完全護憲の会ニュース No.83…………2020年11月10日

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目 次

第80回例会・勉強会の報告

別紙1 事務局報告
別紙2 政治の現況について
別紙3 読者のひろば

 

80回例会・勉強会の報告

10月25 日、都内・三田いきいきプラザにて第80回例会・勉強会を開催した(参加者13名;会員71名)。

例会では、鹿島委員が座長となり、事務局報告を福田共同代表が行い(別紙1)、続いて当日長野県より上京された三鷹事件の再審弁護団団長、高見澤昭治弁護士よりご挨拶の後、1949年に起きた三鷹事件の概要と当面の取り組みについて報告をいただいた。このあと政治の現況を草野委員が報告し(別紙2)、順次議論を進めた。勉強会では後藤富士子弁護士(東京弁護士会)を講師に迎え、連続講演「日本国憲法が求める司法改革」の第2回「憲法と裁判所法が描く司法・裁判官」をテーマに講演いただき、質疑した。

事務局報告の中では福田代表から、①DVD『テロリストは誰?』の紹介と当会での視聴の提案、②札幌市・小久保氏の「シリーズ1号の経験継承についての希望」の検討、③芳賀法子氏(わだつみのこえフィールドワークの会)の企画にともなう当会の取り組み、などの検討が提起された。

高見澤昭治弁護団長からは、昨年7月31日の東京高裁による再審請求の棄却に対して、異議申立ての意見書(1)(2)に続き(3)が完成したことや、竹内景助氏の獄死に至る経緯が次の通り紹介された。

「竹内氏は厳しい取り調べの中19日間無実を訴えていたが、拘留中の拷問、誘導、脅迫により虚偽の供述を余儀なくされ、一審では無期懲役、二審では死刑判決が出され、最高裁は8対7で上告を棄却し、死刑が確定した。これに対し再審請求を申し立てたが、再審開始前の1967年1月、竹内氏は獄死した。享年45歳であった。」

政治の現況報告では、菅首相による日本学術会議会員任命拒否について、集中して議論した。

草野委員から、毎日新聞社説「学術会議6氏任命せず 看過できない政治介入だ」、読売新聞社説「学術会議人事 混乱回避へ丁寧な説明が要る」、産経新聞主張「日本学術会議 人事を機に抜本改革せよ」が比較検討して提起され、同時に当会発出の緊急警告045号「日本学術会議会員の任命拒否は戦争への道」の内容が報告された。(ニュース82号に掲載)

議論では、「菅は安倍を踏襲しているといわれるが、安倍内閣の下で菅は安倍を操っていたのではないか」「自民党幹部はマスコミ報道で産軍学一体を堂々と披瀝するようになった」「軍事大国化したい政権にとって学術会議は目の上のたん瘤になっている」「日本の社会はもっと悪くなる。学術会議への攻撃は戦争への道につながっている」「任命拒否の撤回を菅義偉首相に求めるネット署名が締切までの10日間で14万3691人に達した。ネット署名はもっと続けるべきだ」「6名の学者は地位保全を求めて訴えるべきだ。違法であることははっきりしているので勝てる」など、時間の制約のある中で活発な意見が出された。

勉強会では、講師の後藤富士子弁護士より約70分間、1)個々の裁判官の独立と身分保障、2)裁判官の任命制度、3)法曹養成制度――「法の支配」の担い手に求められる資質――について講義を受けた。

後藤弁護士は、「司法改革は裁判官だけの問題ではなく、法を運用する人々の問題である」としつつ、戦後日本の司法が戦前と大きく変わって裁判官・裁判所の独立が保障されたにもかかわらず、日本国憲法が描いているような制度にはなっていないこと、その大きな原因が法曹養成制度にあるとし、次のように語った。

法曹養成においては、主に記憶力が問われるような試験による選抜よりも、豊かな教養に基づいた問題解決能力を持つ法律家の養成へと制度改革すべきである。そのためには、独立した裁判官を生み出せないような「統一修習」・「判事補制度」のキャリアシステムを廃止するとともに、本来あるべき法曹教育を確立できる「ロースクールの創設」が求められる。韓国は10年かけて「キャリアシステム」から「法曹一元」に転換できた。これに学ぶべきだ、というのが概要である。

約30分の質疑では、「司法修習生の2回の試験合格で終了とは何か」「日本とドイツの裁判官の違いを浮き彫りにしたドキュメンタリー映画『日独裁判官物語』でドイツの素晴らしさを知ってもらいたい」「日本の法曹は優秀というより試験に長(た)けた人の登竜門となっているのか」などのやりとりがあった。

※当会編集より:映画『日独裁判官物語』1999年制作(制作・普及100人委員会)
https://www.youtube.com/watch?v=FLbp39nxlw4

なお、11月の勉強会は例会定番の議題「政治の現況について」から、当面の政治課題としてクローズアップされたテーマに焦点をあてて開催する予定である。

<別紙1>   事務局報告

福田玲三(事務局) 

1)来信

① 詩人の石川逸子氏から「菅政権の横暴ぶりが許せず、拙い詩を作りました。ご笑読くださいませ。」との挨拶を添えて下記の作品「6名」が寄せられた。

 6名
      石川逸子

日本学術会議が推した新会員中 6名を
任命拒否し 抗議も無視する 菅首相

 6名とも 最近の国の政策に異議を唱えたひとたちです
かつて戦争協力したことへの反省から
誕生した学術会議
任命拒否は
その昔に戻すぞ との
わたしたち人民への明らかな果たし状ではありませんか

特定秘密保護法
安全保障関連法
名護市辺野古の米軍基地建設
「共謀罪」を含む改正組織処罰法
これらに反対する学者の呼びかけ人
あるいは賛同人になった学者
抗議の声明を発した学者
国会の参考人質疑で批判した学者 

政府の意のままに 学術会議を従わせ

アメリカの忠実な僕となって
軍事研究を行わせたいために
従わないものは 冷酷にバッサリ斬る

 かたや 携帯の値下げ 不妊治療への賛助
若者たち 女性たち へ 媚びを売れば
支持率は上がる 何ほどのこともないわ と
高をくくられるほど
わたしたちは 愚かで無力だと思われているのでは? 

6名は きっと あなたであり
わたしなのです
わたしたちの首を絞める 手が
すぐそこまで スウッと伸びてきています

② 石川逸子氏の夫君・関谷興仁氏は朝露館(栃木県にある陶板彫刻美術館)の館主で、この朝露館が保管するDVD『テロリストは誰?』をお借りできた。活用したい。

※『テロリストは誰?』概要:1917年ロシア10月革命により、ウォール街の自由にならない世界が現れた。ウォール街はこれを潰すために国家を超えた秘密組織を作り、事をすすめていく。日本でも戦後の米軍占領下にその触手が伸び、松川・三鷹事件ほか、現在まで、その跳梁は続いてきた。このDVDは、ウォール街がその投資環境を広げるため、中南米でどんな凶暴・悪事を行ってきたか、関係者の証言を中心に、生々しく暴いている。コロナ禍の今、その触手は、日本にも、さらに大きく伸びつつあるのでは? (制作2004年・アメリカ、120分)
 

③札幌市の小久保氏から冊子編集についてのご意見が寄せられた。<読者のひろば>

)森正孝氏(映画『侵略』制作委員会)招致の企画
森正孝氏(静岡市)を東京に招致する企画が芳賀法子氏(わだつみのこえフィールドワークの会会員)によって進められており、かねて森氏と山岡聴子氏の対談を計画していただいた縁で、当会にも協力要請があり、来年8月頃の実現を目指し協議が行われている。 

)新冊子シリーズ10『三鷹事件・巨大な謀略の闇』の発行
8月発行を予定していた冊子シリーズ10『三鷹事件・巨大な謀略の闇』は、成文の遅れなどにより、10月中旬発行となった。 

4)集会案内
・『週刊金曜日』南部読者会
日時:11月28日(金)18:30~20:30  大田区消費者生活センター(JR蒲田駅東口5分)

許すな憲法破壊!菅政権による日本学術会議会員6人の任命拒否は憲法違反
緊急院内集会 衆議院第1議員会館 地下1階 大会議室 ※事前申し込みが必須です。
2020年11月30(月)16時30分~(16時より入場カードの配布)
スピーチ:鳥越俊太郎(ジャーナリスト)  望月衣塑子(新聞記者)  植野妙実子(中央大学名誉教授)  佐高信(評論家)  羽場久美子(青山学院大学教授)  古賀茂明(古賀茂明政策ラボ代表)  纐纈厚(明治大学特任教授)  内田雅敏(弁護士) 大学生ほか
主催:菅政権による検察・行政の強権支配を糺す会
※300名で申し込みを締め切ります。なるべく早めに、下記のメールアドレスまで、氏名・お電話・ご住所を明記して、出席申し込みを、お願いいたします。
E-mail murayamadanwa1995@ybb.ne.jp
連絡先:090-9399-3941(松代)

5)当面の日程について
第81回運営委員会  11月  1日(日)13:00~      新橋・ばるーん
第81回例会・勉強会 11月22日(日)13:30~16:30 三田いきいきプラザA集会室
第82回運営委員会  11月29日(日)13:00~    新橋・ばるーん
第82回例会・勉強会 12月27日(日)13:30~16:30  三田いきいきプラザ集会室

<別紙2>   政治の現況について 

(1)主なニュース一覧(2020/9/21-10/20)

原子力規制委員会、東京電力柏崎刈羽原発の保安規定了承し、審査終了(2020/9/23)
仙台高裁、福島第一原発事故で国と東電に賠償責任認める(2020/9/30)
菅内閣、日本学術会議推薦6氏の任命拒否(2020/10/1)
Go Toトラベル、東京発着旅行が追加(2020/10/1)
自民「改憲原案起草委」設置へ 国民投票法改正案の早期成立めざす(2020/10/8)
核ごみ最終処分場、全国初調査へ 北海道寿都町が応募正式表明。神恵内村も(2020/10/8)
最高裁、2件の非正規格差訴訟で格差「不合理」認めない判決(2020/10/13)
自民「改憲原案起草委」初会合。改憲4項目「年内に成案」方針(2020/10/13)
文科省、中曽根氏合同葬に教委などに「弔意表明」要請通知(2020/10/14)
最高裁、非正規格差訴訟 手当では「不合理」認める判決(2020/10/15)

(2)新聞社説、ニュース記事(議論の活発化のため、あえて意見の異なる主張も掲載)

①毎日新聞 2020年10月3
【社説】学術会議6氏任命せず 看過できない政治介入だ
学問の自由を脅かす、重大な政治介入である。
日本学術会議の会員改選で、推薦された候補者105人のうち6人を、菅義偉首相が任命しなかった。1949年の会議創設以来、極めて異例の事態だ。
6人はいずれも人文・社会科学の専門家だ。安全保障法制や「共謀罪」創設など、安倍晋三前政権の重要法案について批判的な意見を述べたという共通点がある。
過去の発言に基づいて意に沿わない学者を人事で排除する意図があったとすれば、憲法23条が保障する「学問の自由」を侵害しかねない。首相は今回の措置を撤回すべきだ。
学術会議は、優れた研究や業績のある科学者で構成される。全国87万人の研究者の代表機関であり、「学者の国会」とも呼ばれる。活動費は公費で賄われるが、日本学術会議法にその独立性が明記されている。

脅かされる学問の自由
会員を改選する際は、学術会議が候補を選び、推薦に基づいて首相が任命するというルールが定められている。政府は従来、改選時には推薦の通りに任命してきた。
学問の自由と自治を尊重するという思想に基づく。選考方法が選挙制から推薦制に変わった83年には、国会で学術会議の独立性について問われ、大臣は「任命行為は形式的なもので、推薦された者をそのまま任命する」と答弁した。
ところが今回、加藤勝信官房長官は「任命する立場に立って精査していくのは当然」と説明した。これは過去の国会答弁と矛盾する。法解釈を変えたのなら、経緯を国会で説明すべきだ。
学術会議は、任命しなかった理由をただす一方、6人を改めて任命するよう求めることを決めた。政府はきちんと回答しなければならない。
先の戦争で、多くの科学者が政府に協力させられた。軍部が湯川秀樹ら物理学者に原爆開発を命じたことは広く知られる。思想統制を進める上で障害となる学者は排除した。京都大の法学者が弾圧された滝川事件や、「天皇機関説」を唱える学者が不敬罪で告発された事件がその典型だ。
こうした反省に立って、学術会議は作られた。あらゆる分野の専門家が立場を超えて集い、政府への勧告などを行ってきた。
ノーベル賞受賞者の朝永振一郎が会長だった67年には、軍事研究に関与しないとの声明を出した。50年後の2017年にも、軍事転用が可能な研究への関与に慎重な姿勢を改めて示した。
政府は科学技術振興を国の成長戦略の柱と位置づける。一環として防衛装備庁は、軍事転用が可能なロボット技術研究などを支援する制度を創設した。だが、学術会議の声明の影響もあって、応募は思うように増えていない。
政府が今後、人事権を突破口に自然科学へも介入を始める可能性は否定できない。国立大の学長人事にも影響が及びかねないとの懸念が出ている。

危険な人事統制の拡大
安倍前政権は、内閣人事局を通して中央省庁幹部の人事を一元管理し、官僚統制を強めた。政権の意に沿う者だけが重用され、異論を唱えれば冷遇される。そんな空気に官僚は萎縮し、政と官の関係はゆがんだ。その中心にいたのが官房長官だった菅氏である。
象徴的なのは、内閣法制局長官の人事だ。集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更に備え、内部昇格の慣例を破って外務省出身の容認派をトップに据えた。
検察庁の人事でも、「首相官邸に近い」と目された元東京高検検事長の定年を、法解釈を変えて延長した。
通底するのは「私たちは選挙で選ばれている」という、前政権から続く意識だ。選挙で勝てば全て白紙委任されているとの発想につながっている。だが、権力は本来、抑制的に行使すべきものだ。
菅首相は、政権の決めた政策に反対する官僚は「異動してもらう」と明言し、都合の良い人物を要職に就けることで政策を進めようとしている。
既に、強引な手法の弊害が明らかになっている中、学術界にもそれを持ち込もうとするなら看過できない。
科学は文化国家の基盤だ。異論や反論を排除しない自由な環境から科学は発展する。そうした環境が損なわれるようでは、日本の未来はない。

②読売新聞  2020年10月6
【社説】学術会議人事 混乱回避へ丁寧な説明が要る

学術研究に関わる組織を政争の場にしてはならない。問題の所在をきちんと整理すべきだ。
政府が、日本学術会議が推薦した新会員候補105人のうち、法学者ら6人を任命しなかった。推薦を受けて、任命を拒否するのは初めてだ。
学術会議は、科学の振興について提言する機関で、日本学術会議法に基づき、首相が所轄している。優れた研究や業績のある科学者など210人で構成される。会員の任期は6年で、3年ごとに半数が入れ替わる仕組みだ。
政府は1983年、会員の選出方法について、学者による選挙制から、学術団体の推薦を踏まえた首相の任命制に改めた。
その際、「政治的介入が予想される」という野党議員の指摘に対し、当時の中曽根首相が「政府が行うのは形式的任命にすぎない」と答弁した経緯がある。
今回の決定について、政府が十分に説明していないのは問題だ。過去の答弁との整合性をどう取るのか。菅首相は、判断の根拠や理由を丁寧に語らねばならない。
除外された学者には、安全保障関連法や改正組織犯罪処罰法に反対した人が含まれていた。野党推薦の公述人として、国会で安保法の廃案を求めた学者もいる。
安倍前内閣の施策を批判したことが、除外の理由ではないかと反発している。多様な意見表明の機会を閉ざしてはなるまい。
学術会議は、推薦通りに任命するよう政府に求めている。野党は「学問の自由を脅かす重大な事態だ」として追及する方針だ。
6人は自由な学問や研究の機会を奪われたわけではなく、野党の指摘は的外れだろう。
学術会議は、政府の研究開発予算の配分に大きな影響力を持っているとされる。政府はその運営に年間10億円の国費を投じており、会議の活動や人事に、一定程度関与するのは当然である。
学術会議のあり方も問われている。会員の選考過程や、会議の運営が不透明だという指摘は多い。改善を図ってもらいたい。
先の大戦で科学者が戦争に関わった反省から、1949年に設立され、「軍事目的の研究を認めない」という立場を維持している。2017年には、防衛装備庁の研究支援制度を利用しないよう、大学などに呼びかけた。
情報技術が飛躍的に発展した現在、科学の研究に「民生」と「軍事」の境界を設けるのは、無理がある。旧態依然とした発想を改めることも必要ではないか。

③産経新聞  2020年10月3
【主張】日本学術会議 人事を機に抜本改革せよ

学問の自由の侵害には当たらない。
科学者で構成する政府機関「日本学術会議」が推薦した新会員候補の一部について、政府が任命を見送った一件だ。
任命権は菅義偉首相にあるのだから当然だ。日本学術会議法は、会員を学術会議の推薦に基づき首相が任命すると規定している。会員には特別職の国家公務員として手当も支払われる。
日本学術会議に対する菅政権の人事介入との批判もある。学術会議法で「独立して職務を行う」との規定があるが、広義では行政機関の一員である。学術会議が推薦した会員をそのまま任命する従来のやり方こそ、改めるべきだ。
新会員候補の一部の任命見送りは、加藤勝信官房長官が1日の会見で表明した。現行制度になった平成16年度以降、推薦候補が任命されなかったのは初めてだ。外れたのは候補者105人のうち法律学者ら6人だった。見送りの理由は明らかにしなかった。1人はテロ等準備罪を新設する改正組織犯罪処罰法について「戦後最悪の治安立法」として反対していた。
加藤氏は「首相の下の行政機関である学術会議において、政府側が責任を持って(人事を)行うのは当然だ」と述べた。

