務を行うに伴い自己の管理の下に入つた者若しくは自己と共にその宿営する宿営地(国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律第十一条第五項に規定する宿営地をいう。)に所在する者の生命又は身体を防護するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合

 

第九十四条の六を第九十四条の七とする。

 

第九十四条の五中「第八十四条の三第一項」を「第八十四条の四第一項」に改め、同条を第九十四条の六とし、第九十四条の四の次に次の一条を加える。

 

(在外邦人等の保護措置の際の権限)

 

第九十四条の五 第八十四条の三第一項の規定により外国の領域において保護措置を行う職務に従事する自衛官は、同項第一号及び第二号のいずれにも該当する場合であつて、その職務を行うに際し、自己若しくは当該保護措置の対象である邦人若しくはその他の保護対象者の生命若しくは身体の防護又はその職務を妨害する行為の排除のためやむを得ない必要があると認める相当の理由があるときは、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。ただし、刑法第三十六条又は第三十七条に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。

 

2 第八十九条第二項の規定は、前項の規定により自衛官が武器を使用する場合について準用する。

 

3 第一項に規定する自衛官は、第八十四条の三第一項第一号に該当しない場合であつても、その職務を行うに際し、自己若しくは自己と共に当該職務に従事する隊員又はその職務を行うに伴い自己の管理の下に入つた者の生命又は身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。ただし、刑法第三十六条又は第三十七条に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。

 

第九十五条の見出し中「武器等」を「自衛隊の武器等」に改め、同条中「又は液体燃料」の下に「(以下「武器等」という。)」を加え、「武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備若しくは液体燃料」を「武器等」に改める。

 

第九十五条の二中「武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備若しくは液体燃料」を「武器等」に改め、同条を第九十五条の三とし、第九十五条の次に次の一条を加える。

 

(合衆国軍隊等の部隊の武器等の防護のための武器の使用)

 

第九十五条の二 自衛官は、アメリカ合衆国の軍隊その他の外国の軍隊その他これに類する組織(次項において「合衆国軍隊等」という。)の部隊であつて自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動(共同訓練を含み、現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除く。)に現に従事しているものの武器等を職務上警護するに当たり、人又は武器等を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。ただし、刑法第三十六条又は第三十七条に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。

 

2 前項の警護は、合衆国軍隊等から要請があつた場合であつて、防衛大臣が必要と認めるときに限り、自衛官が行うものとする。

 

第百条の六第一項第一号を次のように改める。

 

一 自衛隊及び合衆国軍隊の双方の参加を得て行われる訓練に参加する合衆国軍隊(重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律第三条第一項第一号に規定する合衆国軍隊等に該当する合衆国軍隊、武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律第二条第六号に規定する特定合衆国軍隊、同条第七号に規定する外国軍隊に該当する合衆国軍隊及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律第三条第一項第一号に規定する諸外国の軍隊等に該当する合衆国軍隊を除く。次号から第四号まで及び第六号から第十一号までにおいて同じ。)

 

第百条の六第一項第五号を同項第十号とし、同項第四号中「第八十四条の四第二項第三号」を「第八十四条の五第二項第三号」に改め、同号を同項第八号とし、同号の次に次の一号を加える。

 

九 自衛隊の部隊が船舶又は航空機により外国の軍隊の動向に関する情報その他の我が国の防衛に資する情報の収集のための活動を行う場合において、当該部隊と共に現場に所在して当該活動と同種の活動を行う合衆国軍隊

 

第百条の六第一項第三号中「規定する」の下に「外国における緊急事態に際して同項の保護措置を行う場合又は第八十四条の四第一項に規定する」を、「所在して」の下に「当該保護措置又は」を加え、同号を同項第七号とし、同項第二号を同項第五号とし、同号の次に次の一号を加える。

 

六 自衛隊の部隊が第八十四条の二に規定する機雷その他の爆発性の危険物の除去及びこれらの処理を行う場合において、当該部隊と共に現場に所在してこれらの活動と同種の活動を行う合衆国軍隊

 

第百条の六第一項第一号の次に次の三号を加える。

 

二 部隊等が第八十一条の二第一項第二号に掲げる施設及び区域に係る同項の警護を行う場合において、当該部隊等と共に当該施設及び区域内に所在して当該施設及び区域の警護を行う合衆国軍隊

 

三 自衛隊の部隊が第八十二条の二に規定する海賊対処行動を行う場合において、当該部隊と共に現場に所在して当該海賊対処行動と同種の活動を行う合衆国軍隊

 

四 自衛隊の部隊が第八十二条の三第一項又は第三項の規定により弾道ミサイル等を破壊する措置をとるため必要な行動をとる場合において、当該部隊と共に現場に所在して当該行動と同種の活動を行う合衆国軍隊

 

第百条の六第一項に次の一号を加える。

 

十一 第一号から第九号までに掲げるもののほか、訓練、連絡調整その他の日常的な活動のため、航空機、船舶又は車両により合衆国軍隊の施設に到着して一時的に滞在する部隊等と共に現場に所在し、訓練、連絡調整その他の日常的な活動を行う合衆国軍隊

 

第百条の六第三項第一号中「及び第五号」を「、第十号及び第十一号」に改め、同項第二号中「第四号」を「第九号」に改め、同条第四項中「(弾薬を含む。)」を削る。

 

第百条の八第一項第一号中「参加するオーストラリア軍隊」の下に「(重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律第三条第一項第一号に規定する合衆国軍隊等に該当するオーストラリア軍隊、武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律第二条第七号に規定する外国軍隊に該当するオーストラリア軍隊及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律第三条第一項第一号に規定する諸外国の軍隊等に該当するオーストラリア軍隊を除く。第三号から第六号までにおいて同じ。)」を加え、同項第三号中「規定する」の下に「外国における緊急事態に際して同項の保護措置としての輸送を行う場合又は第八十四条の四第一項に規定する」を加え、「当該輸送」を「これらの輸送」に改め、同項第四号中「第八十四条の四第二項第三号」を「第八十四条の五第二項第三号」に改める。

 

第百三条第一項中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)」を加え、「基き」を「基づき」に、「本条中」を「この条において」に改める。

 

第百三条の二第四項及び第百四条第一項中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。)」を加える。

 

第百十五条の二第三項中「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に改める。

 

第百十五条の四中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。)」を加え、「武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律第三条第四号」を「武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律第三条第六号」に改める。

 

第百十五条の五第一項中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。)」を、「出動待機命令」の下に「(第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定による防衛出動命令が発せられることが予測される場合に係るものに限る。)」を加え、同条第二項中「、第四十六条第二項及び第四十九条第一項ただし書」を削り、「薬局開設者等と」の下に「、同法第四十六条第二項及び第四十九条第一項ただし書の規定の適用についてはこれらの規定に規定する薬剤師等と」を加える。

 

第百十五条の六第一項中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。)」を加える。

 

第百十五条の七中「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に改める。

 

第百十五条の八第一項、第百十五条の九及び第百十五条の十第一項中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。)」を加える。

 

第百十五条の十一第一項中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。第三項において同じ。)」を加える。

 

第百十五条の十二中「、第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。)」を加える。

 

第百十五条の十三第一項中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。第三項において同じ。)」を加える。

 

第百十五条の十四第一項、第百十五条の十五第一項、第百十五条の十六第一項、第百十五条の十七第一項、第百十五条の十八、第百十五条の十九及び第百十五条の二十一第一項中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。)」を加える。

 

第百十五条の二十二第三項中「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に改める。

 

第百十五条の二十三第一項及び第百十五条の二十四第一項中「第七十六条第一項」の下に「(第一号に係る部分に限る。)」を加える。

 

第百二十二条の次に次の一条を加える。

 

第百二十二条の二 第百十九条第一項第七号及び第八号並びに前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。

 

2 第百十九条第二項の罪(同条第一項第七号又は第八号に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、又は煽動した者に係るものに限る。)及び前条第二項の罪は、刑法第二条の例に従う。

 

 (国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部改正)

 

第二条 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号)の一部を次のように改正する。

 

目次中「第三章 国際平和協力業務(第六条-第二十四条)」を

 

「第三章 国際平和協力業務等

第一節 国際平和協力業務(第六条-第二十六条)

第二節 自衛官の国際連合への派遣(第二十七条-第二十九条)」

に、「第二十五条」を「第三十条」に、「第二十六条・第二十七条」を「第三十一条-第三十四条」に改める。

 

第一条及び第二条第一項中「国際連合平和維持活動」の下に「、国際連携平和安全活動」を加える。

 

第三条第一号中「確保」の下に「、紛争による混乱に伴う切迫した暴力の脅威からの住民の保護」を、「設立」の下に「及び再建」を加え、「ために」を「ことを目的として、」に改め、「、武力紛争の停止及びこれを維持するとの紛争当事者間の合意があり、かつ、当該活動が行われる地域の属する国及び紛争当事者の当該活動が行われることについての同意がある場合(武力紛争が発生していない場合においては、当該活動が行われる地域の属する国の当該同意がある場合)に」を削り、「、いずれの紛争当事者にも偏ることなく実施される」を「実施されるもののうち、次に掲げる」に改め、同号に次のように加える。

 

イ 武力紛争の停止及びこれを維持するとの紛争当事者間の合意があり、かつ、当該活動が行われる地域の属する国(当該国において国際連合の総会又は安全保障理事会が行う決議に従って施政を行う機関がある場合にあっては、当該機関。以下同じ。)及び紛争当事者の当該活動が行われることについての同意がある場合に、いずれの紛争当事者にも偏ることなく実施される活動

 

ロ 武力紛争が終了して紛争当事者が当該活動が行われる地域に存在しなくなった場合において、当該活動が行われる地域の属する国の当該活動が行われることについての同意がある場合に実施される活動

 

ハ 武力紛争がいまだ発生していない場合において、当該活動が行われる地域の属する国の当該活動が行われることについての同意がある場合に、武力紛争の発生を未然に防止することを主要な目的として、特定の立場に偏ることなく実施される活動

 

第三条中第七号を第九号とし、第六号を第八号とし、第五号を第七号とし、同条第四号ハを同号ニとし、同号ロ中「別表第三」を「別表第四」に、「第二号に規定する」を「第三号に規定する決議若しくは要請又は」に、「第二十五条第一項」を「第三十条第一項」に改め、同号ロを同号ハとし、同号イの次に次のように加える。

 

ロ 国際連携平和安全活動

 

第三条第四号を同条第六号とし、同条第三号中「次に掲げるもの」の下に「、国際連携平和安全活動のために実施される業務で次に掲げるもの」を加え、「ヌからレまで」を「ワからツまで、ナ及びラ」に、「及び国際的な選挙監視活動」を「並びに国際的な選挙監視活動」に、「ト及びレ」を「チ及びナ」に改め、同号ハ中「部品」の下に「及び弾薬」を加え、同号レ中「タ」を「ネ」に改め、同号レを同号ナとし、同号タ中「ヨ」を「ソ」に、「又は機械器具」を「、機械器具」に改め、「修理」の下に「又は補給(武器の提供を行う補給を除く。)」を加え、同号タを同号ツとし、その次に次のように加える。

 

ネ 国際連合平和維持活動又は国際連携平和安全活動を統括し、又は調整する組織において行うイからツまでに掲げる業務の実施に必要な企画及び立案並びに調整又は情報の収集整理

 

第三条第三号中ヨをソとし、ヌからカまでをワからレまでとし、同号リ中「チ」を「リ及びヌ」に、「行政事務」を「立法、行政(ヲに規定する組織に係るものを除く。)又は司法に関する事務」に改め、同号リを同号ルとし、その次に次のように加える。

 

ヲ 国の防衛に関する組織その他のイからトまで又はワからネまでに掲げるものと同種の業務を行う組織の設立又は再建を援助するための次に掲げる業務

 

(1) イからトまで又はワからネまでに掲げるものと同種の業務に関する助言又は指導

 

(2) (1)に規定する業務の実施に必要な基礎的な知識及び技能を修得させるための教育訓練

 

第三条第三号チを同号リとし、その次に次のように加える。

 

ヌ 矯正行政事務に関する助言若しくは指導又は矯正行政事務の監視

 

第三条第三号中トをチとし、ヘの次に次のように加える。

 

ト 防護を必要とする住民、被災民その他の者の生命、身体及び財産に対する危害の防止及び抑止その他特定の区域の保安のための監視、駐留、巡回、検問及び警護

 

第三条第三号に次のように加える。

 

ラ ヲからネまでに掲げる業務又はこれらの業務に類するものとしてナの政令で定める業務を行う場合であって、国際連合平和維持活動、国際連携平和安全活動若しくは人道的な国際救援活動に従事する者又はこれらの活動を支援する者(以下このラ及び第二十六条第二項において「活動関係者」という。)の生命又は身体に対する不測の侵害又は危難が生じ、又は生ずるおそれがある場合に、緊急の要請に対応して行う当該活動関係者の生命及び身体の保護

 

第三条第三号を同条第五号とし、同条第二号の二中「別表第二」を「別表第三」に、「における」を「において」に、「による」を「により」に、「の設立を目的とする」を「を設立しその他その混乱を解消する過程で行われる」に改め、「実施される活動」の下に「及び国際連携平和安全活動として実施される活動」を加え、同号を同条第四号とし、同条第二号中「別表第一」を「別表第二」に、「第四号」を「第六号」に改め、「実施される活動」の下に「及び国際連携平和安全活動として実施される活動」を加え、同号を同条第三号とし、同条第一号の次に次の一号を加える。

 

二 国際連携平和安全活動 国際連合の総会、安全保障理事会若しくは経済社会理事会が行う決議、別表第一に掲げる国際機関が行う要請又は当該活動が行われる地域の属する国の要請(国際連合憲章第七条1に規定する国際連合の主要機関のいずれかの支持を受けたものに限る。)に基づき、紛争当事者間の武力紛争の再発の防止に関する合意の遵守の確保、紛争による混乱に伴う切迫した暴力の脅威からの住民の保護、武力紛争の終了後に行われる民主的な手段による統治組織の設立及び再建の援助その他紛争に対処して国際の平和及び安全を維持することを目的として行われる活動であって、二以上の国の連携により実施されるもののうち、次に掲げるもの(国際連合平和維持活動として実施される活動を除く。)をいう。

 

イ 武力紛争の停止及びこれを維持するとの紛争当事者間の合意があり、かつ、当該活動が行われる地域の属する国及び紛争当事者の当該活動が行われることについての同意がある場合に、いずれの紛争当事者にも偏ることなく実施される活動

 

ロ 武力紛争が終了して紛争当事者が当該活動が行われる地域に存在しなくなった場合において、当該活動が行われる地域の属する国の当該活動が行われることについての同意がある場合に実施される活動

 

ハ 武力紛争がいまだ発生していない場合において、当該活動が行われる地域の属する国の当該活動が行われることについての同意がある場合に、武力紛争の発生を未然に防止することを主要な目的として、特定の立場に偏ることなく実施される活動

 

第三章の章名を次のように改める。

 

第三章 国際平和協力業務等

 

第三章中第六条の前に次の節名を付する。

 

第一節 国際平和協力業務

 

第六条第一項中「あるとき」の下に「(国際連合平和維持活動又は国際連携平和安全活動のために実施する国際平和協力業務であって第三条第五号トに掲げるもの若しくはこれに類するものとして同号ナの政令で定めるもの又は同号ラに掲げるものを実施する場合にあっては、同条第一号イからハまで又は第二号イからハまでに規定する同意及び第一号又は第二号に掲げる同意が当該活動及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められるときに限り、人道的な国際救援活動のために実施する国際平和協力業務であって同条第五号ラに掲げるものを実施する場合にあっては、同条第三号に規定する同意及び第三号に掲げる同意が当該活動及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持され、並びに当該活動が行われる地域の属する国が紛争当事者であるときは、紛争当事者の当該活動及び当該業務が行われることについての同意があり、かつ、その同意が当該活動及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められるときに限る。)」を加え、同項第一号中「同意」の下に「(第三条第一号ロ又はハに該当する活動にあっては、当該活動が行われる地域の属する国の当該業務の実施についての同意(同号ハに該当する活動にあっては、当該地域において当該業務の実施に支障となる明確な反対の意思を示す者がいない場合に限る。))」を加え、同項中第三号を第四号とし、第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。

 

