平和を愛し、戦争を憎む国民にとって待望の本が現れた。
『自衛隊も米軍も、日本にはいらない!――「災害救助即応隊」構想で日本を真の平和国家に』(花岡しげる著 花伝社 1月27日刊)だ。第1章の冒頭にはこう書かれている。
「自民党や9条改憲を支持する人たちは、二言目には『野党は改憲反対と言うばかりだ。もし改憲に反対ならばきちんとした対案を出すべきである』と言います。……
そこで本書では、第9条の自民党改憲案への対案として、現行憲法と全く矛盾しない安全保障政策を提案します。」と。
そして「第5章 外国から攻められたらどうする? の心配は無用」では、その(1)「日本は国境を天然の要塞でまもられている」とあり、四方を海に囲まれている利点を挙げ、しかし空襲や宇宙からの不意の攻撃は防ぎようがなく、つまるところ、友好的な話し合いしかないことを示している。「話し合いで解決しないから戦争が起きる」と反論する人には、「話し合いで解決しない問題が、武力で解決できるのか」と再反論。そして、「時間をかけて最後まで話し合いで……折り合うしかないのです。」ときっぱり断言する。
本書の最大の特色は「第7章 防災平和省と『災害救助即応隊(ジャイロ)』実現のロードマップ」である。その(1)「国会で実現させるためには」では、「①新党の立ち上げ」と「②『護憲連合会派』の結成」を挙げ、政策実現の具体的な段取りを示しているところが注目される。
非常に説得力のある、読みやすい本だ。
表紙の帯には、東京新聞の望月衣塑子記者が推薦文をこう書いている。
「9条の理念をいかに守り、体現していけるのか、本書にはそのエッセンスが詰まっている。」
著者の花岡さんには「平和創造研究会」(宇井さん主催)でお目にかかったことがあり、その容姿から音楽関係の方と思っていたが、実は東大法学部卒、カリフォルニア大学バークレー校経営学修士で、国内外で働いた実務家であることを初めて知った。
花岡さんのこの貴重な構想を、みんなで話し合い、肉付けし、伝え、そして広げていこうではありませんか。まずは図書館にリクエストなどして、読んでいただければ幸いです。
福田玲三