学術会議の梶田隆章会長は「極めて重要で、対処していく必要がある」とコメントした。立憲民主党や共産党など野党4党は、菅政権を追及していく方針だ。
だが、襟をただすべきは学術会議の方である。
学術会議は平成29年、科学者は軍事的研究を行わないとする声明を出した。昭和25、42年の声明を継承したものだ。声明は、「軍事研究を行えば、政府による研究者の活動への介入が強まる懸念がある」などとしている。防衛省創設の研究助成制度も批判し、技術的優位を確保する日本の取り組みを阻害しかねない内容だ。
声明の作成過程では、自衛隊の合憲性に疑義が出るなど、浮世離れした意見が続出した。
欧米諸国のような先進民主主義国でも、防衛当局と産業界が協力して先端技術を開発するのは当たり前のことだ。軍事研究を行わないとする一方で、海外から集めた先端技術の軍事利用を図る中国から、多数の科学者を受け入れている事実には目を伏せたままだ。
学術会議は、活動内容などを抜本的に改革すべきである。

<別紙3>   読者のひろば
(ご意見・ご指摘・情報など、なるべく600字以内で投稿歓迎)

来信:藤田高景氏(村山首相談話の会・理事長)より
菅首相による日本学術会議の6人の会員の任命拒否という暴挙に対して全国から怒りの声が、湧き起こっています。
私たちは、この暴挙を絶対に許さないため、来たる11月30日(月)16時30分から、衆議院第一議員会館で、下記の要領で、緊急院内集会を開催する事となりました。皆さまのご参加をお待ちしております。また、皆さんのSNSネットワークで、最大限の拡散をお願い申上げます。
菅政権による検察・行政の強権支配を糺す会・代表 藤田高景

――緊急院内集会・案内文――

 「許すな憲法破壊!菅政権による日本学術会議会員6人の任命拒否は憲法違反」

 菅首相による日本学術会議の6人の会員の任命拒否事件は、菅政権の憲法破壊、法の支配の無視、抑制のない権力行使という菅政権の危険な体質を暴露したもので、黙過することは出来ない。戦前、軍部は医学、化学、物理学などに携わる科学者、技術者に軍事利用に有効な研究・開発を命じるとともに、社会科学系の学者に対しては戦争遂行のための思想統制に協力させて、これに異議を唱える学者を徹底排除した。戦後、日本学術会議は日清、日露から大東亜戦争に至る戦争の反省を踏まえ、政治権力から独立した組織として設立された。科学者や技術者の研究目的は国の平和と安全を維持し、国民の福祉を増進することだ、との誓いの下で会議は運営されてきている。菅首相はこうした日本学術会議設立の原点を無視し、会議を政権の都合のいいように改造することを企てている。

菅政権の行った任命拒否は、憲法23条で保障された学問の自由、憲法19条で保障された思想表現の自由を侵害する悪質な行政行為であり、政府がこれまでの国会審議で述べてきた政府と日本学術会議の関係に関する答弁を根底から覆すものであり、議会制民主主義の観点からも到底容認できるものではない。

菅首相は6人の学者の任命を拒否した理由について「総合的・俯瞰的」などと訳の分からない答弁を繰り返しているが、本音は「学者たちも政府に協力しろ」と言いたいのだろう。しかし、これを言えば憲法違反、日本学術会議法違反になる。

安倍内閣時代、菅首相は官房長官として官僚に対する内閣人事権を悪用し、“忖度官僚”を造ることに成功している。これに味をしめた菅首相は日本学術会議の会員任命権を使って、同会議を御用学者の山にしようとしている。民主主義社会における権力行使は抑制的であるべきだ、という基本を忘れた行政行為に対して各界の皆さんが連帯し、抗議し、撤回させようではありませんか。

 11月30日、国会の議員会館に、立憲野党の国会議員・市民・学者・ジャーナリスト・芸能人・研究者・弁護士・学生など、広範な各界の皆さんが大結集して、立ち上がりましょう。
一人でも多くの皆さんのご来場をお待ちしております。(本紙P.4「集会案内」参照)

来信:森正孝氏より

デモリサ(Democracy Research)TVの森正孝です。

「今、無人島・馬毛島が熱い!」全4回

《パート1》
❍無人島に160億円もの税金が使われる!!
https://youtu.be/2-vYJ2boge0

《パート2》
❍馬毛島自衛隊配備に市長も議会も反対!
https://youtu.be/DsTgUznQ79o 

※来週、パート3、パート4を放映! 乞う!ご期待!! ぜひ、観てください!!

★お知り合いに送ってください!
★チャンネル登録をお願いします!
★ご意見いただければ幸いです。

来信:神奈川県・T氏より「添付のサイトを見てください。」のお薦めとともに、HBC(北海道放送)山崎氏からのメールを転送いただいた。(下記抜粋中の「(テキスト)」は番組音声の文字化。「特設サイト」では「北海道と戦争」シリーズの番組履歴が視聴できる)

Subject: 【お知らせ】「生活図画事件」松本五郎さん死去 メディア不在の危機感
戦時中の治安維持法による弾圧事件「生活図画事件」。
被害者であり、数少ない歴史の証人である松本五郎さん(99)がなくなり、27日に告別式が営まれました。
まさかこのニュースをシリーズ「戦後75年 北海道と戦争」として放送するなんて思いもしませんでした。憔悴した菱谷さんの姿に心が痛みます。
そして驚くのは、松本さんの告別式を取材したメディアは新聞・テレビすべてのなかで僕らだけだったことです。生活図画事件を追っている写真家の方も参列していました。

「戦争はしてはならない」という時代への危機感と当事者だからこそ伝えられる恐ろしさ。そんな松本さんの言葉を聞く力をメディアは失っているのでしょうか…そのこと自体、僕は大きな危機感を覚えます。

 

戦後75年 北海道と戦争「治安維持法弾圧 松本五郎さんの“遺言”」
■HBCニュースYouTube公式サイト
https://youtu.be/fzP5-zAaEZg

■「戦後75年 北海道と戦争」特設サイト
https://www.hbc.co.jp/info/post_war75/

★Twitterでつぶやいています(山崎の個人アカウント)
https://twitter.com/yuji_sappro


(テキスト)
絵を描いただけで逮捕される…太平洋戦争中、治安維持法で弾圧された99歳の松本五郎さんが亡くなりました。自由の大切さを訴えた言葉は、今の時代に重さを増します。

 去年、友人と一緒に初めて開いた絵画展。
「まじめ一本の人間だった。国体を変革しようなんて考えたこともなかった」(松本五郎さん) 

松本五郎(まつもと・ごろう)さんは、20歳の時「生活図画(ずが)」と呼ばれる日常生活をありのままに描いた絵が「共産主義を啓蒙する」と決めつけられました。
「平和とか人権を求めて絵を描いてきた」(松本五郎さん) 

1941年、旭川師範学校の学生だった松本さんは、治安維持法違反の疑いで特高警察に逮捕され、有罪判決を受けます。戦後、沈黙を守ってきた松本さん。しかし、安倍政権で特定秘密保護法や共謀罪などが次々と作られると…
「戦争をする国になっていくのではないかとの危機感。俺たちの事件と全く同じようなことが今後も繰り返されるのではないかと」(松本五郎さん)

27日の告別式には、事件で同じく逮捕された友人も駆け付けました。
「もう少し生きて、おまえの分もくじけないでやるぞと心に誓った」(菱谷良一さん98歳)

 戦後75年経った今こそ、戦争を忘れてはならない…松本さんのそんな遺言が聞こえてきます。
HBC 北海道放送 山崎

来信:神奈川県から沖縄に移住して活動している長谷川実氏より、ホテル清掃パート労働組合の結成と活動の情報が届いた。添付されたファイル「うまんちゅユニオン沖縄うりずん支部」発行の「観光立県 沖縄を支える 働く者の生活と権利を!」第4号の表裏には下記のニュース記事があり、他の報道記事の引用については見出しと出典URLをご紹介しておく。
※「うまんちゅユニオン」の概略と加入方法は沖縄県労働組合総連合サイト参照:

https://okinawakenroren.org/union.html

 大混乱の米大統領選は、新自由主義という虚業資本主義の末期、分断・格差の象徴ではないでしょうか。
日本もほぼ同じ道だとは思いますが。
いずれにしても、よりましな世の中を目指し、切に生きるしかないと思うこの頃です。

 添付のnewsは、沖縄のコロナ禍で結成されたホテル清掃パート労働者の労働組合の最近の様子です。

(ニュース第4号・表)
第4回団交 雇用保険加入で前進
9月14日S-TEC、C-TEC各2時間の第4回団体交渉が、東京本社などとオンラインで行われ、前回からの継続議題は、退職時の年休処理、雇用保険の遡及加入などでした。
コロナ休業の5月からの一斉「個人面談」の退職勧奨の際、年休精算希望を受入れてもらえなかった人が多く、中には「あなたに有休あげたくない」とのパワハラ暴言の例もありましたが、会社は「そんな事実はない。退職者に年休請求権はない」と年休補償を拒んでいます。引続き要求します。
また、会社が雇用保険の加入を怠ってた例も多く、当事者本人が「遡及加入の本人負担分を会社が払って、すぐ手続きしてほしい」と切々と訴えました。後日、一部の人にやっと雇用保険被保険者証が郵送されてきました。徐々にですが成果が出ています。これからも、団交に参加し粘り強く改善していきましょう。

*「あなたには有休あげたくない」 年休精算もせず退職強要
私は14年前に客室清掃のパートで入り、以来請負会社が変わりC-TECで3回目の移籍でした。コロナ休業の5月末の個人面談で、3人の社員から「待っていても仕事ない。この退職届をだして雇用保険もらえ」と強く言われ、考える余裕もないまま出してしまいました。コロナで無収入のため健保・厚生年金の未納分があり、会社はそれでも「振り込め」と催促してましたので、その時、「有休が38日もあるので精算して、その分有休精算で当ててほしい」とお願いすると「あなたは未納分すぐ払わなかったから、有休あげたくない」との暴言にムッとなりましたが、しかたなくお金を借りてその日振込みました。
しかし、結局その後も有休38日分は払ってもらえませんでした。ずーと遅れてた離職票はユニオンのおかげで、届きましたが、この有休は、14日の団交で直接訴えても、本社は聞き入れませんでした。
保険料納入遅れは休業・無収入のせいだったのに、こうした会社のヒドイ姿勢は是非直してほしいです。                                                               (元 ANA 万座ホテル-安田) 

* C-TEC㈱に是正勧告!名護労基署 「労働関係書類 保管義務」違反
9月29日、名護労働基準監督署は、C-TEC本社に対し労働基準法第109条「労働関係の重要書類3年保管義務」違反で是正勧告書を出しました。3カ月毎の雇用条件確認書は控えを本人にも渡し、保管しなければいけないのに、そんな基本的な事まで厳しく指導されたのです。
また、9月下旬から「労基署から休憩時間を取るように指導があった。6時間超えたら45分、8時間では1時間の休憩を分割でもとってください」と、朝のミーティングで指示があった職場もありました。これらは、会社が、働く人の尊厳を軽視してきた証拠でしょう。長く働いてきた人が、会社の体質を「奴隷商人だよ」と言ったことがあります。コロナ禍で会社も苦しいでしょうが、労働者が一番厳しいのです。事務担当を増やし、法令を守るなど基本的改善は、もっと必要です。

 

 (ニュース第4号・裏)

報道記事から
ご承知のように、10月中旬、非正規労働者グループが訴えていた三つの最高裁判決が出て、1勝2敗でした。
郵便局の有期契約社員の差別待遇は、勝訴。地下鉄構内売店の契約社員(東京)、大阪医大のアルバイト女性職員はいずれも敗訴。一部前進があったものの、正社員との均等待遇、格差是正は、これからです。
でも、いずれも各原告団を、各地のユニオンがしっかり支援しています、闘いは続きます。

 (見出しと出典)

*郵政20条 最高裁 勝利判決
郵政産業ユニオン
http://www.piwu.org/20201015saikousai_gougaibira_2.pdf

*扶養手当「正社員だけ」は不合理 最高裁判決、影響広がる可能性 日本郵便訴訟
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20201015/k00/00m/040/293000c

*落胆「不公平感募る」 「最低裁だ」憤る原告――非正規訴訟で逆転敗訴
JIJI.COM
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020101300940&g=soc

*「いまだ予算額の4%未満 休業支援金 進まぬ支給 事業主が記入せず
大企業非正規は対象外 野党が改善要求
赤旗
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-10-15/2020101515_01_1.html

 

来信:シリーズ1号の経験継承についての希望
小久保和孝(札幌市)

完全護憲の会が第1号『日本国憲法が求める国の形』を発刊したのは2015年3月であった。そのB5版80頁の末尾76頁には2014年4月27日決定の「完全護憲の会」設立趣意書が収録されており、77頁から78頁には完全護憲の会会則が出ており、続く79頁には「完全護憲の会」入会申込書が綴じてあった。

それがどういう理由で以降削除されてしまったのか、昨年12月にシリーズ9号が刊行されたが、これも削除されたままである。札幌のある企業は創業者を記念して科学振興財団を設立し、記念講演などを収録したブックレットを今まで28回刊行している。このブックレットはB5 版100頁に満たないが毎号の末尾には1頁分をさき「賛助会員のご案内」の頁があり、財団設立の趣意、事業内容、賛助会員募集の旨及び賛助会員の種別その特典、会費等支払方法、税法上の特典案内、事務所等が箇条書きで出ており、次に賛助会員(個人・法人用)寄付申込書(個人・法人)の各1頁ずつ綴じ込み頁がある。そして最後の2頁は「ブックレット刊行のことばに引き続き今まで刊行したブックレット・バックナンバー一覧表が出ている。

参考までの以上の資料をお届けします。バックナンバーリストは1頁ですみますし、寄付申込書なども参考事項です。私はこの経験に学び現在にふさわしい付録が出来るよう第1回の経験は踏襲すべきだと、強く希望します。

完全護憲の会ニュース  No.82 ……… 2020年10月10日

pdfニュース82号

ウィルス感染問題が深刻化した場合には、日程の変更もあり得ますので、ご注意ください。
日程の変更は下記

発行:完全護憲の会
〒140-0015 東京都品川区西大井4-21-10-312
電話・FAX: 03-3772-5095
Eメール:kanzengoken@gmail.com
ホームページ:https://kanzengoken.com/

目 次

第79回例会・勉強会の報告                                 P. 1
別紙1 事務局報告                                 P. 2
別紙2 政治の現況について                         P. 3
別紙3 緊急警告045号                            P. 5
日本学術会議会員の任命拒否は戦争への道
別紙4 読者のひろば                               P. 7
別紙5 完全護憲の会 例会・勉強会のご案内          P. 11

________________________

79回例会・勉強会の報告

9月27 日、都内・三田いきいきプラザにて第79回例会・勉強会を開催した(参加者9名;会員71名)。

例会では鹿島委員が座長となり、事務局報告を福田共同代表が行い(別紙1)、続いて政治の現況を草野委員が報告し(別紙2)、順次議論を進めた。勉強会は、後藤富士子弁護士(東京弁護士会)を講師に迎え、連続講演「日本国憲法が求める司法改革」の第1回「司法制度――戦前と戦後」をテーマに講演いただき、質疑した。

事務局報告では福田代表が、袴田事件の冤罪を晴らす活動がクラウドファンディングを通じて活発化していることを報告、この活動を三鷹事件の再審を求める活動でも参考にすることが重要と強調された。

政治の現況報告では、草野委員から「安倍首相の動向」「大坂なおみ選手の黒人男性銃撃に対する抗議」「立憲民主党の動き」「自民党総裁選、菅内閣のスタート」「菅内閣世論調査の高支持率」などが提起された。議論は、直近の「安倍首相退陣と菅内閣発足の評価」が中心となった。

「安倍首相の辞任はモリカケ、桜、河井、コロナ問題など精神的に追い詰められてのものだ」「安倍から菅内閣への動きのマスコミ報道はひどい。意図的に菅内閣の高支持率を演出している」「一国の首相の病気退場に医師団が出てこないことはおかしい。仮病だったのか」「7割の国民が菅内閣を支持していることに絶望」「大衆運動が安倍を退陣させたというのは楽観的過ぎる」「息をするように嘘を吐き続けることが出来なくなったので辞めたのだろう」「安保法制によって米国は好きなように日本を使えるようになった」「米国は日本の世論を気にする。運動は米国に直接アピールした方がよい」といった意見が続いたが、一方で「改憲について国民の支持が盛り上がらず、改憲ができなかったという点では国民の反対運動を評価すべきだ」との見解も出された。

この他、アスリート、芸能人が政治に口出しを躊躇しがちな日本の環境の下で、大坂なおみ選手の勇気ある抗議は大いに教訓としなければならないことが指摘された。

勉強会では、講師の後藤富士子弁護士より約70分間、1)立憲主義の特色(要件)、2)基本的人権保障と司法、3)戦前の司法(裁判所構成法)について講義を受けた。以下、主な内容である。

