完全護憲の会ニュース No.75号……2020年 3月10日

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目 次

第74回 例会・勉強会の報告 
別紙1 事務局報告             
別紙2 政治の現況について               
別紙3 緊急警告037号 安倍内閣の違法・脱法行為は憲法第73条違反! 
別紙4 緊急警告038号 日本にとって真の国難とは P.7
第75回 運営委員会の報告 

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第74回 例会・勉強会の報告

2月23 日、港区三田いきいきプラザにて第74回例会を開催した(参加者4名;会員71名)。

例会では鹿島委員が座長となり、福田共同代表が欠席のため事務局報告(別紙1)は草野委員が代読、引き続き政治の現況(別紙2)を草野委員が報告した。さらに草野委員より提案されていた緊急警告037号「安倍内閣の違法・脱法行為は憲法第73条違反!」(別紙3)を受け、順次項目を追って討議した。

事務局報告では、山岡聴子氏の『未来への小さな礎(いしずえ)――戦争の惨禍を見つめて』について「再度読み返し、改めてきわめて高度な論考であると思った」といった評価が全体で確認された。また、「あえて注文を付けるなら冒頭の<はじめに>をもう少し平易な記述にしてほしかった」との意見も出された。

政治の現況報告は(別紙2)、①新型コロナウイルス問題、②東電・福島第一原発の汚染水「海洋放出」の動き、③東京高検検事長の定年延長と緊急警告の3点に絞り、勉強会のテーマとして10分の休憩をはさみ約2時間にわたって以下の議論を展開した。

①新型コロナウイルス問題については、「クルーズ船内の新型コロナウイルスの対応に安倍政権の場当たり的な姿が現れている」「インバウンド経済(来日観光客などによる増収)のために感染の危険性を甘く見て中国からの入国を許していた」「これを機に緊急事態条項を設置しようとする動きには最大限の注意を払わなければならない」「今回のコロナウイルスの出処は明確になっていない。武漢の市場に本当の原因があったのか」「中国からの入国制限をするべきではない。デマや煽りがないようにすべきだ」「習近平来日には賛成しかねるがこの問題で日中の国民が友好的になっているのは評価すべきだ」などの意見が出され、今後の対策と安倍内閣の動向に注視していくことが強調された。

②東電・福島第一原発の汚染水「海洋放出」の動きについては、「朝日新聞の社説は東電・福島第一原発の汚染水の海洋放出の動きを批判していない」「非常に中途半端な社説となっている」「大気放出と海洋放出を比較し、風評被害のみを取り上げて判断は地元に委ねている」など、専門家の意見を聞くことなく原発事故汚染水処理の安易な道を選択する動きが、マスメディアを含めて強くなっていることが問題視された。

③東京高検検事長の定年延長と緊急警告については、「法律を閣議で解釈して変更できるのか」「今やリベラルと言われた報道メディアさえ良心的なスタッフを解雇し、安倍政治寄りの番組作りをするようになっている」「安倍内閣の好き勝手放題で日本の三権分立は崩壊し、民主主義は危機的状況である」などの意見が出され、安倍政治の違憲・違法・脱法行為をこれ以上許してはならないという認識の下、当会は微力ではあるが今回、緊急警告037号を発信することが再確認された。

なお、3月の勉強会は後藤富士子弁護士(東京弁護士会)に、「日本国憲法が求める司法改革」について講演をお願いする予定であるが、新型肺炎問題もあり確定はしていない。

1回目のテーマは「司法制度――戦前と戦後」、2回目のテーマは「憲法と裁判所法が描く司法・裁判官」を予定している。

※追記1:後藤富士子弁護士の講演は新型感染症の影響を考慮して延期、3月の勉強会は中止と決定した。
※追記2:3月始めに緊急警告038号の文案が整ったため、本号に掲載することとした。(別紙4)

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<別紙1>  事務局報告          福田玲三(事務局)

1)当会ニュース読者からの来信

*小久保和孝氏(北海道)より
「今ではとても口に出せない酷いことを中国でやってきた」「しかしこの我々兵隊が中国でして来たことは誰かに話しておかなくてはならない」「書き留めておかなくてはとは思っているが」「思い出すのも恐ろしく今は何もできない」「いずれ伝えます」と私に云っていた。

これらは、拙宅から100mほどの所に住む地域活動に熱心な南京攻略戦に参加した元日本軍兵士の共産党員の言葉である。この彼の「伝えなくては」と思いつつ亡くなってしまい遂に伝えられなかった、伝えたかった旧日本軍の兵士の状況とはこんなことであったのか、その内容が今回公刊された『日本国憲法が求める国の形』のシリーズ9号『未来への小さな礎――戦争の惨禍を見つめて』「二章 侵略の象徴としての南京」に出ている。

*川村茂樹氏(千葉県)より
(前略)今回お送りいただいた山岡さんの『未来への小さな礎』を読み、とても感動いたしました。とても冷静な筆致でありながら熱い思いが伝わって来る、極めて高度な論考であると感じたからです。広く世に知らしめるべき労作であるものと考えます。(後略)

*珍道世直氏(三重県)より
ニュース74号拝受いたしました。
緊急警告036号「緊迫する中東への自衛隊派遣は、違憲・違法!」の警告は、問題点を的確にとらえられ大変勉強になりました。有難うございました。また、花岡しげる著『自衛隊も米軍も、日本にはいらない!「災害救助即応隊」構想で日本を真の平和国家に』を新刊紹介いただき嬉しく思います。花伝社から取り寄せたいと存じます。

私は、最近、つくづくと「憲法九条と日米安保条約は矛盾する」と考えるようになり、自衛隊を「国際緊急災害支援隊」に改組し、毎年5兆円(防衛予算相当)をそのために使えば、どんなにか日本は世界から信頼され、日本及び世界の安全保障に貢献することになると、九条の会・津の勉強会などで意見を述べたりしております。

花岡氏の提言が広がっていくことを、心から切望しております。

2)反戦・平和川柳の投稿サイトを開設

当会の緊急警告で紹介した川柳による政治批判の訴求力が注目され、とりわけ、戦前、川柳で反戦を訴え、治安維持法違反の疑いで検挙され、若くして獄死した鶴彬(つるあきら)の紹介が衝撃だった。その結果、当会で反戦・平和川柳の投稿サイトを設けることとし、近く開設される。平和には日常生活も含まれるため身の回りの明るい川柳も歓迎。気軽に投稿されたい。

<参考>
胎内の動きを知るころ骨がつき  【鶴彬】
手と足をもいだ丸太にしてかえし 【鶴彬】

3)集会の案内
※中止や延期のイベントが増えているため、事前確認をお奨めします。

*「日の丸・君が代」ILO/ユネスコ勧告実施市民会議 3・1発足集会
日時:3月1日(日)13:40~16:40
場所:日比谷図書館文化館(B1F)日比谷コンベンションホール
資料代:500円
主催:「日の丸・君が代」ILO/ユネスコ勧告実施市民会議

*「三鷹事件の真相を究明し語り継ぐ会」定期総会
(※追記:開催延期に変更されました)

日時:3月14日(土)14:00~16:30
場所:三鷹市市民協働センター(三鷹市下連雀4-17-23) 電話0422-46-0048
内容:弁護団報告と講演:何故冤罪事件は起きる
資料代:500円
連絡先:国民救援会三多摩総支部 電話0425-24-1532

*「ローカルとグローバルをつなぐ日本軍戦時性暴力被害者支援 ~中国における歴史的経緯と現状から」
日時:2020年3月15日(日)12時開場 13時開始~18時30分終了(予定)
会場:早稲田大学戸山キャンパス38号館AV-1
入場料:一般1000円、学生無料
戦前戦中の太平洋・アジア全域で、日本軍による無差別殺戮、略奪、強制労働などの犠牲になった多くの人々。中でも多様な戦時性暴力を受けた女性たちは、半世紀以上もの時を経て沈黙を破り、日本政府の謝罪と賠償を求めて立ち上がった。現在なお家族にも地元村落にも負の影響を残す中国の例や、国境を超えた支援がもたらした変化などをテーマに、被害女性を支えてきた研究者、遺族、また中国での現地調査や日本での裁判支援に関わった日本の研究者などが報告。
(詳細はレイバーネットカレンダー参照: http://www.labornetjp.org/EventItem/1580263915480staff01

*『週刊金曜日』東京南部読者会
日時:3月27日(金) 18:30~20:30
参加費:会場費を均等負担
場所:大田区消費者生活センター第4集会室(JR蒲田駅・東口5分)

*沖縄連帯コンサート 池辺晋一郎指揮による 混声合唱組曲「沖縄の雲へ」
日時:5月30日(土)14:00~16:30
場所:サンパール荒川大ホール
参加費:全席自由2,000円
主催:「悪魔の飽食」をうたう東京合唱団