二 国際連携平和安全活動のために実施する国際平和協力業務については、紛争当事者及び当該活動が行われる地域の属する国の当該業務の実施についての同意(第三条第二号ロ又はハに該当する活動にあっては、当該活動が行われる地域の属する国の当該業務の実施についての同意(同号ハに該当する活動にあっては、当該地域において当該業務の実施に支障となる明確な反対の意思を示す者がいない場合に限る。))

 

第六条第二項第二号ヘ中「第二十条第一項」を「第二十一条第一項」に改め、同条第四項中「第二号の二」を「第四号」に、「この章」を「この節」に改め、同条第五項中「第三条第三号トからタまで」を「第三条第五号リ若しくはルに掲げる業務(海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)第五条に規定する事務に係るものに限る。)、同号ワからツまで」に、「同号レ」を「同号ナ」に、「海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)」を「同法」に、「かんがみ」を「鑑み」に改め、同条第六項中「第三条第三号イからヘまで」を「第三条第五号イからトまで」に、「同号ヌからタまで」を「同号ヲからネまで」に、「又はこれらの」を「、これらの」に、「同号レ」を「同号ナ」に改め、「定める業務」の下に「又は同号ラに掲げる業務」を加え、同条第七項中「行う」の下に「国際連合平和維持活動又は国際連携平和安全活動のために実施される」を加え、「第三条第三号イからヘまで」を「第三条第五号イからトまで」に、「同号レ」を「同号ナ」に、「参加する」を「参加し、又は他国と連携して国際連携平和安全活動を実施する」に、「、本条第一項第一号及び第十三項第一号」を「及び第二号、本条第一項(第三号及び第四号を除く。)及び第十三項(第一号から第六号まで、第九号及び第十号に係る部分に限る。)」に、「並びに第二十四条」を「及び第七号、第二十五条並びに第二十六条」に改め、「につき」の下に「、実施計画を添えて」を加え、同条第十項中「につき」の下に「、実施計画を添えて」を加え、同条第十三項各号列記以外の部分を次のように改める。

 

内閣総理大臣は、実施計画の変更(第一号から第八号までに掲げる場合に行うべき国際平和協力業務に従事する者の海外への派遣の終了及び第九号から第十一号までに掲げる場合に行うべき当該各号に規定する業務の終了に係る変更を含む。次項において同じ。)をすることが必要であると認めるとき、又は適当であると認めるときは、実施計画の変更の案につき閣議の決定を求めなければならない。

 

第六条第十三項第一号中「国際連合平和維持活動」の下に「(第三条第一号イに該当するものに限る。)」を加え、「第三条第一号」を「同号イ」に、「規定する同意」を「掲げる同意」に改め、同項第三号中「第三条第二号の二」を「第三条第四号」に、「第一項第三号に規定する」を「第一項第四号に掲げる」に改め、同号を同項第八号とし、同項第二号中「第三条第二号」を「第三条第三号」に、「第一項第二号に規定する」を「第一項第三号に掲げる」に改め、同号を同項第七号とし、同項第一号の次に次の五号を加える。

 

二 国際連合平和維持活動(第三条第一号ロに該当するものに限る。)のために実施する国際平和協力業務については、同号ロに規定する同意若しくは第一項第一号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合又は紛争当事者が当該活動が行われる地域に存在すると認められる場合

 

三 国際連合平和維持活動(第三条第一号ハに該当するものに限る。)のために実施する国際平和協力業務については、同号ハに規定する同意若しくは第一項第一号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合、当該活動が特定の立場に偏ることなく実施されなくなったと認められる場合又は武力紛争の発生を防止することが困難となった場合

 

四 国際連携平和安全活動(第三条第二号イに該当するものに限る。)のために実施する国際平和協力業務については、同号イに規定する合意若しくは同意若しくは第一項第二号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合又は当該活動がいずれの紛争当事者にも偏ることなく実施されなくなったと認められる場合

 

五 国際連携平和安全活動(第三条第二号ロに該当するものに限る。)のために実施する国際平和協力業務については、同号ロに規定する同意若しくは第一項第二号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合又は紛争当事者が当該活動が行われる地域に存在すると認められる場合

 

六 国際連携平和安全活動(第三条第二号ハに該当するものに限る。)のために実施する国際平和協力業務については、同号ハに規定する同意若しくは第一項第二号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合、当該活動が特定の立場に偏ることなく実施されなくなったと認められる場合又は武力紛争の発生を防止することが困難となった場合

 

第六条第十三項に次の三号を加える。

 

九 国際連合平和維持活動のために実施する国際平和協力業務であって第三条第五号トに掲げるもの若しくはこれに類するものとして同号ナの政令で定めるもの又は同号ラに掲げるものについては、同条第一号イに規定する合意の遵守の状況その他の事情を勘案して、同号イからハまでに規定する同意又は第一項第一号に掲げる同意が当該活動及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められなくなった場合

 

十 国際連携平和安全活動のために実施する国際平和協力業務であって第三条第五号トに掲げるもの若しくはこれに類するものとして同号ナの政令で定めるもの又は同号ラに掲げるものについては、同条第二号イに規定する合意の遵守の状況その他の事情を勘案して、同号イからハまでに規定する同意又は第一項第二号に掲げる同意が当該活動及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められなくなった場合

 

十一 人道的な国際救援活動のために実施する国際平和協力業務であって第三条第五号ラに掲げるものについては、同条第三号に規定する合意がある場合におけるその遵守の状況その他の事情を勘案して、同号に規定する同意若しくは第一項第三号に掲げる同意又は当該活動が行われる地域の属する国が紛争当事者である場合における紛争当事者の当該活動若しくは当該業務が行われることについての同意が当該活動及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められなくなった場合

 

第六条に次の一項を加える。

 

14 外務大臣は、実施計画の変更をすることが必要であると認めるとき、又は適当であると認めるときは、内閣総理大臣に対し、前項の閣議の決定を求めるよう要請することができる。

 

第八条第一項中「並びに第六号及び第七号」を「及び第六号から第九号まで」に改め、同項第七号を同項第九号とし、同項第六号中「第六条第十三項各号」を「第六条第十三項第一号から第八号まで」に改め、同号の次に次の二号を加える。

 

七 第六条第十三項第九号から第十一号までに掲げる場合において第三条第五号トに掲げる業務若しくはこれに類するものとして同号ナの政令で定める業務又は同号ラに掲げる業務に従事する者が行うべき当該業務の中断に関する事項

 

八 危険を回避するための国際平和協力業務の一時休止その他の協力隊の隊員の安全を確保するための措置に関する事項

 

第八条第二項中「前項第六号」の下に「及び第七号」を加える。

 

第二十七条を第三十四条とする。

 

第二十六条第一項中「第三章」を「第三章第一節」に改め、同条を第三十一条とし、同条の次に次の二条を加える。

 

(請求権の放棄)

 

第三十二条 政府は、国際連合平和維持活動、国際連携平和安全活動、人道的な国際救援活動又は国際的な選挙監視活動に参加するに際して、国際連合若しくは別表第一から別表第三までに掲げる国際機関又はこれらの活動に参加する国際連合加盟国その他の国(以下この条において「活動参加国等」という。)から、これらの活動に起因する損害についての請求権を相互に放棄することを約することを求められた場合において、我が国がこれらの活動に参加する上でこれに応じることが必要と認めるときは、これらの活動に起因する損害についての活動参加国等及びその要員に対する我が国の請求権を放棄することを約することができる。

 

(大規模な災害に対処する合衆国軍隊等に対する物品又は役務の提供)

 

第三十三条 防衛大臣又はその委任を受けた者は、防衛大臣が自衛隊の部隊等に第九条第四項の規定に基づき国際平和協力業務を行わせる場合又は第二十一条第一項の規定による委託に基づく輸送を実施させる場合において、これらの活動を実施する自衛隊の部隊等と共に当該活動が行われる地域に所在して、次に掲げる活動であって当該国際平和協力業務又は当該輸送に係る国際連合平和維持活動、国際連携平和安全活動又は人道的な国際救援活動を補完し、又は支援すると認められるものを行うアメリカ合衆国又はオーストラリアの軍隊(以下この条において「合衆国軍隊等」という。)から、当該地域において講ずべき応急の措置に必要な物品の提供に係る要請があったときは、当該国際平和協力業務又は当該輸送の実施に支障を生じない限度において、当該合衆国軍隊等に対し、自衛隊に属する物品の提供を実施することができる。

 

一 派遣先国において発生し、又は正に発生しようとしている大規模な災害に係る救助活動、医療活動(防疫活動を含む。)その他の災害応急対策及び災害復旧のための活動

 

二 前号に掲げる活動を行う人員又は当該活動に必要な機材その他の物資の輸送

 

2 防衛大臣は、合衆国軍隊等から、前項の地域において講ずべき応急の措置に必要な役務の提供に係る要請があった場合には、当該国際平和協力業務又は当該輸送の実施に支障を生じない限度において、当該自衛隊の部隊等に、当該合衆国軍隊等に対する役務の提供を行わせることができる。

 

3 前二項の規定による自衛隊に属する物品の提供及び自衛隊の部隊等による役務の提供として行う業務は、補給、輸送、修理若しくは整備、医療、通信、空港若しくは港湾に関する業務、基地に関する業務、宿泊、保管又は施設の利用(これらの業務にそれぞれ附帯する業務を含む。)とする。

 

4 第一項に規定する物品の提供には、武器の提供は含まないものとする。

 

第二十五条の見出しを削り、同条第一項及び第三項中「国際連合平和維持活動」の下に「、国際連携平和安全活動」を加え、第四章中同条を第三十条とする。

 

第二十四条の見出しを削り、同条第一項中「防衛する」を「防護する」に改め、同条第二項中「防衛する」を「防護する」に、「第二十二条」を「第二十三条」に改め、同条第三項中「防衛する」を「防護する」に改め、同条第九項中「第七項」を「第八項」に改め、「、第三項」の下に「、第七項」を加え、「及び第三項」を「の規定及びこの項において準用する第三項(第七項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」に、「から第三項まで」を「及び第二項の規定並びにこの項において準用する第三項(第七項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」に、「準用する。」を「、それぞれ準用する。」に改め、同項を同条第十項とし、同条中第八項を第九項とし、第七項を第八項とし、第六項の次に次の一項を加える。

 

7 第九条第五項の規定により派遣先国において国際平和協力業務に従事する自衛官は、その宿営する宿営地(宿営のために使用する区域であって、囲障が設置されることにより他と区別されるものをいう。以下この項において同じ。)であって当該国際平和協力業務に係る国際連合平和維持活動、国際連携平和安全活動又は人道的な国際救援活動に従事する外国の軍隊の部隊の要員が共に宿営するものに対する攻撃があったときは、当該宿営地に所在する者の生命又は身体を防護するための措置をとる当該要員と共同して、第三項の規定による武器の使用をすることができる。この場合において、同項から第五項までの規定の適用については、第三項中「現場に所在する他の自衛隊員、隊員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」とあるのは「その宿営する宿営地(第七項に規定する宿営地をいう。次項及び第五項において同じ。)に所在する者」と、「その事態」とあるのは「第七項に規定する外国の軍隊の部隊の要員による措置の状況をも踏まえ、その事態」と、第四項及び第五項中「現場」とあるのは「宿営地」とする。

 

第三章中第二十四条を第二十五条とし、同条の前に見出しとして「(武器の使用)」を付し、同条の次に次の一条及び一節を加える。

 

第二十六条 前条第三項(同条第七項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定するもののほか、第九条第五項の規定により派遣先国において国際平和協力業務であって第三条第五号トに掲げるもの又はこれに類するものとして同号ナの政令で定めるものに従事する自衛官は、その業務を行うに際し、自己若しくは他人の生命、身体若しくは財産を防護し、又はその業務を妨害する行為を排除するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、第六条第二項第二号ホ(2)及び第四項の規定により実施計画に定める装備である武器を使用することができる。

 

2 前条第三項(同条第七項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定するもののほか、第九条第五項の規定により派遣先国において国際平和協力業務であって第三条第五号ラに掲げるものに従事する自衛官は、その業務を行うに際し、自己又はその保護しようとする活動関係者の生命又は身体を防護するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、第六条第二項第二号ホ(2)及び第四項の規定により実施計画に定める装備である武器を使用することができる。

 

3 前二項の規定による武器の使用に際しては、刑法第三十六条又は第三十七条の規定に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。

 

4 自衛隊法第八十九条第二項の規定は、第一項又は第二項の規定により自衛官が武器を使用する場合について準用する。

 

第二節 自衛官の国際連合への派遣

 

(自衛官の派遣)

 

第二十七条 防衛大臣は、国際連合の要請に応じ、国際連合の業務であって、国際連合平和維持活動に参加する自衛隊の部隊等又は外国の軍隊の部隊により実施される業務の統括に関するものに従事させるため、内閣総理大臣の同意を得て、自衛官を派遣することができる。

 

2 内閣総理大臣は、前項の規定により派遣される自衛官が従事することとなる業務に係る国際連合平和維持活動が行われることについての第三条第一号イからハまでに規定する同意が当該派遣の期間を通じて安定的に維持されると認められ、かつ、当該派遣を中断する事情が生ずる見込みがないと認められる場合に限り、当該派遣について同項の同意をするものとする。

 

3 防衛大臣は、第一項の規定により自衛官を派遣する場合には、当該自衛官の同意を得なければならない。

 

(身分及び処遇)

 

第二十八条 前条第一項の規定により派遣された自衛官の身分及び処遇については、国際機関等に派遣される防衛省の職員の処遇等に関する法律(平成七年法律第百二十二号)第三条から第十四条までの規定を準用する。

 

(小型武器の無償貸付け)

 

第二十九条 防衛大臣又はその委任を受けた者は、第二十七条第一項の規定により派遣された自衛官の活動の用に供するため、国際連合から小型武器の無償貸付けを求める旨の申出があった場合において、当該活動の円滑な実施に必要であると認めるときは、当該申出に係る小型武器を国際連合に対し無償で貸し付けることができる。

 

第二十三条第一項中「国際平和協力業務」の下に「(第三条第五号チに掲げる業務及びこれに類するものとして同号ナの政令で定める業務を除く。)」を加え、同条を第二十四条とする。

 

第二十二条の前の見出しを削り、同条を第二十三条とし、同条の前に見出しとして「(小型武器の保有及び貸与)」を付する。

 

第二十一条を第二十二条とする。

 

第二十条第一項中「第三条第三号ル」を「第三条第五号カ」に、「同号ヌからヨまで」を「同号ワからソまで」に改め、同条を第二十一条とし、第十九条を第二十条とし、第十八条を第十九条とし、第十七条を第十八条とする。

 

第十六条第一項中「かんがみ」を「鑑み」に改め、同条を第十七条とし、第十五条を第十六条とする。

 

第十四条中「第十一条第一項」を「第十二条第一項」に改め、同条を第十五条とし、第十三条を第十四条とする。

 

第十二条の前の見出しを削り、同条第一項中「、国際平和協力業務」の下に「(第三条第五号ラに掲げる業務を除く。)」を加え、同項ただし書中「第三条第三号イからヘまでに掲げる業務及び」を「第三条第五号イからハまで及びホからトまでに掲げる業務並びに」に、「同号レ」を「同号ナ」に、「、自衛隊員以外の者」を「自衛隊員以外の者の派遣を要請することはできず、同号チに掲げる業務及びこれに類するものとして同号ナの政令で定める業務に係る国際平和協力業務については自衛隊員」に改め、同条第八項中「第十六条」を「第十七条」に改め、同条を第十三条とし、同条の前に見出しとして「(関係行政機関の職員の協力隊への派遣)」を付する。

 

第十一条第一項中「第三条第三号トからタまで」を「第三条第五号ニ若しくはチからネまで」に、「同号レ」を「同号ナ」に改め、同条を第十二条とする。

 

第十条の見出し中「協力隊の」を削り、同条中「協力隊の」及び「(以下「隊員」という。)」を削り、同条を第十一条とし、第九条の次に次の一条を加える。

 

(隊員の安全の確保等)

 

第十条 本部長は、国際平和協力業務の実施に当たっては、その円滑かつ効果的な推進に努めるとともに、協力隊の隊員(以下「隊員」という。)の安全の確保に配慮しなければならない。

 

別表第三第一号中リをルとし、チをヌとし、トをリとし、ヘをトとし、その次に次のように加える。

 

チ 国際連合人間居住計画

 

別表第三第一号ホの次に次のように加える。

 