「国民主権」「基本的人権」「三権分立」を基本要件とする現憲法と大日本帝国憲法との比較の上に立って、「基本的人権保障が憲法上の位置づけを持つと、それを担保する機関として司法の存在が重要になる」。この点で戦前の司法では「行政府の一員である司法大臣が裁判官を監督する」構成となっており、「裁判所の独立」「裁判官の独立」はなかった。また、判事より検事が上位という力関係の中で、弁護士はさらに一段低く、著しい格差・不平等があった。ここから戦後の司法改革は、「司法権の独立」を確立し、行政事件も含め司法権を例外なく通常裁判所に集中する(特別裁判所は設置できない)いわゆる「司法権の優越」を採用した(憲法第76条)。同時に、「裁判所と検事局の分離」(裁判所の分離独立)「裁判所の独立と権限の強化」「判事・検事・弁護士の資格の一元化」=「法曹一元」などが課題として意識されているが、「これこそが日本国憲法の核心」である。戦前においては「裁判官の独立」は意識さえされなかった。

約30分の質疑では、「特別裁判所とは何か」「三権分立の下、司法権の優越とは何か」「最高裁の国民審査と司法への国民参加」などが出された。

なお、10月の勉強会は引き続き後藤富士子弁護士(東京弁護士会)の「日本国憲法が求める司法改革」について、第2回「憲法と裁判所法が描く司法・裁判官」をテーマに開催する。<別紙5>

<別紙1>   事務局報告      

福田玲三(事務局)

1)後藤富士子弁護士と柳澤修氏よりブログ投稿をいただいた。
来信の情報2件と時事川柳の投稿6句もあわせて参照されたい。⇒⇒<読者のひろば>

2)新冊子シリーズ10『三鷹事件・巨大な謀略の闇』の発行遅延

8月発行を予定していた冊子シリーズ10『三鷹事件・巨大な謀略の闇』は、成文の遅れに、担当委員の急病が重なり、10月上旬発行となった。ご了承願います。

3)郵便不正の証拠改ざん事件10年について

大阪地検特捜部による郵便不正事件の証拠改ざん発覚から10年になる9月21日、「東京新聞」はこの事件に巻き込まれた元厚生労働次官の村木厚子さん(64)を取材し、「密室の取り調べ、なお課題」と指摘している。

4)集会案内

・『週刊金曜日』南部読者会

日時:10月23日(金)18:30~20:30 場所:大田区消費者生活センター(JR蒲田駅東口5分)

・袴田事件の現地調査と無罪判決を求める集い(静岡県清水市)

現地調査:10月24日(土) 13:00~16:00 清水辻生涯学習交流館2F講義室

無罪判決を求める集い:10月25日(日) 13:30~16:00 清水テルサ6F研修室 参加費500円
主催:袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会 https://www.hakamada-sukukai.jp/

5)当面の日程について

第80回例会・勉強会
10月25日(日)13:30~16:30
三田いきいきプラザC集会室

第81回運営委員会
11月 1日(日)13:00~
新橋・ばるーん

第81回例会・勉強会
11月22日(日)13:30~16:30
三田いきいきプラザA集会室

第82回運営委員会
11月29日(日)13:00~
新橋ばるーん202学習室

第82回例会・勉強会
12月27日(日)13:30~16:30
三田いきいきプラザ

<別紙2>   政治の現況について 

(1)主なニュース一覧(2020/8/21-9/20)

安倍晋三首相、連続在任日数歴代単独1位の2799日となる。(2020/8/24)

大坂なおみ選手、全米オープン前哨戦準決勝棄権 黒人男性銃撃に抗議(2020/8/27)

安倍晋三首相、辞任表明記者会見(2020/8/28)

合流新党「立憲民主党」スタート。代表には枝野幸男氏(2020/9/10)

ミサイル阻止(敵基地攻撃)へ安倍首相が談話(2020/9/11)

菅義偉氏、自民党両院議員総会で岸田、石破両候補を抑え自民党新総裁に(2020/9/14)

衆参両院、菅義偉自民党総裁を第99代首相に選出。菅内閣スタート(2020/9/16)

菅内閣各紙世論調査で64%~74%の高支持率(2020/9/17)
 

(2)新聞社説、ニュース記事(議論の活発化のため、あえて意見の異なる主張も掲載)

①日刊スポーツ 2020年8月27日  ※ニュース記事

大坂なおみ「1人の黒人女性として」声明全文

2度の4大大会優勝を誇る世界10位の大坂なおみ(22=日清食品)が、23日に米ウィスコンシン州で起きた警官の黒人男性銃撃事件に抗議し、27日に予定されていた準決勝の同22位エリーズ・メルテンス(ベルギー)戦を棄権した。大坂の声明は次の通り

◇   ◇

こんにちは。多くの人が知っているように、私は明日、準決勝を戦う予定でした。しかし、私は、アスリートである前に、1人の黒人女性です。そして、1人の黒人女性として、自分のテニスを見てもらうよりも、今すぐに、気がつかなければならない、もっと重要な問題があると感じています。

私がプレーをしないことで、何か劇的に変わることはないとは思いますが、白人の人たちが多いスポーツの中で、いろんな議論ができれば、それが正しい方向への1歩だと感じています。

警察による黒人への大量虐殺を見るたびに、胃が痛くなり、ヘドが出るような気持ちになります。(この黒人差別に対して)数日おきに、新しいハッシュタグが作られることにも正直、疲れました。また、何度も何度も、この問題について、同じ議論をするのもとても疲れました。いつになったら、(この議論が)十分になる日が来るのだろう。

②読売新聞 2020年9月17日

社説菅内閣発足 経済復活へ困難な課題に挑め

◆改革の全体像と手順を明確に

感染症が蔓延まんえんする世界的な危機の中で、7年9か月ぶりの首相交代である。新政権は、様々な困難を克服し、経済再生を果たさねばならない。

菅内閣が発足した。菅首相は記者会見で「国民のために働く内閣を作る」と述べ、各分野で改革を断行する方針を示した。再任が多く、派手さはないが、安定性を重視した堅実な布陣と言えよう。

新型コロナウイルスの感染拡大は、デジタル化の遅れや組織の連携不足など、日本の政治、経済、社会の各分野に解決すべき課題が多いことを浮き彫りにした。

◆国民の理解が不可欠

首相は、省庁の縦割りを打破し、規制改革を進めるという。その方針は妥当だが、まず改革の全体像と手順、具体策を示すことが不可欠だ。国民の理解を得ながら取り組むべきである。

新政権の人事では、自民党総裁選後、麻生太郎副総理兼財務相と二階俊博幹事長の再任が真っ先に固まった。前政権を内閣と党で支えた2人の続投で、政治の安定を図る狙いがあるのだろう。

内閣の要である官房長官には、厚生労働相として感染症対策に当たってきた加藤勝信氏を起用した。同じポストへの再任は8人に上り、閣内での横滑りは3人、初入閣は5人だった。

総裁選を戦った岸田文雄前政調会長と石破茂元幹事長は、重要ポストに登用しなかった。岸田派、石破派の議員を閣僚に起用することで配慮したとみられる。

最優先の課題は、感染の抑止と経済活動の両立である。

西村康稔経済再生相が引き続きコロナ対策に当たる。加藤官房長官や再登板となる田村憲久厚労相らと連携し、効果的な手立てを講じなければならない。

首相は、検査や医療体制を拡充し、メリハリの利いた感染対策を行うという。PCR検査は思うようには増えていない。様々な目詰まりを解消し、いかに流行を抑え込むか、重要な試金石となる。

行政・規制改革相に、河野太郎氏を防衛相から横滑りさせた。抵抗を排する突破力への期待があろう。携帯電話料金の引き下げは、武田良太総務相が担う。

デジタル庁創設に向けて、平井卓也氏をデジタル改革相として再入閣させた。関連する部署は現在、内閣官房や経済産業省、総務省などにまたがっている。

地方自治体にもかかわる行政のデジタル化をどう進めるか。それにふさわしい組織はどうあるべきか。総合的な戦略を示して計画的に実施してもらいたい。

経済を成長軌道に乗せるには、前政権で不十分に終わった成長戦略を改めて描き直し、着実に実行に移すことが必要だ。

◆成長戦略をどう描くか

麻生氏と西村氏のほか、梶山弘志経済産業相、赤羽一嘉国土交通相らも続投させた。

年末に向けて企業の倒産を防ぎ、雇用維持を図るのはもちろん、景気を底上げしていくことが責務である。事業者への切れ目ない支援に努めてほしい。

2021年度予算編成では、コロナ対策と夏の東京五輪・パラリンピックをにらみ、歳出圧力が強まるのは確実だ。中長期的な財政健全化にも目を配ることが大切である。

③毎日新聞 2020年9月17日

社説 菅義偉・新内閣が発足 まず強引な手法の転換を

前政権を継承し、前に進めるというだけで果たして乗り切れるだろうか。大きな不安を抱えながらのスタートだ。

菅義偉内閣がきのう発足した。

約8年ぶりの首相交代だ。ただし、安倍晋三前首相の突然の辞任表明を受け、急きょ行われた自民党総裁選で決まった後任だ。緊急避難的な内閣と言っていい。

菅氏もそれを意識したのだろう。「暫定内閣」と見られるのを避けるため半数以上の閣僚を入れ替えた。河野太郎氏を防衛相から行政改革担当相に横滑りさせたのは独自色のアピールと思われる。

だが総じて、自民党役員人事を含めて各派閥のバランスを重視した人事だ。女性閣僚は2人に減り古い体質から脱皮できていない。

政権の骨格は変わらず

麻生太郎副総理兼財務相が再任されたのにも驚く。本来は、森友学園問題で財務省が手を染めた公文書改ざんが発覚した時点で引責辞任すべきだったのだ。

党側の二階俊博幹事長の続投も含め、政権の骨格は変わらない。

言うまでもなく当面は新型コロナウイルス対策が課題となる。

忘れてならないのは、これまで後手に回ってきた政府の対策については菅氏も官房長官として重い責任を負ってきたことだ。何が欠けていたのか、きちんと検証するところから始める必要がある。

コロナ対策に限らない。アベノミクスをはじめとする経済政策やロシアとの北方領土交渉など外交も、安倍前首相の体調悪化前から行き詰まっていた。それを謙虚に認めないと前に進めない。

何より求められるのは、政治手法を改めることである。

異論に耳を傾けず、与党の数の力で強引に突き進む。そんな政治を菅氏は安倍前首相と二人三脚で推し進めてきた。

力ずくの手法の一つが、内閣人事局を使って中央官庁の幹部人事に強く関与してきたことだ。総裁選中も菅氏は、政権の決めた政策の方向性に反対する幹部は「異動してもらう」と明言した。

しかし官僚が人事を恐れた結果、官邸の意向を忖度(そんたく)し、行政手続きの公正さや透明性が損なわれる政治を招いたのではなかったか。ゆがみを直ちにただすべきだ。

菅氏は、官僚と違って「私たちは選挙で選ばれている」とも語った。選挙で勝ちさえすれば全ての政策が国民に信任されたとばかりに、一切の批判や反対意見を排除する姿勢が垣間見える。

コロナ問題や米中対立など世界は今、簡単には解答が見つからない状況にある。いつにも増して多様な意見や提案を吸い上げる必要があるはずだ。国民の声に耳を澄ます一方、官僚組織の総合力をいかに生かすかが課題となる。

菅氏は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題も担当してきた。そこで見せてきたのは、地元の根強い反対がありながら、強硬に移設を推進しようとする姿だ。

指導者は強大な権力を抑制的に行使すべきであり、国民の理解と納得を得るのが責務だ。ところが前首相と菅氏は、権力は極力、使うものだと考えてきたと思われる。普天間問題が解決しない現状が示すように、その姿勢を変える時だ。やはり、継承するだけでは済まされない。

解散前には論戦が必要

新内閣の発足により、与野党ともに関心は衆院解散・総選挙の時期に移っているようだ。もちろん首相が交代した以上、国民の信を問うのが筋である。

自民党内には早期解散を求める声が強い。「新内閣発足直後は支持率が高そうだから、早めに選挙をした方が得策だ」と考えているのだろう。だがそれは身勝手で、菅内閣はむしろ仕事をしない方がいいと言っているのに等しい。

全国一斉に選挙ができる状況かどうか、新型コロナの感染状況を慎重に見極めることが不可欠だ。そして、十分な国会論戦を行ったうえで衆院選を行うべきである。

秋に再び臨時国会を開くやいなや、議論もせずに解散するといったことはあってはならない。

安倍前政権下では、国会はまるで内閣の下請けであるかのように軽んじられた。政府を監視する国会の機能は薄れ、政権に都合がよい時期に、総選挙をする大義も乏しく衆院を解散するのが当然のようになってしまった。

野党が再整理された時期でもある。国会を立て直すきっかけとしたい。

 

<別紙3>  緊急警告045

 日本学術会議会員の任命拒否は戦争への道

日本学術会議は今年9月末で会員の半数が任期満了を迎えることから8月31日、計105名の新会員の推薦書を首相あてに提出した。ところが、9月末に事務局に示された任命者名簿には推薦した新会員のうち6名が記載されておらず、菅義偉首相が任命を拒否したことが分かった。

任命を拒否された6名は、芦名定道(京大・宗教学)、宇野重規(東大・政治思想史)、岡田正則(早稲田大・行政法学)、小沢隆一(東京慈恵会医科大・憲法学)、加藤陽子(東大・日本近代史)、松宮孝明(立命館大・刑事法学)の各教授。

この政府の対応に同会議は9月30日、菅首相に対し文書で理由の説明を求めるとともに10月1日の総会において、「創立(1949年)以来、自立的な立場を守ってきた。説明もなく任命が拒否されることは存立に大きな影響を与える」(山極寿一・前会長)と危機感を訴え、翌2日、菅首相に対して「1.推薦した会員候補者が任命されない理由の説明、2.任命されていない方の速やかな任命」の2点を要望した。

同会議はこれまで、政府に対する多くの勧告や提言などを行ってきた。科学者が戦争に協力したことへの反省から1950年と67年に、軍事目的の研究を行わないとの声明を出した。また2017年には、軍事応用できる基礎研究費を助成する防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」の予算を安倍政権が大幅増額したことを踏まえ、「政府による介入が著しく、問題が多い」と批判した。

これら批判の背景には苦い歴史がある。戦前、多くの科学者が、戦争に邁進する政府に有無を言わさず協力させられたという教訓に学んだのだ。つまり、1933年、京都帝国大学の滝川幸辰法学部教授が著書(『刑法読本』)や講演内容について思想的に問題があるとして罷免された「滝川事件」、1935年、美濃部達吉の憲法学説が糾弾され否認された「天皇機関説事件」、それらがその後の軍部の暴走を助長した。1937年、東京大学経済学部教授・矢内原忠雄は日中戦争を批判し、辞職をやむなくされた。また1939年、早稲田大学教授で歴史家の津田左右吉は皇室の尊厳を冒涜したと訴えられ、以後、学問研究や国民の知る権利が著しく制約され、全国民が戦争に総動員される道を開き、内外に二度と繰り返してはならない多大な犠牲をもたらした。

菅首相は10月5日、内閣記者会のインタビューで、任命拒否問題は「首相の任命権に基づく対応だ」と答弁し、その理由についても「個別人事に関するコメントは控えたい。総合的、俯瞰的(ふかんてき)活動を確保する観点から判断した」と抽象的で無内容な官僚的答弁に終始し、6名の任命拒否の理由にはまったく答えなかった。答えられるはずがなかったのだ。

6名の学者はいずれも社会科学系の学者であり、この間、安倍政権が強行してきた集団的自衛権容認の安保法制、特定秘密保護法、共謀罪法などの憲法違反・法律違反の数々の法案に対して、それぞれ専門的な立場から反対を表明してきた人々であり、これらの学者の任命拒否は、そうした反対表明をしてきた学者を見せしめ的に排除した結果だからである。

そもそも、同会議の独立性と自律性は内閣総理大臣の所轄でありながら、「日本学術会議は、独立して左の職務を行う。」(日本学術会議法第3条)の規定によって守られている。

このため、推薦・任命にかかわる法解釈について、1983年の国会で当時の中曽根康弘首相は、「政府が行うのは形式的任命にすぎない」と答弁し、当時の丹羽兵助総理府総務長官も「学会の方から推薦していただいた者は拒否しない。その通りの形だけの任命をしていく」と「第3条」に則った答弁をしており、これが今日に至るまで政府の公式見解となっている。

ところが、菅首相は同会議の会員任期満了を機に、法を無視し、歴代政府の公式見解も一方的に反故にし、国家行政の最高責任者としての説明責任さえ完全に無視し、同会議の変質を狙い政治介入してきたのだ。

この菅政権による6名の任命拒否と同会議への露骨な政治介入が強行されるならば、日本の学術研究は時の政府の下請け機関に成り下がり、多様な角度から真理を追究することが制約されてしまう。日本国憲法23条が保証する[学問の自由]を侵すことにとどまらず、19条[思想及び良心の自由]、20条[信教の自由]、21条[集会、結社及び表現の自由]を侵害していくことは明らかである。

さらに深刻なのは、菅政権のその後の対応である。日本学術会議のあり方に問題があるかのような論点のすり替えを行ない、大学における軍事研究に批判的・非協力的な現在の学術会議のあり方を変え、産軍学共同の軍事研究体制を構築しようとしていることは明らかである。

安倍政権は集団的自衛権を認める安保法制を強行採決し、検察庁法を違法に解釈変更するなど、目を覆うばかりの憲法軽視、法律無視を繰り返してきた。そして今回、安倍政権を継承し政権の意に沿わない官僚は排除すると公然と豪語している菅首相は、安倍政権以上の露骨さで学術の分野にまで触手を伸ばしてきた。