4)当面の日程について
(※「会場入り口の消毒液で手を消毒して下さい」とのことです)

第75回例会
3月22日(日)13:30~ 三田いきいきプラザ
(※追記:勉強会は中止)

第76回運営委員会
3月25日(水)13:00~ 三田いきいきプラザ

第76回例会・勉強会
4月26日(日)13:30~ 三田いきいきプラザ

第77回運営委員会
4月29日(水)13:00~ 三田いきいきプラザ

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<別紙2>   政治の現況について

(1)主なニュース一覧(2020/1/21-20/2/20)

①WHO(世界保健機構)、新型コロナウイルスで緊急事態を宣言(2020/1/30)
②武漢の邦人206人、政府チャーター機で帰国(2020/1/29)
③福島第1原発処理水、政府小委海洋放出提言(2020/1/31)
④東京高検検事長の定年延長を閣議決定(2020/1/31)
⑤英、EU離脱(2020/2/1)
⑥海上自衛隊護衛艦「たかなみ」(200人)、中東へ出航(2020/2/2)
⑦クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号(乗客乗員約3700人)横浜港に。
接岸・上陸認めず(2020/2/3)
⑧新型肺炎、国内初の死者。神奈川県80代女性、海外渡航歴なし(2020/2/13)

(2)新聞社説、ニュース記事
(※議論の活発化のため、あえて意見の異なる主張も掲載)

①朝日新聞(2020.01.31)
【ニュース】新型肺炎、WHOが「緊急事態」を宣言

中国で集団発生し、感染が中国国外に広がっている新型コロナウイルスについて、世界保健機関(WHO、本部スイス・ジュネーブ)は30日に専門家委員会による緊急会合を開き、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。

緊急事態は、感染が国境を越えて広がり、感染拡大防止に国際的な対応が必要な場合に、専門家委の判断を踏まえWHOの事務局長が宣言する。緊急事態宣言は、アフリカのコンゴ民主共和国で発生したエボラ出血熱について昨年7月に出されて以来、6例目。

30日夜(日本時間31日未明)に記者会見したテドロス・アダノム事務局長は、中国国外での感染例や、感染が確認された国が増えていると指摘。「中国国内ではなく、国外の状況を見て判断した」と宣言した理由について述べた。一方、人の移動や貿易の制限は、WHOとして勧告はしないとしている。

新型肺炎をめぐっては、専門家委が22、23日に緊急会合を開いて緊急事態にあたるか検討。この時点では「中国国外でのヒトからヒトへの感染が確認されておらず、時期尚早だ」として、宣言を見送った。だがその後、日本やベトナムでヒトからヒトへの感染が確認されるなど、中国国外での感染が急速に広がったため、再度緊急会合を開いた。(ジュネーブ=河原田慎一)

②東京新聞(2020.2.2)
【ニュース】海自護衛艦、中東へ出航 首相「大きな意義」

中東海域での日本関係船舶の安全確保に向け、情報収集に当たる海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が2日、海自横須賀基地(神奈川県)を出港した。司令部要員を含め約200人が搭乗。今月下旬に現地に到着する予定で、1月から任務に就いたP3C哨戒機とともに本格的な活動が始まる。

安倍晋三首相は2日、横須賀基地で開かれた出国行事で「情報収集任務は、国民の生活に直結する極めて大きな意義を有するものだ」と訓示。護衛艦が活動するオマーン湾などの海域について「日本で消費する原油の約9割が通過する。日本国民の生活を支える大動脈、命綱と言える海域だ」と述べた。(共同)

③沖縄タイムス(2020.2.2)
【社説】[新型肺炎と改憲]節操なさすぎるのでは

国民の不安に乗じた発言で不謹慎というほかない。発言を撤回し猛省を促したい。

中国湖北省武漢市で発生し感染拡大が続いている新型コロナウイルスによる肺炎に絡み、伊吹文明元衆院議長が憲法改正案の緊急事態条項の新設に結び付けた発言をした。

共同通信の配信によると、1月30日の党会合で「緊急事態に個人の権限をどう制限するか。憲法改正の大きな実験台と考えた方がいいかもしれない」などと言及した。改憲しないと対策ができないというのはまやかしである。国民の危機感を利用して憲法改正を持ち出すのはとうてい看過できない。

国民の生命・健康を「実験台」と呼んだのも極めて不適切と言わざるを得ない。

政府は1日、新型コロナウイルスによる肺炎などの病気を感染症法の「指定感染症」と検疫法上の「検疫感染症」とするための政令を前倒しして施行した。

感染拡大を防ぐために患者を強制的に入院させたり、就業を制限したりできる。

空港や港の検疫では、感染が疑われる人が見つかれば検査や診察を指示できる。感染が確認されれば受け入れ態勢が整った感染症指定医療機関に入院するよう勧告できる。従わなければ強制的に入院させることができる。

政府は入国申請時から14日以内に中国湖北省に滞在歴がある外国人の入国を拒否する措置も取る。入管難民法5条に基づく異例の対応である。

現行法で新型肺炎の拡大を抑えるための対策は取れるのである。どさくさに紛れた伊吹氏の発言は悪質である。

■ ■
閣僚を含む自民党議員、日本維新の会からも同じ考えが出ている。「憲法に緊急事態条項があれば! 一部野党も逃げずに憲法改正の議論をすべき」などとツイートした自民党議員もいた。公明党は反発している。

新型肺炎と憲法改正は何も関係がない。既存の法律の運用の問題なのである。

自民党が掲げる改憲4項目の一つが緊急事態条項だ。「外部からの武力攻撃」「内乱等による社会秩序の混乱」「地震等による大規模な自然災害」などが発生した場合、首相は緊急事態を宣言することができるというものだ。

宣言すると内閣は法律と同じ効力を持つ政令を制定、地方自治体の長に指示することができる。国民は国や公の機関に従わなければならない。

国会のコントロールを排除し権力を内閣に集中させる。三権分立を否定し、基本的人権を制限する危険な条項だ。

■ ■
安倍晋三首相は最近、「私の手で改憲を成し遂げたい」と前のめりの姿勢が際立っている。憲法の発議権は首相にはないにもかかわらずである。伊吹氏の発言は改憲論議を進めたい狙いがあったはずである。背景にはチャーター機で帰国した1便の206人のうち、ウイルス検査に2人が応じなかったことがあったのかもしれない。しかし2人は後に検査を受けている。

国内では症状がない人の感染が確認されている。今やるべきなのは感染拡大に備えた医療態勢の強化である。

④朝日新聞(2020.2.16)
【社説】検察官の定年 法の支配の否定またも

法の支配の何たるかをわきまえず、国会を軽んずる政権の体質がまたもあらわになった。

東京高検検事長の定年延長問題をめぐり、安倍首相は13日の衆院本会議で、従来の政府の見解を変更し、延長が許されると「(法律を)解釈することとした」と答弁した。

政府は、唯一の立法機関である国会が定めた法律に基づき、行政を運営する責務を負う。詳しい説明もないまま、内閣の一存で法律を事実上書き換える行為が許されるはずがない。

先月末、異例の定年延長が閣議決定されると、検察の首脳人事を思いのままにしようとする政権の暴挙との批判が巻き起こった。あわせて、検察官の定年年齢は検察庁法に明記されており、閣議決定は違法だとの声が国会の内外で上がった。

政府は、定年延長の規定がある国家公務員法を持ちだして、問題はないと主張した。だが、その規定が導入された1981年の国会審議で、政府自身が「検察官には適用されない」と説明していたことが、野党議員の指摘で明らかになった。

衆院予算委員会でこの点を問われた森雅子法相は「詳細は知らない」と驚くべき発言をし、それでも延長できると言い張った。人事院の幹部が、現在も81年当時と同じ解釈だと答弁しても、姿勢を変えなかった。さすがにこのままでは通らないと思ったのか、首相は過去の政府見解を認めたうえで、今回、解釈を変更したと言い出した。ドタバタ劇も極まれりだ。

制定経緯を含め、法律の詳細を検討した上での閣議決定だったのか。人事院や内閣法制局から疑義は呈されなかったのか。機能不全を疑う事態だ。
何のために国会で手間ひまをかけて法案を審査するか、政権は理解しているのだろうか。

法案提出者の説明を通じて、国民の代表がその必要性や趣旨を点検し、あいまいな点があれば解釈の確定に努め、場合によっては修正する。質疑の中で示された見解は条文と一体となって人々や行政機関を縛り、行動の指針になる。裁判で判断を導き出す際にも参考にされる。

ましていま問題になっているのは、強大な権限をもつ検察官の資格や職務を規定し、国民の統制の下に置くために設けられた検察庁法である。定年延長を実施しなければならない事情があるのなら、当然、法改正の手続きを踏むべきものだ。