ヘ 国際連合人口基金

 

別表第三を別表第四とする。

 

別表第二中「第三条関係」を「第三条、第三十二条関係」に改め、同表を別表第三とする。

 

別表第一中「第三条関係」を「第三条、第三十二条関係」に改め、同表第二号中リをルとし、チをヌとし、トをリとし、ヘをトとし、その次に次のように加える。

 

チ 国際連合人間居住計画

 

別表第一第二号ホの次に次のように加える。

 

ヘ 国際連合人口基金

 

別表第一を別表第二とし、同表の前に次の一表を加える。

 

別表第一(第三条、第三十二条関係)

 

一 国際連合

 

二 国際連合の総会によって設立された機関又は国際連合の専門機関で、国際連合難民高等弁務官事務所その他政令で定めるもの

 

三 国際連携平和安全活動に係る実績若しくは専門的能力を有する国際連合憲章第五十二条に規定する地域的機関又は多国間の条約により設立された機関で、欧州連合その他政令で定めるもの

 

 (周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律の一部改正)

 

第三条 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律第六十号)の一部を次のように改正する。

 

題名を次のように改める。

 

    重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律

 

第一条中「我が国周辺の地域における」を削り、「周辺事態」を「重要影響事態」に、「対応して我が国が実施する措置、その実施の手続その他の必要な事項を定め」を「際し、合衆国軍隊等に対する後方支援活動等を行うことにより」に、「寄与し」を「寄与することを中核とする重要影響事態に対処する外国との連携を強化し」に改める。

 

第二条の見出し中「周辺事態」を「重要影響事態」に改め、同条第一項中「周辺事態に際して、」を「重要影響事態に際して、」に、「後方地域支援、後方地域捜索救助活動、周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律」を「後方支援活動、捜索救助活動、重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律」に、「。以下「船舶検査活動法」という。)」を「)第二条」に、「その他の周辺事態」を「(重要影響事態に際して実施するものに限る。以下「船舶検査活動」という。)その他の重要影響事態」に改め、同条中第四項を第六項とし、第三項を第五項とし、第二項の次に次の二項を加える。

 

3 後方支援活動及び捜索救助活動は、現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われている現場では実施しないものとする。ただし、第七条第六項の規定により行われる捜索救助活動については、この限りでない。

 

4 外国の領域における対応措置については、当該対応措置が行われることについて当該外国(国際連合の総会又は安全保障理事会の決議に従って当該外国において施政を行う機関がある場合にあっては、当該機関)の同意がある場合に限り実施するものとする。

 

第三条第一項第三号を削り、同項第二号中「後方地域捜索救助活動」を「捜索救助活動」に、「周辺事態」を「重要影響事態」に改め、「(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)」及び「後方地域において」を削り、同号を同項第三号とし、同項第一号中「後方地域支援」を「後方支援活動」に、「周辺事態に際して日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行っているアメリカ合衆国の軍隊(以下「合衆国軍隊」という。)」を「合衆国軍隊等」に改め、「後方地域において」を削り、同号を同項第二号とし、同号の前に次の一号を加える。

 

一 合衆国軍隊等 重要影響事態に対処し、日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行うアメリカ合衆国の軍隊及びその他の国際連合憲章の目的の達成に寄与する活動を行う外国の軍隊その他これに類する組織をいう。

 

第三条第二項中「後方地域支援」を「後方支援活動」に改め、同条第三項中「後方地域捜索救助活動」を「捜索救助活動」に、「合衆国軍隊」を「合衆国軍隊等」に、「後方地域支援」を「後方支援活動」に改める。

 

第四条第一項中「周辺事態」を「重要影響事態」に改め、同項第一号及び第二号中「後方地域支援」を「後方支援活動」に改め、同項第三号及び第四号を次のように改める。

 

三 捜索救助活動

 

四 船舶検査活動

 

第四条第二項第一号を次のように改める。

 

一 重要影響事態に関する次に掲げる事項

 

イ 事態の経緯並びに我が国の平和及び安全に与える影響

 

ロ 我が国が対応措置を実施することが必要であると認められる理由

 

第四条第二項中第八号を第九号とし、第七号を第八号とし、同項第六号中「第二号」を「第三号」に改め、同号を同項第七号とし、同項第五号を同項第六号とし、同項第四号中「船舶検査活動法第四条」を「船舶検査活動を実施する場合における重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律第四条第一項」に改め、同号を同項第五号とし、同項第三号中「後方地域捜索救助活動を実施する場合」を「捜索救助活動を実施する場合」に改め、同号イ及びロ中「後方地域捜索救助活動」を「捜索救助活動」に改め、同号ハ中「後方地域捜索救助活動」を「捜索救助活動」に、「後方地域支援」を「後方支援活動」に改め、同号ニ中「後方地域捜索救助活動」を「捜索救助活動」に改め、同号ニを同号ホとし、同号ハの次に次のように加える。

 

ニ 当該捜索救助活動又はその実施に伴う前条第三項後段の後方支援活動を自衛隊が外国の領域で実施する場合には、これらの活動を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等の規模及び構成並びに装備並びに派遣期間

 

第四条第二項第三号を同項第四号とし、同項第二号中「後方地域支援を実施する場合」を「後方支援活動を実施する場合」に改め、同号イからハまでの規定中「後方地域支援」を「後方支援活動」に改め、同号ニ中「後方地域支援」を「後方支援活動」に改め、同号ニを同号ホとし、同号ハの次に次のように加える。

 

ニ 当該後方支援活動を自衛隊が外国の領域で実施する場合には、当該後方支援活動を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等の規模及び構成並びに装備並びに派遣期間

 

第四条第二項第二号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。

 

二 前号に掲げるもののほか、対応措置の実施に関する基本的な方針

 

第四条第三項中「第一項」の下に「及び前項」を加え、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

 

3 前条第二項の後方支援活動又は捜索救助活動若しくはその実施に伴う同条第三項後段の後方支援活動を外国の領域で実施する場合には、当該外国(第二条第四項に規定する機関がある場合にあっては、当該機関)と協議して、実施する区域の範囲を定めるものとする。

 

第五条中「後方地域支援、後方地域捜索救助活動」を「後方支援活動、捜索救助活動」に改める。

 

第六条の見出し並びに同条第一項及び第二項中「後方地域支援」を「後方支援活動」に改め、同条第三項中「当該後方地域支援」を「実施される必要のある役務の提供の具体的内容を考慮し、防衛省の機関又は自衛隊の部隊等がこれを円滑かつ安全に実施することができるように当該後方支援活動」に改め、同条第四項中「がこの法律又は基本計画に定められた要件を満たさないものとなった」を「において、自衛隊の部隊等が第三条第二項の後方支援活動を円滑かつ安全に実施することが困難であると認める場合又は外国の領域で実施する当該後方支援活動についての第二条第四項の同意が存在しなくなったと認める」に改め、同条第五項中「後方地域支援」を「後方支援活動」に、「公海又はその上空における輸送」を「我が国の領域外におけるもの」に、「当該輸送」を「当該後方支援活動」に、「の近傍」を「又はその近傍」に改める。

 

第七条の見出し及び同条第一項中「後方地域捜索救助活動」を「捜索救助活動」に改め、同条第二項中「当該後方地域捜索救助活動」を「実施される必要のある捜索救助活動の具体的内容を考慮し、自衛隊の部隊等がこれを円滑かつ安全に実施することができるように当該捜索救助活動」に改め、同条第三項中「後方地域捜索救助活動」を「捜索救助活動」に改め、同条第四項を削り、同条第五項中「実施区域」を「、実施区域」に改め、「、同条第五項の規定は後方地域捜索救助活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の長又はその指定する者について」を削り、同項を同条第四項とし、同条第七項中「後方地域捜索救助活動」を「捜索救助活動」に、「後方地域支援」を「後方支援活動」に改め、同項を同条第八項とし、同条第六項中「前項」を「第四項」に改め、同項を同条第七項とし、同項の前に次の二項を加える。

 

5 前条第五項の規定は、我が国の領域外における捜索救助活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の長又はその指定する者について準用する。この場合において、同項中「前項」とあるのは、「次条第四項において準用する前項」と読み替えるものとする。

 

6 前項において準用する前条第五項の規定にかかわらず、既に遭難者が発見され、自衛隊の部隊等がその救助を開始しているときは、当該部隊等の安全が確保される限り、当該遭難者に係る捜索救助活動を継続することができる。

 

第十一条第一項中「第七条第七項」を「第七条第八項」に改め、「含む」の下に「。第五項及び第六項において同じ」を加え、「後方地域支援」を「後方支援活動」に改め、「実施を」の下に「命ぜられ、又は第七条第一項の規定により捜索救助活動の実施を」を加え、「その職務を行うに際し、自己又は自己と共に当該職務に従事する」を「自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員(自衛隊法第二条第五項に規定する隊員をいう。第六項において同じ。)若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った」に改め、「武器」の下に「(自衛隊が外国の領域で当該後方支援活動又は当該捜索救助活動を実施している場合については、第四条第二項第三号ニ又は第四号ニの規定により基本計画に定める装備に該当するものに限る。以下この条において同じ。)」を加え、同条第二項を次のように改める。

 

2 前項の規定による武器の使用は、当該現場に上官が在るときは、その命令によらなければならない。ただし、生命又は身体に対する侵害又は危難が切迫し、その命令を受けるいとまがないときは、この限りでない。

 

第十一条第三項中「前二項」を「第一項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

 

3 第一項の場合において、当該現場に在る上官は、統制を欠いた武器の使用によりかえって生命若しくは身体に対する危険又は事態の混乱を招くこととなることを未然に防止し、当該武器の使用が同項及び次項の規定に従いその目的の範囲内において適正に行われることを確保する見地から必要な命令をするものとする。

 

第十一条に次の二項を加える。

 

5 第六条第二項の規定により後方支援活動としての自衛隊の役務の提供の実施を命ぜられ、又は第七条第一項の規定により捜索救助活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、外国の領域に設けられた当該部隊等の宿営する宿営地(宿営のために使用する区域であって、囲障が設置されることにより他と区別されるものをいう。以下この項において同じ。)であって合衆国軍隊等の要員が共に宿営するものに対する攻撃があった場合において、当該宿営地以外にその近傍に自衛隊の部隊等の安全を確保することができる場所がないときは、当該宿営地に所在する者の生命又は身体を防護するための措置をとる当該要員と共同して、第一項の規定による武器の使用をすることができる。この場合において、同項から第三項まで及び次項の規定の適用については、第一項中「現場に所在する他の自衛隊員(自衛隊法第二条第五項に規定する隊員をいう。第六項において同じ。)若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」とあるのは「その宿営する宿営地(第五項に規定する宿営地をいう。次項及び第三項において同じ。)に所在する者」と、「その事態」とあるのは「第五項に規定する合衆国軍隊等の要員による措置の状況をも踏まえ、その事態」と、第二項及び第三項中「現場」とあるのは「宿営地」と、次項中「自衛隊員」とあるのは「自衛隊員(同法第二条第五項に規定する隊員をいう。)」とする。

 

6 自衛隊法第九十六条第三項の規定は、第六条第二項の規定により後方支援活動としての自衛隊の役務の提供(我が国の領域外におけるものに限る。)の実施を命ぜられ、又は第七条第一項の規定により捜索救助活動(我が国の領域外におけるものに限る。)の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官については、自衛隊員以外の者の犯した犯罪に関しては適用しない。

 

別表第一基地業務の項の次に次のように加える。

 

宿泊 宿泊設備の利用、寝具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
保管 倉庫における一時保管、保管容器の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
施設の利用 土地又は建物の一時的な利用並びにこれらに類する物品及び役務の提供
訓練業務 訓練に必要な指導員の派遣、訓練用器材の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供

 

別表第一の備考を次のように改める。

 

備考 物品の提供には、武器の提供を含まないものとする。

 

別表第二の備考を次のように改める。

 

備考 物品の提供には、武器の提供を含まないものとする。

 

 (周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律の一部改正)

 

第四条 周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律(平成十二年法律第百四十五号)の一部を次のように改正する。

 

題名を次のように改める。

 

    重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律

 

第一条中「周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律」を「重要影響事態(重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律」に、「「周辺事態安全確保法」を「「重要影響事態安全確保法」に、「規定する周辺事態」を「規定する重要影響事態をいう。以下同じ。)又は国際平和共同対処事態(国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律(平成二十七年法律第七十七号。以下「国際平和協力支援活動法」という。)第一条に規定する国際平和共同対処事態をいう。以下同じ。)」に、「、周辺事態安全確保法」を「、重要影響事態安全確保法及び国際平和協力支援活動法」に、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(以下「日米安保条約」という。)の効果的な運用に寄与し、我が国」を「我が国及び国際社会」に改める。

 

第二条中「周辺事態」を「重要影響事態又は国際平和共同対処事態」に改め、「我が国領海又は我が国周辺の公海(海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。)において」を削る。

 

第三条中「船舶検査活動」を「重要影響事態における船舶検査活動」に、「日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行っているアメリカ合衆国の軍隊」を「合衆国軍隊等(重要影響事態安全確保法第三条第一項第一号に規定する合衆国軍隊等をいう。)」に、「後方地域支援」を「後方支援活動」に、「周辺事態安全確保法第三条第一項第一号」を「同項第二号」に、「、周辺事態安全確保法」を「、重要影響事態安全確保法」に改め、同条に次の一項を加える。

 

2 国際平和共同対処事態における船舶検査活動は、自衛隊の部隊等が実施するものとする。この場合において、国際平和共同対処事態における船舶検査活動を行う自衛隊の部隊等において、その実施に伴い、当該活動に相当する活動を行う諸外国の軍隊等(国際平和協力支援活動法第三条第一項第一号に規定する諸外国の軍隊等をいう。)の部隊に対して協力支援活動(同項第二号に規定する協力支援活動をいう。以下同じ。)として行う自衛隊に属する物品の提供及び自衛隊による役務の提供は、国際平和協力支援活動法別表第二に掲げるものとする。

 

第四条の見出し中「周辺事態安全確保法に規定する」を削り、同条中「船舶検査活動の実施に際して」を「重要影響事態における船舶検査活動の実施に際して」に、「周辺事態安全確保法」を「重要影響事態安全確保法」に改め、「(以下「基本計画」という。)」を削り、同条第二号中「構成」の下に「並びに当該船舶検査活動又はその実施に伴う前条第一項後段の後方支援活動を外国の領域で実施する場合には、これらの活動を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等の装備及び派遣期間」を加え、同条第五号中「前条後段」を「前条第一項後段」に、「後方地域支援」を「後方支援活動」に改め、同条に次の二項を加える。

 

2 国際平和共同対処事態における船舶検査活動の実施に際しては、次に掲げる事項を国際平和協力支援活動法第四条第一項に規定する基本計画に定めるものとする。

 

一 当該船舶検査活動に係る基本的事項

 

二 当該船舶検査活動を行う自衛隊の部隊等の規模及び構成並びに当該船舶検査活動又はその実施に伴う前条第二項後段の協力支援活動を外国の領域で実施する場合には、これらの活動を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等の装備及び派遣期間

 

三 当該船舶検査活動を実施する区域の範囲及び当該区域の指定に関する事項

 

四 第二条に規定する規制措置の対象物品の範囲

 

五 当該船舶検査活動の実施に伴う前条第二項後段の協力支援活動の実施に関する重要事項(当該協力支援活動を実施する区域の範囲及び当該区域の指定に関する事項を含む。)

 

六 その他当該船舶検査活動の実施に関する重要事項

 

3 船舶検査活動又は重要影響事態における船舶検査活動の実施に伴う前条第一項後段の後方支援活動若しくは国際平和共同対処事態における船舶検査活動の実施に伴う同条第二項後段の協力支援活動を外国の領域で実施する場合には、当該外国(重要影響事態安全確保法第二条第四項又は国際平和協力支援活動法第二条第四項に規定する機関がある場合にあっては、当該機関)と協議して、実施する区域の範囲を定めるものとする。

 

第五条第一項中「基本計画」を「前条第一項又は第二項の基本計画(第五項において単に「基本計画」という。)」に改め、同条第二項中「実施要項において、」の下に「実施される必要のある船舶検査活動の具体的内容を考慮し、自衛隊の部隊等がこれを円滑かつ安全に実施することができるように」を加え、同条第四項を次のように改める。

 

