黒川美穂子
6月22日、「BS1スペシャル 沖縄戦争孤児」のドキュメンタリー番組を見ました。
10人ほどが当時の状況から戦後どのような生き方、思いを抱いて生きてきたかを語ってくれました。
生涯心に深い悲しみ、憤りを抱えて生きた心境を語っている80歳も後半になる人たちに対し、私は一言も言葉が見つかりません。
私は子供が理不尽な辛さに遭う事にはいたたまれない思いを持ちます。短歌に詠まなければいけない、と義務感のような思いが湧きました。でもとても子供たちの辛さは表現できるものではないことを痛感しました。せめて戦争反対者の一人であることを表明したに過ぎない拙い短歌です。
「沖縄戦争孤児」の話から
二歳の子 どこの誰ともわかぬまま 親無く 名無く 知るすべも無く
現れしは親を偽る者ならん 虐待受けし因をのち知り
殺せとや 乳飲み子の妹を抱きて逃ぐ 尽くせど空し餓死せる妹
目の前で親を撃たれし4人の子 目に焼き付きぬ生涯の傷心(きず)
常抱きし妹を探す兄あわれ きっと生きてる いつかは逢わんと
悲惨なり 余りにも悲惨 人間の 所業の末の子たちの苦悩よ
沖縄の戦争孤児の証言に 憎きも憎し戦争を思う
国家権力 平然として数十万 数百万の命を奪う
焼夷弾に焼き尽くされし都市あまた 日本中の孤児の歴史忘れまじ