日本学術会議はその歴史と活動が示しているように、日本の学術を代表し、その科学者としての良心と倫理に基づき広く学問のあり方を点検し、「人類社会の共有資産としての科学の創造と推進に貢献する」(日本学術会議憲章第6項)重要な機関である。私たちは、携帯電話料金値下げやGoToキャンペーンなどの大衆受けする政策で国民の支持拡大を狙う一方で、日本学術会議への政治介入という時の権力者の民主社会への挑戦を断じて許してはならない。

任命拒否の撤回を求めるネット署名は10月6日12万人を超え、全国各地・各方面から抗議の声がわき起こっている。この広範な世論の反対によって菅政権の反動的な動きを阻止しよう。

それは戦争に向かう道を明確に拒否することに通じる。

(2020年10月6日)

<別紙4>   読者のひろば

(通信・ご意見・ご指摘など、なるべく600字以内で投稿歓迎)

ブログ:コロナの夏に憲法を考える――「主権」と「自治」

後藤富士子(弁護士)

1.「主権」というとき、その主体が誰かによって「国家主権」と「国民(人民)主権」に区分される。

日本は、第二次世界大戦で負けるまで、他国を武力侵略して植民地化した経験はあっても、他国によって自国が植民地化されることはなかった。敗戦によっても他国の植民地になることはなかったが、沖縄問題や日米安保体制・地位協定にはっきり刻印されているように、「独立国家」は見せかけにすぎない。
一方、「国民主権」についていえば、戦前は絶対主義的天皇制であり、「主権在民」を叫べば「国体の変革を企てる」という理由で、治安維持法により殺人的な弾圧を受けた。「主権在民」は日本国憲法によって初めてもたらされたのである。
しかし、日本国憲法には、条文として「国民主権」を定めたものが見当たらない。前文第1段落第1文に「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」と謳われている。そして、第1章は「天皇」であり、第1条は「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」と定められている。
ちなみに、韓国の憲法第1条は、「大韓民国は民主共和国である」「主権は国民にあり、すべての権力は、国民から発する」と規定している(孫引きです)。
アメリカ独立宣言は1776年、フランス革命は1789年である。それに比べると、日本国民が主権者になったのはたかだか74年の歴史である。しかも、日本国憲法がGHQに与えられた「棚からぼた餅」だったとすれば、主権者意識の脆弱性は無理もない。日本の「独立」が見せかけにすぎないのも、そのためである。すなわち、「国家」というのは存在するにしても、「国家主権」の在り様は、結局のところ、主権者である国民一人一人にかかっているというほかない。

2.「自治」という言葉も、日本国憲法第8章「地方自治」に初めて登場する。戦前は中央集権的官僚国家であったから、内務省の官僚が知事に任命されて、中央政府の統制を貫徹させていたのである。
ところで、ここでも「自治」というとき、その主体が誰かによって「団体自治」と「住民自治」に区分される。そして、「国家主権」と「国民(人民)主権」の関係と同じように、「団体自治」の在り様は、結局のところ、「住民による自治」にかかっている。「地方自治」が「民主主義の学校」と喩えられるのもそのためである。しかし、GHQの民主化政策によって「棚からぼた餅」のように降ってわいた「地方自治」から、日本国民は、どれだけ「民主主義」を学んだのか、心もとない。

3. 香港の「1国2制度」が揺れている。香港は、1997年に中国に返還されて特別行政区となり、香港基本法で「高度の自治」が規定されている。立法会(香港の議会)選挙は1998年に初めて実施され、今年9月に7回目の選挙が予定されていた。

昨年11月の区議選で民主派は85%以上の議席を得て圧勝し、今回の立法会選挙でも「政府の妨害がなければ、民主派は過半数を取る可能性が高い」と期待されていた。さらに、今年7月11日、12日に実施された民主派の「予備選」(共倒れ防止のために候補者を絞る)では、目標とした17万人を大幅に超過した61万人が投票した。それは、ごり押しされた国家安全維持法(国安法)への市民の抗議の意思であった。一方、国安法6条は「踏み絵」条項で、選挙の候補者は署名か宣誓によって「香港基本法を擁護し、香港特別行政区に忠誠を尽くす」と示す必要があり、ここで立候補が閉ざされる可能性もあった。
ところで、香港政府が提出する予算案や重要法案は3分の2で可決されるので、民主派が3分の1を超える多数になれば否決できる。そして、香港基本法52条では、否決後に行政長官が立法会を解散し、再選出された立法会が再度否決すれば、行政長官は辞任することになっている。そうなれば、民主派が史上初めて合法的に政権を倒すことができる。このような状況の中で、政府は、民主派の伸長を恐れて、新型コロナウイルス感染拡大防止を口実に、立法会選挙を1年延期する暴挙に出た。
香港の事態は困難を極めているが、「自治」と「自由」について改めて考えさせられる。それは、表裏一体のものである。自由は自治なくして得られない。しかし、人々の自由がなければ、自治も成り立たないのである。

4. 「民主主義」は制度である。しかし、それを支えるのは「生きている人々」である。
自民党は「民主的に」行われた国政選挙で繰り返し多数派を占め続け、安倍晋三首相自身も3度にわたって自民党総裁選で「民主的に」選出されて総理大臣の職にある。政権が国会に提出したさまざまな法案は、共謀罪も、特定秘密保護法も、安全保障関連法案も、すべて「民主的に」国会で採択された。かように、制度としての民主主義は今日も元気に生きている。
しかし、「民主主義の心」が死に始めた、と内田樹さんは言う。「民主主義の心」とは、国民の側の「民主主義を生き続けさせるための努力」であり、制度は生きているが、その制度を賦活させ、生かすための力は枯渇している、というのだ。ここでも、最後は「人」の問題が出てくる。換言すれば、民主主義政体は、自分の頭でものを考えることのできる成熟した市民を一定数確保できなければ、独裁制に退行するのである。
日本国憲法に定められた、人権保障を含む「制度」は素晴らしい。しかし、主権者である国民が、これに倚りかかり消費者として振舞う限り、日本国憲法も死んでいくのではなかろうか。

【参考資料】 第3項  しんぶん赤旗日曜版 2020年8月2日号
第4項  週刊金曜日8/7・14合併号
内田樹「凱風快晴ときどき曇り」『枯渇する民主主義の心』

ブログ: 菅首相は日本学術会議が推薦した会員候補6名の任命拒否を直ちに撤回せよ

栁澤 修(完全護憲の会 会員)

日本学術会議(以下学術会議)が会員候補として推薦した105名のうち、6名が政府に任命拒否された事実が10月1日明らかになった。学術会議会員の定数は210名、任期が6年。3年ごとに半数が入れ替わることになっており、次の会員候補は学術会議が推薦し、首相がその推薦に基づき任命することになっている。

今回の問題における日本学術会議法(以下「法」という)の関係条文は次の通りである。

第1条第2 日本学術会議は、内閣総理大臣の所轄とする。

第3    日本学術会議は、独立して左の職務を行う。(以下略)

第5    日本学術会議は、左の事項について、政府に勧告することができる。(以下略)

第7条第2 会員は、第17条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する

第17条    日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする

 

会員の選出方法は、1983年の法改正までは投票制であったが、同年の法改正により現在の形となった。推薦・任命にかかわる法解釈について、当時の中曽根康弘首相は国会で、「政府が行うのは形式的任命にすぎません」と答弁。更に丹羽兵助総理府総務長官も、「学会の方から推薦をしていただいた者は拒否はしない。その通りの形だけの任命をしていく」と答弁しており、これが今日に至るまで政府の公式見解であり、法解釈は変わっていないはずである。

ところが菅首相は10月5日の内閣記者会インタビューで、自らが主体的に判断して任命拒否したことを認めたのである。

 インタビュー要旨は次の通り。

「(退任する)会員が後任を指名することが可能な仕組みだ。推薦された方をそのまま任命してきた前例を踏襲して良いのか考えた。それぞれの時代の制度の中で、法律に基づいて任命を行っているという考え方は変わっていない」と強調。

6人は安全保障関連法や特定秘密保護法の制定に反対してきたこと、任命拒否は(憲法で保障される)学問の自由の侵害ではないかとの質問に対しても、「6人の見解と任命拒否の判断は全く関係ない、学問の自由とは全く関係ない」と断言。拒否の具体的理由を問うと、「個別の人事には答えられない」という常套句で、明言しなかった。

学術会議は、第2次世界大戦に科学が協力したことを反省し、1949年に設立された団体で、法第3条の通り、政治等の干渉を受けない独立した機関として位置付けられた。その独立性を保つために、法第1条第2項の「所轄」に管理・監督は含まれず、歴代政権は人事に手を付けることがなかったのである。

今回の任命拒否問題発覚後、ここに至る伏線があることが判明した。安倍政権下の2018年、内閣府が内閣法制局に「推薦者を拒否できるか」との問い合わせを行っており、法制局は憲法第15条の「公務員の選定・罷免は国民の権利」を持ち出して「拒否できる」旨回答していたのである。しかし、この内閣法制局の見解は公表されていなかった。更に1年遡った2017年の前回推薦時には、学術会議は官邸から定員を上回る候補者推薦を求められ、これに応じていた。また、2016年と2018年には、欠員の補充会員推薦に際しても複数の候補の提出を求められ、本命が拒否されたため、欠員のままとしていることも明らかになった。政府も学術会議もこの事実を公表せず、問題化することもなかったのである。

さて、今回の任命拒否のどこに問題があるのかを整理すると、大きな憲法問題が浮かび上がってくる。

第23条 学問の自由は、これを保障する。

学術会議は学術研究者を会員とする独立機関であり、政治の介入は学問の自由を阻害するもので、決して許されない。学術会議に要求される政府への勧告にも、政権への忖度が波及し、大きな影響が出る。

第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

今回任命拒否にあった学者6名はすべて人文・社会科学系の学術研究者で、安保法制や秘密保護法等に疑義を唱えた方たち。首相は口が裂けても言えないはずだが、政権批判する学者を排除する意図は誰の目にも明らか。言論・表現の自由を否定する行為であり、学術研究者の萎縮を招く。

第41条 国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。

日本学術会議法は国会の審議・採決によってできた法律であり、その法解釈についての明確な国会答弁がある。政府が勝手に変更することは国会への冒とく行為である。また、かつて「法の番人」と言われ、法的安定性を守るべき内閣法制局が、今や「政権の門番」に成り下がっているのは、極めて由々しき事態である。

安倍政権は集団的自衛権を認める安保法制を強行採決し、検察庁法を違法に解釈変更するなど、目を覆うばかりの憲法軽視、法律無視を繰り返してきた。そして今回、学術の分野まで触手を伸ばしてきた。安倍政権を踏襲するというスローガンで首相についた菅政権もまた、同じ道を歩むことが、今回の問題で明らかになったのである。

菅首相は長期間官房長官を勤め、その間手に入れた人事権という強力な武器を持ち、その使い方と効果を熟知している。就任早々から、政権の意に沿わない官僚は排除する旨、明言もしている。その人事権をフルに活用して、表では携帯電話料金値下げやGoToキャンペーンなど、大衆受けする政策で人気を保ちながら、裏では憲法軽視、法律無視の政策を強引に進め、危険な独裁者になる可能性がある。日本は、既に中国や香港の現状を他人事として見過ごすことができない状況になっている。国民はしっかりと監視し、大きな声を上げていく必要がある

その第一歩が、「菅首相は日本学術会議が推薦した会員候補6名の任命拒否を直ちに撤回せよ」ではないか。     (10月6日)

来信:映画『侵略』上映委員会「上映委ニュース」9/18、№137より。

特集:安倍とアベなるものを撃つ!!           森 正孝

1.スガ政権が受け継ぐ安倍政治の4つの問題点!

(1)民主主義を根本から破壊

(2)政治の底なしの劣化

(3)私利私欲に血まなこになった政権

(4)トランプ米国の言いなり、ヘイトスピーチ・排外主義を生んだ右翼政権

2.不正・悪政の根源­=官邸独裁政治と三つの問題!

(1)「内閣人事局」による各省庁への恐怖支配!

(2)公認権と選挙資金を通しての自民党員への恐怖支配!

(3)官邸は、新聞・TVのメディアそして、お笑いにも手を突っ込んできた!

3.改憲との闘いは続く!引けば必ず攻め込んでくる!

4.菅政権はどんな政権になるのか?

(1)《アベの悪行蓋閉じ》政権!

(2)異を唱える者は徹底的に排除する!

(3)韓国とはさらに敵対的に。辺野古新基地問題に関してはより悪化する!

(4)政治の私物化が安倍以上に進む!

5.これから私たちはどうすべきか!?

(1)「負の遺産」を終わらしてはならない!

(2)同調圧力に屈せず、主権者意識をより強固に!そして正確な情報を!!

来信:講演会録画の紹介(神奈川県・T氏より)

「中国脅威論の嘘」を海上保安庁のデータを示して説明しております。

https://www.youtube.com/watch?v=C7lb2gMSFqM&t=191s

「中国脅威論の嘘と自衛隊南西シフトの脅威」高野孟 2020/09/21 にライブ配信

※(当会編集より)政府マスコミがいかに荒唐無稽なシナリオで仮想敵国の恐怖をあおり、米軍基地拡大と自衛隊軍備増強を図ってきたか、データと現場取材が証明する実態、必見です。

時事川柳

二階まで 階段上って 勝負あり   (二階幹事長の支持で勝敗決定) 【柳井修功】(9/17)

負の遺産 後は頼むと あべスガる (安倍が菅に負の遺産処理をお願い)【柳井修功】(9/17)

選挙にて 辞めさせたかったアベさんよ                【曲木草文】(8/30)

開かぬも 辞めるも持病のせいにして                 【曲木草文】(8/30)

コロナ禍や 一強無策の辞任劇                    【曲木草文】(8/30)

コロナには 官邸威光効き目なし                   【曲木草文】(8/30)

 

<別紙5>  完全護憲の会 例会・勉強会のご案内

日本国憲法が求める司法改革

「戦後日本の司法制度が手にした最大のものは、違憲法令審査権である」(『官僚司法を変える――法曹一元裁判官』後藤富士子著 現代人文社)と言われる。

だが、「憲法の番人」である裁判所はこの役割を果たし得ていない。果たしていないどころか、多くは憲法判断を回避するか、憲法違反の悪法を合憲として追認している。司法が社会の悪化を加速させているとも言える。

この司法の現状を改革することなくして、社会の悪化は止められない。

日本国憲法が求める「司法改革」とは何か。長年、「司法改革」の必要性を訴えてきた後藤弁護士に前回に引き続き講演していただき、学びたいと思います。多くの皆様の参加をお待ちします。


日 時  10月25日(日)
 午後3時~4時30分 (例会は13:30~14:50)

講 師  後藤 富士子 氏(弁護士・みどり共同法律事務所)

テーマ  「憲法と裁判所法が描く司法・裁判官」

会 場  三田いきいきプラザ A集会室(東京都港区芝4-1-17)

都営地下鉄 三田線・浅草線 「三田駅」A9番出口より徒歩1分

JR 山手線・京浜東北線 「田町駅」西口より徒歩8分

https://shiba-ikiiki.com/mita/access/

資料代  300円(例会資料含む)

※新型コロナウィ会HPを参照するか、又は下記事務局までお問い合わせください。

・完全護憲の会HP:https://kanzengoken.com/

・事務局電話番号:03-3772-5095

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完全護憲の会ニュース No.75……….2020年 3月10日

発行:完全護憲の会
〒140-0015 東京都品川区西大井4-21-10-312
電話・FAX :03-3772-5095
Eメール:kanzengoken@gmail.com
ホームページ:https://kanzengoken.com/

目 次

第74回 例会・勉強会の報告 
別紙1 事務局報告             
別紙2 政治の現況について               
別紙3 緊急警告037号 安倍内閣の違法・脱法行為は憲法第73条違反! 
別紙4 緊急警告038号 日本にとって真の国難とは P.7
第75回 運営委員会の報告 

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第74回 例会・勉強会の報告

2月23 日、港区三田いきいきプラザにて第74回例会を開催した(参加者4名;会員71名)。

例会では鹿島委員が座長となり、福田共同代表が欠席のため事務局報告(別紙1)は草野委員が代読、引き続き政治の現況(別紙2)を草野委員が報告した。さらに草野委員より提案されていた緊急警告037号「安倍内閣の違法・脱法行為は憲法第73条違反!」(別紙3)を受け、順次項目を追って討議した。

事務局報告では、山岡聴子氏の『未来への小さな礎(いしずえ)――戦争の惨禍を見つめて』について「再度読み返し、改めてきわめて高度な論考であると思った」といった評価が全体で確認された。また、「あえて注文を付けるなら冒頭の<はじめに>をもう少し平易な記述にしてほしかった」との意見も出された。

政治の現況報告は(別紙2)、①新型コロナウイルス問題、②東電・福島第一原発の汚染水「海洋放出」の動き、③東京高検検事長の定年延長と緊急警告の3点に絞り、勉強会のテーマとして10分の休憩をはさみ約2時間にわたって以下の議論を展開した。

①新型コロナウイルス問題については、「クルーズ船内の新型コロナウイルスの対応に安倍政権の場当たり的な姿が現れている」「インバウンド経済(来日観光客などによる増収)のために感染の危険性を甘く見て中国からの入国を許していた」「これを機に緊急事態条項を設置しようとする動きには最大限の注意を払わなければならない」「今回のコロナウイルスの出処は明確になっていない。武漢の市場に本当の原因があったのか」「中国からの入国制限をするべきではない。デマや煽りがないようにすべきだ」「習近平来日には賛成しかねるがこの問題で日中の国民が友好的になっているのは評価すべきだ」などの意見が出され、今後の対策と安倍内閣の動向に注視していくことが強調された。

