違憲性に対する緊急警告


この緊急警告は、後日、編集して当会の正式発信として文書化しますので、コメント欄よりご意見をお聞かせください。(完全護憲の会・編集委員会)

緊急警告025号 小池百合子都知事の改憲発言は許されない

                           (10月17日)
 小池百合子・東京都知事はさる9月25日、都庁で臨時記者会見を開き、「希望の党」代表に自らが就く考えを示し、目指す政策に、憲法改正、情報公開の徹底、議員の定数や報酬の削減、原発ゼロなどをかかげた。
 4日後の9月29日、小池都知事は「希望の党」代表として記者会見を行い、安全保障や改憲で考え方が一致しない民進党離党者が、衆院選で党の公認を申請してきても「排除する」と明言した。
 さらに小池都知事は、9月30日、大阪市内で、松井一郎・大阪府知事、大村秀章・愛知県知事と会談し、改憲や脱原発などを柱とする共通政策を打ち出した。
 その小池氏は、2016年に衆院議員から都知事に転身する以前から一貫して改憲を主張している。2000年の衆院憲法調査会で小池氏は、占領下で生まれた憲法が武力行使を制約し「日本をがんじがらめにしている」と主張、「現行憲法を廃止し新しいものを作る、て・に・を・はを変えるというような議論では間に合わない」と語り、参考人として出席していた石原慎太郎都知事(当時)の現憲法廃止論に呼応した。ここに小池都知事の本心がある。
 だが、公務員には憲法尊重擁護義務があり、この義務に違反する改憲発言は許されない。その趣旨の改憲発言をするなら職を辞してからするべきだ。
 閣僚の改憲発言は1999年まで辞任を招いていた(中村正三郎法相の場合)。2012年、石原慎太郎都知事はワシントンの記者会見で占領下制定憲法の無効破棄をとなえ、ついで都議会本会議で、その趣旨を再び言明した。安倍首相は、同じ2012年衆院選のさい、現憲法を「みっともない」とまでけなした。これらの憲法軽視の姿勢に習い、地方公務員のトップクラスである小池東京都知事、松井大阪府知事、大村愛知県知事まで公然と改憲を主張し、しかもマスコミをはじめ世論は、そこに今は何の抗議もしていない。
 内外2000万人の犠牲を生んだ侵略戦争に敗北した代償として、現憲法は当時世界で最も進んだ民主的潮流(日本の進歩的伝統を含む)から日本国民に授けられた。その頃の日本国民にとって夢のような民主的・平和的憲法を国民は歓呼して迎えた。ここに甘さがあった。流血によって憲法を獲得した諸国民の厳しさを欠いた。
 憲法尊重・擁護義務のある公務員が、憲法廃止発言を公言すれば、諸外国ではどうなるだろうか。弾劾を受け、即座にその職を失うだろう。日本では憲法誕生のいきさつから、当時やむを得ず現憲法を受け入れた一部の支配層が、いま「占領軍によって強制された憲法だ」と発言すれば、一瞬とまどう弱さを私たち国民は持っている。国家公務員のトップ、地方公務員のトップクラスが廃憲発言を公然と行い、黙認されるところに国民のその当時の甘さが尾を引いている。
 こうした改憲攻撃に対する長期の苦闘を経験するなかで、はじめて現憲法は真に私たちのものとなり、国民のこの至宝への愛着が広がるだろう。憲法は教えている。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない」(第12条)と。
 彼ら権力者が現憲法を敵視するのは、現憲法の理念がかれらの言動を拘束するからだ。だからこそ、なおさら主権者国民は、彼らの憲法軽視を厳しくとがめ、憲法の尊重・擁護義務を果たさせることが強く求められる。