安倍政権には、積み重ねてきた憲法解釈を一片の閣議決定で覆し、集団的自衛権の行使に道を開いた過去がある。今回の乱暴な振る舞いも本質は同じだ。民主主義の根幹を揺るがす行いを、認めることはできない。

⑤朝日新聞  (2020.2.1)
【社説】トリチウム水 福島の声を聴かねば

東京電力・福島第一原発の汚染水を浄化処理した後、放射性物質トリチウムが残留する水をどう処分するのか。経済産業省の小委員会が、とりまとめの提言を大筋で了承した。

薄めて海に流す「海洋放出」を事実上、最も重視する内容になっている。
これを参考に、政府はトリチウムを含む処理水の処分方法や時期を判断する。環境中に放出すれば、風評被害が生じる恐れがある。拙速な判断は厳に慎まねばならない。

小委は2016年から、経産省の作業部会が示した5案について、技術的な側面に加えて、風評被害など社会的な影響も含めて検討してきた。

とりまとめの提言は5案のうち、海洋放出と、蒸発させて排出する「大気放出」の2案に前例があることから、現実的な選択肢と位置づけた。そのうえで、両者の長所と短所を検討する形をとっている。

通常の原発で実績がある▽設備が簡易で取り扱いのノウハウがある▽放出後に拡散の予測やモニタリングをしやすい▽想定外の事態が起こりにくい……。こうした技術的なメリットを踏まえて、「海洋放出の方が確実に実施できる」と評価した。

社会的な観点から見た場合、影響の大小を比較するのは難しいという。ただ、大気放出をすると、海洋放出に比べて幅広い産業に風評被害が広がる恐れがあると指摘した。

明言こそ避けたものの、海洋放出に優位性があることを示唆している。

とはいえ政府は、これをもって安易に海洋放出を決断してはならない。「地元の自治体や農林水産業者など幅広い意見を聴いて方針を決めることを期待する」。この小委の要請を、重く受け止めるべきだ。

地元との対話に、政府が海洋放出ありきの姿勢で臨めば反発を呼ぶだろう。自治体や事業者のほか、地域住民らの声を誠実かつ丁寧に聴いてほしい。
忘れてならないのは、小委が一連のプロセスをガラス張りにするよう求めている点だ。密室で議論しても、政府の最終判断に国民の理解は得られまい。情報公開が肝要である。

東電は「22年夏ごろに敷地内の貯蔵タンクが満杯になる」として早期の判断を望むが、小委は提言の中で、政府決定や処分開始の時期を明示しなかった。期限を切って意思決定の手続きを進めるようでは困る。

仮に処分方法が決まっても、準備に年単位の時間がかかる。処分を終えるまでには、さらに長い年月が必要だ。息の長い取り組みになることを、政府は肝に銘じなければならない。

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<別紙3>  緊急警告第037号 安倍内閣の違法・脱法行為は憲法第73条違反!

安倍内閣の違法・脱法行為が目に余る。

安倍内閣は1月31日、東京高検の黒川弘務検事長の定年を半年ほど延長する異例の人事を閣議決定した。安倍官邸寄りと評される黒川氏を次期検事総長に就けんがためとの疑念が指摘されている。

折しも、IR(統合リゾート)問題で自民党国会議員の秋元司衆院議員(前内閣府副大臣)が収賄容疑で逮捕され、これが政権中枢にも及ぶのではないか、との観測が流れたり、安倍事務所が主催した桜を見る会「前夜祭」では政治資金収支報告書に記載がなく、安倍首相が政治資金規正法違反に問われかねない事態が続いているだけに、あり得る疑念であろう。

「首相を逮捕するかもしれない機関に、官邸が介入するだなんて、法治国家としての破壊行為だ」(立憲民主党枝野代表)と言うのもうなずける。

国家公務員法第81条3(定年による退職の特例)「任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、……一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。」を適用しての措置だと言う。

だが、検察庁法第22条は「検事総長は、年齢が65年に達した時に、その他の検察官は年齢が63年に達した時に退官する。」と明確に定めている。これは明らかな検察庁法第22条違反である。

しかも、国家公務員法第81条2項は「職員は、法律に別段の定めのある場合を除き、定年に達したときは……退職する。」(傍点引用者)となっている。ここに言う「法律に別段の定め」とは検察庁法第22条がその一つであることはまぎれもない。とするならば、内閣が適用したとする国家公務員法それ自体にも違反していることになるのだ。

国会審議においてこうした違法性が追及され、さらに2月13日の衆議院本会議において、国家公務員法の定年規定が「検察官には適用されない」としてきた従来の政府見解の矛盾を突かれた安倍首相は、「今般……検察官の勤務(定年)延長に国家公務員法の規定が適用されると解釈することとした」(傍点引用者 朝日新聞2月14日付)という驚くべき答弁を行った。

こんなことが許されていいはずがない。これでは内閣が国会抜きに既存の法律を変更したり、新たな法律を制定するに等しいからである。

安倍内閣には順法精神が欠落している。森友・加計問題から始まって、公文書の改竄・隠蔽・廃棄、虚偽答弁、内閣の好き勝手放題、「閣議決定」で何でもできるかのようである。過去の事例からしてとっくに特捜が動いていてもおかしくない事態である。

憲法73条(内閣の職務権限)1項は、「法律を誠実に執行し、国務を総理すること」としており、内閣が「法律を誠実に執行」することを求めている。安倍内閣はまさにこの「法律の誠実な執行」とは正反対の内閣であり、憲法73条に違反する憲法違反内閣である、と言わなければならない。

冒頭の桜を見る会「前夜祭」の収支報告書不記載問題も同様である。安倍事務所が主催していながら、800人もの参加者が一人ひとりホテル側と契約し、参加費はそれぞれ個人がホテル側に支払ったなどという言い訳が成り立つはずがないのである。これを立憲民主党の辻元議員が「安倍方式」と命名し、政治資金規正法をすり抜ける「脱法行為」と糾弾したのは当然である。

安倍内閣の違憲・違法・脱法行為をこれ以上許してはならない。

(2020年2月15日)

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<別紙4>   緊急警告038号 日本にとって真の国難とは

新聞各紙によると、2月17日午前の衆院予算委員会で、「桜を見る会」前夜の安倍首相支援者の夕食会について、立憲民主党の辻元清美衆院議員が調査の結果を紹介した。ANAインターナショナルコンチネンタルホテル東京に、「見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがあったか」など問い合わせたところ、「ない。主催者には見積書や請求明細書を発行する。宛名が空欄のままの領収書は発行しない」といった回答を書面で受けたことが明らかになった。

午後の同委員会で安倍首相は、ホテル側の回答は「一般論で答えたもの」で自身の夕食会は例外扱いだったとの趣旨の反論をしたが、報道各社の取材にホテル側は、「一般論であっても、例外扱いはない」と再度回答した。首相の言い逃れはもう無理だ、と各紙は書く。

今から35年前、ロッキード事件の一審判決を受けて、衆参両院で議決した「政治倫理綱領」は5項目から成る。その第1と第4項目は次の通り。
第1「われわれは、国民の信頼に値するより高い倫理的義務に徹し、政治不信を招く公私混淆を断ち、清廉を持し、かりそめにも国民の非難を受けないよう政治腐敗の根絶と政治倫理の向上に努めなければならない」

第4「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもつて疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない」

昨年の10月、菅原一秀経済産業相と河井克行法相が公職選挙法違反疑惑で相次いで辞任した際、安倍首相は「政治家として自ら説明責任を果たすべきだ」と語った。その首相が、森友・加計問題や「桜を見る会」をめぐって常に詭弁と欺瞞に満ちた弁解に終始し、「自ら説明責任を果た」しているとはとうてい言えない。

ついで安倍首相は、さる2月27日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためとして、全国すべての小中高校などに、3月2日から春休みまで、一律に休校するよう要請した。この突然の発表が全国の児童、教職員、保護者や医療関係者に与えた衝撃は大きく、特に子どもを抱えて働く母親は困惑の極にある。

各種世論調査で政権支持率が急落し、検事の定年延長問題でも批判の渦中にある政権にとって、新型肺炎の出現は渡りに船、神風になるはずだった。現に一部の識者は「ある種の国難」として首相の方針に理解を示している。

しかし、2017年にも安倍首相は、森友学園問題などで支持率が記録的に下がったとき、北朝鮮の核・ミサイル実験をチャンスとばかりに危機感をあおり、「国難突破」を名目に衆院を解散、総選挙で圧勝した。選挙が終われば「国難」はシャボン玉のように消えた。

今回の発表も政権の浮揚策であることは見え透いている。前川喜平氏(現代教育行政研究会代表、元文部科学事務次官)は、「学校の臨時休業は国の権限ではない」(学校保健安全法 第二十条 学校の設置者は、感染症の予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる。)、「国がすべきことは、各自治体が最適の方策を見つけられるよう……正確で網羅的な情報を提供することだ。全校休校の号令より、万全の検査・治療体制を整えることこそ、国の最優先課題だろう」(『東京新聞』3月1日「本音のコラム」)と指摘している。