②東電・福島第一原発の汚染水「海洋放出」の動きについては、「朝日新聞の社説は東電・福島第一原発の汚染水の海洋放出の動きを批判していない」「非常に中途半端な社説となっている」「大気放出と海洋放出を比較し、風評被害のみを取り上げて判断は地元に委ねている」など、専門家の意見を聞くことなく原発事故汚染水処理の安易な道を選択する動きが、マスメディアを含めて強くなっていることが問題視された。

③東京高検検事長の定年延長と緊急警告については、「法律を閣議で解釈して変更できるのか」「今やリベラルと言われた報道メディアさえ良心的なスタッフを解雇し、安倍政治寄りの番組作りをするようになっている」「安倍内閣の好き勝手放題で日本の三権分立は崩壊し、民主主義は危機的状況である」などの意見が出され、安倍政治の違憲・違法・脱法行為をこれ以上許してはならないという認識の下、当会は微力ではあるが今回、緊急警告037号を発信することが再確認された。

なお、3月の勉強会は後藤富士子弁護士(東京弁護士会)に、「日本国憲法が求める司法改革」について講演をお願いする予定であるが、新型肺炎問題もあり確定はしていない。

1回目のテーマは「司法制度――戦前と戦後」、2回目のテーマは「憲法と裁判所法が描く司法・裁判官」を予定している。

※追記1:後藤富士子弁護士の講演は新型感染症の影響を考慮して延期、3月の勉強会は中止と決定した。
※追記2:3月始めに緊急警告038号の文案が整ったため、本号に掲載することとした。(別紙4)

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<別紙1>  事務局報告          福田玲三(事務局)

1)当会ニュース読者からの来信

*小久保和孝氏(北海道)より
「今ではとても口に出せない酷いことを中国でやってきた」「しかしこの我々兵隊が中国でして来たことは誰かに話しておかなくてはならない」「書き留めておかなくてはとは思っているが」「思い出すのも恐ろしく今は何もできない」「いずれ伝えます」と私に云っていた。

これらは、拙宅から100mほどの所に住む地域活動に熱心な南京攻略戦に参加した元日本軍兵士の共産党員の言葉である。この彼の「伝えなくては」と思いつつ亡くなってしまい遂に伝えられなかった、伝えたかった旧日本軍の兵士の状況とはこんなことであったのか、その内容が今回公刊された『日本国憲法が求める国の形』のシリーズ9号『未来への小さな礎――戦争の惨禍を見つめて』「二章 侵略の象徴としての南京」に出ている。

*川村茂樹氏(千葉県)より
(前略)今回お送りいただいた山岡さんの『未来への小さな礎』を読み、とても感動いたしました。とても冷静な筆致でありながら熱い思いが伝わって来る、極めて高度な論考であると感じたからです。広く世に知らしめるべき労作であるものと考えます。(後略)

*珍道世直氏(三重県)より
ニュース74号拝受いたしました。
緊急警告036号「緊迫する中東への自衛隊派遣は、違憲・違法!」の警告は、問題点を的確にとらえられ大変勉強になりました。有難うございました。また、花岡しげる著『自衛隊も米軍も、日本にはいらない!「災害救助即応隊」構想で日本を真の平和国家に』を新刊紹介いただき嬉しく思います。花伝社から取り寄せたいと存じます。

私は、最近、つくづくと「憲法九条と日米安保条約は矛盾する」と考えるようになり、自衛隊を「国際緊急災害支援隊」に改組し、毎年5兆円(防衛予算相当)をそのために使えば、どんなにか日本は世界から信頼され、日本及び世界の安全保障に貢献することになると、九条の会・津の勉強会などで意見を述べたりしております。

花岡氏の提言が広がっていくことを、心から切望しております。

2)反戦・平和川柳の投稿サイトを開設

当会の緊急警告で紹介した川柳による政治批判の訴求力が注目され、とりわけ、戦前、川柳で反戦を訴え、治安維持法違反の疑いで検挙され、若くして獄死した鶴彬(つるあきら)の紹介が衝撃だった。その結果、当会で反戦・平和川柳の投稿サイトを設けることとし、近く開設される。平和には日常生活も含まれるため身の回りの明るい川柳も歓迎。気軽に投稿されたい。

<参考>
胎内の動きを知るころ骨がつき  【鶴彬】
手と足をもいだ丸太にしてかえし 【鶴彬】

3)集会の案内
※中止や延期のイベントが増えているため、事前確認をお奨めします。

*「日の丸・君が代」ILO/ユネスコ勧告実施市民会議 3・1発足集会
日時:3月1日(日)13:40~16:40
場所:日比谷図書館文化館(B1F)日比谷コンベンションホール
資料代:500円
主催:「日の丸・君が代」ILO/ユネスコ勧告実施市民会議

*「三鷹事件の真相を究明し語り継ぐ会」定期総会
(※追記:開催延期に変更されました)

日時:3月14日(土)14:00~16:30
場所:三鷹市市民協働センター(三鷹市下連雀4-17-23) 電話0422-46-0048
内容:弁護団報告と講演:何故冤罪事件は起きる
資料代:500円
連絡先:国民救援会三多摩総支部 電話0425-24-1532

*「ローカルとグローバルをつなぐ日本軍戦時性暴力被害者支援 ~中国における歴史的経緯と現状から」
日時:2020年3月15日(日)12時開場 13時開始~18時30分終了(予定)
会場:早稲田大学戸山キャンパス38号館AV-1
入場料:一般1000円、学生無料
戦前戦中の太平洋・アジア全域で、日本軍による無差別殺戮、略奪、強制労働などの犠牲になった多くの人々。中でも多様な戦時性暴力を受けた女性たちは、半世紀以上もの時を経て沈黙を破り、日本政府の謝罪と賠償を求めて立ち上がった。現在なお家族にも地元村落にも負の影響を残す中国の例や、国境を超えた支援がもたらした変化などをテーマに、被害女性を支えてきた研究者、遺族、また中国での現地調査や日本での裁判支援に関わった日本の研究者などが報告。
(詳細はレイバーネットカレンダー参照: http://www.labornetjp.org/EventItem/1580263915480staff01

*『週刊金曜日』東京南部読者会
日時:3月27日(金) 18:30~20:30
参加費:会場費を均等負担
場所:大田区消費者生活センター第4集会室(JR蒲田駅・東口5分)

*沖縄連帯コンサート 池辺晋一郎指揮による 混声合唱組曲「沖縄の雲へ」
日時:5月30日(土)14:00~16:30
場所:サンパール荒川大ホール
参加費:全席自由2,000円
主催:「悪魔の飽食」をうたう東京合唱団

4)当面の日程について
(※「会場入り口の消毒液で手を消毒して下さい」とのことです)

第75回例会
3月22日(日)13:30~ 三田いきいきプラザ
(※追記:勉強会は中止)

第76回運営委員会
3月25日(水)13:00~ 三田いきいきプラザ

第76回例会・勉強会
4月26日(日)13:30~ 三田いきいきプラザ

第77回運営委員会
4月29日(水)13:00~ 三田いきいきプラザ

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<別紙2>   政治の現況について

(1)主なニュース一覧(2020/1/21-20/2/20)

①WHO(世界保健機構)、新型コロナウイルスで緊急事態を宣言(2020/1/30)
②武漢の邦人206人、政府チャーター機で帰国(2020/1/29)
③福島第1原発処理水、政府小委海洋放出提言(2020/1/31)
④東京高検検事長の定年延長を閣議決定(2020/1/31)
⑤英、EU離脱(2020/2/1)
⑥海上自衛隊護衛艦「たかなみ」(200人)、中東へ出航(2020/2/2)
⑦クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号(乗客乗員約3700人)横浜港に。
接岸・上陸認めず(2020/2/3)
⑧新型肺炎、国内初の死者。神奈川県80代女性、海外渡航歴なし(2020/2/13)

(2)新聞社説、ニュース記事
(※議論の活発化のため、あえて意見の異なる主張も掲載)

①朝日新聞(2020.01.31)
【ニュース】新型肺炎、WHOが「緊急事態」を宣言

中国で集団発生し、感染が中国国外に広がっている新型コロナウイルスについて、世界保健機関(WHO、本部スイス・ジュネーブ)は30日に専門家委員会による緊急会合を開き、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。

緊急事態は、感染が国境を越えて広がり、感染拡大防止に国際的な対応が必要な場合に、専門家委の判断を踏まえWHOの事務局長が宣言する。緊急事態宣言は、アフリカのコンゴ民主共和国で発生したエボラ出血熱について昨年7月に出されて以来、6例目。

30日夜(日本時間31日未明)に記者会見したテドロス・アダノム事務局長は、中国国外での感染例や、感染が確認された国が増えていると指摘。「中国国内ではなく、国外の状況を見て判断した」と宣言した理由について述べた。一方、人の移動や貿易の制限は、WHOとして勧告はしないとしている。

新型肺炎をめぐっては、専門家委が22、23日に緊急会合を開いて緊急事態にあたるか検討。この時点では「中国国外でのヒトからヒトへの感染が確認されておらず、時期尚早だ」として、宣言を見送った。だがその後、日本やベトナムでヒトからヒトへの感染が確認されるなど、中国国外での感染が急速に広がったため、再度緊急会合を開いた。(ジュネーブ=河原田慎一)

②東京新聞(2020.2.2)
【ニュース】海自護衛艦、中東へ出航 首相「大きな意義」

中東海域での日本関係船舶の安全確保に向け、情報収集に当たる海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が2日、海自横須賀基地(神奈川県)を出港した。司令部要員を含め約200人が搭乗。今月下旬に現地に到着する予定で、1月から任務に就いたP3C哨戒機とともに本格的な活動が始まる。

安倍晋三首相は2日、横須賀基地で開かれた出国行事で「情報収集任務は、国民の生活に直結する極めて大きな意義を有するものだ」と訓示。護衛艦が活動するオマーン湾などの海域について「日本で消費する原油の約9割が通過する。日本国民の生活を支える大動脈、命綱と言える海域だ」と述べた。(共同)

③沖縄タイムス(2020.2.2)
【社説】[新型肺炎と改憲]節操なさすぎるのでは

国民の不安に乗じた発言で不謹慎というほかない。発言を撤回し猛省を促したい。

中国湖北省武漢市で発生し感染拡大が続いている新型コロナウイルスによる肺炎に絡み、伊吹文明元衆院議長が憲法改正案の緊急事態条項の新設に結び付けた発言をした。

共同通信の配信によると、1月30日の党会合で「緊急事態に個人の権限をどう制限するか。憲法改正の大きな実験台と考えた方がいいかもしれない」などと言及した。改憲しないと対策ができないというのはまやかしである。国民の危機感を利用して憲法改正を持ち出すのはとうてい看過できない。

国民の生命・健康を「実験台」と呼んだのも極めて不適切と言わざるを得ない。

政府は1日、新型コロナウイルスによる肺炎などの病気を感染症法の「指定感染症」と検疫法上の「検疫感染症」とするための政令を前倒しして施行した。

感染拡大を防ぐために患者を強制的に入院させたり、就業を制限したりできる。

空港や港の検疫では、感染が疑われる人が見つかれば検査や診察を指示できる。感染が確認されれば受け入れ態勢が整った感染症指定医療機関に入院するよう勧告できる。従わなければ強制的に入院させることができる。

政府は入国申請時から14日以内に中国湖北省に滞在歴がある外国人の入国を拒否する措置も取る。入管難民法5条に基づく異例の対応である。

現行法で新型肺炎の拡大を抑えるための対策は取れるのである。どさくさに紛れた伊吹氏の発言は悪質である。

■ ■
閣僚を含む自民党議員、日本維新の会からも同じ考えが出ている。「憲法に緊急事態条項があれば! 一部野党も逃げずに憲法改正の議論をすべき」などとツイートした自民党議員もいた。公明党は反発している。

新型肺炎と憲法改正は何も関係がない。既存の法律の運用の問題なのである。

自民党が掲げる改憲4項目の一つが緊急事態条項だ。「外部からの武力攻撃」「内乱等による社会秩序の混乱」「地震等による大規模な自然災害」などが発生した場合、首相は緊急事態を宣言することができるというものだ。

宣言すると内閣は法律と同じ効力を持つ政令を制定、地方自治体の長に指示することができる。国民は国や公の機関に従わなければならない。

国会のコントロールを排除し権力を内閣に集中させる。三権分立を否定し、基本的人権を制限する危険な条項だ。

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安倍晋三首相は最近、「私の手で改憲を成し遂げたい」と前のめりの姿勢が際立っている。憲法の発議権は首相にはないにもかかわらずである。伊吹氏の発言は改憲論議を進めたい狙いがあったはずである。背景にはチャーター機で帰国した1便の206人のうち、ウイルス検査に2人が応じなかったことがあったのかもしれない。しかし2人は後に検査を受けている。

国内では症状がない人の感染が確認されている。今やるべきなのは感染拡大に備えた医療態勢の強化である。

④朝日新聞(2020.2.16)
【社説】検察官の定年 法の支配の否定またも

法の支配の何たるかをわきまえず、国会を軽んずる政権の体質がまたもあらわになった。

東京高検検事長の定年延長問題をめぐり、安倍首相は13日の衆院本会議で、従来の政府の見解を変更し、延長が許されると「(法律を)解釈することとした」と答弁した。

政府は、唯一の立法機関である国会が定めた法律に基づき、行政を運営する責務を負う。詳しい説明もないまま、内閣の一存で法律を事実上書き換える行為が許されるはずがない。

先月末、異例の定年延長が閣議決定されると、検察の首脳人事を思いのままにしようとする政権の暴挙との批判が巻き起こった。あわせて、検察官の定年年齢は検察庁法に明記されており、閣議決定は違法だとの声が国会の内外で上がった。

政府は、定年延長の規定がある国家公務員法を持ちだして、問題はないと主張した。だが、その規定が導入された1981年の国会審議で、政府自身が「検察官には適用されない」と説明していたことが、野党議員の指摘で明らかになった。

衆院予算委員会でこの点を問われた森雅子法相は「詳細は知らない」と驚くべき発言をし、それでも延長できると言い張った。人事院の幹部が、現在も81年当時と同じ解釈だと答弁しても、姿勢を変えなかった。さすがにこのままでは通らないと思ったのか、首相は過去の政府見解を認めたうえで、今回、解釈を変更したと言い出した。ドタバタ劇も極まれりだ。

制定経緯を含め、法律の詳細を検討した上での閣議決定だったのか。人事院や内閣法制局から疑義は呈されなかったのか。機能不全を疑う事態だ。
何のために国会で手間ひまをかけて法案を審査するか、政権は理解しているのだろうか。

法案提出者の説明を通じて、国民の代表がその必要性や趣旨を点検し、あいまいな点があれば解釈の確定に努め、場合によっては修正する。質疑の中で示された見解は条文と一体となって人々や行政機関を縛り、行動の指針になる。裁判で判断を導き出す際にも参考にされる。

ましていま問題になっているのは、強大な権限をもつ検察官の資格や職務を規定し、国民の統制の下に置くために設けられた検察庁法である。定年延長を実施しなければならない事情があるのなら、当然、法改正の手続きを踏むべきものだ。

安倍政権には、積み重ねてきた憲法解釈を一片の閣議決定で覆し、集団的自衛権の行使に道を開いた過去がある。今回の乱暴な振る舞いも本質は同じだ。民主主義の根幹を揺るがす行いを、認めることはできない。

⑤朝日新聞  (2020.2.1)
【社説】トリチウム水 福島の声を聴かねば

東京電力・福島第一原発の汚染水を浄化処理した後、放射性物質トリチウムが残留する水をどう処分するのか。経済産業省の小委員会が、とりまとめの提言を大筋で了承した。

薄めて海に流す「海洋放出」を事実上、最も重視する内容になっている。
これを参考に、政府はトリチウムを含む処理水の処分方法や時期を判断する。環境中に放出すれば、風評被害が生じる恐れがある。拙速な判断は厳に慎まねばならない。

小委は2016年から、経産省の作業部会が示した5案について、技術的な側面に加えて、風評被害など社会的な影響も含めて検討してきた。

とりまとめの提言は5案のうち、海洋放出と、蒸発させて排出する「大気放出」の2案に前例があることから、現実的な選択肢と位置づけた。そのうえで、両者の長所と短所を検討する形をとっている。

通常の原発で実績がある▽設備が簡易で取り扱いのノウハウがある▽放出後に拡散の予測やモニタリングをしやすい▽想定外の事態が起こりにくい……。こうした技術的なメリットを踏まえて、「海洋放出の方が確実に実施できる」と評価した。

社会的な観点から見た場合、影響の大小を比較するのは難しいという。ただ、大気放出をすると、海洋放出に比べて幅広い産業に風評被害が広がる恐れがあると指摘した。

明言こそ避けたものの、海洋放出に優位性があることを示唆している。

とはいえ政府は、これをもって安易に海洋放出を決断してはならない。「地元の自治体や農林水産業者など幅広い意見を聴いて方針を決めることを期待する」。この小委の要請を、重く受け止めるべきだ。

地元との対話に、政府が海洋放出ありきの姿勢で臨めば反発を呼ぶだろう。自治体や事業者のほか、地域住民らの声を誠実かつ丁寧に聴いてほしい。
忘れてならないのは、小委が一連のプロセスをガラス張りにするよう求めている点だ。密室で議論しても、政府の最終判断に国民の理解は得られまい。情報公開が肝要である。

東電は「22年夏ごろに敷地内の貯蔵タンクが満杯になる」として早期の判断を望むが、小委は提言の中で、政府決定や処分開始の時期を明示しなかった。期限を切って意思決定の手続きを進めるようでは困る。

仮に処分方法が決まっても、準備に年単位の時間がかかる。処分を終えるまでには、さらに長い年月が必要だ。息の長い取り組みになることを、政府は肝に銘じなければならない。

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<別紙3>  緊急警告第037号 安倍内閣の違法・脱法行為は憲法第73条違反!