4 防衛大臣は、実施区域の全部又は一部において、自衛隊の部隊等が船舶検査活動を円滑かつ安全に実施することが困難であると認める場合又は重要影響事態において外国の領域で実施する船舶検査活動についての重要影響事態安全確保法第二条第四項の同意若しくは国際平和共同対処事態において外国の領域で実施する船舶検査活動についての国際平和協力支援活動法第二条第四項の同意が存在しなくなったと認める場合には、速やかに、その指定を変更し、又はそこで実施されている活動の中断を命じなければならない。

 

第五条第六項中「周辺事態安全確保法」を「重要影響事態安全確保法」に、「、船舶検査活動」を「重要影響事態における船舶検査活動」に、「第三条後段の後方地域支援について」を「第三条第一項後段の後方支援活動について、国際平和協力支援活動法第七条の規定は国際平和共同対処事態における船舶検査活動の実施に伴う第三条第二項後段の協力支援活動について、それぞれ」に改め、同項を同条第七項とし、同条第五項中「前項において準用する周辺事態安全確保法第六条第四項」を「前二項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項の次に次の一項を加える。

 

5 前項に定めるもののほか、防衛大臣は、実施区域の全部又は一部がこの法律又は基本計画に定められた要件を満たさないものとなった場合には、速やかに、その指定を変更し、又はそこで実施されている活動の中断を命じなければならない。

 

第六条第一項中「命ぜられた」を「命ぜられ、又は同条第七項において準用する重要影響事態安全確保法第六条第二項の規定により重要影響事態における船舶検査活動の実施に伴う第三条第一項後段の後方支援活動としての自衛隊の役務の提供の実施を命ぜられ、若しくは前条第七項において準用する国際平和協力支援活動法第七条第二項の規定により国際平和共同対処事態における船舶検査活動の実施に伴う第三条第二項後段の協力支援活動としての自衛隊の役務の提供の実施を命ぜられた」に、「当該船舶検査活動の対象船舶に乗船してその職務を行うに際し、自己又は自己と共に当該職務に従事する」を「自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員(自衛隊法第二条第五項に規定する隊員をいう。第五項において同じ。)若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った」に改め、「武器」の下に「(自衛隊が外国の領域で当該船舶検査活動又は当該後方支援活動若しくは当該協力支援活動を実施している場合については、第四条第一項第二号又は第二項第二号の規定により基本計画に定める装備に該当するものに限る。以下この条において同じ。)」を加え、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。

 

2 前項の規定による武器の使用は、当該現場に上官が在るときは、その命令によらなければならない。ただし、生命又は身体に対する侵害又は危難が切迫し、その命令を受けるいとまがないときは、この限りでない。

 

3 第一項の場合において、当該現場に在る上官は、統制を欠いた武器の使用によりかえって生命若しくは身体に対する危険又は事態の混乱を招くこととなることを未然に防止し、当該武器の使用が同項及び次項の規定に従いその目的の範囲内において適正に行われることを確保する見地から必要な命令をするものとする。

 

第六条に次の一項を加える。

 

5 自衛隊法第九十六条第三項の規定は、前条第一項の規定により船舶検査活動(我が国の領域外におけるものに限る。)の実施を命ぜられ、又は同条第七項において準用する重要影響事態安全確保法第六条第二項の規定により重要影響事態における船舶検査活動の実施に伴う第三条第一項後段の後方支援活動としての自衛隊の役務の提供(我が国の領域外におけるものに限る。)の実施を命ぜられ、若しくは前条第七項において準用する国際平和協力支援活動法第七条第二項の規定により国際平和共同対処事態における船舶検査活動の実施に伴う第三条第二項後段の協力支援活動としての自衛隊の役務の提供(我が国の領域外におけるものに限る。)の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官については、自衛隊員以外の者の犯した犯罪に関しては適用しない。

 

 (武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律の一部改正)

 

第五条 武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成十五年法律第七十九号)の一部を次のように改正する。

 

題名を次のように改める。

 

    武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律

 

目次中「武力攻撃事態等への対処の」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態への対処の」に、

 

「第三章 武力攻撃事態等への対処に関する法制の整備(第二十一条-第二十三条)

第四章 緊急対処事態その他の緊急事態への対処のための措置(第二十四条-第二十七条)」

を「第三章 緊急対処事態その他の緊急事態への対処のための措置(第二十一条-第二十四条)」に改める。

 

第一条中「同じ。)」及び「により、武力攻撃事態等」の下に「及び存立危機事態」を加え、「、併せて武力攻撃事態等への対処に関して必要となる法制の整備に関する事項を定め」を削る。

 

第二条中「この法律」の下に「(第一号に掲げる用語にあっては、第四号及び第八号ハ(1)を除く。)」を加え、同条第七号イ(2)中「及びアメリカ合衆国」を「、アメリカ合衆国」に改め、「必要な行動」の下に「及びその他の外国の軍隊が実施する自衛隊と協力して武力攻撃を排除するために必要な行動」を加え、同号に次のように加える。

 

ハ 存立危機事態を終結させるためにその推移に応じて実施する次に掲げる措置

 

(1) 我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃であって、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるもの(以下「存立危機武力攻撃」という。)を排除するために必要な自衛隊が実施する武力の行使、部隊等の展開その他の行動

 

(2) (1)に掲げる自衛隊の行動及び外国の軍隊が実施する自衛隊と協力して存立危機武力攻撃を排除するために必要な行動が円滑かつ効果的に行われるために実施する物品、施設又は役務の提供その他の措置

 

(3) (1)及び(2)に掲げるもののほか、外交上の措置その他の措置

 

ニ 存立危機武力攻撃による深刻かつ重大な影響から国民の生命、身体及び財産を保護するため、又は存立危機武力攻撃が国民生活及び国民経済に影響を及ぼす場合において当該影響が最小となるようにするために存立危機事態の推移に応じて実施する公共的な施設の保安の確保、生活関連物資等の安定供給その他の措置

 

第二条中第七号を第八号とし、第四号から第六号までを一号ずつ繰り下げ、第三号の次に次の一号を加える。

 

四 存立危機事態 我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう。

 

第三条の見出し及び同条第一項中「武力攻撃事態等」の下に「及び存立危機事態」を加え、同条第六項中「武力攻撃事態等」の下に「及び存立危機事態」を加え、「協力しつつ」を「協力するほか、関係する外国との協力を緊密にしつつ」に改め、同項を同条第七項とし、同条第五項中「においては」を「及び存立危機事態においては」に、「これ」を「存立危機事態並びにこれら」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項中「武力攻撃事態等」の下に「及び存立危機事態」を加え、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。

 

4 存立危機事態においては、存立危機武力攻撃を排除しつつ、その速やかな終結を図らなければならない。ただし、存立危機武力攻撃を排除するに当たっては、武力の行使は、事態に応じ合理的に必要と判断される限度においてなされなければならない。

 

第四条中「武力攻撃事態等」の下に「及び存立危機事態」を加え、「すべて」を「全て」に改め、同条に次の一項を加える。

 

2 国は、前項の責務を果たすため、武力攻撃事態等及び存立危機事態への円滑かつ効果的な対処が可能となるよう、関係機関が行うこれらの事態への対処についての訓練その他の関係機関相互の緊密な連携協力の確保に資する施策を実施するものとする。

 

第八条中「かんがみ」を「鑑み」に改め、「指定公共機関が」の下に「武力攻撃事態等において」を加える。

 

第二章の章名中「武力攻撃事態等」の下に「及び存立危機事態」を加える。

 

第九条第一項中「武力攻撃事態等」の下に「又は存立危機事態」を加え、同条第二項第一号を次のように改める。

 

一 対処すべき事態に関する次に掲げる事項

 

イ 事態の経緯、事態が武力攻撃事態であること、武力攻撃予測事態であること又は存立危機事態であることの認定及び当該認定の前提となった事実

 

ロ 事態が武力攻撃事態又は存立危機事態であると認定する場合にあっては、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がなく、事態に対処するため武力の行使が必要であると認められる理由

 

第九条第二項第二号中「武力攻撃事態等」の下に「又は存立危機事態」を加え、同条第三項中「においては」を「又は存立危機事態においては」に改め、同項第五号中「武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律」に改め、同項第六号中「武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律」を「武力攻撃事態及び存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律」に改め、同条第四項中「武力攻撃事態」の下に「又は存立危機事態」を加え、同条第五項第五号中「武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律」に改める。

 

第十条第一項中「武力攻撃事態等対策本部」を「事態対策本部」に改める。

 

第十一条第一項中「武力攻撃事態等対策本部長」を「事態対策本部長」に改め、同条第三項中「武力攻撃事態等対策副本部長」を「事態対策副本部長」に、「武力攻撃事態等対策本部員」を「事態対策本部員」に改める。

 

第十三条第一項中「第二条第四号ロ」を「第二条第五号ロ」に改める。

 

第十八条中「、国際連合憲章第五十一条及び日米安保条約第五条第二項の規定に従って」を削り、「武力攻撃」の下に「又は存立危機武力攻撃」を、「について」の下に「、国際連合憲章第五十一条(武力攻撃の排除に当たって我が国が講じた措置にあっては、同条及び日米安保条約第五条第二項)の規定に従って」を加える。

 

第三章を削る。

 

第二十四条第一項中「第二十七条」を「第二十四条」に改め、「武力攻撃事態等」の下に「及び存立危機事態」を加え、第四章中同条を第二十一条とし、第二十五条を第二十二条とし、第二十六条を第二十三条とする。

 

第二十七条中「及び第六項」を「、第四項及び第七項」に、「第四条中」を「第四条第一項中」に改め、同条を第二十四条とする。

 

第四章を第三章とする。

 

 (武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律の一部改正)

 

第六条 武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律(平成十六年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。

 

題名を次のように改める。

 

    武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律

 

第一条中「において、」を「において」に、「その他の当該行動」を「、武力攻撃事態等又は存立危機事態において自衛隊と協力して武力攻撃又は存立危機武力攻撃を排除するために必要な外国軍隊の行動が円滑かつ効果的に実施されるための措置その他のこれらの行動」に改める。

 

第二条第一号中「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に改め、同条第五号中「武力攻撃事態等において、合衆国軍隊の行動(前号に規定する行動(武力攻撃が発生した事態以外の武力攻撃事態等にあっては、日米安保条約に従って武力攻撃を排除するために必要な準備のための同号に規定する行動)をいう。以下同じ。)が円滑かつ効果的に実施されるための措置その他の合衆国軍隊の行動に伴い我が国が実施する」を「次に掲げる」に、「第二条第四号」を「第二条第五号」に改め、同号に次のように加える。

 

イ 武力攻撃事態等において、特定合衆国軍隊の行動(第六号に規定する行動(武力攻撃が発生した事態以外の武力攻撃事態等にあっては、日米安保条約に従って武力攻撃を排除するために必要な準備のための同号に規定する行動)をいう。以下同じ。)が円滑かつ効果的に実施されるための措置その他の特定合衆国軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置

 

ロ 武力攻撃事態等又は存立危機事態において、外国軍隊の行動(前号に規定する行動(武力攻撃が発生した事態以外の武力攻撃事態等にあっては、自衛隊と協力して武力攻撃を排除するために必要な準備のための同号に規定する行動)をいう。以下同じ。)が円滑かつ効果的に実施されるための措置その他の外国軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置

 

第二条第五号を同条第八号とし、同条第四号中「合衆国軍隊」を「特定合衆国軍隊」に改め、同号を同条第六号とし、同号の次に次の一号を加える。

 

七 外国軍隊 武力攻撃事態等又は存立危機事態において、自衛隊と協力して武力攻撃又は存立危機武力攻撃を排除するために必要な行動を実施している外国の軍隊(特定合衆国軍隊を除く。)をいう。

 

第二条第三号の次に次の二号を加える。

 

四 存立危機事態 事態対処法第二条第四号に規定する存立危機事態をいう。

 

五 存立危機武力攻撃 事態対処法第二条第八号ハ(1)に規定する存立危機武力攻撃をいう。

 

第三条中「武力攻撃事態等」の下に「及び存立危機事態」を加える。

 

第四条中「武力攻撃」の下に「及び存立危機武力攻撃」を加える。

 

第五条中「から」の下に「武力攻撃事態等において」を加える。

 

第六条の見出し中「合衆国政府」を「合衆国政府等」に改め、同条に次の一項を加える。

 

2 前項に規定するもののほか、政府は、第三条の責務を果たすため、武力攻撃事態等又は存立危機事態の状況の認識及び武力攻撃事態等又は存立危機事態への対処に関し、関係する外国政府と緊密な連絡を保つよう努めるものとする。

 

第七条中「武力攻撃事態等」の下に「又は存立危機事態」を加え、「、合衆国軍隊の行動」を「、特定合衆国軍隊の行動又は外国軍隊の行動(以下「特定合衆国軍隊等の行動」という。)」に、「の合衆国軍隊の行動」を「の特定合衆国軍隊等の行動」に改める。

 

第八条中「合衆国軍隊の行動」を「特定合衆国軍隊等の行動」に、「第二条第七号」を「第二条第八号」に改める。

 

第九条(見出しを含む。)中「合衆国軍隊」を「特定合衆国軍隊」に改める。

 

第十三条第一項中「武力攻撃事態等対策本部長」を「事態対策本部長」に改める。

 

第十四条第一項中「合衆国軍隊の次の」を「特定合衆国軍隊の次の」に改め、同項第一号中「合衆国軍隊の行動」を「特定合衆国軍隊の行動」に改め、同項第二号中「合衆国軍隊車両」を「特定合衆国軍隊車両」に、「合衆国軍隊の使用する」を「特定合衆国軍隊の使用する」に、「合衆国軍隊の行動」を「特定合衆国軍隊の行動」に改める。

 

第十五条第一項中「合衆国軍隊の用」を「特定合衆国軍隊の用」に改め、同条第二項及び第三項中「合衆国軍隊の行動」を「特定合衆国軍隊の行動」に改める。

 

 (武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律の一部改正)

 

第七条 武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律(平成十六年法律第百十四号)の一部を次のように改正する。

 

第二条第一項中「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に、「同条第四号、同条第六号」を「同条第五号、同条第七号」に改め、同条第二項中「第二条第七号イ(1)」を「第二条第八号イ(1)」に改め、「行動」の下に「及び外国軍隊(武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律(平成十六年法律第百十三号)第二条第七号に規定する外国軍隊をいう。)が実施する自衛隊と協力して武力攻撃を排除するために必要な行動」を加える。

 

第十八条第一項第一号中「第二条第七号イ(1)」を「第二条第八号イ(1)」に改める。

 

第二十一条中「第二十五条第一項」を「第二十二条第一項」に改める。

 

 (武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律の一部改正)

 

第八条 武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律(平成十六年法律第百十六号)の一部を次のように改正する。

 

題名を次のように改める。

 

    武力攻撃事態及び存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律

 

第一条中「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に改め、「いう。以下同じ。)」の下に「及び存立危機事態(同条第四号に規定する存立危機事態をいう。以下同じ。)」を加え、「我が国領海又は我が国周辺の公海(海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。以下同じ。)における」を削る。

 

第二条第一号中「武力攻撃事態に」を「武力攻撃事態又は存立危機事態に」に、「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に改め、「同じ。)」の下に「又は存立危機武力攻撃(同法第二条第八号ハ(1)に規定する存立危機武力攻撃をいう。次号において同じ。)」を加え、同条第二号中「外国軍隊等が所在する我が国」を「、武力攻撃事態においては外国軍隊等が所在する我が国」に改め、「周辺の」の下に「公海(海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。以下同じ。)上の地域を、存立危機事態においては外国軍隊等が所在する存立危機武力攻撃を受けている外国の領域又は当該外国周辺の」を加える。

 

第四条第一項中「又は我が国周辺の」を「、外国の領海(海上自衛隊の部隊が第四章の規定による措置を行うことについて当該外国の同意がある場合に限る。)又は」に、「第四章」を「同章」に改める。

 

第十六条中「事態」の下に「又は存立危機事態」を加える。

 

第三十八条中「武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律」を「武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律」に、「第三条第四号」を「第三条第六号」に改める。

 

第五十八条中「武力攻撃事態」の下に「又は存立危機事態」を加える。

 

 (武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律の一部改正)

 

第九条 武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律(平成十六年法律第百十七号)の一部を次のように改正する。

 

題名を次のように改める。

 

    武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律

 