安倍首相は、この唐突な号令が国民に与えた不安と動揺の大きさに反応し、翌28日には「(この要請は)基本的な考え方として示した。各学校、地域で柔軟にご判断いただきたい」と前日の発言を大幅に後退させた。法律も、優先順位も、現場も理解しない政権であることが、また露呈したかっこうだ。

これを反面教師として、われわれは国の理不尽な指示に従う前に、まず各人が各所でしっかりと状況判断し、賢明な選択をしなければならない。国民は「教育を受ける権利」と「受けさせる義務」があるのだから(憲法26条)、学校は、一般家庭同等かそれ以上に、子どもの安全を守れる教育環境作りに知恵を絞ることが重要だ。島根、兵庫、群馬、栃木、岡山、沖縄の各県には、同調圧力に屈せず授業を続けている自治体もある。

そもそもこの新型感染症拡大は、安倍政権の杜撰な対応が招いた結果であり、経済も社会もいつ立ち直れるのか深刻な影響が続いている。しかし首相は真摯に謝罪するどころか、3月2日の参院予算委員会冒頭では、緊急事態宣言を首相が発令できる法整備を早急に検討するよう呼びかけた。

これが、「国難騒動」の重要な狙いのひとつである。安倍首相が執着しているのは自衛隊の軍隊化と緊急事態発令の権能であるから、改憲を実現できなければ法整備で、というのが本音だろう。

(2020年3月5日)
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第75回運営委員会の報告

2月26日(水)三田いきいきプラザ
出席: 大西、草野、福田

1.第74回例会・勉強会開催結果について
新型コロナウィルスによる肺炎の広がりを警戒し、高齢で術後間もない福田代表には自重を強く勧め、例会と運営委員会ともに欠席となった。このため例会・勉強会の状況を草野委員が報告した。例会参加者は4名と少なかったが、継続が大事と集中して会議と勉強会を行った。

緊急警告037号についても検討・議論した。結果、誤植を修正して承認された。

2.新冊子シリーズ9『未来への小さな礎――戦争の惨禍を見つめて』について
本委員会に先立ち福田代表より、新冊子シリーズ9の評判について報告があった。新冊子はこれまでになく10冊、20冊単位での注文があり、多くは勉強会で使いたいとのこと。内容の良さが受け止められたようだ。

3.前号ニュース№74で紹介(福田)した新刊『自衛隊も米軍も、日本にはいらない!』(花岡しげる 花伝社)について
平易でわかりやすく、政策が緻密に展開されていて優れた内容である。護憲派が大いに活用すべき本と言える。当会としてもいずれ著者に講演をお願いし、勉強会で取り上げたい、との確認を行った。

4.次回勉強会について
次回3月の勉強会は、後藤富士子弁護士(当会会員)が講師を引き受けてくださった。テーマはもっか「司法改革」(法曹一元化――日本国憲法が定める司法と裁判官)としているが、次回1回で終わるのか連続講座となるかも含め、詳細は未定である。(担当 草野)

5.緊急警告発信について
政治情勢に対応した緊急警告036号、037号を発信することができた。引き続いて緊急警告のテーマとして、今から35年前のロッキード事件の一審判決を受けて衆参両院で議決した「政治倫理綱領」を鑑み、現在の安倍政権の恐るべき問題性について発信したい、との案が福田委員から出された。

6.共同代表の補充について
前回の運営委員会で福田代表が提案した元某新聞編集委員のA氏については、福田代表がお願いしたところ、現在取り組んでいる執筆活動に専念したいので共同代表をお引き受けすることはできない、との丁重なご返事をいただいたとの報告を受けた。

7.今期運営委員長の選任について
毎年、総会で選出された運営委員の中で、互選による運営委員長を選出してきたが、今期はこれまで運営委員長を務めてきた草野委員が健康上の理由で引き受けられないとの申し出があり、新たに鹿島委員が運営委員長を引き受けることを決定した。

8.当面の会議日程
新型コロナウイルスの関係で、今後、運営委員会の開催時間を1時間早めて13時開催にすることとした。(帰宅ラッシュに巻き込まれないようにするため)

完全護憲の会ニュース No.74号 ………2020年2月10日

発行:完全護憲の会
〒140-0015 東京都品川区西大井4-21-10-312
電話・FAX :03-3772-5095
Eメール:kanzengoken@gmail.

目  次

第6回 総会の概要報告
第73回 例会の報告
別紙1 事務局報告
別紙2 緊急036号:警告緊迫する中東への自衛隊派遣…
別紙3 政治の現況について
第73回 運営・編集委員会の報告
第74回 運営委員会の報告
新刊紹介 『自衛隊も米軍も、日本にはいらない!』



第6回 総会の概要報告

1月26日(日)、午後1時30分より港区立勤労福祉会館にて第6回総会を開催。下記の4議案につき審議し、一部修正の上、承認・決定された。(総会出席者:7名)

第1号議案 2019年度活動経過報告
第2号議案 2019年度決算報告及び会計監査報告
第3号議案 2020年度活動計画
第4号議案 新役員選出

第1号議案 2019年度活動経過報告

昨年1月27日、第5回総会を三田いきいきプラザで開き、例会・勉強会、運営・編集委員会、他の護憲運動とのかかわり、緊急警告の発信、共同代表の補充、運営・編集委員の拡大、冊子の発刊、護憲シリーズの普及・販売、会員の拡大について決定し、ついで役員選出では、共同代表に福田玲三、事務局員に大西喜与志、川本久美恵(HP担当)、福田玲三、運営・編集委員に大西喜与志、大野和佳、草野好文、福田玲三、会計監査に山岡聴子氏を決定、その際言及された鹿島孝夫氏に後日、運営・編集委員会参加を要請して了解を受けた。

総会以後は次の活動を行った。

1)冊子の発行

シリーズ8号 『スマトラ島で敗戦 マレー半島でJSP――学徒徴兵・私の戦争体験』(福田玲三 著)8月20日発行、96p.原価400円、1000部

シリーズ9号 『未来への小さな礎――戦争の惨禍を見つめて』(山岡聴子著)12月20日発行、120p.原価400円、1000部

2)緊急警告の発信

035号 安倍首相の憲法私物化を弾劾する(12月22日)

3)例会・勉強会

第5回総会兼第61回例会 1月27日 新橋ばるーん302号 参加者5名 会員69名

第62回例会 2月24日 神明いきいきプラザ 参加者4名
勉強会 映画「侵略」シリーズ上映に先立つ報告 山岡聴子氏

第63回例会 3月24日 三田いきいきプラザ 参加者5名
勉強会 映画「語られなかった戦争・侵略1(日中戦争)」上映、解説・山岡聴子氏

第64回例会 4月28日 三田いきいきプラザ 参加者7名
勉強会 映画「語られなかった戦争・侵略2(南京)」上映、解説・山岡聴子氏

第65回例会 5月26日 三田いきいきプラザ 参加者9名 会員73名
勉強会 映画「語られなかった戦争・侵略3(旧満州)」上映、解説・山岡聴子氏

第66回例会 6月23日 三田いきいきプラザ 参加者10名 会員73名
勉強会 映画「語られなかった戦争・侵略4(細菌戦)」上映、解説・山岡聴子氏

第67回例会 7月28日 三田いきいきプラザ 参加者10名 会員73名
勉強会 映画「語られなかった戦争・侵略5(細菌戦被害者)」上映、解説・山岡聴子氏

第68回例会 8月25日 三田いきいきプラザ 参加者6名 会員73名
勉強会 映画「語られなかった戦争・侵略6(長江岸虐殺)」上映、解説・山岡聴子氏

第69回例会 9月22日 三田いきいきプラザ 参加者10名 会員74名
勉強会 シリーズ9号について 書面報告・山岡聴子氏

第70回例会 10月27日 豊岡いきいきプラザ 参加者8名 会員75名
勉強会 シリーズ9号の骨子について 報告・山岡聴子氏

第71回例会 11月24日 三田いきいきプラザ 参加者10名 会員75名
勉強会 シリーズ9号ついて・続 報告・山岡聴子氏

第72回例会 12月22日 三田いきいきプラザ 参加者8名 会員75名
勉強会 労働組合の社会的役割と課題 報告・石田嘉幸氏

4)運営・編集委員会

第61回運営・編集委員会 2月27日 三田いきいきプラザ/第62回 3月27日/第63回 5月1日/第64回 5月26日/第65回 6月26日/第66回 7月31日/第67回 8月28日第68回 9月24日/第69回 10月30日/第70回 11月27日/第71回 12月25日/編集会議 12月16日 港区勤労福祉会館 シリーズ9号の校正作業