安倍内閣の違法・脱法行為が目に余る。

安倍内閣は1月31日、東京高検の黒川弘務検事長の定年を半年ほど延長する異例の人事を閣議決定した。安倍官邸寄りと評される黒川氏を次期検事総長に就けんがためとの疑念が指摘されている。

折しも、IR(統合リゾート)問題で自民党国会議員の秋元司衆院議員(前内閣府副大臣)が収賄容疑で逮捕され、これが政権中枢にも及ぶのではないか、との観測が流れたり、安倍事務所が主催した桜を見る会「前夜祭」では政治資金収支報告書に記載がなく、安倍首相が政治資金規正法違反に問われかねない事態が続いているだけに、あり得る疑念であろう。

「首相を逮捕するかもしれない機関に、官邸が介入するだなんて、法治国家としての破壊行為だ」(立憲民主党枝野代表)と言うのもうなずける。

国家公務員法第81条3(定年による退職の特例)「任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、……一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。」を適用しての措置だと言う。

だが、検察庁法第22条は「検事総長は、年齢が65年に達した時に、その他の検察官は年齢が63年に達した時に退官する。」と明確に定めている。これは明らかな検察庁法第22条違反である。

しかも、国家公務員法第81条2項は「職員は、法律に別段の定めのある場合を除き、定年に達したときは……退職する。」(傍点引用者)となっている。ここに言う「法律に別段の定め」とは検察庁法第22条がその一つであることはまぎれもない。とするならば、内閣が適用したとする国家公務員法それ自体にも違反していることになるのだ。

国会審議においてこうした違法性が追及され、さらに2月13日の衆議院本会議において、国家公務員法の定年規定が「検察官には適用されない」としてきた従来の政府見解の矛盾を突かれた安倍首相は、「今般……検察官の勤務(定年)延長に国家公務員法の規定が適用されると解釈することとした」(傍点引用者 朝日新聞2月14日付)という驚くべき答弁を行った。

こんなことが許されていいはずがない。これでは内閣が国会抜きに既存の法律を変更したり、新たな法律を制定するに等しいからである。

安倍内閣には順法精神が欠落している。森友・加計問題から始まって、公文書の改竄・隠蔽・廃棄、虚偽答弁、内閣の好き勝手放題、「閣議決定」で何でもできるかのようである。過去の事例からしてとっくに特捜が動いていてもおかしくない事態である。

憲法73条(内閣の職務権限)1項は、「法律を誠実に執行し、国務を総理すること」としており、内閣が「法律を誠実に執行」することを求めている。安倍内閣はまさにこの「法律の誠実な執行」とは正反対の内閣であり、憲法73条に違反する憲法違反内閣である、と言わなければならない。

冒頭の桜を見る会「前夜祭」の収支報告書不記載問題も同様である。安倍事務所が主催していながら、800人もの参加者が一人ひとりホテル側と契約し、参加費はそれぞれ個人がホテル側に支払ったなどという言い訳が成り立つはずがないのである。これを立憲民主党の辻元議員が「安倍方式」と命名し、政治資金規正法をすり抜ける「脱法行為」と糾弾したのは当然である。

安倍内閣の違憲・違法・脱法行為をこれ以上許してはならない。

(2020年2月15日)

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<別紙4>   緊急警告038号 日本にとって真の国難とは

新聞各紙によると、2月17日午前の衆院予算委員会で、「桜を見る会」前夜の安倍首相支援者の夕食会について、立憲民主党の辻元清美衆院議員が調査の結果を紹介した。ANAインターナショナルコンチネンタルホテル東京に、「見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがあったか」など問い合わせたところ、「ない。主催者には見積書や請求明細書を発行する。宛名が空欄のままの領収書は発行しない」といった回答を書面で受けたことが明らかになった。

午後の同委員会で安倍首相は、ホテル側の回答は「一般論で答えたもの」で自身の夕食会は例外扱いだったとの趣旨の反論をしたが、報道各社の取材にホテル側は、「一般論であっても、例外扱いはない」と再度回答した。首相の言い逃れはもう無理だ、と各紙は書く。

今から35年前、ロッキード事件の一審判決を受けて、衆参両院で議決した「政治倫理綱領」は5項目から成る。その第1と第4項目は次の通り。
第1「われわれは、国民の信頼に値するより高い倫理的義務に徹し、政治不信を招く公私混淆を断ち、清廉を持し、かりそめにも国民の非難を受けないよう政治腐敗の根絶と政治倫理の向上に努めなければならない」

第4「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもつて疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない」

昨年の10月、菅原一秀経済産業相と河井克行法相が公職選挙法違反疑惑で相次いで辞任した際、安倍首相は「政治家として自ら説明責任を果たすべきだ」と語った。その首相が、森友・加計問題や「桜を見る会」をめぐって常に詭弁と欺瞞に満ちた弁解に終始し、「自ら説明責任を果た」しているとはとうてい言えない。

ついで安倍首相は、さる2月27日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためとして、全国すべての小中高校などに、3月2日から春休みまで、一律に休校するよう要請した。この突然の発表が全国の児童、教職員、保護者や医療関係者に与えた衝撃は大きく、特に子どもを抱えて働く母親は困惑の極にある。

各種世論調査で政権支持率が急落し、検事の定年延長問題でも批判の渦中にある政権にとって、新型肺炎の出現は渡りに船、神風になるはずだった。現に一部の識者は「ある種の国難」として首相の方針に理解を示している。

しかし、2017年にも安倍首相は、森友学園問題などで支持率が記録的に下がったとき、北朝鮮の核・ミサイル実験をチャンスとばかりに危機感をあおり、「国難突破」を名目に衆院を解散、総選挙で圧勝した。選挙が終われば「国難」はシャボン玉のように消えた。

今回の発表も政権の浮揚策であることは見え透いている。前川喜平氏(現代教育行政研究会代表、元文部科学事務次官)は、「学校の臨時休業は国の権限ではない」(学校保健安全法 第二十条 学校の設置者は、感染症の予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる。)、「国がすべきことは、各自治体が最適の方策を見つけられるよう……正確で網羅的な情報を提供することだ。全校休校の号令より、万全の検査・治療体制を整えることこそ、国の最優先課題だろう」(『東京新聞』3月1日「本音のコラム」)と指摘している。

安倍首相は、この唐突な号令が国民に与えた不安と動揺の大きさに反応し、翌28日には「(この要請は)基本的な考え方として示した。各学校、地域で柔軟にご判断いただきたい」と前日の発言を大幅に後退させた。法律も、優先順位も、現場も理解しない政権であることが、また露呈したかっこうだ。

これを反面教師として、われわれは国の理不尽な指示に従う前に、まず各人が各所でしっかりと状況判断し、賢明な選択をしなければならない。国民は「教育を受ける権利」と「受けさせる義務」があるのだから(憲法26条)、学校は、一般家庭同等かそれ以上に、子どもの安全を守れる教育環境作りに知恵を絞ることが重要だ。島根、兵庫、群馬、栃木、岡山、沖縄の各県には、同調圧力に屈せず授業を続けている自治体もある。

そもそもこの新型感染症拡大は、安倍政権の杜撰な対応が招いた結果であり、経済も社会もいつ立ち直れるのか深刻な影響が続いている。しかし首相は真摯に謝罪するどころか、3月2日の参院予算委員会冒頭では、緊急事態宣言を首相が発令できる法整備を早急に検討するよう呼びかけた。

これが、「国難騒動」の重要な狙いのひとつである。安倍首相が執着しているのは自衛隊の軍隊化と緊急事態発令の権能であるから、改憲を実現できなければ法整備で、というのが本音だろう。

(2020年3月5日)
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第75回運営委員会の報告

2月26日(水)三田いきいきプラザ
出席: 大西、草野、福田

1.第74回例会・勉強会開催結果について
新型コロナウィルスによる肺炎の広がりを警戒し、高齢で術後間もない福田代表には自重を強く勧め、例会と運営委員会ともに欠席となった。このため例会・勉強会の状況を草野委員が報告した。例会参加者は4名と少なかったが、継続が大事と集中して会議と勉強会を行った。

緊急警告037号についても検討・議論した。結果、誤植を修正して承認された。

2.新冊子シリーズ9『未来への小さな礎――戦争の惨禍を見つめて』について
本委員会に先立ち福田代表より、新冊子シリーズ9の評判について報告があった。新冊子はこれまでになく10冊、20冊単位での注文があり、多くは勉強会で使いたいとのこと。内容の良さが受け止められたようだ。

3.前号ニュース№74で紹介(福田)した新刊『自衛隊も米軍も、日本にはいらない!』(花岡しげる 花伝社)について
平易でわかりやすく、政策が緻密に展開されていて優れた内容である。護憲派が大いに活用すべき本と言える。当会としてもいずれ著者に講演をお願いし、勉強会で取り上げたい、との確認を行った。

4.次回勉強会について
次回3月の勉強会は、後藤富士子弁護士(当会会員)が講師を引き受けてくださった。テーマはもっか「司法改革」(法曹一元化――日本国憲法が定める司法と裁判官)としているが、次回1回で終わるのか連続講座となるかも含め、詳細は未定である。(担当 草野)

5.緊急警告発信について
政治情勢に対応した緊急警告036号、037号を発信することができた。引き続いて緊急警告のテーマとして、今から35年前のロッキード事件の一審判決を受けて衆参両院で議決した「政治倫理綱領」を鑑み、現在の安倍政権の恐るべき問題性について発信したい、との案が福田委員から出された。

6.共同代表の補充について
前回の運営委員会で福田代表が提案した元某新聞編集委員のA氏については、福田代表がお願いしたところ、現在取り組んでいる執筆活動に専念したいので共同代表をお引き受けすることはできない、との丁重なご返事をいただいたとの報告を受けた。

7.今期運営委員長の選任について
毎年、総会で選出された運営委員の中で、互選による運営委員長を選出してきたが、今期はこれまで運営委員長を務めてきた草野委員が健康上の理由で引き受けられないとの申し出があり、新たに鹿島委員が運営委員長を引き受けることを決定した。

8.当面の会議日程
新型コロナウイルスの関係で、今後、運営委員会の開催時間を1時間早めて13時開催にすることとした。(帰宅ラッシュに巻き込まれないようにするため)

完全護憲の会ニュース No.74………….2020年2月10日

発行:完全護憲の会
〒140-0015 東京都品川区西大井4-21-10-312
電話・FAX :03-3772-5095
Eメール:kanzengoken@gmail.

目  次

第6回 総会の概要報告
第73回 例会の報告
別紙1 事務局報告
別紙2 緊急036号:警告緊迫する中東への自衛隊派遣…
別紙3 政治の現況について
第73回 運営・編集委員会の報告
第74回 運営委員会の報告
新刊紹介 『自衛隊も米軍も、日本にはいらない!』



第6回 総会の概要報告

1月26日(日)、午後1時30分より港区立勤労福祉会館にて第6回総会を開催。下記の4議案につき審議し、一部修正の上、承認・決定された。(総会出席者:7名)

第1号議案 2019年度活動経過報告
第2号議案 2019年度決算報告及び会計監査報告
第3号議案 2020年度活動計画
第4号議案 新役員選出

第1号議案 2019年度活動経過報告

昨年1月27日、第5回総会を三田いきいきプラザで開き、例会・勉強会、運営・編集委員会、他の護憲運動とのかかわり、緊急警告の発信、共同代表の補充、運営・編集委員の拡大、冊子の発刊、護憲シリーズの普及・販売、会員の拡大について決定し、ついで役員選出では、共同代表に福田玲三、事務局員に大西喜与志、川本久美恵(HP担当)、福田玲三、運営・編集委員に大西喜与志、大野和佳、草野好文、福田玲三、会計監査に山岡聴子氏を決定、その際言及された鹿島孝夫氏に後日、運営・編集委員会参加を要請して了解を受けた。

総会以後は次の活動を行った。

1)冊子の発行

シリーズ8号 『スマトラ島で敗戦 マレー半島でJSP――学徒徴兵・私の戦争体験』(福田玲三 著)8月20日発行、96p.原価400円、1000部

シリーズ9号 『未来への小さな礎――戦争の惨禍を見つめて』(山岡聴子著)12月20日発行、120p.原価400円、1000部

2)緊急警告の発信

035号 安倍首相の憲法私物化を弾劾する(12月22日)

3)例会・勉強会

第5回総会兼第61回例会 1月27日 新橋ばるーん302号 参加者5名 会員69名

第62回例会 2月24日 神明いきいきプラザ 参加者4名
勉強会 映画「侵略」シリーズ上映に先立つ報告 山岡聴子氏

第63回例会 3月24日 三田いきいきプラザ 参加者5名
勉強会 映画「語られなかった戦争・侵略1(日中戦争)」上映、解説・山岡聴子氏

第64回例会 4月28日 三田いきいきプラザ 参加者7名
勉強会 映画「語られなかった戦争・侵略2(南京)」上映、解説・山岡聴子氏

第65回例会 5月26日 三田いきいきプラザ 参加者9名 会員73名
勉強会 映画「語られなかった戦争・侵略3(旧満州)」上映、解説・山岡聴子氏

第66回例会 6月23日 三田いきいきプラザ 参加者10名 会員73名
勉強会 映画「語られなかった戦争・侵略4(細菌戦)」上映、解説・山岡聴子氏

第67回例会 7月28日 三田いきいきプラザ 参加者10名 会員73名
勉強会 映画「語られなかった戦争・侵略5(細菌戦被害者)」上映、解説・山岡聴子氏

第68回例会 8月25日 三田いきいきプラザ 参加者6名 会員73名
勉強会 映画「語られなかった戦争・侵略6(長江岸虐殺)」上映、解説・山岡聴子氏

第69回例会 9月22日 三田いきいきプラザ 参加者10名 会員74名
勉強会 シリーズ9号について 書面報告・山岡聴子氏

第70回例会 10月27日 豊岡いきいきプラザ 参加者8名 会員75名
勉強会 シリーズ9号の骨子について 報告・山岡聴子氏

第71回例会 11月24日 三田いきいきプラザ 参加者10名 会員75名
勉強会 シリーズ9号ついて・続 報告・山岡聴子氏

第72回例会 12月22日 三田いきいきプラザ 参加者8名 会員75名
勉強会 労働組合の社会的役割と課題 報告・石田嘉幸氏

4)運営・編集委員会

第61回運営・編集委員会 2月27日 三田いきいきプラザ/第62回 3月27日/第63回 5月1日/第64回 5月26日/第65回 6月26日/第66回 7月31日/第67回 8月28日第68回 9月24日/第69回 10月30日/第70回 11月27日/第71回 12月25日/編集会議 12月16日 港区勤労福祉会館 シリーズ9号の校正作業

5)会員の状況

第5回総会時の会員69名が71名になった。内訳は新会員4名のプラスと、没1、所在不明1のマイナス、計2名のプラス。

6)草野好文運営・編集委員長が食道がんのため1月4日に入院して治療に当たり7月4日退院し、9月24日の運営・編集委員会より活動に復帰。

福田玲三共同代表が胃がんのため10月に入院、胃の2/3を切除したあと11月初めに退院、11月24日の第71回例会より活動に復帰。

両氏の闘病中、緊急警告の休信を余儀なくされた。

第2号議案 2019年度決算報告及び会計監査報告

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第3号議案 2020年度活動計画

1.例会・勉強会について

1)毎月1回、例会・勉強会を開催する(基本として第4日曜日)。

2)例会・勉強会の充実をはかる。

・「政治の現況について」の報告充実と議論の活発化。
故岡部太郎共同代表が担当された「政治の現況について」の報告とこれを受けての毎例会における議論は、他の類似の組織には見られない有意義なものであった。それ故、この岡部共同代表の遺志を継いで、改めて完全護憲の会の例会中心企画として位置付け、報告の充実と議論の活発化を図る。
そのために、これまでより時間を多くとる。(勉強会テーマがある場合、報告と議論合わせて70分。事務局報告10分。報告順序入れ替えて事務局報告を先に。勉強会テーマがない場合は、報告と議論合わせて120分とする。)

・憲法問題の議論の活発化(冊子、ホームページでの発信に向けて)。

・勉強会は、外部講師を招いての講演(交通費程度の謝礼)、会員による報告、ビデオ上映など、毎回テーマを決めて行う。ふさわしいテーマが準備できなかったときは、「政治の現況について」を当日の勉強会テーマとする。

3)会場費として参加費300円をいただく。

2.運営・編集委員会について。

1)本会の設立の経緯が、『日本国憲法が求める国の形』の冊子編集・発行をその契機としたことから、当初、「編集委員会」としてスタートし、その後、会の運営全般を担う役割も担っていることから「運営・編集委員会」と改称してきたが、長たらしくわかりづらい名称なので、「運営委員会」に改称する。
冊子の編集は本会の重要な柱なので今後も継続するが、その場合の組織は運営委員会のもとに「編集会議」として招集し、運営委員以外の会員・外部の関係者も含めて編成することとする。