第一条中「武力攻撃事態」の下に「及び存立危機事態」を、「より、武力攻撃」の下に「又は存立危機武力攻撃」を加える。

 

第二条第一項中「武力攻撃事態」の下に「及び存立危機事態」を加え、同条第三項中「武力攻撃」の下に「又は存立危機武力攻撃」を加える。

 

第三条第一号中「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に、「次号」を「以下この条」に改め、同条中第十八号を第二十号とし、第十一号から第十七号までを二号ずつ繰り下げ、同条第十号中「第四号ル」を「第六号ル」に改め、同号を同条第十二号とし、同条第九号中「第四号ヌ」を「第六号ヌ」に改め、同号を同条第十一号とし、同条第八号中「第四号リ」を「第六号リ」に改め、同号を同条第十号とし、同条第七号中「第四号ト」を「第六号ト」に改め、同号を同条第九号とし、同条第六号中「第四号ホ」を「第六号ホ」に改め、同号を同条第八号とし、同条第五号を同条第七号とし、同条第四号ハ中「武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律」を「武力攻撃事態及び存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律」に改め、「(武力攻撃」の下に「又は存立危機武力攻撃」を加え、同号ニ、ヘ及びチ中「武力攻撃」の下に「又は存立危機武力攻撃」を加え、同号を同条第六号とし、同条第三号中「武力攻撃事態」の下に「又は存立危機事態」を、「、武力攻撃」の下に「又は存立危機武力攻撃」を加え、同号を同条第五号とし、同条第二号の次に次の二号を加える。

 

三 存立危機武力攻撃 事態対処法第二条第八号ハ(1)に規定する存立危機武力攻撃をいう。

 

四 存立危機事態 事態対処法第二条第四号に規定する存立危機事態をいう。

 

第四条中「事態」の下に「又は存立危機事態」を加える。

 

第十条中「第三条第四号イ」を「第三条第六号イ」に改める。

 

第十六条第一項中「第三条第四号ロ」を「第三条第六号ロ」に改め、同条第二項中「武力攻撃」の下に「又は存立危機武力攻撃」を加える。

 

第十八条第三号中「第三条第四号イ」を「第三条第六号イ」に改める。

 

第四十八条第三号中「武力攻撃」の下に「又は存立危機武力攻撃」を加える。

 

第八十二条第一項中「、武力攻撃」の下に「又は存立危機武力攻撃」を、「武力攻撃事態」の下に「又は存立危機事態」を加える。

 

第百三十七条第一項から第三項までの規定中「武力攻撃事態」の下に「又は存立危機事態」を加え、同条第四項中「武力攻撃事態」の下に「又は存立危機事態」を、「際して、武力攻撃」の下に「又は存立危機武力攻撃」を加える。

 

第百三十九条第一項中「武力攻撃事態」の下に「又は存立危機事態」を加える。

 

第百四十条の見出し並びに同条第一項及び第二項中「武力攻撃事態」の下に「又は存立危機事態」を加え、同条第三項中「第三条第四号ホ」を「第三条第六号ホ」に改める。

 

第百四十一条の見出しを「(武力攻撃事態又は存立危機事態の終了後の送還)」に改める。

 

第百四十六条第一項中「第三条第四号ロ」を「第三条第六号ロ」に改める。

 

第百五十九条及び第百六十八条第一項中「武力攻撃事態」の下に「又は存立危機事態」を加える。

 

第百七十一条第一項中「規定は」の下に「、武力攻撃事態に際して」を加える。

 

 (国家安全保障会議設置法の一部改正)

 

第十条 国家安全保障会議設置法(昭和六十一年法律第七十一号)の一部を次のように改正する。

 

第二条第一項第四号中「同じ。)」の下に「又は存立危機事態」を加え、同項第五号中「武力攻撃事態等」の下に「又は存立危機事態」を加え、同項第六号中「周辺事態」を「重要影響事態」に改め、同項第七号を次のように改める。

 

七 国際平和共同対処事態への対処に関する重要事項

 

第二条第一項第十一号を同項第十三号とし、同項第十号中「周辺事態」を「存立危機事態、重要影響事態、国際平和共同対処事態」に、「第七号又は第八号」を「第九号又は第十号」に改め、同号を同項第十二号とし、同項中第九号を第十一号とし、第八号を第十号とし、第七号の次に次の二号を加える。

 

八 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号)第二条第一項に規定する国際平和協力業務の実施等に関する重要事項

 

九 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第六章に規定する自衛隊の行動に関する重要事項(第四号から前号までに掲げるものを除く。)

 

第二条第二項中「第四号まで」の下に「及び次の各号」を加え、「第八号まで及び第十号に掲げる事項」を「第十号まで及び第十二号に掲げる事項(次の各号に掲げる事項を除く。)」に改め、同項に次の各号を加える。

 

一 前項第八号に掲げる事項のうち次に掲げる措置に関するもの

 

イ 国際連合平和維持活動又は国際連携平和安全活動のために実施する国際平和協力業務であつて国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律第三条第五号トに掲げるもの若しくはこれに類するものとして同号ナの政令で定めるもの又は同号ラに掲げるものの実施に係る国際平和協力業務実施計画の決定及び変更(当該業務の終了に係る変更を含む。)

 

ロ 人道的な国際救援活動のために実施する国際平和協力業務であつて国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律第三条第五号ラに掲げるものの実施に係る国際平和協力業務実施計画の決定及び変更(当該業務の終了に係る変更を含む。)

 

ハ 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律第二十七条第一項の規定による自衛官の国際連合への派遣

 

二 前項第九号に掲げる事項のうち自衛隊法第八十四条の三に規定する保護措置の実施に関するもの

 

第二条第三項中「周辺事態」を「存立危機事態、重要影響事態」に、「第十号」を「第十二号」に改める。

 

第五条第一項第一号中「第八号」を「第十号」に、「第十一号」を「第十三号」に改め、同項第二号中「第二条第一項第九号」を「第二条第一項第十一号」に改め、同項第三号中「第二条第一項第十号」を「第二条第一項第十二号」に改める。

 

第九条第二項中「第八号まで」を「第七号まで、第九号、第十号」に、「第十号」を「第十二号」に、「同項第七号及び第八号」を「同項第九号及び第十号」に改める。

 

   附 則

 

(施行期日)

 

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 

(調整規定)

 

第二条 この法律の施行の日(附則第十条において「施行日」という。)が刑事訴訟法等の一部を改正する法律(平成二十七年法律第▼▼▼号)附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日前である場合には、同法附則第十二条(見出しを含む。)中「武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律」とあるのは、「武力攻撃事態及び存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律」とする。

 

(道路交通法の一部改正)

 

第三条 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)の一部を次のように改正する。

 

第百十四条の五第一項中「武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律」に、「第二条第四号」を「第二条第六号」に、「合衆国軍隊」を「特定合衆国軍隊」に改める。

 

(国際機関等に派遣される防衛省の職員の処遇等に関する法律の一部改正)

 

第四条 国際機関等に派遣される防衛省の職員の処遇等に関する法律(平成七年法律第百二十二号)の一部を次のように改正する。

 

第二条第二項第八号中「以下」の下に「この号において」を、「確保」の下に「、紛争による混乱に伴う切迫した暴力の脅威からの住民の保護」を、「設立」の下に「及び再建」を加え、「ために」を「ことを目的として、」に改め、「、武力紛争の停止及びこれを維持するとの紛争当事者間の合意並びに当該活動が行われる地域の属する国及び紛争当事者の当該活動が行われることについての同意がある場合(武力紛争が発生していない場合においては、当該活動が行われる地域の属する国の当該同意がある場合)に、いずれの紛争当事者にも偏ることなく実施されることを旨として」を削り、「実施されるもの」の下に「のうち、次に掲げるもの」を加え、同号に次のように加える。

 

イ 武力紛争の停止及びこれを維持するとの紛争当事者間の合意並びに当該活動が行われる地域の属する国(当該国において国際連合の総会又は安全保障理事会が行う決議に従って施政を行う機関がある場合にあっては、当該機関。以下この号において同じ。)及び紛争当事者の当該活動が行われることについての同意がある場合に、いずれの紛争当事者にも偏ることなく実施される活動

 

ロ 武力紛争が終了して紛争当事者が当該活動が行われる地域に存在しなくなった場合において、当該活動が行われる地域の属する国の当該活動が行われることについての同意がある場合に実施される活動

 

ハ 武力紛争がいまだ発生していない場合において、当該活動が行われる地域の属する国の当該活動が行われることについての同意がある場合に、武力紛争の発生を未然に防止することを主要な目的として、特定の立場に偏ることなく実施される活動

 

(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律の一部改正)

 

第五条 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成十六年法律第百十二号)の一部を次のように改正する。

 

目次中「第十一章 事態対処法の一部改正(第百九十五条)」を削る。

 

第一条中「かんがみ」を「鑑み」に、「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に改める。

 

第二条第一項中「第六号」を「第七号」に改め、「第三号」の下に「及び第四号」を加え、同条第三項中「事態対処法第二十二条第一号に掲げる」を「次に掲げる措置その他の武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護するため、又は武力攻撃が国民生活及び国民経済に影響を及ぼす場合において当該影響が最小となるようにするための」に、「同号ヘ」を「第六号」に改め、同項に次の各号を加える。

 

一 警報の発令、避難の指示、避難住民等の救援、消防等に関する措置

 

二 施設及び設備の応急の復旧に関する措置

 

三 保健衛生の確保及び社会秩序の維持に関する措置

 

四 運送及び通信に関する措置

 

五 国民の生活の安定に関する措置

 

六 被害の復旧に関する措置

 

第百七十二条第一項中「第二十五条第一項」を「第二十二条第一項」に、「すべて」を「全て」に、「第二十五条第三項第二号」を「第二十二条第三項第二号」に改める。

 

第百八十一条第一項中「第二十六条第一項」を「第二十三条第一項」に、「第二十七条」を「第二十四条」に改める。

 

第百八十三条の表第二十五条第一項の項中「第二十五条第四項」を「第二十二条第四項」に改める。

 

第十一章を削る。

 

(武力紛争の際の文化財の保護に関する法律及び原子力規制委員会設置法の一部改正)

 

第六条 次に掲げる法律の規定中「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に改める。

 

一 武力紛争の際の文化財の保護に関する法律(平成十九年法律第三十二号)第六条第一項

 

二 原子力規制委員会設置法(平成二十四年法律第四十七号)第十条第四項第三号

 

(行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部改正)

 

第七条 行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成二十六年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。

 

第三百四十一条(見出しを含む。)中「武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律」を「武力攻撃事態及び存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律」に改める。

 

第三百四十二条(見出しを含む。)中「武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律」を「武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律」に改め、同条のうち武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律第三条第十一号及び第十二号の改正規定中「第三条第十一号及び第十二号」を「第三条第十三号及び第十四号」に改める。

 

(サイバーセキュリティ基本法の一部改正)

 

第八条 サイバーセキュリティ基本法(平成二十六年法律第百四号)の一部を次のように改正する。

 

附則第三条中「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に、「第二十四条第一項」を「第二十一条第一項」に改める。

 

(防衛省設置法の一部改正)

 

第九条 防衛省設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)の一部を次のように改正する。

 

第四条第二十九号中「武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律」に改める。

 

第十三条の表捕虜資格認定等審査会の項中「武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律」を「武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律」に改める。

 

第三十条中「武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律」を「武力攻撃事態及び存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律」に改める。

 

(防衛省設置法の一部改正に伴う調整規定)

 

第十条 施行日が防衛省設置法等の一部を改正する法律(平成二十七年法律第三十九号)の施行の日前である場合には、前条のうち防衛省設置法第三十条の改正規定中「第三十条」とあるのは、「第三十二条」とする。

 

(内閣府設置法の一部改正)

 

第十一条 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

 

第四条第三項第五十二号中「第三条第三号」を「第三条第五号」に、「同条第四号」を「同条第六号」に改める。

 

(復興庁設置法の一部改正)

 

第十二条 復興庁設置法(平成二十三年法律第百二十五号)の一部を次のように改正する。

 

附則第三条第一項の表国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号)の項中「第三条第七号イ」を「第三条第九号イ」に改め、同表周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律第六十号)の項中「周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律」を「重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律」に改め、同表武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成十五年法律第七十九号)の項中「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に、「第二条第四号イ」を「第二条第五号イ」に改める。

 

(内閣総理臨時代理・総務・法務・外務臨時代理・財務・文部科学・厚生労働臨時代理・農林水産・経済産業・国土交通・環境・防衛大臣署名)

日本国との平和条約(サンフランシスコ講和条約)

日本国との平和条約

Treaty of Peace with Japan

 

署名   1951年9月8日(サン・フランシスコ)

効力発生 1952年4月28日

日本国  1951年11月18日国会承認、11月28日批准書寄託、52年4月28日公布(昭和27年条約第5号)、発効

 

 

連合国及び日本国は、両者の関係が、今後、共通の福祉を増進し且つ国際の平和及び安全を維持するために主権を有する対等のものとして友好的な連携の下に協力する国家の間の関係でなければならないことを決意し、よつて、両者の間の戦争状態の存在の結果として今なお未決である問題を解決する平和条約を締結することを希望するので、

日本国としては、国際連合への加盟を申請し且つあらゆる場合に国際連合憲章の原則を遵守し、世界人権宣言の目的を実現するために努力し、国際連合憲章第五十五条及び第五十六条に定められ且つ既に降伏後の日本国の法制によつて作られはじめた安定及び福祉の条件を日本国内に創造するために努力し、並びに公私の貿易及び通商において国際的に承認された公正な慣行に従う意思を宣言するので、

連合国は、前項に掲げた日本国の意思を歓迎するので、

よつて、連合国及び日本国は、この平和条約を締結することに決定し、これに応じて下名の全権委員を任命した。これらの全権委員は、その全権委任状を示し、それが良好妥当であると認められた後、次の規定を協定した。

 

第一章 平和

 

第一条(a) 日本国と各連合国との間戦争状態は、第二十三条の定めるところによりこの条約が日本国と当該連合国との間に効力を生ずる日に終了する。

(b) 連合国は、日本国及びその領水に対する日本国民の完全な主権を承認する。

 

第二章 領域

 

第二条(a) 日本国は、朝鮮の独立を承認して、済洲島、巨文島及び欝陵島を含む朝鮮に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。

(b) 日本国は、台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。

(c) 日本国は、千島列島並びに日本国が千九百五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。

(d) 日本国は、国際連盟の委任統治制度に関連するすべての権利、権原及び請求権を放棄し、且つ、以前に日本国の委任統治の下にあつた太平洋の諸島に信託統治制度を及ぼす千九百四十七年四月二日の国際連合安全保障理事会の行動を受諾する。

(e) 日本国は、日本国民の活動に由来するか又は他に由来するかを問わず、南極地域のいずれの部分に対する権利若しくは権原又はいずれの部分に関する利益についても、すべての請求権を放棄する。

(f) 日本国は、新南群島及び西沙群島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。

 

第三条 日本国は、北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)、孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及び南鳥島を合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度の下におくこととする国際連合に対する合衆国のいかなる提案にも同意する。このような提案が行われ且つ可決されるまで、合衆国は、領水を含むこれらの諸島の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする。

 

第四条(a) この条の(b)の規定を留保して、日本国及びその国民の財産で第二条に掲げる地域にあるもの並びに日本国及びその国民の請求権(債権を含む。)で現にこれらの地域の施政を行つている当局及びそこの住民(法人を含む。)に対するものの処理並びに日本国におけるこれらの当局及び住民の財産並びに日本国及びその国民に対するこれらの当局及び住民の請求権(債権を含む。)の処理は、日本国とこれらの当局との間の特別取極の主題とする。第二条に掲げる地域にある連合国又はその国民の財産は、まだ返還されていない限り、施政を行つている当局が現状で返還しなければならない。(国民という語は、この条約で用いるときはいつでも、法人を含む。)

(b) 日本国は、第二条及び第三条に掲げる地域のいずれかにある合衆国軍政府により、又はその指令に従つて行われた日本国及びその国民の財産の処理の効力を承認する。

(c) 日本国とこの条約に従つて日本国の支配から除かれる領域とを結ぶ日本所有の海底電線は、二等分され、日本国は、日本の終点施設及びこれに連なる電線の半分を保有し、分離される領域は、残りの電線及びその終点施設を保有する。

 

第三章 安全

 