5)会員の状況

第5回総会時の会員69名が71名になった。内訳は新会員4名のプラスと、没1、所在不明1のマイナス、計2名のプラス。

6)草野好文運営・編集委員長が食道がんのため1月4日に入院して治療に当たり7月4日退院し、9月24日の運営・編集委員会より活動に復帰。

福田玲三共同代表が胃がんのため10月に入院、胃の2/3を切除したあと11月初めに退院、11月24日の第71回例会より活動に復帰。

両氏の闘病中、緊急警告の休信を余儀なくされた。

第2号議案 2019年度決算報告及び会計監査報告

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第3号議案 2020年度活動計画

1.例会・勉強会について

1)毎月1回、例会・勉強会を開催する(基本として第4日曜日)。

2)例会・勉強会の充実をはかる。

・「政治の現況について」の報告充実と議論の活発化。
故岡部太郎共同代表が担当された「政治の現況について」の報告とこれを受けての毎例会における議論は、他の類似の組織には見られない有意義なものであった。それ故、この岡部共同代表の遺志を継いで、改めて完全護憲の会の例会中心企画として位置付け、報告の充実と議論の活発化を図る。
そのために、これまでより時間を多くとる。(勉強会テーマがある場合、報告と議論合わせて70分。事務局報告10分。報告順序入れ替えて事務局報告を先に。勉強会テーマがない場合は、報告と議論合わせて120分とする。)

・憲法問題の議論の活発化(冊子、ホームページでの発信に向けて)。

・勉強会は、外部講師を招いての講演(交通費程度の謝礼)、会員による報告、ビデオ上映など、毎回テーマを決めて行う。ふさわしいテーマが準備できなかったときは、「政治の現況について」を当日の勉強会テーマとする。

3)会場費として参加費300円をいただく。

2.運営・編集委員会について。

1)本会の設立の経緯が、『日本国憲法が求める国の形』の冊子編集・発行をその契機としたことから、当初、「編集委員会」としてスタートし、その後、会の運営全般を担う役割も担っていることから「運営・編集委員会」と改称してきたが、長たらしくわかりづらい名称なので、「運営委員会」に改称する。
冊子の編集は本会の重要な柱なので今後も継続するが、その場合の組織は運営委員会のもとに「編集会議」として招集し、運営委員以外の会員・外部の関係者も含めて編成することとする。

2)毎月1回開催する。会員は誰でも参加して意見を述べることができる。

3)憲法問題の議論の活発化のために努力する。

3.他の護憲運動とのかかわりについて

1)他の護憲運動、とりわけ草の根の護憲運動との連携を図り強める。

2)「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」や「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が共同で取り組む中央行動などに注目し、当会の力量の及ぶ範囲でこれを宣伝し、行動に参加する。

4.インターネット上での発信について

1)日々生起する憲法の違憲状況について、会のホームページ上で違憲告発(緊急警告)の発信を行う。

2)上記の内容は運営委員会で検討し発信するが、例会に報告し、さらに検討を加えて、パンフレットやリーフレットの発行につなげる。

3)ブログに投稿された文章のなかで、適切なものを運営委員会で検討を加え、パンフレットやリーフレットなどに活用する。

4)緊急警告035号に紹介した川柳による政治批判の訴求力が注目された。とりわけ、戦前、川柳で反戦を訴え続け若くして獄死した鶴彬(つるあきら)の紹介は衝撃だった。この結果を受けて、当会ホームページに反戦・平和川柳の投稿欄を設けることとする。ただし、現状のHPに増設することが技術的に難しいので、別サイトを設け、これを当会HPにリンクさせる。

5.会の刊行物について

1)年2回の発行をめざす。
本会設立(2014年1月)以来、年2回の発行をめざし、過去6年間で「日本国憲法が求める国の形」シリーズとして合計9冊(1.5冊/年)を発行してきた。引き続き年2回の発刊を目指して努力する。

2)今年度の発行テーマは未定。
①暫定案として旧国鉄「三鷹事件」を中心とした「下山・三鷹・松川3大事件」が候補としてあがっている。

6.「日本国憲法がめざす国の形」シリーズ9パンフレット(2019年12月刊)を始め、これまでの刊行物の普及・販売活動について

1)憲法集会始め各種の集会に持ち込み普及・販売活動に取り組む。

2)会員と当会ニュース読者に普及・販売活動への参加を呼びかける。具体的には会員と当会ニュース読者から希望冊数を募り、無償で会員に配布する。会員と当会ニュース読者は販売できた金額(カンパ含め)を納入するものとする。(残部は返却の必要なし)

7.共同代表の補充について

当初3人いた共同代表が現在福田代表一人になっているので、この間、補充をめざす方針のもと働きかけてきたが、引き受けていただけなかったり、会員の意見が一致しなかったりして実現に至らなかった。今後も引き続き補充をめざす。

8.会員の拡大について

1)会員100人をめざす(現在71人)。

2)その方法として① 現ニュース送付者のうちの未加入者に呼びかける。
② 現会員に協力を依頼する。

第4号議案 新役員選出

※任期1年 2020年1月総会~2021年1月総会
※事務局員及び運営委員については、下記候補だけではなく、当日の立候補も含めて選出します、としたが、他に立候補者はなく、下記の候補者が選出された。

1)共同代表
福田玲三

2)事務局員
大西喜与志、川本久美恵(HP担当)、福田玲三

3)運営委員
大西喜与志、大野和佳、鹿島孝夫、草野好文、福田玲三

4)会計監査
山岡聴子



第73回 例会の報告

1月26日総会終了後、引き続き午後3時から第73回例会・勉強会を開催。(参加者7名;会員71名)

大西委員が司会を務め、まず事務局報告(別紙1)を福田共同代表が行った後、緊急警告036号(別紙2)と「政治の現況について」(別紙3)が草野委員から提起され、参加者による議論が交わされた。

緊急警告036号「緊迫する中東への自衛隊派遣は違憲・違法!」については、直近の重要テーマということもあって、「調査・研究」名目の海外派遣は今回が初めてではないのではないか、もし、自衛隊が武力行使する事態になり、戦闘になったら、その指揮権はどうなるのか(アメリカとの密約によれば、自衛隊の指揮権は米軍がとる)、「調査・研究」名目の派遣は「違憲・違法」と言うだけでいいのだろうか、など、さまざまな意見が出されたが、結論的に原案が承認された。

「政治の現況について」については総会後の開催ということもあって時間が足らず、内容の検討までには至らなかったが、下記に紹介した産経新聞の「主張」のような、当会の主張とは大きく異なる内容の紹介については、いくら「意見の異なる主張も掲載」するとは言っても、産経新聞の「主張」の宣伝にもなってしまうのだから、何らかのコメントを付して紹介すべきなどの意見が出された。また、紹介する社説についても、東京新聞や産経新聞にこだわらず、読者の多い朝日新聞や読売新聞なども紹介すべきとの意見も出された。

これらの意見を踏まえて、今回は産経新聞「主張」の注目すべき箇所に下線を施し、簡単なコメントを付すことになった。


<1> 第73回例会 事務局報告

1)当会ニュース読者からの来信

◎中沢武氏(埼玉県)より(2019年11月26日)

『スマトラ島で敗戦 マレー半島でJSP』を読ませていただきました。
著者が徴兵された頃、私が同じ年齢の時には友人と成人式のスーツ買いに行きました。
門司港を出航した頃、私は大学の3年生で夏休みに北海道の牧場(乳牛)でお手伝いをさせてもらっていました。

終戦の時、私は著者と同じ年齢の時には北海道の漁師の家でコンブ干しのアルバイトをしていました。日本に復員した時には、私は社会人1年生でした。自由で平和な時代を過ごして来ました。次世代にも自由と平和を!