2)毎月1回開催する。会員は誰でも参加して意見を述べることができる。

3)憲法問題の議論の活発化のために努力する。

3.他の護憲運動とのかかわりについて

1)他の護憲運動、とりわけ草の根の護憲運動との連携を図り強める。

2)「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」や「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が共同で取り組む中央行動などに注目し、当会の力量の及ぶ範囲でこれを宣伝し、行動に参加する。

4.インターネット上での発信について

1)日々生起する憲法の違憲状況について、会のホームページ上で違憲告発(緊急警告)の発信を行う。

2)上記の内容は運営委員会で検討し発信するが、例会に報告し、さらに検討を加えて、パンフレットやリーフレットの発行につなげる。

3)ブログに投稿された文章のなかで、適切なものを運営委員会で検討を加え、パンフレットやリーフレットなどに活用する。

4)緊急警告035号に紹介した川柳による政治批判の訴求力が注目された。とりわけ、戦前、川柳で反戦を訴え続け若くして獄死した鶴彬(つるあきら)の紹介は衝撃だった。この結果を受けて、当会ホームページに反戦・平和川柳の投稿欄を設けることとする。ただし、現状のHPに増設することが技術的に難しいので、別サイトを設け、これを当会HPにリンクさせる。

5.会の刊行物について

1)年2回の発行をめざす。
本会設立(2014年1月)以来、年2回の発行をめざし、過去6年間で「日本国憲法が求める国の形」シリーズとして合計9冊(1.5冊/年)を発行してきた。引き続き年2回の発刊を目指して努力する。

2)今年度の発行テーマは未定。
①暫定案として旧国鉄「三鷹事件」を中心とした「下山・三鷹・松川3大事件」が候補としてあがっている。

6.「日本国憲法がめざす国の形」シリーズ9パンフレット(2019年12月刊)を始め、これまでの刊行物の普及・販売活動について

1)憲法集会始め各種の集会に持ち込み普及・販売活動に取り組む。

2)会員と当会ニュース読者に普及・販売活動への参加を呼びかける。具体的には会員と当会ニュース読者から希望冊数を募り、無償で会員に配布する。会員と当会ニュース読者は販売できた金額(カンパ含め)を納入するものとする。(残部は返却の必要なし)

7.共同代表の補充について

当初3人いた共同代表が現在福田代表一人になっているので、この間、補充をめざす方針のもと働きかけてきたが、引き受けていただけなかったり、会員の意見が一致しなかったりして実現に至らなかった。今後も引き続き補充をめざす。

8.会員の拡大について

1)会員100人をめざす(現在71人)。

2)その方法として① 現ニュース送付者のうちの未加入者に呼びかける。
② 現会員に協力を依頼する。

第4号議案 新役員選出

※任期1年 2020年1月総会~2021年1月総会
※事務局員及び運営委員については、下記候補だけではなく、当日の立候補も含めて選出します、としたが、他に立候補者はなく、下記の候補者が選出された。

1)共同代表
福田玲三

2)事務局員
大西喜与志、川本久美恵(HP担当)、福田玲三

3)運営委員
大西喜与志、大野和佳、鹿島孝夫、草野好文、福田玲三

4)会計監査
山岡聴子



第73回 例会の報告

1月26日総会終了後、引き続き午後3時から第73回例会・勉強会を開催。(参加者7名;会員71名)

大西委員が司会を務め、まず事務局報告(別紙1)を福田共同代表が行った後、緊急警告036号(別紙2)と「政治の現況について」(別紙3)が草野委員から提起され、参加者による議論が交わされた。

緊急警告036号「緊迫する中東への自衛隊派遣は違憲・違法!」については、直近の重要テーマということもあって、「調査・研究」名目の海外派遣は今回が初めてではないのではないか、もし、自衛隊が武力行使する事態になり、戦闘になったら、その指揮権はどうなるのか(アメリカとの密約によれば、自衛隊の指揮権は米軍がとる)、「調査・研究」名目の派遣は「違憲・違法」と言うだけでいいのだろうか、など、さまざまな意見が出されたが、結論的に原案が承認された。

「政治の現況について」については総会後の開催ということもあって時間が足らず、内容の検討までには至らなかったが、下記に紹介した産経新聞の「主張」のような、当会の主張とは大きく異なる内容の紹介については、いくら「意見の異なる主張も掲載」するとは言っても、産経新聞の「主張」の宣伝にもなってしまうのだから、何らかのコメントを付して紹介すべきなどの意見が出された。また、紹介する社説についても、東京新聞や産経新聞にこだわらず、読者の多い朝日新聞や読売新聞なども紹介すべきとの意見も出された。

これらの意見を踏まえて、今回は産経新聞「主張」の注目すべき箇所に下線を施し、簡単なコメントを付すことになった。


<1> 第73回例会 事務局報告

1)当会ニュース読者からの来信

◎中沢武氏(埼玉県)より(2019年11月26日)

『スマトラ島で敗戦 マレー半島でJSP』を読ませていただきました。
著者が徴兵された頃、私が同じ年齢の時には友人と成人式のスーツ買いに行きました。
門司港を出航した頃、私は大学の3年生で夏休みに北海道の牧場(乳牛)でお手伝いをさせてもらっていました。

終戦の時、私は著者と同じ年齢の時には北海道の漁師の家でコンブ干しのアルバイトをしていました。日本に復員した時には、私は社会人1年生でした。自由で平和な時代を過ごして来ました。次世代にも自由と平和を!

現役を退職してから考え始めたことです。その中で日本国憲法の大切さを感じ「完全護憲の会」とも出会いました。安倍政権を見ていると戦争に1ミリずつ近づいているように思います。私が大切にしたいのは『反戦・平和』これだなと最近ハッキリと思います。そのためにはいろいろと情報を集め考え勉強しなくてはと思うのです。(最近では韓国問題、「表現の不自由展~その後」等々)

友人・知人30人ほどにアピールして来ましたが、応えてくれるのは4,5人です。その反応の少なさにも危機感を感じますが、自分なりにできることをやり続けていこうと思っています。もう読まれたかとも思いましたが、『戦争の大問題』(丹羽宇一郎著・東洋経済新報社刊)と絵本の『けんぽうのおはなし』(井上ひさし原案・講談社刊)を同封します。

「降伏を告げられた時、つられて涙を流したが、翌日には希望が湧き、軍人の威張らない世の中が来るのが嬉しかった。」と書かれていました。いつまでも軍人(権力者)の威張らない世の中にしたいです。

◎千田享氏(東京都)より(2019年11月23日)

人類の歴史は戦争の歴史でした。

もう戦争はしてはいけない、これからは平和を追求するのだと世界の多くの人々が考えているのに、残念ながら、世界で発言力を持ち、国際社会をリードしてきたのは強い武力を持つ国です。それを見習うように、後発の大国も経済の発展とともに軍事力を増強し、覇権の拡大を追及しています。

そういう世界で、如何にして平和を維持していくのかが、人類の大きな挑戦です。2017年に国連が総会で核兵器禁止条約を決議したことはその重要な挑戦の一歩だと考えます。そうした方向に尽力することこそ被爆した日本の役割であり、世界が期待しているところだと思います。

日本国憲法の維持も、それをどう活用していくかが重要なところです。人類まれな理想の憲法ですが、そのままで世界政治を動かしていけるのか、よく考えなければならないと思います。

2)主な政治日程と衆院解散のタイミング(朝日新聞1月7日付より抜粋し補足)

1月20日 通常国会の召集(19年度の補正予算成立 補正予算成立後、衆院解散?)
3月8日  自民党大会
4月    中国の習近平国家主席が国賓として来日
4月21日 立皇嗣の礼
6月17日 通常国会会期末(会期末に衆院解散?)
6月18日 東京都知事選告示(7月5日に投開票)
7~9月   東京五輪・パラリンピック(五輪後、衆院解散?)
11月   米大統領選挙
2021年1月通常国会召集(会期中に衆院解散?)
9月末   安倍首相の自民党総裁任期満了(新総裁選出後、衆院解散?)
10月21日 衆院議員の任期満了

3)当会シリーズ9号『未来への小さな礎(いしずえ)-戦争の惨禍を見つめて-』を発刊

当会の勉強会で6回にわたる映画『語られなかった戦争・侵略』シリーズを上映した際の山岡聴子氏による解説をまとめた当会シリーズ9号『未来への小さな礎―戦争の惨禍を見つめて―』を12月20日に発刊した。120ページ、原価400円。

ニュースのメールによる受信者には発刊と同時に本冊子を郵送。
郵便による受信者には1月20日以降、ニュースとともに本冊子を郵送した。

4)集会の案内

*韓国・朝鮮人元BC級戦犯者 写真パネル展示・講演会
2月11日(火)13:00~17:00
2月12日(水)~16日(日)9:00~17:00
会 場:西東京市芝久保公民館 西東京市芝久保町5-4-48 電話042-461-9825

DVD上映 15日(土)13:00~17:00 16日(日)13:00~14:00

講演会  16日(日)14:00~16:30
講師
桜井 均さん(元NHKプロデューサー。「第18田無住宅の夏」他 制作)
今井嗣夫さん(韓国・朝鮮人元BC級戦犯者の国家補償請求訴訟弁護団長)

連絡先:横井 電話042-467-8322

*砂川事件国家賠償請求訴訟
第3回口頭弁論 http://chikyuza.net/archives/100769
2月12日(水)14:00~
東京地裁第103号法廷(傍聴席100席)
裁判終了後16:30頃から、衆議院第二議員会館第4会議室にて報告会を行ないます。
伊達判決を生かす会 共同代表 土屋源太郎・島田清作 TEL 03-3262-5546

*放射線教育の問題点と対策――「専門家」の言説の解読と解毒の方法試論
2月15日(土)18:30~20:45
報 告:王道貫氏
【主 旨】:現在小中高で行われている放射線教育は、「放射線は怖がらなくていい」という意識を流布させようとしているとしか思えないほど、いい加減なレトリックとトリックに満ちている。他方、放射線とその人体への影響を正確に理解し、更に、虚偽の言説を論破するには、物理学と化学のみならず、医学や分子生物学等の素養まで要する。遺憾ながら、原子力村を批判する側には、これらを体系的にかつわかりやすくまとめた資料に乏しい。本報告はその弱点を克服せんとする試みである。
場 所:東京ボランティア・市民活動センター(TVAC)会議室B(飯田橋・セントラルプラザ10階)
参加費:300円
主催・問い合わせ:平和創造研究会 peacecreationforum@gmail.com

*講演会:植民地支配 徴用工とは? 日韓友好は歴史を学ぶことからはじめよう!
2月23日(日)13:30~16:00  参加費 500円(学生無料・介助付き参加は介助者無料)
・「徴用工問題と日韓の歴史認識」山田 朗先生(明治大学教授)
・「日韓の真の友好をめざして」 宋 世一(ソンセイル)さん(在日韓国民主統一連合副議長)
会場:目黒区民センター 中小企業センター第1・2会議室(目黒駅下車・徒歩10分)
主催:「戦争はごめんだ、いのちを守るオールめぐろの会」(略称:オールめぐろの会)

*東電刑事裁判控訴審の勝利をめざす集会
2月24日(月)13:30~16:00 入場無料
弁護団より 控訴審に向けての話など
会場:文京区民センター 3-A会議室(地下鉄 後楽園駅4a・5番出口 南北線5番出口 徒歩1分)
主催:福島原発刑事訴訟支援団

*『週刊金曜日』東京南部読者会
2月28日(金)18:30~20:30
大田区消費者生活センター会議室(JR蒲田駅東口徒歩5分)

5)当面の日程について

第75回運営委員会 1月29日(水)14:00~ 三田いきいきプラザ
第74回例会・勉強会 2月23日(日)13:30~ 三田いきいきプラザ
第76回運営委員会 2月26日(水)14:00~ 三田いきいきプラザ
第75回例会・勉強会 3月22日(日)13:30~ 三田いきいきプラザ
第77回運営委員会 3月25日(水)14:00~ 三田いきいきプラザ



<別紙2> 緊急警告036号 緊迫する中東への自衛隊派遣は違憲・違法!

1月11日、緊迫する中東海域に向けて、海上自衛隊のP3C哨戒機2機が第1陣(60人)として派遣された。第2陣の護衛艦「たかなみ」(200人)は2月2日に派遣される。

トランプ大統領の命により米軍がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を空爆によって殺害、これに対する報復としてイランがイラクの米軍基地への弾道ミサイル攻撃を行うなど、全面的な戦争に発展しかねない緊迫した情勢下での自衛隊の海外派遣である。

安倍政権の安保法制強行により自衛隊の海外派遣が常態化する危険が危惧されていたとは言え、よりによって遠く7000キロも離れた中東に、それも一触即発の危機をはらむ中東海域への派遣である。まさに危惧が現実化し始めたのである。

一体何を根拠に、何を目的としてこのような暴挙が行なわれ、開始されようとしているのか。安倍政権は昨年12月、防衛省設置法第4条(所掌事務規定)に基づく「調査及び研究」を法的根拠として海上自衛隊中東派遣の閣議決定を行った。

トランプ政権による一方的な「イラン核合意」離脱から始まったイラン敵視政策が今回の危機の原因であるにもかかわらず、この危機を根拠としてイラン包囲網としての「有志連合」を形成し、日本もこれに参加すべしとの圧力をかけてきた。これに応えたのが先の安倍内閣の「閣議決定」である。

石油の大半をイランからの輸入に頼っている日本は、この「有志連合」には参加しないとしつつも、「調査及び研究」を名目として自衛隊を現地に派遣し、かつ、「有志連合」司令部には自衛官を派遣し緊密に連携を取るとしていることからして、これは事実上の「有志連合」への参加と言わなければならない。安倍政権得意の言い換え、二枚舌である。

問題は、事実上の軍隊である自衛隊の、場合によっては戦闘に巻き込まれるかも知れない緊迫した地域への海外派遣を、国権の最高機関である国会の審議にもかけず、一内閣の閣議決定で行っていることである。国民はこれを黙認し放置してはなるまい。

アメリカ軍を中心とする「有志連合」によるイラン包囲網は、明らかな「武力による威嚇」であり、これに事実上の一員として参加する自衛隊中東派遣は、憲法前文の平和主義と「……武力による威嚇又は武力の行使は国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とした憲法9条に明確に違反するものと言わなければならない。

また、今回の自衛隊中東派遣の法的根拠を、防衛省設置法第4条に基づく「調査及び研究」とすることも間違っている。と言うより、意図的な悪用である。
日本弁護士連合会会長声明(「中東海域への自衛隊派遣に反対する会長声明」2019年12月27日)

https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2019/191227.html
が指摘するように、防衛省設置法第5条は、「自衛隊の任務、自衛隊の部隊及び機関の組織及び編成、自衛隊に関する指揮監督、自衛隊の行動及び権限等は、自衛隊法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる」と定めているのであり、その運用は「自衛隊法」に基かなければならない。それを自衛隊法に基づかず、防衛省設置法第4条の「調査及び研究」を根拠に行うのは、明らかな法律違反である。

そしてこの4条の「調査及び研究」が根拠法として適用可能とするならば、「自衛隊の活動に対する歯止めがなくなり、憲法で国家機関を縛るという立憲主義の趣旨に反する危険性がある」(同会長声明)とも指摘している。

イランのイラク米軍基地へのミサイル報復攻撃に対して、トランプ大統領がいったん抑制的な対応をとったことによって、全面戦争への危機が一時的に回避されたとは言え、偶発的な戦闘がいつ起きてもおかしくないのが現地の情勢である。とりわけ、イスラエルがアメリカ軍の背後でどのような動きをするのかが懸念される。そして日本がこの戦闘に巻き込まれるとするならば、「集団的自衛権」の行使という事態(それは安倍政権にとって望むところかも知れないが)にまで発展しかねないのである。

専守防衛に徹し、中東への自衛隊派遣は即時中止すべきである。(2020年1月13日)



<別紙3>政治の現況について

(1)主なニュース一覧(2019/12/21-20/1/20)

①秋元衆院議員 IR巡り収賄容疑で東京地検特捜部が逮捕(2019/12/25)
②海自中東派遣を閣議決定 1年間 調査名目で260人規模(2019/12/27)
③米軍、イラン革命防衛隊司令官を空爆で殺害(2020/1/3)
④イラン、イラクの米軍基地に弾道ミサイル攻撃(2020/1/7)
⑤海自に中東派遣を命令 哨戒機11日出発、護衛艦は2月(2020/1/10)
⑥日米安保条約改定60年両政府が同盟強化を目指す共同声明(2020/1/17)
⑦広島高裁、伊方原発3号機運転差し止め仮処分決定(2020/1/17)
⑧第201通常国会開会、安倍首相施政方針演説(2020/1/20)

(2)新聞社説、ニュース記事(議論の活発化のため、あえて意見の異なる主張も掲載)

①東京新聞 TOKYO Web (2020年1月19日)
【社説】日米安保改定60年 「盾と矛」関係の変質

現行の日米安全保障条約の署名からきょう十九日で六十年。自衛隊は専守防衛に徹し、打撃力を米軍に委ねてきた「盾と矛」の関係は、冷戦終結後、自衛隊の役割拡大に伴って変質しつつある。