第五条(a) 日本国は、国際連合憲章第二条に掲げる義務、特に次の義務を受諾する。

(i) その国際紛争を、平和的手段によつて国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決すること。

(ii) その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使は、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むこと。

(iii) 国際連合が憲章に従つてとるいかなる行動についても国際連合にあらゆる援助を与え、且つ、国際連合が防止行動または強制行動をとるいかなる国に対しても援助の供与を慎むこと。

(b) 連合国は、日本国との関係において国際連合憲章第二条の原則を指針とすべきことを確認する。

(c) 連合国としては、日本国が主権国として国際連合憲章第五十一条に掲げる個別的又は集団的自衛の固有の権利を有すること及び日本国が集団的安全保障取極を自発的に締結することができることを承認する。

 

第六条(a) 連合国のすべての占領軍は、この条約の効力発生の後なるべくすみやかに、且つ、いかなる場合にもその後九十日以内に、日本国から撤退しなければならない。但し、この規定は、一または二以上の連合国を一方とし、日本国を他方として双方の間に締結された若しくは締結される二国間若しくは多数国間の協定に基く、又はその結果としての外国軍隊の日本国の領域における駐とん又は駐留を妨げるものではない。

(b) 日本国軍隊の各自の家庭への復帰に関する一九四五年七月二十六日のポツダム宣言の第九項の規定は、まだその実施が完了されていない限り、実行されるものとする。

(c) まだ対価が支払われていないすべての日本財産で、占領軍の使用に供され、且つ、この条約の効力発生の時に占領軍が占有しているものは、相互の合意によつて別段の取極が行われない限り、前記の九十日以内に日本国政府に返還しなければならない。

 

第四章 政治及び経済条項

 

第七条(a) 各連合国は、自国と日本国との間にこの条約が効力を生じた後一年以内に、日本国との戦前のいずれの二国間の条約又は協約を引き続いて有効とし又は復活させることを希望するかを日本国に通告するものとする。こうして通告された条約又は協約は、この条約に適合することを確保するための必要な修正を受けるだけで、引き続いて有効とされ、又は復活される。こうして通告された条約又は協約は、通告の日の後三箇月で引き続いて有効なものとみなされ、又は復活され、且つ、国際連合事務局に登録されなければならない。日本国にこうして通告されないすべての条約又は協約は、廃棄されたものとみなす。

(b) この条の(a)に基いて行う通告においては、条約又は協約の実施又は復活に関し、国際関係について通告国が責任をもつ地域を除外することができる。この除外は、除外の適用を禁止することが日本国に通告される日の三箇月後まで行われるものとする。

 

第八条(a) 日本国は、連合国が千九百三十九年九月一日に開始された戦争状態を終了するために現に締結し又は今後締結するすべての条約及び連合国が平和の回復のため又はこれに関連して行う他の取極の完全な効力を承認する。日本国は、また、従前の国際連盟及び常設国際司法裁判所を終止するために行われた取極を受諾する。

(b) 日本国は、千九百十九年九月十日のサン・ジェルマン=アン=レイの諸条約及び千九百三十六年七月二十日のモントルーの海峡条約の署名国であることに由来し、並びに千九百二十三年七月二十四日にローザンヌで署名されたトルコとの平和条約の第十六条に由来するすべての権利及び利益を放棄する。

(c) 日本国は、千九百三十年一月二十日のドイツと債権国との間の協定及び千九百三十年五月十七日の信託協定を含むその附属書並びに千九百三十年一月二十日の国際決済銀行に関する条約及び国際決済銀行の定款に基いて得たすべての権利、権原及び利益を放棄し、且つ、この条約の最初の効力発生の後六箇月以内に、この項に掲げる権利、権原及び利益の放棄をパリの外務省に通告するものとする。

 

第九条 日本国は、公海における漁猟の規制又は制限並びに漁業の保存及び発展を規定する二国間及び多数国間の協定を締結するために、希望する連合国とすみやかに交渉を開始するものとする。

 

第十条 日本国は、千九百一年九月七日に北京で署名された最終議定書並びにこれを補足するすべての附属書、書簡及び文書の規定から生ずるすべての利益及び特権を含む中国におけるすべての特殊の権利及び利益を放棄し、且つ、前記の議定書、附属書、書簡及び文書を日本国に関して廃棄することに同意する。

 

第十一条 日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。これらの拘禁されている者を赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限は、各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基くの外、行使することができない。極東国際軍事裁判所が刑を宣告した者については、この権限は、裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び日本国の勧告に基く場合の外、行使することができない。

 

第十二条(a) 日本国は、各連合国と、貿易、海運その他の通商の関係を安定した且つ友好的な基礎の上におくために、条約又は協定を締結するための交渉をすみやかに開始する用意があることを宣言する。

(b) 該当する条約又は協定が締結されるまで、日本国は、この条約の最初の効力発生の後四年間、

(1) 各連合国並びにその国民、産品及び船舶に次の待遇を与える。

(i) 貨物の輸出入に対する、又はこれに関連する関税、課金、制限その他の規制に関する最恵国待遇

(ii) 海運、航海及び輸入貨物に関する内国民待遇並びに自然人、法人及びその利益に関する内国民待遇。この待遇は、税金の賦課及び徴収、裁判を受けること、契約の締結及び履行、財産権(有体財産及び無体財産に関するもの)、日本国の法律に基いて組織された法人への参加並びに一般にあらゆる種類の事業活動及び職業活動の遂行に関するすべての事項を含むものとする。

(2) 日本国の国営商企業の国外における売買が商業的考慮にのみ基くことを確保する。

(c) もつとも、いずれの事項に関しても、日本国は、連合国が当該事項についてそれぞれ内国民待遇又は最恵国待遇を日本国に与える限度においてのみ、当該連合国に内国民待遇又は最恵国待遇を与える義務を負うものとする。前段に定める相互主義は、連合国の非本土地域の産品、船舶、法人及びそこに住所を有する人の場合並びに連邦政府をもつ連合国の邦又は州の法人及びそこに住所を有する人の場合には、その地域、邦又は州において日本国に与えられる待遇に照らして決定される。

(d) この条の適用上、差別的措置であつて、それを適用する当事国の通商条約に通常規定されている例外に基くもの、その当事国の対外的財政状態若しくは国際収支を保護する必要に基くもの(海運及び航海に関するものを除く。)又は重大な安全上の利益を維持する必要に基くものは、事態に相応しており、且つ、ほしいままな又は不合理な方法で適用されない限り、それぞれ内国民待遇又は最恵国待遇の許与を害するものと認めてはならない。

(e) この条に基く日本国の義務は、この条約の第十四条に基く連合国の権利の行使によつて影響されるものではない。また、この条の規定は、この条約の第十五条によつて日本国が引き受ける約束を制限するものと了解してはならない。

 

第十三条(a) 日本国は、国際民間航空運送に関する二国間または多数国間の協定を締結するため、一又は二以上の連合国の要請があつたときはすみやかに、当該連合国と交渉を開始するものとする。

(b) 一又は二以上の前記の協定が締結されるまで、日本国は、この条約の最初の効力発生の時から四年間、この効力発生の日にいずれかの連合国が行使しているところよりも不利でない航空交通の権利及び特権に関する待遇を当該連合国に与え、且つ、航空業務の運営及び発達に関する完全な機会均等を与えるものとする。

(c) 日本国は、国際民間航空条約第九十三条に従つて同条約の当事国となるまで、航空機の国際航空に適用すべきこの条約の規定を実施し、且つ、同条約の条項に従つて同条約の附属書として採択された標準、方式及び手続を実施するものとする。

 

第五章 請求権及び財産

 

第十四条(a) 日本国は、戦争中に生じさせた損害及び苦痛に対して、連合国に賠償を支払うべきことが承認される。しかし、また、存立可能な経済を維持すべきものとすれば、日本国の資源は、日本国がすべての前記の損害及び苦痛に対して完全な賠償を行い且つ同時に他の債務を履行するためには現在充分でないことが承認される。

よつて、

1 日本国は、現在の領域が日本国軍隊によつて占領され、且つ、日本国によつて損害を与えられた連合国が希望するときは、生産、沈船引揚げその他の作業における日本人の役務を当該連合国の利用に供することによつて、与えた損害を修復する費用をこれらの国に補償することに資するために、当該連合国とすみやかに交渉を開始するものとする。その取極は、他の連合国に追加負担を課することを避けなければならない。また、原材料からの製造が必要とされる場合には、外国為替上の負担を日本国に課さないために、原材料は、当該連合国が供給しなければならない。

2(I) 次の(II)の規定を留保して、各連合国は、次に掲げるもののすべての財産、権利及び利益でこの条約の最初の効力発生の時にその管轄の下にあるものを差し押え、留置し、清算し、その他何らかの方法で処分する権利を有する。

(a) 日本国及び日本国民

(b) 日本国又は日本国民の代理者又は代行者 並びに

(c) 日本国又は日本国民が所有し、又は支配した団体

この(I)に明記する財産、権利及び利益は、現に、封鎖され、若しくは所属を変じており、又は連合国の敵産管理当局の占有若しくは管理に係るもので、これらの資産が当該当局の官吏の下におかれた時に前記の(a)、(b)又は(c)に掲げるいずれかの人又は団体に属し、又はこれらのために保有され、若しくは管理されていたものを含む。

(II) 次のものは、前記の(I)に明記する権利から除く。

(i) 日本国が占領した領域以外の連合国の一国の領域に当該政府の許可を得て戦争中に居住した日本の自然人の財産。但し、戦争中に制限を課され、且つ、この条約の最初の効力発生の日にこの制限を解除されない財産を除く。

(ii) 日本国政府が所有し、且つ、外交目的又は領事目的に使用されたすべての不動産、家具及び備品並びに日本国の外交職員又は領事職員が所有したすべての個人の家具及び用具類その他の投資的性質をもたない私有財産で外交機能又は領事機能の遂行に通常必要であったもの

(iii) 宗教団体又は私的慈善団体に属し、且つ、もつぱら宗教又は慈善の目的に使用した財産

(iv) 関係国と日本国との間における千九百四十五年九月二日後の貿易及び金融の関係の再開の結果として日本国の管轄内にはいつた財産、権利及び権益。但し、当該連合国の法律に反する取引から生じたものを除く。

(v) 日本国若しくは日本国民の債務、日本国に所在する有体財産に関する権利、権原若しくは利益、日本国の法律に基いて組織された企業に関する利益又はこれらについての証書。但し、この例外は、日本国の通貨で表示された日本国及びその国民の債務にのみ適用する。

(III) 前記の例外(i)から(v)までに掲げる財産は、その保存及び管理のために要した合理的な費用が支払われることを条件として、返還しなければならない。これらの財産が清算されているときは、代わりに売得金を返還しなければならない。

(IV) 前記の(I)に規定する日本財産を差し押え、留置し、清算し、その他何らかの方法で処分する権利は、当該連合国の法律に従つて行使され、所有者は、これらの法律によつて与えられる権利のみを有する。

(V) 連合国は、日本の商標並びに文学的及び美術的著作権を各国の一般的事情が許す限り日本国に有利に取り扱うことに同意する。

(b) この条約に別段の定がある場合を除き、連合国は、連合国のすべての賠償請求権、戦争の遂行中に日本国及びその国民がとつた行動から生じた連合国及びその国民の他の請求権並びに占領の直接軍事費に関する連合国の請求権を放棄する。

 

第十五条(a) この条約が日本国と当該連合国との間に効力を生じた後九箇月以内に申請があつたときは、日本国は、申請の日から六箇月以内に、日本国にある各連合国及びその国民の有体財産及び無体財産並びに種類のいかんを問わずすべての権利又は利益で、千九百四十一年十二月七日から千九百四十五年九月二日までの間のいずれかのときに日本国内にあつたものを返還する。但し、所有者が強迫又は詐欺によることなく自由にこれらを処分した場合は、この限りでない。この財産は、戦争があつたために課せられたすべての負担及び課金を免除して、その返還のための課金を課さずに返還しなければならない。所有者により若しくは所有者のために又は所有者の政府により所定の期間内に返還が申請されない財産は、日本国政府がその定めるところに従つて処分することができる。この財産が千九百四十一年十二月七日に日本国に所在し、且つ、返還することができず、又は戦争の結果として損傷若しくは損害を受けている場合には、日本国内閣が千九百五十一年七月十三日に決定した連合国財産補償法案の定める条件よりも不利でない条件で補償される。

(b) 戦争中に侵害された工業所有権については、日本国は、千九百四十九年九月一日施行の政令第三百九号、千九百五十年一月二十八日施行の政令第十二号及び千九百五十年二月一日施行の政令第九号(いずれも改正された現行のものとする。)によりこれまで与えられたところよりも不利でない利益を引き続いて連合国及びその国民に与えるものとする。但し、前記の国民がこれらの政令に定められた期限までにこの利益を許与を申請した場合に限る。

(c)(i) 日本国は、公にされ及び公にされなかつた連合国及びその国民の著作物に関して千九百四十一年十二月六日に日本国に存在した文学的及び美術的著作権がその日以後引き続いて効力を有することを認め、且つ、その日に日本国が当事国であつた条約又は協定が戦争の発生の時又はその時以後日本国又は当該連合国の国内法によつて廃棄され又は停止されたかどうかを問わず、これらの条約及び協定の実施によりその日以後日本国において生じ、又は戦争がなかつたならば生ずるはずであつた権利を承認する。

(ii) 権利者による申請を必要とすることなく、且つ、いかなる手数料の支払又は他のいかなる手続もすることなく、千九百四十一年十二月七日から日本国と当該連合国との間にこの条約が効力を生ずるまでの期間は、これらの権利の通常期間から除算し、また、日本国において翻訳権を取得するために文学的著作物が日本語に翻訳されるべき期間からは、六箇月の期間を追加して除算しなければならない。

 

第十六条 日本国の捕虜であつた間に不当な苦難を被つた連合国軍隊の構成員に償いをする願望の表現として、日本国は、戦争中中立であつた国にある又は連合国のいずれかと戦争していた国にある日本国及びその国民の資産又は、日本国が選択するときは、これらの資産と等価のものを赤十字国際委員会に引き渡すものとし、同委員会は、これらの資産を清算し、且つ、その結果生ずる資金を、同委員会が衡平であると決定する基礎において、捕虜であつた者及びその家族のために、適当な国内期間に対して分配しなければならない。この条約の第十四条(a)2(II)の(ii)から(v)までに掲げる種類の資産は、条約の最初の効力発生の時に日本国に居住しない日本の自然人の資産とともに、引渡しから除外する。またこの条の引渡規定は、日本国の金融機関が現に所有する一万九千七百七十株の国際決済銀行の株式には適用がないものと了解する。

 

第十七条(a) いずれかの連合国の要請があつたときは、日本国政府は、当該連合国の国民の所有権に関係のある事件に関する日本国の捕獲審検所の決定又は命令を国際法に従い再検査して修正し、且つ、行われた決定及び発せられた命令を含めて、これらの事件の記録を構成するすべての文書の写を提供しなければならない。この再審査又は修正の結果、返還すべきことが明らかになつた場合には、第十五条の規定を当該財産に適用する。

(b) 日本国政府は、いずれかの連合国の国民が原告又は被告として事件について充分な陳述ができなかつた訴訟手続において、千九百四十一年十二月七日から日本国と当該連合国との間にこの条約が効力を生ずるまでの期間に日本国の裁判所が行つた裁判を、当該国民が前記の効力発生の後一年以内にいつでも適当な日本国の機関に再審査のため提出することができるようにするために、必要な措置をとらなければならない。日本国政府は、当該国民が前記の裁判の結果損害を受けた場合には、その者をその裁判が行われる前の地位に回復するようにし、又はその者にそれぞれの事情の下において公正かつ衡平な救済が与えられるようにしなければならない。

 

第十八条(a) 戦争状態の介在は、戦争状態の存在前に存在した債務及び契約(債券に関するものを含む。)並びに戦争状態の存在前に取得された権利から生ずる金銭債務で、日本国の政府若しくは国民が連合国の一国の政府若しくは国民に対して、又は連合国の一国の政府若しくは国民が日本国の政府若しくは国民に対して負つているものを支払う義務に影響を及ぼさなかつたものと認める。戦争状態の介在は、また、戦争状態の存在前に財産の滅失若しくは損害又は身体傷害若しくは死亡に関して生じた請求権で、連合国の一国の政府が日本国の政府に対して、又は日本国政府が連合国政府のいずれかに対して提起し又は再提起するものの当否を審議する義務に影響を及ぼすものとみなしてはならない。この項の規定は、第十四条によつて与えられる権利を害するものではない。