現役を退職してから考え始めたことです。その中で日本国憲法の大切さを感じ「完全護憲の会」とも出会いました。安倍政権を見ていると戦争に1ミリずつ近づいているように思います。私が大切にしたいのは『反戦・平和』これだなと最近ハッキリと思います。そのためにはいろいろと情報を集め考え勉強しなくてはと思うのです。(最近では韓国問題、「表現の不自由展~その後」等々)

友人・知人30人ほどにアピールして来ましたが、応えてくれるのは4,5人です。その反応の少なさにも危機感を感じますが、自分なりにできることをやり続けていこうと思っています。もう読まれたかとも思いましたが、『戦争の大問題』(丹羽宇一郎著・東洋経済新報社刊)と絵本の『けんぽうのおはなし』(井上ひさし原案・講談社刊)を同封します。

「降伏を告げられた時、つられて涙を流したが、翌日には希望が湧き、軍人の威張らない世の中が来るのが嬉しかった。」と書かれていました。いつまでも軍人(権力者)の威張らない世の中にしたいです。

◎千田享氏(東京都)より(2019年11月23日)

人類の歴史は戦争の歴史でした。

もう戦争はしてはいけない、これからは平和を追求するのだと世界の多くの人々が考えているのに、残念ながら、世界で発言力を持ち、国際社会をリードしてきたのは強い武力を持つ国です。それを見習うように、後発の大国も経済の発展とともに軍事力を増強し、覇権の拡大を追及しています。

そういう世界で、如何にして平和を維持していくのかが、人類の大きな挑戦です。2017年に国連が総会で核兵器禁止条約を決議したことはその重要な挑戦の一歩だと考えます。そうした方向に尽力することこそ被爆した日本の役割であり、世界が期待しているところだと思います。

日本国憲法の維持も、それをどう活用していくかが重要なところです。人類まれな理想の憲法ですが、そのままで世界政治を動かしていけるのか、よく考えなければならないと思います。

2)主な政治日程と衆院解散のタイミング(朝日新聞1月7日付より抜粋し補足)

1月20日 通常国会の召集(19年度の補正予算成立 補正予算成立後、衆院解散?)
3月8日  自民党大会
4月    中国の習近平国家主席が国賓として来日
4月21日 立皇嗣の礼
6月17日 通常国会会期末(会期末に衆院解散?)
6月18日 東京都知事選告示(7月5日に投開票)
7~9月   東京五輪・パラリンピック(五輪後、衆院解散?)
11月   米大統領選挙
2021年1月通常国会召集(会期中に衆院解散?)
9月末   安倍首相の自民党総裁任期満了(新総裁選出後、衆院解散?)
10月21日 衆院議員の任期満了

3)当会シリーズ9号『未来への小さな礎(いしずえ)-戦争の惨禍を見つめて-』を発刊

当会の勉強会で6回にわたる映画『語られなかった戦争・侵略』シリーズを上映した際の山岡聴子氏による解説をまとめた当会シリーズ9号『未来への小さな礎―戦争の惨禍を見つめて―』を12月20日に発刊した。120ページ、原価400円。

ニュースのメールによる受信者には発刊と同時に本冊子を郵送。
郵便による受信者には1月20日以降、ニュースとともに本冊子を郵送した。

4)集会の案内

*韓国・朝鮮人元BC級戦犯者 写真パネル展示・講演会
2月11日(火)13:00~17:00
2月12日(水)~16日(日)9:00~17:00
会 場:西東京市芝久保公民館 西東京市芝久保町5-4-48 電話042-461-9825

DVD上映 15日(土)13:00~17:00 16日(日)13:00~14:00

講演会  16日(日)14:00~16:30
講師
桜井 均さん(元NHKプロデューサー。「第18田無住宅の夏」他 制作)
今井嗣夫さん(韓国・朝鮮人元BC級戦犯者の国家補償請求訴訟弁護団長)

連絡先:横井 電話042-467-8322

*砂川事件国家賠償請求訴訟
第3回口頭弁論 http://chikyuza.net/archives/100769
2月12日(水)14:00~
東京地裁第103号法廷(傍聴席100席)
裁判終了後16:30頃から、衆議院第二議員会館第4会議室にて報告会を行ないます。
伊達判決を生かす会 共同代表 土屋源太郎・島田清作 TEL 03-3262-5546

*放射線教育の問題点と対策――「専門家」の言説の解読と解毒の方法試論
2月15日(土)18:30~20:45
報 告:王道貫氏
【主 旨】:現在小中高で行われている放射線教育は、「放射線は怖がらなくていい」という意識を流布させようとしているとしか思えないほど、いい加減なレトリックとトリックに満ちている。他方、放射線とその人体への影響を正確に理解し、更に、虚偽の言説を論破するには、物理学と化学のみならず、医学や分子生物学等の素養まで要する。遺憾ながら、原子力村を批判する側には、これらを体系的にかつわかりやすくまとめた資料に乏しい。本報告はその弱点を克服せんとする試みである。
場 所:東京ボランティア・市民活動センター(TVAC)会議室B(飯田橋・セントラルプラザ10階)
参加費:300円
主催・問い合わせ:平和創造研究会 peacecreationforum@gmail.com

*講演会:植民地支配 徴用工とは? 日韓友好は歴史を学ぶことからはじめよう!
2月23日(日)13:30~16:00  参加費 500円(学生無料・介助付き参加は介助者無料)
・「徴用工問題と日韓の歴史認識」山田 朗先生(明治大学教授)
・「日韓の真の友好をめざして」 宋 世一(ソンセイル)さん(在日韓国民主統一連合副議長)
会場:目黒区民センター 中小企業センター第1・2会議室(目黒駅下車・徒歩10分)
主催:「戦争はごめんだ、いのちを守るオールめぐろの会」(略称:オールめぐろの会)

*東電刑事裁判控訴審の勝利をめざす集会
2月24日(月)13:30~16:00 入場無料
弁護団より 控訴審に向けての話など
会場:文京区民センター 3-A会議室(地下鉄 後楽園駅4a・5番出口 南北線5番出口 徒歩1分)
主催:福島原発刑事訴訟支援団

*『週刊金曜日』東京南部読者会
2月28日(金)18:30~20:30
大田区消費者生活センター会議室(JR蒲田駅東口徒歩5分)

5)当面の日程について

第75回運営委員会 1月29日(水)14:00~ 三田いきいきプラザ
第74回例会・勉強会 2月23日(日)13:30~ 三田いきいきプラザ
第76回運営委員会 2月26日(水)14:00~ 三田いきいきプラザ
第75回例会・勉強会 3月22日(日)13:30~ 三田いきいきプラザ
第77回運営委員会 3月25日(水)14:00~ 三田いきいきプラザ



<別紙2> 緊急警告036号 緊迫する中東への自衛隊派遣は違憲・違法!

1月11日、緊迫する中東海域に向けて、海上自衛隊のP3C哨戒機2機が第1陣(60人)として派遣された。第2陣の護衛艦「たかなみ」(200人)は2月2日に派遣される。

トランプ大統領の命により米軍がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を空爆によって殺害、これに対する報復としてイランがイラクの米軍基地への弾道ミサイル攻撃を行うなど、全面的な戦争に発展しかねない緊迫した情勢下での自衛隊の海外派遣である。

安倍政権の安保法制強行により自衛隊の海外派遣が常態化する危険が危惧されていたとは言え、よりによって遠く7000キロも離れた中東に、それも一触即発の危機をはらむ中東海域への派遣である。まさに危惧が現実化し始めたのである。

一体何を根拠に、何を目的としてこのような暴挙が行なわれ、開始されようとしているのか。安倍政権は昨年12月、防衛省設置法第4条(所掌事務規定)に基づく「調査及び研究」を法的根拠として海上自衛隊中東派遣の閣議決定を行った。

トランプ政権による一方的な「イラン核合意」離脱から始まったイラン敵視政策が今回の危機の原因であるにもかかわらず、この危機を根拠としてイラン包囲網としての「有志連合」を形成し、日本もこれに参加すべしとの圧力をかけてきた。これに応えたのが先の安倍内閣の「閣議決定」である。

石油の大半をイランからの輸入に頼っている日本は、この「有志連合」には参加しないとしつつも、「調査及び研究」を名目として自衛隊を現地に派遣し、かつ、「有志連合」司令部には自衛官を派遣し緊密に連携を取るとしていることからして、これは事実上の「有志連合」への参加と言わなければならない。安倍政権得意の言い換え、二枚舌である。

問題は、事実上の軍隊である自衛隊の、場合によっては戦闘に巻き込まれるかも知れない緊迫した地域への海外派遣を、国権の最高機関である国会の審議にもかけず、一内閣の閣議決定で行っていることである。国民はこれを黙認し放置してはなるまい。

アメリカ軍を中心とする「有志連合」によるイラン包囲網は、明らかな「武力による威嚇」であり、これに事実上の一員として参加する自衛隊中東派遣は、憲法前文の平和主義と「……武力による威嚇又は武力の行使は国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とした憲法9条に明確に違反するものと言わなければならない。

また、今回の自衛隊中東派遣の法的根拠を、防衛省設置法第4条に基づく「調査及び研究」とすることも間違っている。と言うより、意図的な悪用である。
日本弁護士連合会会長声明(「中東海域への自衛隊派遣に反対する会長声明」2019年12月27日)

https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2019/191227.html
が指摘するように、防衛省設置法第5条は、「自衛隊の任務、自衛隊の部隊及び機関の組織及び編成、自衛隊に関する指揮監督、自衛隊の行動及び権限等は、自衛隊法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる」と定めているのであり、その運用は「自衛隊法」に基かなければならない。それを自衛隊法に基づかず、防衛省設置法第4条の「調査及び研究」を根拠に行うのは、明らかな法律違反である。

そしてこの4条の「調査及び研究」が根拠法として適用可能とするならば、「自衛隊の活動に対する歯止めがなくなり、憲法で国家機関を縛るという立憲主義の趣旨に反する危険性がある」(同会長声明)とも指摘している。