2017年11月8日

緊急警告024号 首相は国会解散の権限を持たない

                           2017年9月21日執筆
 9月18日朝の全国各紙は「臨時国会冒頭解散」で色めき立っている。午後には安倍首相は国連総会に出席のためニューヨークに向けて飛び立ち「解散については帰国後に判断したい」と平然と語り、公明党の山口那津男委員長は「国会解散は首相の専権事項」とこともなげに述べている。国会議員は選挙に向けて走り出し、マスコミは選挙情勢の取材に追われている。
 だが待ってほしい。国の命運の重大な課題が忘れられてはならない。国会という国権の最高機関の生殺与奪を、下級機関である行政府の長の胸先三寸に委ねられるだろうか?当会発行の『日本国憲法が求める国の形』は「国会は国権の最高機関であり、首相はその指名によってはじめてその地位を得る下級の『使用人』である。使用人が主人である国権の最高機関の全員を、ほしいままに罷免できるなど条理の上からあり得ない」としている。
 しかも解散の根拠に、天皇の国事行為を定めた憲法第7条の「三、衆議院を解散すること」を挙げている。「国政に関する権能を有しない」天皇の国事行為の一項を国政に利用するなぞ、詐欺だ。この詐術を使って現憲法の理念を根底から覆すのを座視できない。
 すべては1960年6月における苫米地判決に基づいている。この判決によって最高裁は、国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為は、司法裁判所の権限外であるとした。だがこの様な最高裁判決は憲法違反だとの批判が広がっている。
 「集団的自衛権の行使を容認する『閣議決定・安保法制』は違憲」として3審を闘った珍道世直氏は、今、最高裁第一小法廷の最高裁裁判官5名の罷免の訴追を求めている。
 その「訴追請求状」には「裁判所は今日まで、警察予備隊違憲訴訟に係る昭和27年10月8日最高裁大法廷判決に基づき『具体的争訟性がなければ裁判の対象にならない』として、憲法裁判の大部分が却下、棄却されてきた」とし、「最高裁判例が憲法の上位に位置づけられてきたが、これは法理の逆転であり、憲法に背反する」とし、「憲法第98条(最高法規)の条規にかなうよう憲法第81条(法令審査権と最高裁判所)に基づき最高裁は、憲法適合性を審査すべきである」旨が述べられている。
 このように、事態は、最高裁が法令審査権を行使するよう求められる段階に入っている。
 野党の臨時国会開催要求を3ヶ月も無視し引き延ばしておいて、やっと開催したとなったら冒頭解散とは、国権の最高機関たる国会軽視・無視ははなはだしく、とても許されるものではない。森友・加計・日報疑惑隠しを意図する安倍政権の暴挙を弾劾する。

2017年9月28日

緊急警告023号 またしても臨時国会開催要求無視の憲法違反!

 憲法第53条は、衆参いずれか4分の1以上の議員が要求すれば、内閣は臨時国会の召集を決めなければならないとしている。
 2015年10月、第3次安倍改造内閣が発足した直後、野党5党はこの規定にもとづき、「安保法制」強行可決、環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意や新閣僚の不祥事追及を目指し、臨時国会の開催を求めたが、安倍内閣は首相の外交日程や年末の予算編成を理由に応じなかった。
 これは「安保法制」の強行可決に対して盛り上がった国民の怒りを回避しようとするもので、憲法第53条を無視する憲法違反であり、私たちは当時緊急警告002号を発して抗議した。
 これと同じ憲法無視が、さる8月3日発足した第3次安倍第3次改造内閣でも踏襲されている。憲法53条にもとづき、野党が召集を要求したのは、内閣改造まえの6月末だった。自民、公明両党の幹事長らが、改造後の8月23日、臨時国会の召集を9月末に行う方針で一致した。ここまで召集を延期する理由として、与党は首相の外遊日程や予算編成作業を挙げている。国権の最高機関である国会の開催の要求を、下部機関である内閣の都合に合わせるという与党の見識を疑う。野党が求めているのは予算の審議ではなく、森友学園、加計学園そして陸上自衛隊の「日報」隠しをめぐる一連の疑惑の解明である。
 ここまで国会の召集を先延ばしする首相や与党の姿勢から見えてくるのは、かずかずの疑惑追及を求める国民の怒りをそらそうとする安倍内閣の一貫した術策だ。安倍内閣は教育現場に道徳を持ち込もうとしているが、彼らの行為は不誠実、権力優先であり、一時代前の「教育勅語」の復活を思わせる。このような公然とした憲法無視は到底許されない。

2017年9月8日

緊急警告022号 自衛隊明記は口実、9条全面改悪の突破口とするもの

 5月3日の憲法記念日、安倍首相は日本会議が主導する「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の改憲集会にビデオメッセージを寄せ、憲法9条に関して「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む、という考え方、これは国民的な議論に値する」「夏季のオリンピック・パラリンピックが開催される2020年を……新しい憲法が施行される年にしたい」とのべ、具体的改憲項目として、憲法9条改憲に踏み込んだ提起を行った。(憲法尊重擁護義務を負う首相がこのような改憲提起を行うこと自体の違憲性については緊急警告021号で指摘。安倍首相と安倍自民党総裁は不離一体であり、改憲提起に関する限り使い分けはできない。) (さらに…)

2017年8月9日

緊急警告021号案 安倍首相の改憲発言は違憲、首相は即時退陣せよ!

安倍首相はさる5月3日、憲法記念日の改憲派集会に寄せたビデオメッセージで、憲法第9条1、2項を残し、自衛隊の存在を明記した条文を追加するなどの改憲案を示したうえで、2020年に改正憲法を施行する考えを表明。
ついで5月8日、衆院の予算委員会で野党の質問に答え、首相は改憲発言の真意は読売新聞のインタビューを読めと云い捨て、委員会室を騒然とさせた。
この後、11日に開かれた衆院憲法審査会の幹事懇談会で、野党に追及された自民党は、一連の安倍首相による発言は「党に向けて示したものと理解している」との法外な言い逃れに追いこまれ、さらに「2020年施行」と年限を切った発言に審査会は「縛られるものではない」と釈明して、ようやく18日に審査会の開催を取り付けた。 (さらに…)

2017年6月16日
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