(b) 日本国は、日本国の戦前の対外債務に関する責任と日本国が責任を負うと後に宣言された団体の債務に関する責任とを確認する。また、日本国は、これらの債務の支払再開に関して債権者とすみやかに交渉を開始し、他の戦前の請求権及び債務に関する交渉を促進し、且つ、これに応じて金額の支払を容易にする意図を表明する。

 

第十九条(a) 日本国は、戦争から生じ、または戦争状態が存在したためにとられた行動から生じた連合国及びその国民に対する日本国及びその国民のすべての請求権を放棄し、且つ、この条約の効力発生の前に日本国領域におけるいずれかの連合国の軍隊又は当局の存在、職務遂行又は行動から生じたすべての請求権を放棄する。

(b) 前記の放棄には、千九百三十九年九月一日からこの条約の効力発生までの間に日本国の船舶に関していずれかの連合国がとつた行動から生じた請求権並びに連合国の手中にある日本人捕虜及び被抑留者に対して生じた請求権及び債権が含まれる。但し、千九百四十五年九月二日以後いずれかの連合国が制定した法律で特に認められた日本人の請求権を含まない。

(c) 相互放棄を条件として、日本国政府は、また、政府間の請求権及び戦争中に受けた滅失又は損害に関する請求権を含むドイツ及びドイツ国民に対するすべての請求権(債権を含む。)を日本国政府及び日本国民のために放棄する。但し、(a)千九百三十九年九月一日前に締結された契約及び取得された権利に関する請求権並びに(b)千九百四十五年九月二日後に日本国とドイツの間の貿易及び金融の関係から生じた請求権を除く。この放棄は、この条約の第十六条及び第二十条に従つてとられる行動を害するものではない。

(d) 日本国は、占領期間中に占領当局の指令に基いて若しくはその結果として行われ、又は当時の日本国の法律によつて許可されたすべての作為又は不作為の効力を承認し、連合国民をこの作為又は不作為から生ずる民事又は刑事の責任に問ういかなる行動もとらないものとする。

 

第二十条 日本国は、千九百四十五年のベルリン会議の議事の議定書に基いてドイツ財産を処分する権利を有する諸国が決定した又は決定する日本国にあるドイツ財産の処分を確実にするために、すべての必要な措置をとり、これらの財産の最終的処分が行われるまで、その保存及び管理について責任を負うものとする。

 

第二十一条 この条約の第二十五条の規定にかかわらず、中国は、第十条及び第十四条(a)2の利益を受ける権利を有し、朝鮮は、この条約の第二条、第四条、第九条及び第十二条の利益を受ける権利を有する。

 

第六章 紛争の解決

 

第二十二条 この条約のいずれかの当事国が特別請求権裁判所への付託又は他の合意された方法で解決されない条約の解釈又は実施に関する紛争が生じたと認めるときは、紛争は、いずれかの紛争当事国の要請により、国際司法裁判所に決定のため付託しなければならない。日本国及びまだ国際司法裁判所規程の当事国でない連合国は、それぞれがこの条約を批准する時に、且つ、千九百四十六年十月十五日の国際連合安全保障理事会の決議に従つて、この条に掲げた性質をもつすべての紛争に関して一般的に同裁判所の管轄権を特別の合意なしに受諾する一般的宣言書を同裁判所書記に寄託するものとする。

 

第七章 最終条項

 

第二十三条(a) この条約は、日本国を含めて、これに署名する国によつて批准されなければならない。この条約は、批准書が日本国により、且つ、主たる占領国としてのアメリカ合衆国を含めて、次の諸国、すなわちオーストラリア、カナダ、セイロン、フランス、インドネシア、オランダ、ニュー・ジーランド、パキスタン、フィリピン、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びアメリカ合衆国の過半数により寄託された時に、その時に批准しているすべての国に関して効力を有する。この条約は、その後これを批准する各国に関しては、その批准書の寄託の日に効力を生ずる。

(b) この条約が日本国の批准書の寄託の日の後九箇月以内に効力を生じなかつたときは、これを批准した国は、日本国の批准書の寄託の日の後三年以内に日本国政府及びアメリカ合衆国政府にその旨を通告して、自国と日本国との間にこの条約の効力を生じさせることができる。

 

第二十四条 すべての批准書は、アメリカ合衆国政府に寄託しなければならない。同政府は、この寄託、第二十三条(a)に基くこの条約の効力発生の日及びこの条約の第二十三条(b)に基いて行われる通告をすべての署名国に通告する。

 

第二十五条 この条約の適用上、連合国とは、日本国と戦争していた国又は以前に第二十三条に列記する国の領域の一部をなしていたものをいう。但し、各場合に当該国がこの条約に署名し且つこれを批准したことを条件とする。第二十一条の規定を留保して、この条約は、ここに定義された連合国の一国でないいずれの国に対しても、いかなる権利、権原又は利益も与えるものではない。また、日本国のいかなる権利、権原及び利益も、この条約のいかなる規定によつても前記のとおり定義された連合国の一国でない国のために減損され、又は害されるものとみなしてはならない。

 

第二十六条 日本国は、一九四二年一月一日の連合国宣言に署名し若しくは加入しており且つ日本国に対して戦争状態にある国又は以前に第二十三条に列記する国の領域の一部をなしていた国で、この条約の署名国でないものと、この条約に定めるところと同一の又は実質的に同一の条件で二国間の平和条約を締結する用意を有すべきものとする。但し、この日本国の義務は、この条約の効力発生の後三年で満了する。日本国が、いずれかの国との間で、この条約で定めるところよりも大きな利益をその国に与える平和処理又は戦争請求権処理を行つたときは、これと同一の利益は、この条約の当事国にも及ぼされなければならない。

 

第二十七条 この条約は、アメリカ合衆国政府の記録に寄託する。同政府は、その認証謄本を各署名国に交付する。

 

以上の証拠として、下名の全権委員は、この条約に署名した。

 

千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で、ひとしく正文である英語、フランス語及びスペイン語により、並びに日本語により作成した。

 

(署名略)

 

 

 

 

 

 

 

日韓基本条約

日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約

【法令番号 】昭和四十年十二月十八日条約第二十五号
【施行年月日】昭和四十年十二月十八日外務省告示第二百五十二号

日本国及び大韓民国は、
両国民間の関係の歴史的背景と、善隣関係及び主権の相互尊重の原則に基づく両国間の関係の正常化に対する相互の希望とを考慮し、
両国の相互の福祉及び共通の利益の増進のため並びに国際の平和及び安全の維持のために、両国が国際連合憲章の原則に適合して緊密に協力することが重要であることを認め、
千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約の関係規定及び千九百四十八年十二月十二日に国際連合総会で採択された決議第百九十五号(3)を想起し、
この基本関係に関する条約を締結することに決定し、よつて、その全権委員として次のとおり任命した。

日本国
日本国外務大臣  椎名悦三郎
高杉晋一
大韓民国
大韓民国外務部長官  李東元
大韓民国特命全権大使  金東祚
これらの全権委員は、互いにその全権委任状を示し、それが良好妥当であると認められた後、次の諸条を協定した。

第一条 両締約国間に外交及び領事関係が開設される。両締約国は、大使の資格を有する外交使節を遅滞なく交換するものとする。また、両締約国は、両国政府により合意される場所に領事館を設置する。

第二条 千九百十年八月二十二日以前に大日本帝国と大韓帝国との間で締結されたすべての条約及び協定は、もはや無効であることが確認される。

第三条 大韓民国政府は、国際連合総会決議第百九十五号(3)に明らかに示されているとおりの朝鮮にある唯一の合法的な政府であることが確認される。

第四条(a) 両締約国は、相互の関係において、国際連合憲章の原則を指針とするものとする。
(b) 両締約国は、その相互の福祉及び共通の利益を増進するに当たつて、国際連合憲章の原則に適合して協力するものとする。

第五条 両締約国は、その貿易、海運その他の通商の関係を安定した、かつ、友好的な基礎の上に置くために、条約又は協定を締結するための交渉を実行可能な限りすみやかに開始するものとする。

第六条 両締約国は、民間航空運送に関する協定を締結するための交渉を実行可能な限りすみやかに開始するものとする。

第七条 この条約は、批准されなければならない。批准書は、できる限りすみやかにソウルで交換されるものとする。この条約は、批准書の交換の日に効力を生ずる。

以上の証拠として、それぞれの全権委員は、この条約に署名調印した。

千九百六十五年六月二十二日に東京で、ひとしく正文である日本語、韓国語及び英語により本書二通を作成した。解釈に相違がある場合には、英語の本文による。

(署名略)

日中共同声明

日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明
1972年9月29日

日本国内閣総理大臣田中角栄は、中華人民共和国国務院総理周恩来の招きにより、千九百七十二年九月二十五日から九月三十日まで、中華人民共和国を訪問した。田中総理大臣には大平正芳外務大臣、二階堂進内閣官房長官その他の政府職員が随行した。
毛沢東主席は、九月二十七日に田中角栄総理大臣と会見した。双方は、真剣かつ友好的な話合いを行なつた。
田中総理大臣及び大平外務大臣と周恩来総理及び姫鵬飛外交部長は、日中両国間の国交正常化問題をはじめとする両国間の諸問題及び双方が関心を有するその他の諸問題について、終始、友好的な雰囲気のなかで真剣かつ率直に意見を交換し、次の両政府の共同声明を発出することに合意した。
日中両国は、一衣帯水の間にある隣国であり、長い伝統的友好の歴史を有する。両国国民は、両国間にこれまで存在していた不正常な状態に終止符を打つことを切望している。戦争状態の終結と日中国交の正常化という両国国民の願望の実現は、両国関係の歴史に新たな一頁を開くこととなろう。
日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する。また、日本側は、中華人民共和国政府が提起した「復交三原則」を十分理解する立場に立つて国交正常化の実現をはかるという見解を再確認する。中国側は、これを歓迎するものである。
日中両国間には社会制度の相違があるにもかかわらず、両国は、平和友好関係を樹立すべきであり、また、樹立することが可能である。両国間の国交を正常化し、相互に善隣友好関係を発展させることは、両国国民の利益に合致するところであり、また、アジアにおける緊張緩和と世界の平和に貢献するものである。

一 日本国と中華人民共和国との間のこれまでの不正常な状態は、この共同声明が発出される日に終了する。

二 日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。

三 中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。

四 日本国政府及び中華人民共和国政府は、千九百七十二年九月二十九日から外交関係を樹立することを決定した。両政府は、国際法及び国際慣行に従い、それぞれの首都における他方の大使館の設置及びその任務遂行のために必要なすべての措置をとり、また、できるだけすみやかに大使を交換することを決定した。

五 中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する。

六 日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両国間の恒久的な平和友好関係を確立することに合意する。
両政府は、右の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、日本国及び中国が、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。

七 日中両国間の国交正常化は、第三国に対するものではない。両国のいずれも、アジア・太平洋地域において覇権を求めるべきではなく、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国あるいは国の集団による試みにも反対する。

八 日本国政府及び中華人民共和国政府は、両国間の平和友好関係を強固にし、発展させるため、平和友好条約の締結を目的として、交渉を行なうことに合意した。

九 日本国政府及び中華人民共和国政府は、両国間の関係を一層発展させ、人的往来を拡大するため、必要に応じ、また、既存の民間取決めをも考慮しつつ、貿易、海運、航空、漁業等の事項に関する協定の締結を目的として、交渉を行なうことに合意した。

千九百七十二年九月二十九日に北京で

(署名略)

日中平和友好条約

日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約

一九七八年一〇月二三日 条約第19号
一九七八年八月一二日署名(北京)
一九七八年一〇月一八日 国会承認
批准書交換・発効 (外務省告示296)

日本国と中華人民共和国は、
千九百七十二年九月二十九日に北京で日本国政府及び中華人民共和国政府が共同声明を発出して以来、両国政府及び両国民の間の友好関係が新しい基礎の上に大きな発展を遂げていることを満足の意をもつて回顧し、
前記の共同声明が両国間の平和友好関係の基礎となるものであること及び前記の共同声明に示された諸原則が厳格に遵守されるべきことを確認し、
国際連合憲章の原則が十分に尊重されるべきことを確認し、
アジア及び世界の平和及び安定に寄与することを希望し、
両国間の平和友好関係を強固にし、発展させるため、
平和友好条約を締結することに決定し、このため、次のとおりそれぞれ全権委員を任命した。

日本国外務大臣 園田直
中華人民共和国外交部長 黄華

これらの全権委員は、互いにその全権委任状を示し、それが良好妥当であると認められた後、次のとおり協定した。

第一条 両締約国は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させるものとする。
2 両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。

第二条 両締約国は、そのいずれも、アジア・太平洋地域においても又は他のいずれの地域においても覇権を求めるべきではなく、また、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対することを表明する。

第三条 両締約国は、善隣友好の精神に基づき、かつ、平等及び互恵並びに内政に対する相互不干渉の原則に従い、両国間の経済関係及び文化関係の一層の発展並びに両国民の交流の促進のために努力する。

第四条 この条約は、第三国との関係に関する各締約国の立場に影響を及ぼすものではない。

第五条 この条約は、批准されるものとし、東京で行われる批准書の交換の日に効力を生ずる。この条約は、十年間効力を有するものとし、その後は、2の規定に定めるところによつて終了するまで効力を存続する。
2 いずれの一方の締約国も、一年前に他方の締約国に対して文書による予告を与えることにより、最初の十年の期間の満了の際またはその後いつでもこの条約を終了させることができる。

以上の証拠として、各全権委員は、この条約に署名調印した。

千九百七十八年八月十二日に北京で、ひとしく正文である日本語及び中国語により本書二通を作成した。

(署名略)

日華平和条約

日本国と中華民国との平和条約

一九五二四月二八日 台北で署名
一九五二年七月五日 国会承認
一九五二年七月八日 内閣批准
一九五二年批准書認証
一九五二年八月五日 批准書交換・発効
一九五二年八月五日 昭和27年条約第10号

日本国及び中華民国は、
その歴史的及び文化的のきずなと地理的の近さにかんがみ、善隣関係を相互に希望することを考慮し、
その共通の福祉の増進並びに国際の平和及び安全の維持のための緊密な関係が重要であることを思い、
両者の間の戦争状態の存在の結果として生じた諸問題の解決の必要を認め、
平和条約を締結することに決定し、よつて、その全権委員として次のとおり任命した。

日本国政府 河田烈
中華民国大統領 葉公超

これらの全権委員は、互にその全権委任状を示し、それが良好妥当であると認められた後、次の諸条を協定した。

第一条 日本国と中華民国との間の戦争状態は、この条約が効力を生ずる日に終了する。

第二条 日本国は、千九百五十一年九月八日にアメリカ合衆国のサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約(以下「サン・フランシスコ条約」という。)第二条に基き、台湾及び澎湖諸島並びに新南群島及び西沙群島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄したことが承認される。

第三条 日本国及びその国民の財産で台湾及び澎湖諸島にあるもの並びに日本国及びその国民の請求権(債権を含む。)で台湾及び澎湖諸島における中華民国の当局及びそこの住民に対するものの処理、並びに日本国におけるこれらの当局及び住民の財産並びに日本国及びその国民に対するこれらの当局及び住民の請求権(債権を含む。)の処理は、日本国政府と中華民国政府との間の特別取極の主題とする。国民及び住民という語は、この条約で用いるときはいつでも、法人を含む。

第四条 千九百四十一年十二月九日前に日本国と中華民国との間で締結されたすべての条約、協約及び協定は、戦争の結果として無効となつた事が承認される。

第五条 日本国は、サン・フランシスコ条約第十条の規定に基き、千九百一年九月七日に北京で署名された最終議定書並びにこれを補足するすべての附属書、書簡及び文書の規定から生ずるすべての利益及び特権を含む中国におけるすべての特殊の権利及び利益を放棄し、且つ、前記の議定書、附属書、書簡及び文書を日本国に関して廃棄することに同意したことが承認される。

第六条(a) 日本国及び中華民国は、相互の関係において、国際連合憲章第二条の原則を指針とするものとする。
(b) 日本国及び中華民国は、国際連合憲章の原則に従つて協力するものとし、特に、経済の分野における友好的協力によりその共通の福祉を増進するものとする。