イランのイラク米軍基地へのミサイル報復攻撃に対して、トランプ大統領がいったん抑制的な対応をとったことによって、全面戦争への危機が一時的に回避されたとは言え、偶発的な戦闘がいつ起きてもおかしくないのが現地の情勢である。とりわけ、イスラエルがアメリカ軍の背後でどのような動きをするのかが懸念される。そして日本がこの戦闘に巻き込まれるとするならば、「集団的自衛権」の行使という事態(それは安倍政権にとって望むところかも知れないが)にまで発展しかねないのである。

専守防衛に徹し、中東への自衛隊派遣は即時中止すべきである。(2020年1月13日)



<別紙3>政治の現況について

(1)主なニュース一覧(2019/12/21-20/1/20)

①秋元衆院議員 IR巡り収賄容疑で東京地検特捜部が逮捕(2019/12/25)
②海自中東派遣を閣議決定 1年間 調査名目で260人規模(2019/12/27)
③米軍、イラン革命防衛隊司令官を空爆で殺害(2020/1/3)
④イラン、イラクの米軍基地に弾道ミサイル攻撃(2020/1/7)
⑤海自に中東派遣を命令 哨戒機11日出発、護衛艦は2月(2020/1/10)
⑥日米安保条約改定60年両政府が同盟強化を目指す共同声明(2020/1/17)
⑦広島高裁、伊方原発3号機運転差し止め仮処分決定(2020/1/17)
⑧第201通常国会開会、安倍首相施政方針演説(2020/1/20)

(2)新聞社説、ニュース記事(議論の活発化のため、あえて意見の異なる主張も掲載)

①東京新聞 TOKYO Web (2020年1月19日)
【社説】日米安保改定60年 「盾と矛」関係の変質

現行の日米安全保障条約の署名からきょう十九日で六十年。自衛隊は専守防衛に徹し、打撃力を米軍に委ねてきた「盾と矛」の関係は、冷戦終結後、自衛隊の役割拡大に伴って変質しつつある。

「日米同盟は、日米両国の平和と安全を確保するに際して不可欠な役割を果たしてきており、今後もその役割を果たし続ける」

日米両国の外務防衛担当閣僚は条約署名六十年に当たって発表した共同声明で、日米安保体制が果たしてきた役割を強調した。

◆旧条約で米軍駐留継続

現行安保条約は一九六〇年、旧安保条約を改定したものだ。

五一年、サンフランシスコ対日講和条約と同時に締結された旧条約は日本の独立回復後も米軍の駐留を認めることが主眼だった。

占領軍さながらに日本国内の内乱に米軍が対応する記述がある一方、米軍の日本防衛義務は明記されておらず、独立国としてふさわしくない条約と見られていた。

旧条約を結んだ吉田茂首相の退陣後、五四年に発足した鳩山一郎内閣から条約改定に向けた動きが始まる。その狙いは米軍撤退に備えて日本の自衛力を増強し、相互防衛的な条約にすることだった。

しかし、基地使用の制限を恐れた米国側は、日本の自衛力不足を理由に否定的だった。

再び条約改定に臨んだのが安倍晋三首相の祖父、岸信介首相だ。五七年、就任四カ月後に訪米し、アイゼンハワー大統領との間で旧条約が「暫定的なものである」ことを確認し、翌五八年から安保改定交渉が始まった。

そして六〇年一月十九日、日米両政府は現行の安保条約に署名。条約案は五月二十日、混乱の中、衆院を通過、三十日後の六月十九日に自動承認され、岸首相は条約発効を見届けて退陣を表明する。

◆基地提供の義務は重く

現行の安保条約は戦争放棄と戦力不保持の憲法九条の制約が前提だ。自衛隊は「盾」として専守防衛に徹し、「矛」としての米軍が打撃力を受け持つ関係である。

日本は米軍への施設提供義務、米国は日本防衛義務をそれぞれ負う。非対称ではあるが、ともに義務を負う「双務条約」である。

しかし、米国だけが軍事的負担を強いられ、日本はただ乗りしているという「安保ただ乗り論」が米国内では時折、頭をもたげる。

米軍への施設提供は日本にとって重い負担であり、ただ乗り論は妥当性を欠くが、米政権は自国の経済財政状況が厳しくなるたびに一層の負担や役割の拡大を求め、日本側が応じてきたのが現実だ。

日本は条約上の義務のない人件費や光熱水費などを「思いやり予算」として負担し続け、自衛隊は装備を増強し、海外派遣も常態化した。極め付きは歴代内閣が憲法上許されないとしてきた「集団的自衛権の行使」を、安倍内閣の判断で容認したことだろう。

自衛隊は長距離巡航ミサイル導入や事実上の空母保有など、憲法上許される「必要最小限度」を超えかねない装備を持ち、憲法解釈の変更で限定的ながら海外で米国とともに戦えるようになった。

長く「盾」だった自衛隊は条約改定から六十年を経て、米英同盟のようにともに戦う「軍隊」へと変質し、米国の紛争に巻き込まれる危険性は確実に高まっている。

日米安保は戦後日本の平和と繁栄の基礎となり、ソ連を仮想敵とした冷戦終結後も、アジア太平洋の安全保障という新たな役割を与えられ、続いてきた。
ただ、安保条約は日米だけでなく日本と近隣諸国との関係、日本の政治や防衛政策、さらには憲法の在り方にも影響を与えてきた。無批判に継続するのではなく、常に検証する必要があるだろう。

在日米軍は適正規模なのか、一地域に過重な負担を押しつけていないか。在日米軍専用施設の70%が集中する沖縄の現状を放置して日米安保の円滑な運用は難しい。

思いやり予算は、五年ごとの改定が二〇二〇年度に行われるが、米側は四倍増を求めているとされる。米軍駐留に伴う日本側の総経費は年間八千億円近くに上り、これ以上の負担増は妥当なのか。安倍内閣が高額な米国製武器の購入を増やしていることも問題だ。

◆たゆまぬ見直しが必要

東アジアの安全保障環境は、中国の軍事力増強や北朝鮮による核・ミサイル開発など依然厳しい。日米安保体制が、警察力としての米軍の存在を支え、地域の安定に一定の役割を果たしてきた。

かと言って、日米安保が軍拡競争の誘因となり「安全保障のジレンマ」に陥っては本末転倒だ。

「同盟」関係はよくガーデニング(庭造り)に例えられる。手入れを怠れば荒れるという意味だ。日米安保体制は今のままでいいのか、新しい時代に対応し、平和憲法の理念を実現するためにも、たゆまぬ見直しが必要である。

②産経新聞 (2020.1.19)

※以下の【主張】文中、注目すべき点に下線を施しました。この主張をどのように考えるか、どのように説得力ある反論ができるか、考えたいと思います。(当会引用者より)

【主張】日米安保改定60年 同盟発展が平和もたらす

■再改定と防衛力の強化を図れ

日米両政府が、旧日米安全保障条約に代わる現行の安保条約への改定に署名してから、19日で60年を迎えた。

昭和26年に結んだ旧条約と合わせ、新旧の安保条約は日米同盟体制の基盤となり、日本の独立と平和、そして自由を守ってきた。

日米同盟は世界の歴史の中でも極めて成功した部類に入る。それは日本の防衛を実現したことにとどまらない。当初は極東の、そして今はインド太平洋地域ひいては世界の平和と安定の礎としての役割を果たしているからである。

日米安保の国際公共財としての意義も銘記しつつ、新たな時代へ向けて強固な同盟の維持、発展を目指したい。

≪世界安定の「公共財」だ≫

日米の外務・防衛担当の4閣僚は17日、共同発表で改定60年を祝い、「両国が共有する価値及び利益を守るため、献身的に奉仕する自衛隊及び米軍に感謝の意を表する」と強調した。

戦後日本の平和は憲法9条のおかげではない。外交努力に加え、自衛隊と、日米安保に基づく駐留米軍が抑止力として機能してきたから平和が保たれてきた。 (下線は引用者・完全護憲の会)

60年の間、同じ安保条約の下で世界の情勢はさまざまに変化した。はじめの約30年間はソ連の脅威への対処に追われた。ソ連崩壊後は同盟の危機が叫ばれ、日米は平成8年の安保共同宣言で、日米安保をアジア太平洋地域の安定の基礎と再定義した。

その後、中国の急速な軍事的、経済的台頭と北朝鮮の核・ミサイル開発の進展で日米安保が備えるべき新たな対象が明確になった。尖閣諸島など南西諸島防衛の重要性が増し、朝鮮半島有事と台湾海峡危機、南シナ海情勢への対応も真剣に考えなければならなくなっている。