「日米同盟は、日米両国の平和と安全を確保するに際して不可欠な役割を果たしてきており、今後もその役割を果たし続ける」

日米両国の外務防衛担当閣僚は条約署名六十年に当たって発表した共同声明で、日米安保体制が果たしてきた役割を強調した。

◆旧条約で米軍駐留継続

現行安保条約は一九六〇年、旧安保条約を改定したものだ。

五一年、サンフランシスコ対日講和条約と同時に締結された旧条約は日本の独立回復後も米軍の駐留を認めることが主眼だった。

占領軍さながらに日本国内の内乱に米軍が対応する記述がある一方、米軍の日本防衛義務は明記されておらず、独立国としてふさわしくない条約と見られていた。

旧条約を結んだ吉田茂首相の退陣後、五四年に発足した鳩山一郎内閣から条約改定に向けた動きが始まる。その狙いは米軍撤退に備えて日本の自衛力を増強し、相互防衛的な条約にすることだった。

しかし、基地使用の制限を恐れた米国側は、日本の自衛力不足を理由に否定的だった。

再び条約改定に臨んだのが安倍晋三首相の祖父、岸信介首相だ。五七年、就任四カ月後に訪米し、アイゼンハワー大統領との間で旧条約が「暫定的なものである」ことを確認し、翌五八年から安保改定交渉が始まった。

そして六〇年一月十九日、日米両政府は現行の安保条約に署名。条約案は五月二十日、混乱の中、衆院を通過、三十日後の六月十九日に自動承認され、岸首相は条約発効を見届けて退陣を表明する。

◆基地提供の義務は重く

現行の安保条約は戦争放棄と戦力不保持の憲法九条の制約が前提だ。自衛隊は「盾」として専守防衛に徹し、「矛」としての米軍が打撃力を受け持つ関係である。

日本は米軍への施設提供義務、米国は日本防衛義務をそれぞれ負う。非対称ではあるが、ともに義務を負う「双務条約」である。

しかし、米国だけが軍事的負担を強いられ、日本はただ乗りしているという「安保ただ乗り論」が米国内では時折、頭をもたげる。

米軍への施設提供は日本にとって重い負担であり、ただ乗り論は妥当性を欠くが、米政権は自国の経済財政状況が厳しくなるたびに一層の負担や役割の拡大を求め、日本側が応じてきたのが現実だ。

日本は条約上の義務のない人件費や光熱水費などを「思いやり予算」として負担し続け、自衛隊は装備を増強し、海外派遣も常態化した。極め付きは歴代内閣が憲法上許されないとしてきた「集団的自衛権の行使」を、安倍内閣の判断で容認したことだろう。

自衛隊は長距離巡航ミサイル導入や事実上の空母保有など、憲法上許される「必要最小限度」を超えかねない装備を持ち、憲法解釈の変更で限定的ながら海外で米国とともに戦えるようになった。

長く「盾」だった自衛隊は条約改定から六十年を経て、米英同盟のようにともに戦う「軍隊」へと変質し、米国の紛争に巻き込まれる危険性は確実に高まっている。

日米安保は戦後日本の平和と繁栄の基礎となり、ソ連を仮想敵とした冷戦終結後も、アジア太平洋の安全保障という新たな役割を与えられ、続いてきた。
ただ、安保条約は日米だけでなく日本と近隣諸国との関係、日本の政治や防衛政策、さらには憲法の在り方にも影響を与えてきた。無批判に継続するのではなく、常に検証する必要があるだろう。

在日米軍は適正規模なのか、一地域に過重な負担を押しつけていないか。在日米軍専用施設の70%が集中する沖縄の現状を放置して日米安保の円滑な運用は難しい。

思いやり予算は、五年ごとの改定が二〇二〇年度に行われるが、米側は四倍増を求めているとされる。米軍駐留に伴う日本側の総経費は年間八千億円近くに上り、これ以上の負担増は妥当なのか。安倍内閣が高額な米国製武器の購入を増やしていることも問題だ。

◆たゆまぬ見直しが必要

東アジアの安全保障環境は、中国の軍事力増強や北朝鮮による核・ミサイル開発など依然厳しい。日米安保体制が、警察力としての米軍の存在を支え、地域の安定に一定の役割を果たしてきた。

かと言って、日米安保が軍拡競争の誘因となり「安全保障のジレンマ」に陥っては本末転倒だ。

「同盟」関係はよくガーデニング(庭造り)に例えられる。手入れを怠れば荒れるという意味だ。日米安保体制は今のままでいいのか、新しい時代に対応し、平和憲法の理念を実現するためにも、たゆまぬ見直しが必要である。

②産経新聞 (2020.1.19)

※以下の【主張】文中、注目すべき点に下線を施しました。この主張をどのように考えるか、どのように説得力ある反論ができるか、考えたいと思います。(当会引用者より)

【主張】日米安保改定60年 同盟発展が平和もたらす

■再改定と防衛力の強化を図れ

日米両政府が、旧日米安全保障条約に代わる現行の安保条約への改定に署名してから、19日で60年を迎えた。

昭和26年に結んだ旧条約と合わせ、新旧の安保条約は日米同盟体制の基盤となり、日本の独立と平和、そして自由を守ってきた。

日米同盟は世界の歴史の中でも極めて成功した部類に入る。それは日本の防衛を実現したことにとどまらない。当初は極東の、そして今はインド太平洋地域ひいては世界の平和と安定の礎としての役割を果たしているからである。

日米安保の国際公共財としての意義も銘記しつつ、新たな時代へ向けて強固な同盟の維持、発展を目指したい。

≪世界安定の「公共財」だ≫

日米の外務・防衛担当の4閣僚は17日、共同発表で改定60年を祝い、「両国が共有する価値及び利益を守るため、献身的に奉仕する自衛隊及び米軍に感謝の意を表する」と強調した。

戦後日本の平和は憲法9条のおかげではない。外交努力に加え、自衛隊と、日米安保に基づく駐留米軍が抑止力として機能してきたから平和が保たれてきた。 (下線は引用者・完全護憲の会)

60年の間、同じ安保条約の下で世界の情勢はさまざまに変化した。はじめの約30年間はソ連の脅威への対処に追われた。ソ連崩壊後は同盟の危機が叫ばれ、日米は平成8年の安保共同宣言で、日米安保をアジア太平洋地域の安定の基礎と再定義した。

その後、中国の急速な軍事的、経済的台頭と北朝鮮の核・ミサイル開発の進展で日米安保が備えるべき新たな対象が明確になった。尖閣諸島など南西諸島防衛の重要性が増し、朝鮮半島有事と台湾海峡危機、南シナ海情勢への対応も真剣に考えなければならなくなっている。

安倍晋三首相は平成27年、集団的自衛権の限定行使を容認する安保関連法制定を実現した。これにより、北朝鮮問題対処などに日米が協力して当たっている。

旧安保条約は占領終結後も米軍が日本に駐留すると定めつつ、米国の対日防衛の義務を明記しなかった。駐留米軍を日本の内乱鎮定に使用できる条文もあった。これらは独立国にふさわしくないと当時の岸信介首相は考え、左派勢力の猛烈な反対をよそに現行条約を結んだ。内乱条項は削除され、米国の日本防衛義務(5条)と日本による駐留米軍への施設・区域(基地)の提供(6条)が定められた。日本は米国を防衛する義務を負わないため、全体としてバランスを取る「非対称の双務性」と説明されている。

在日米軍基地のおかげで、米軍は西太平洋から中東まで展開できる。日米安保は米国の世界戦略に不可欠の存在となっている。

≪自ら守る気概取り戻せ≫

そうであっても、日米安保には不安定な点もあり、空洞化や破綻を招かぬよう努力が必要だ。

日本の集団的自衛権の行使には過度な制限がある。安全保障にうとい首相が登場すれば、有事に日米が守り合う関係になれず、同盟が危機に陥りかねない構造的な不安定性が残っている。多くの野党が集団的自衛権の行使容認は違憲だと叫んでもいる。

日米安保への「片務的」という批判をトランプ米大統領も口にした。米政府から駐留米軍経費の増額圧力が高まっている。日本政府は安保条約の意義を繰り返し説くべきだが、不安定性の問題を放置しては危うい。

日米安保には副作用もあった。戦後日本人は米国への依存心を強め、自国や世界の平和を守る自立心と気概を失った。だが、それでは済まされない時代になった。

米国の世界における相対的国力は低下しつつある。トランプ氏やオバマ前大統領が「米国は世界の警察官ではない」と語るなど米国には内向き志向が現れている。宇宙やサイバーなど新たな領域への取り組みも重要だ。中国の軍拡はなお急ピッチだ。

成功した安保条約だが、そろそろ再改定が必要ではないか。産経新聞は平成23年、再改定案を提言した。「片務性」批判という条約上の不安定性を除くため、再改定で日米が真に守り合う関係を整えたい。日本自身が一層、防衛力強化に努めるべきはいうまでもない。その際、敵基地攻撃能力の保有を含め「専守防衛」から「積極防衛」へ転換し、日本の役割を増すことが必要である。

③東京新聞 TOKYO Web  ※ニュース記事  (別紙・当日配布)
海自中東派遣を閣議決定 1年間 調査名目で260人規模 (2019年12月27日 夕刊)

④東京新聞 TOKYO Web  ※ニュース記事  (別紙・当日配布)
海自第1陣 中東へ出発 (2020年1月11日 夕刊)



第73回 運営・編集委員会の報告

1月15日(水) 新橋・ばるーん
出席: 大西、鹿島、川本、草野、福田

第73回運営・編集委員会は、1月26日開催予定の第6回総会に提案する議案に絞って検討した。

1号議案(2019年度活動経過報告)、2号議案(2019年度決算報告及び会計監査報告)を福田代表兼事務局が提案。3号議案(2020年度活動計画)、4号議案(新役員選出)を草野委員が提案した。

1. 1号議案の活動経過報告については異論なく、原案通りの提案を了承。ただし、例会・勉強会で上映された映画『侵略』シリーズの番号に違いがあるのではないかとの指摘があり、この部分についてのみ調査し、違いがあれば修正することとした。

2.2号議案の決算報告に関しては、原案の収入・支出項目に不適切な表記と誤った金額表記があるとの指摘が出され、これについて修正し提案することとなった。なお、会計監査については修正後に監査を受けることとした。

3.3号議案の活動計画については、

① 現在の運営・編集委員会について、「運営全般に責任を持つ」など、わかりづらい表現もあることから、名称を「運営委員会」に改称することとした。また、パンフレット発行などにかかわる作業は、運営委員会のもとに「編集会議」として運営委員以外の外部関係者も含めて開催できるようにすることとした。

② インターネット上での発信について、当会HPに反戦川柳歌人・鶴彬(つるあきら)にならって投稿サイトを設けるとの提案に対して、HP担当の川本委員より技術的な問題点や検討しなければならない点などの説明をうけた。さらに原案が「反戦・政治批判川柳」サイトとしている点につき、「反戦・平和川柳」とすることとなった。

③ 会の刊行物について、原案は年1回の発行をめざすとしたが、2回の発行を維持・継続をめざすべきとの強い意見が出され、2回に修正して提案することとなった。ただし、発行が自己目的化して会員・読者の期待に反しないような企画と編集に努めようとの結論になった。

④ 共同代表の補充については、原案が、「当面、無理に補充しようとせず、福田代表1人体制でいくこととする。ただし、適任者で引き受けていただける人が出てきた場合には、補充する」としていたが、「当初3人いた共同代表が現在福田代表一人になっているので、この間、補充をめざす方針のもと働きかけてきたが、引き受けていただけなかったり、会員の意見が一致しなかったりして実現に至らなかった。今後も引き続き補充をめざす」と修正し総会に提案することとなった。

4.第4号議案の役員の選出については、3号議案との関係で、原案が「運営・編集委員」となっているのを「運営委員」として提案することとなった。なお、運営委員については、年度途中から暫定的に委員に加わっていただいている鹿島委員を新しく加えて提案する。

また、事務局の仕事も兼務する福田共同代表が、過重負担になっていることから、とりわけ会計処理を支援する事務局担当者を選任できないか検討したが、結論が出せなかった。



第74回 運営委員会の報告

1月29日(水)三田・いきいきプラザ
出席:大西、草野、福田

1.第6回総会開催結果を受けて検討すべき事項

(1)冊子への著者名表記のあり方について
総会では冊子の表紙や本扉にも表示すべきとの意見が出された。これについては、著者名のとき、表記することとした。併せて、奥付などへの著者プロフィール掲載も行う。(シリーズ9号の場合は編集作業に追われ、不注意で欠落させた。)

(2)前項に関連して、著者名とするか、起草者名とするかの議論もなされた。これについては、今後も冊子の内容次第で両者を使い分けることとした。ただし、「完全護憲の会」として発行する冊子は、会としての共同作業によって刊行されるものなので、一般の出版会社が発行する書籍類と同一視するのはよくない、との意見が草野委員からなされた。

(3)前二項と関連して、総会では著作権の問題も出された。総会ではなんとなく著作権は「完全護憲の会」にあるかのような感じで終了したが、この問題は重要なので、以下のように整理した。
① 著作権は著者名の場合も起草者名の場合も、それぞれ著者、起草者に帰属する。
② 冊子の版権は「完全護憲の会」にある。

(4)収支決算作業が総会直前まで定まらず混乱した。原因は多忙かつ入院手術までした福田代表に任せきりになっていたことによる。改善策として会計の補助者を選任すべきなのだが、適任者を決めきれなかった。次善の策として、今後は四半期ごとに決算作業を行い、運営委員会に報告して確認することとした。

(5)運営委員長の互選について
例年、総会後の運営員会において運営委員長を互選し決定してきた。今年度はこれまで運営委員長を務めてきた草野委員が自身の健康上の問題もあって、年齢の若い鹿島委員を推薦したが、当日、鹿島委員、大野委員の二人が欠席で、結論出せず。次回、二人の意見も入れて決定することとした。

2.共同代表の補充

福田共同代表から、元朝日新聞編集委員で定年退職されたA氏に協力をお願いしてみたいとの提起があり、これを了承した。(担当:福田)

3.今後の緊急警告発信について

今年中に総選挙が実施される見通しだが、いつものように内閣の7条解散によって実施されるので、その都度、違憲との警告を準備する必要があることを確認。

また、マイナンバーカード違憲訴訟、安保法制違憲訴訟、水道民営化問題や種子法改悪、原発再稼働問題なども重要テーマなので取り上げたいが、それぞれ専門分野に関することなので運営委員会内部だけでは力量不足。会員や外部関係者への依頼も考えることとした。

4.次号以降の冊子のテーマについて

① 旧国鉄三鷹事件を中心とした「国鉄3大事件」。(運営委員会内部に異論もあるが、福田共同代表がかかわっている事件でもあり、冤罪事件でもあることから、草稿の完成を待って判断する。)

② 大野運営委員に様々なテーマを含め依頼する。(担当:福田)

③ 鹿島委員が労働組合運動をテーマに依頼する人を選任し依頼する。(担当:鹿島)

5.新刊書『自衛隊も米軍も、日本にはいらない!――「災害救助即応隊」構想で日本を真の平和国家に』(花伝社 1月27日刊)を、著者の花岡しげる氏から当会にいただいた。その紹介文をニュースに掲載する。(担当:福田) ⇒「新刊紹介」

6.次回以降の勉強会テーマについて

① 会員の後藤弁護士に相談してみる。(担当:草野)
後藤弁護士が取り上げたいテーマ、提起したいテーマがあれば、単発でも連続講座形式でもよいこととする。

② 次回2月23日(日)の第74回例会の勉強会は、テーマが決められないので総会決定に基づいて、「政治の現況について」を勉強会のテーマとする。



新刊紹介  『自衛隊も米軍も、日本にはいらない!
「災害救助即応隊」構想で 日本を真の平和国家に』(花岡しげる著)

平和を愛し、戦争を憎む国民にとって待望の本が現れた。
『自衛隊も米軍も、日本にはいらない!――「災害救助即応隊」構想で日本を真の平和国家に』(花岡しげる著 花伝社 1月27日刊)だ。第1章の冒頭にはこう書かれている。

「自民党や9条改憲を支持する人たちは、二言目には『野党は改憲反対と言うばかりだ。もし改憲に反対ならばきちんとした対案を出すべきである』と言います。……
そこで本書では、第9条の自民党改憲案への対案として、現行憲法と全く矛盾しない安全保障政策を提案します。」と。

そして「第5章 外国から攻められたらどうする? の心配は無用」では、その(1)「日本は国境を天然の要塞でまもられている」とあり、四方を海に囲まれている利点を挙げ、しかし空襲や宇宙からの不意の攻撃は防ぎようがなく、つまるところ、友好的な話し合いしかないことを示している。「話し合いで解決しないから戦争が起きる」と反論する人には、「話し合いで解決しない問題が、武力で解決できるのか」と再反論。そして、「時間をかけて最後まで話し合いで……折り合うしかないのです。」ときっぱり断言する。

本書の最大の特色は「第7章 防災平和省と『災害救助即応隊(ジャイロ)』実現のロードマップ」である。その(1)「国会で実現させるためには」では、「①新党の立ち上げ」と「②『護憲連合会派』の結成」を挙げ、政策実現の具体的な段取りを示しているところが注目される。

非常に説得力のある、読みやすい本だ。
表紙の帯には、東京新聞の望月衣塑子記者が推薦文をこう書いている。
「9条の理念をいかに守り、体現していけるのか、本書にはそのエッセンスが詰まっている。」

著者の花岡さんには「平和創造研究会」(宇井さん主催)でお目にかかったことがあり、その容姿から音楽関係の方と思っていたが、実は東大法学部卒、カリフォルニア大学バークレー校経営学修士で、国内外で働いた実務家であることを初めて知った。

花岡さんのこの貴重な構想を、みんなで話し合い、肉付けし、伝え、そして広げていこうではありませんか。まずは図書館にリクエストなどして、読んでいただければ幸いです。

福田玲三

2020年2月9日