第七条 日本国及び中華民国は、貿易、海運その他の通商の関係を、安定した且つ友好的な基礎の上におくために、条約又は協定をできる限りすみやかに締結することに努めるものとする。

第八条 日本国及び中華民国は、民間航空運送に関する協定をできる限りすみやかに締結することに努めるものとする。

第九条 日本国及び中華民国は、公海における漁場の規制又は制限並びに漁業の保存及び発展を規定する協定をできる限りすみやかに締結することに努めるものとする。

第十条 この条約の適用上、中華民国の国民には、台湾及び澎湖諸島のすべての住民及び以前にそこの住民であつた者、並びにそれらの子孫で、台湾及び澎湖諸島において中華民国が現に施行し、又は今後施行する法令によつて中国の国籍を有するものを含むものとみなす。また、中華民国の法人には、台湾及び澎湖諸島において中華民国が現に施行し、又は今後施行する法令に基いて登録されるすべての法人を含むものとみなす。

第十一条 この条約及びこれを補足する文書に別段の定めがある場合を除く外、日本国と中華民国との間に戦争状態の存在の結果として生じた問題は、サン・フランシスコ条約の相当規定に従つて解決するものとする。

第十二条 この条約の解釈または適用から生ずる紛争は、交渉または他の平和的手段によつて解決するものとする。

第十三条 この条約は、批准されなければならない。批准書は、できる限りすみやかに台北で交換されなければならない。この条約は、批准書の交換の日に効力を生ずる。

第十四条 この条約は、日本語、中国語及び英語により作成するものとする。解釈の相違がある場合には、英語の本文による。

以上の証拠として、それぞれの全権委員は、この条約に署名調印した。

昭和二十七年四月二十八日(中華民国の四十一年四月二十八日及び千九百五十二年四月二十八日に相当する。)に台北で、本書二通を作成した。

日本国のために 河田烈
中華民国のために 葉公超

(議定書および交換公文 略)

2015年11月21日

日ソ共同宣言

日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦の共同宣言 1956年10月19日署名(モスクワ) 1956年12月5日 国会承認、 1956年12月7日 内閣批、1956年12月8日 批准書認証、1956年12月12日 批准書交換・発効、1956年12月12日 条約第20号 千九百五十六年十月十三日から十九日までモスクワで、日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦の全権 団の間で交渉が行われた。 日本国側からは、 内閣総理大臣 鳩山 一郎 農林大臣   河野 一郎 衆議院議員  松本 俊一 が参加し、 ソヴィエト社会主義共和国連邦側からは、 ソヴィエト連邦大臣会議議長     エヌ・ア・ブルガーニン ソヴィエト連邦最高会議幹部会員   エヌ・エス・フルシチョフ ソヴィエト連邦大臣会議議長第一代理 ア・イ・ミコヤン ソヴィエト連邦第一外務次官     ア・ア・グロムィコ ソヴィエト連邦外務次官       エヌ・テ・フェドレンコ が参加した。 相互理解と協力のふん囲気のうちに行われた交渉を通じて、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との相互関係について隔意のない広範な意見の交換が行われた。日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、両国間の外交関係の回復が極東における平和及び安全の利益に合致する両国間の理解と協力との発展に役立つものであ ることについて完全に意見が一致した。 日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦の全権団の間で行われたこの交渉の結果、次の合意が成立した。 ——————————————————————————– 1【戦争状態の終結】 日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の戦争状態は、この宣言が効力を生ずる日に終了し、両国の間に平和及び友好善隣関係が回復される。 2【外交及び領事関係】 日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間に外交及び領事関係が回復される。両国は、大使の資格を有する外交使節を遅滞なく交換するものとする。また、両国は、外交機関を通して、両国内におけるそれぞれの領事館の開設の問題を処理するものとする。 3【国連憲章の原則・自衛権・不干渉】 日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、相互の関係において、国際連合憲章の諸原則、なかんずく同憲章第二条に掲げる次の原則を指針とすべきことを確認する。 (a) その国際紛争を、平和的手段によつて、国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように、解決すること。 (b) その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使は、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むこと。 日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、それぞれ他方の国が国際連合憲章第五十一条に掲げる個別的又は集団的自衛の固有の権 利を有することを確認する。 日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、経済的、政治的又は思想的のいかなる理由であ るとを問わず、直接間接に一方の国が他方の国内事項に干渉しないことを、相互に、約束する。 4【日本国の国連加入】 ソヴィエト社会主義共和国連邦は、国際連合への加入に関する日本国の申請を支持するものとする。 5【未帰還日本国民に対する措置】 ソヴィエト社会主義共和国連邦において有罪の判決を受けたすべての日本人は、この共同宣言の効力発生とともに釈放され、日本国へ送還されるものとする。 また、ソヴィエト社会主義共和国連邦は、日本国の要請に基いて、消息不明の日本人について引き続き調査を行うものとする。 6【賠償・請求権の放棄】 ソヴィエト社会主義共和国連邦は、日本国に対し一切の賠償請求権を放棄する。 日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、千九百四十五年八月九日(ソ連の対日参戦の日)以来の戦争の結果として生じたそれぞれの国、その団体及び国民のそれぞれ他方の国、その団体及び国民に対するすべての請求権 を、相互に、放棄する。 7【通商関係の交渉】 日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、その貿易、海運その他の通商の関係を安定したかつ友好的な基礎の上に置くために、条約または協定を締結するための交渉をできる限りすみやかに開始することに同意する。 8【漁業協力】 千九百五十六年五月十四日にモスクワで署名された北西太平洋の航海における日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の条約及び海上において遭難した人の救助のための協力に関する日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の協定は、この宣言の効力発生と同時に効力を生ずる。 日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、魚類その他の海洋生物資源の保存及び合理的利用に関して日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦が有する利害関係を考慮し、協力の精神をもつて、漁業資源の保存及び発展並びに航海における漁猟の規制及び制限のための措置を執るものとする。 9【平和条約・領土】 日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、両国間に正常な外交関係が回復された後、平和条約の締結に関する交渉を継続することに同意する。 ソヴィエト社会主義共和国連邦は、日本国の要望にこたえかつ日本国の利益を考慮して、歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。ただし、これらの諸島は、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする。 10【批准】 この共同宣言は批准されなければならない。この共同宣言は、批准書の交換の日に効力を生ずる。批准書の交換は、できるだけすみやかに東京で行われなければならない。 ——————————————————————————– 以上の証拠として、下名の全権委員は、この共同宣言に署名した。 千九百五十六年十月十九日にモスクワで、ひとしく正文である日本語及びロシア語により本書二通を作成した。 (全権委員署名省略) ——————————————————————————– 交換公文(鳩山−ブルガーニン) ——————————————————————————– 書簡をもつて啓上いたします。 日ソ両国間に恒久的の友好関係を樹立するため、すみやかに両国間の国交正常化を図ることは、ホン大臣のかねて抱懐する念願であ ること、閣下の承知せられるとおりであります。 本大臣は、今日に至るまでの両国の交渉敬意にかんがみ、この際領土問題に関する交渉は後日継続して行うことを条件とし、まず、(一)両国間の戦争状態終了、(二)大使館の相互設置、(三)抑留者の即時送還、(四)漁業条約の発効及び(五)日本国の国際連合加盟に対するソ連邦の指示の五点について、予めソ連邦の同意を表明せられるにおいては、両国間の国交正常化を実現するための交渉に入る用意があ る旨を通報いたします。 前記の五条件については、在東京貴国漁業代表部主席チフヴィンスキー氏より河野農林大臣及び高碕国務大臣との数回にわたる非公式会談において、ソ連邦政府としては同意であ る旨の意思表示が行われました。 本大臣は、前記非公式会談においてチフヴィンスキー氏の表明したとおり、ソ連邦政府が前記の五条件を受諾する用意があ る旨を閣下の文書による確認を入手しうれば幸甚とするものであります。閣下による右の確認を接受する場合は、日本国政府はすみやかにモスコーにおいて交渉を再開する用意があ ります。なお右の交渉においては、従来のロンドン及びモスコーにおける交渉当事者間の妥結事項もできうる限り採択せらるべきことを希望するものであ ります。 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向つて敬意を表します。 昭和三十一年九月十一日 日本国総理大臣 鳩山一郎 ソヴィエト社会主義共和国連邦閣僚会議議長 エヌ・ア・ブルガーニン閣下 ——————————————————————————– 書簡をもつて啓上いたします。 本議長は、貴総理大臣が日ソ交渉を直ちにモスクワにおいて再会すべき日本国政府の用意を表明せられ、かつ、両国間の関係の正常化に関するソヴィエト連邦政府の同意の確認を要請された千九百五十六年九月十一日付の貴簡を受領したことを通報する光栄を有します。 ソヴィエト政府は、両国が相互にあらかじめ討議してきた次の事項から生ずる貴簡に述べられた考慮に即応して、この際平和条約を締結することなく、日ソ関係の正常化に関する交渉をモスクワにおいて再開する同政府の用意を確認するものであ ります。 1 ソヴィエト社会主義共和国連邦と日本国との間の戦争状態の終結の宣明 2 外交関係の回復及び大使館の相互設置 3 ソヴィエト社会主義共和国連邦において刑を宣告されたすべての日本国民の釈放及び送還 4 千九百五十六年五月十四日に署名された漁業条約の効力発生 5 国際連合加盟に関する日本国の要請の指示 なお、本議長は、ロンドン及びモスクワにおける交渉の過程において合意に達した諸点に関する貴要望に関しては、双方がこれらの諸点に関し意見を交換することができるものと考えるものであ ります。 本議長は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向つて敬意を表します。 千九百五十六年九月十三日モスクワにおいて ソヴィエト社会主義共和国連邦閣僚会議議長 ニコライ・ブルガーニン 日本国総理大臣 鳩山一郎閣下 ——————————————————————————– 交換書簡(松本−グロムィコ) ——————————————————————————– 書簡をもつて啓上いたします。 本全権は、千九百五十六年九月十一日付鳩山総理大臣の書簡とこれに対する同年九月十三日付ブルガーニン議長の返簡に言及し、次のとおり申し述べる光栄を有します。 前記鳩山総理大臣の書簡に明らかにせられたとおり、日本国政府は、現在は、平和条約を締結することなく、日ソ関係の正常化に関し、モスクワにて交渉に入る用意があ る次第でありますが、この交渉の結果外交関係が再開せられた後といえども、日本国政府は、日ソ両国の関係が、領土問題をも含む公式の平和条約の基礎の下に、より確固たるものに発展することが極めて望ましいものであ ると考える次第であります。 これに関連して、日本国政府は、領土問題を含む平和条約締結に関する交渉は両国間の正常な外交関係の再開後に継続せられたるものと了解するものであ ります。 鳩山総理大臣の書簡により交渉に入るに当り、この点についてソ連邦政府においても同様の意図を有せられることをあ らかじめ確認しうれば幸甚に存ずる次第であります。 本全権は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向つて敬意を表します。 千九百五十六年九月二十九日 日本国政府全権委員 松本俊一 ソヴィエト社会主義共和国連邦第一外務次官 ア・ア・グロムィコ閣下 ——————————————————————————– 書簡をもつて啓上いたします。 本次官は、千九百五十六年九月二十九日付の閣下の次のとおりの書簡を受領したことを確認する光栄を有します。 (日本側書簡 省略) これに関連して本次官は、ソヴィエト社会主義共和国連邦政府の委任により、次のとおり申し述べる光栄を有します。すなわち、ソヴィエト政府は、前記の日本国政府の見解を了承し、両国間の正常な外交関係が再開された後、領土問題をも含む平和条約締結に関する交渉を継続することに同意することを言明します。 本次官は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向つて敬意を表します。 千九百五十六年九月二十九日モスクワにおいて ソヴィエト社会主義共和国連邦第一外務次官 ア・グロムィコ 日本国政府全権委員 松本俊一閣下

大西洋憲章

大西洋憲章

(一九四一年八月十四日大西洋上ニテ署名)
アメリカ合衆国大統領及ヒ連合王国ニ於ケル皇帝陛下ノ政府ヲ代表スル「チャーチル」総理大臣ハ会合ヲ為シタル後両国カ世界ノ為一層良キ将来ヲ求メントスル其ノ希望ノ基礎ヲ成ス両国国策ノ共通原則ヲ公ニスルヲ以テ正シト思考スルモノナリ

一、両国ハ領土的其ノ他ノ増大ヲ求メス。
二、両国ハ関係国民ノ自由ニ表明セル希望ト一致セサル領土的変更ノ行ハルルコトヲ欲セス。
三、両国ハ一切ノ国民カ其ノ下ニ生活セントスル政体ヲ選択スルノ権利ヲ尊重ス。両国ハ主権及自治ヲ強奪セラレタル者ニ主権及自治カ返還セラルルコトヲ希望ス。
四、両国ハ其ノ現存義務ヲ適法ニ尊重シ大国タルト小国タルト又戦勝国タルト敗戦国タルトヲ問ハス一切ノ国カ其ノ経済的繁栄ニ必要ナル世界ノ通商及原料ノ均等条件ニ於ケル利用ヲ享有スルコトヲ促進スルニ努ムヘシ。
五、両国ハ改善セラレタル労働基準、経済的向上及ヒ社会的安全ヲ一切ノ国ノ為ニ確保スル為、右一切ノ国ノ間ニ経済的分野ニ於テ完全ナル協力ヲ生セシメンコトヲ欲ス。
六、「ナチ」ノ暴虐ノ最終的破壊ノ後両国ハ一切ノ国民ニ対シ其ノ国境内ニ於テ安全ニ居住スルノ手段ヲ供与シ、且ツ一切ノ国ノ一切ノ人類カ恐怖及欠乏ヨリ解放セラレ其ノ生ヲ全ウスルヲ得ルコトヲ確実ナラシムヘキ平和カ確立セラルルコトヲ希望ス。
七、右平和ハ一切ノ人類ヲシテ妨害ヲ受クルコトナク公ノ海洋ヲ航行スルコトヲ得シムヘシ。
八、両国ハ世界ノ一切ノ国民ハ実在論的理由ニ依ルト精神的理由ニ依ルトヲ問ハス強力ノ使用ヲ抛棄スルニ至ルコトヲ要スト信ス。陸、海又ハ空ノ軍備カ自国国境外ヘノ侵略ノ脅威ヲ与エ又ハ与ウルコトアルヘキ国ニ依リ引続キ使用セラルルトキハ将来ノ平和ハ維持セラルルコトヲ得サルカ故ニ、両国ハ一層広汎ニシテ永久的ナル一般的安全保障制度ノ確立ニ至ル迄ハ斯ル国ノ武装解除ハ不可欠ノモノナリト信ス。両国ハ又平和ヲ愛好スル国民ノ為ニ圧倒的軍備負担ヲ軽減スヘキ他ノ一切ノ実行可能ノ措置ヲ援助シ及助長スヘシ。

フランクリン・ディー・ローズヴェルト
ウィンストン・チャーチル

カイロ宣言

カイロ宣言

署名 1943年11月27日(カイロ)
ローズヴェルト大統領、蒋介石総統及びチャーチル総理大臣は、各自の軍事及び外交顧問とともに、北アフリカで会議を終了し、次の一般的声明を発した。
「各軍事使節は、日本国に対する将来の軍事行動を協定した。
三大同盟国は、海路、陸路及び空路によって野蛮な敵国に仮借のない圧力を加える決意を表明した。この圧力は、既に増大しつつある。
三大同盟国は、日本国の侵略を制止し罰するため、今次の戦争を行っている。
同盟国は、自国のためには利得も求めず、また領土拡張の念も有しない。
同盟国の目的は、千九百十四年の第一次世界戦争の開始以後に日本国が奪取し又は占領した太平洋におけるすべての島を日本国からはく奪すること、並びに満洲、台湾及び澎湖島のような日本国が清国人から盗取したすべての地域を中華民国に返還することにある。
日本国は、また、暴力及び強欲により日本国が略取した他のすべての地域から駆逐される。
前記の三大国は、朝鮮の人民の奴隷状態に留意し、やがて朝鮮を自由独立のものにする決意を有する。
以上の目的で、三同盟国は、同盟諸国中の日本国と交戦中の諸国と協調し、日本国の無条件降伏をもたらすのに必要な重大で長期間の行動を続行する。」

(出典:小田滋・石本泰雄編集代表『解説 条約集<第7版>』三省堂)