安倍晋三首相は平成27年、集団的自衛権の限定行使を容認する安保関連法制定を実現した。これにより、北朝鮮問題対処などに日米が協力して当たっている。

旧安保条約は占領終結後も米軍が日本に駐留すると定めつつ、米国の対日防衛の義務を明記しなかった。駐留米軍を日本の内乱鎮定に使用できる条文もあった。これらは独立国にふさわしくないと当時の岸信介首相は考え、左派勢力の猛烈な反対をよそに現行条約を結んだ。内乱条項は削除され、米国の日本防衛義務(5条)と日本による駐留米軍への施設・区域(基地)の提供(6条)が定められた。日本は米国を防衛する義務を負わないため、全体としてバランスを取る「非対称の双務性」と説明されている。

在日米軍基地のおかげで、米軍は西太平洋から中東まで展開できる。日米安保は米国の世界戦略に不可欠の存在となっている。

≪自ら守る気概取り戻せ≫

そうであっても、日米安保には不安定な点もあり、空洞化や破綻を招かぬよう努力が必要だ。

日本の集団的自衛権の行使には過度な制限がある。安全保障にうとい首相が登場すれば、有事に日米が守り合う関係になれず、同盟が危機に陥りかねない構造的な不安定性が残っている。多くの野党が集団的自衛権の行使容認は違憲だと叫んでもいる。

日米安保への「片務的」という批判をトランプ米大統領も口にした。米政府から駐留米軍経費の増額圧力が高まっている。日本政府は安保条約の意義を繰り返し説くべきだが、不安定性の問題を放置しては危うい。

日米安保には副作用もあった。戦後日本人は米国への依存心を強め、自国や世界の平和を守る自立心と気概を失った。だが、それでは済まされない時代になった。

米国の世界における相対的国力は低下しつつある。トランプ氏やオバマ前大統領が「米国は世界の警察官ではない」と語るなど米国には内向き志向が現れている。宇宙やサイバーなど新たな領域への取り組みも重要だ。中国の軍拡はなお急ピッチだ。

成功した安保条約だが、そろそろ再改定が必要ではないか。産経新聞は平成23年、再改定案を提言した。「片務性」批判という条約上の不安定性を除くため、再改定で日米が真に守り合う関係を整えたい。日本自身が一層、防衛力強化に努めるべきはいうまでもない。その際、敵基地攻撃能力の保有を含め「専守防衛」から「積極防衛」へ転換し、日本の役割を増すことが必要である。

③東京新聞 TOKYO Web  ※ニュース記事  (別紙・当日配布)
海自中東派遣を閣議決定 1年間 調査名目で260人規模 (2019年12月27日 夕刊)

④東京新聞 TOKYO Web  ※ニュース記事  (別紙・当日配布)
海自第1陣 中東へ出発 (2020年1月11日 夕刊)



第73回 運営・編集委員会の報告

1月15日(水) 新橋・ばるーん
出席: 大西、鹿島、川本、草野、福田

第73回運営・編集委員会は、1月26日開催予定の第6回総会に提案する議案に絞って検討した。

1号議案(2019年度活動経過報告)、2号議案(2019年度決算報告及び会計監査報告)を福田代表兼事務局が提案。3号議案(2020年度活動計画)、4号議案(新役員選出)を草野委員が提案した。

1. 1号議案の活動経過報告については異論なく、原案通りの提案を了承。ただし、例会・勉強会で上映された映画『侵略』シリーズの番号に違いがあるのではないかとの指摘があり、この部分についてのみ調査し、違いがあれば修正することとした。

2.2号議案の決算報告に関しては、原案の収入・支出項目に不適切な表記と誤った金額表記があるとの指摘が出され、これについて修正し提案することとなった。なお、会計監査については修正後に監査を受けることとした。

3.3号議案の活動計画については、

① 現在の運営・編集委員会について、「運営全般に責任を持つ」など、わかりづらい表現もあることから、名称を「運営委員会」に改称することとした。また、パンフレット発行などにかかわる作業は、運営委員会のもとに「編集会議」として運営委員以外の外部関係者も含めて開催できるようにすることとした。

② インターネット上での発信について、当会HPに反戦川柳歌人・鶴彬(つるあきら)にならって投稿サイトを設けるとの提案に対して、HP担当の川本委員より技術的な問題点や検討しなければならない点などの説明をうけた。さらに原案が「反戦・政治批判川柳」サイトとしている点につき、「反戦・平和川柳」とすることとなった。

③ 会の刊行物について、原案は年1回の発行をめざすとしたが、2回の発行を維持・継続をめざすべきとの強い意見が出され、2回に修正して提案することとなった。ただし、発行が自己目的化して会員・読者の期待に反しないような企画と編集に努めようとの結論になった。

④ 共同代表の補充については、原案が、「当面、無理に補充しようとせず、福田代表1人体制でいくこととする。ただし、適任者で引き受けていただける人が出てきた場合には、補充する」としていたが、「当初3人いた共同代表が現在福田代表一人になっているので、この間、補充をめざす方針のもと働きかけてきたが、引き受けていただけなかったり、会員の意見が一致しなかったりして実現に至らなかった。今後も引き続き補充をめざす」と修正し総会に提案することとなった。

4.第4号議案の役員の選出については、3号議案との関係で、原案が「運営・編集委員」となっているのを「運営委員」として提案することとなった。なお、運営委員については、年度途中から暫定的に委員に加わっていただいている鹿島委員を新しく加えて提案する。

また、事務局の仕事も兼務する福田共同代表が、過重負担になっていることから、とりわけ会計処理を支援する事務局担当者を選任できないか検討したが、結論が出せなかった。



第74回 運営委員会の報告

1月29日(水)三田・いきいきプラザ
出席:大西、草野、福田

1.第6回総会開催結果を受けて検討すべき事項

(1)冊子への著者名表記のあり方について
総会では冊子の表紙や本扉にも表示すべきとの意見が出された。これについては、著者名のとき、表記することとした。併せて、奥付などへの著者プロフィール掲載も行う。(シリーズ9号の場合は編集作業に追われ、不注意で欠落させた。)

(2)前項に関連して、著者名とするか、起草者名とするかの議論もなされた。これについては、今後も冊子の内容次第で両者を使い分けることとした。ただし、「完全護憲の会」として発行する冊子は、会としての共同作業によって刊行されるものなので、一般の出版会社が発行する書籍類と同一視するのはよくない、との意見が草野委員からなされた。

(3)前二項と関連して、総会では著作権の問題も出された。総会ではなんとなく著作権は「完全護憲の会」にあるかのような感じで終了したが、この問題は重要なので、以下のように整理した。
① 著作権は著者名の場合も起草者名の場合も、それぞれ著者、起草者に帰属する。
② 冊子の版権は「完全護憲の会」にある。

(4)収支決算作業が総会直前まで定まらず混乱した。原因は多忙かつ入院手術までした福田代表に任せきりになっていたことによる。改善策として会計の補助者を選任すべきなのだが、適任者を決めきれなかった。次善の策として、今後は四半期ごとに決算作業を行い、運営委員会に報告して確認することとした。

(5)運営委員長の互選について
例年、総会後の運営員会において運営委員長を互選し決定してきた。今年度はこれまで運営委員長を務めてきた草野委員が自身の健康上の問題もあって、年齢の若い鹿島委員を推薦したが、当日、鹿島委員、大野委員の二人が欠席で、結論出せず。次回、二人の意見も入れて決定することとした。

2.共同代表の補充

福田共同代表から、元朝日新聞編集委員で定年退職されたA氏に協力をお願いしてみたいとの提起があり、これを了承した。(担当:福田)

3.今後の緊急警告発信について

今年中に総選挙が実施される見通しだが、いつものように内閣の7条解散によって実施されるので、その都度、違憲との警告を準備する必要があることを確認。

また、マイナンバーカード違憲訴訟、安保法制違憲訴訟、水道民営化問題や種子法改悪、原発再稼働問題なども重要テーマなので取り上げたいが、それぞれ専門分野に関することなので運営委員会内部だけでは力量不足。会員や外部関係者への依頼も考えることとした。

4.次号以降の冊子のテーマについて

① 旧国鉄三鷹事件を中心とした「国鉄3大事件」。(運営委員会内部に異論もあるが、福田共同代表がかかわっている事件でもあり、冤罪事件でもあることから、草稿の完成を待って判断する。)

② 大野運営委員に様々なテーマを含め依頼する。(担当:福田)

③ 鹿島委員が労働組合運動をテーマに依頼する人を選任し依頼する。(担当:鹿島)

5.新刊書『自衛隊も米軍も、日本にはいらない!――「災害救助即応隊」構想で日本を真の平和国家に』(花伝社 1月27日刊)を、著者の花岡しげる氏から当会にいただいた。その紹介文をニュースに掲載する。(担当:福田) ⇒「新刊紹介」

6.次回以降の勉強会テーマについて

① 会員の後藤弁護士に相談してみる。(担当:草野)
後藤弁護士が取り上げたいテーマ、提起したいテーマがあれば、単発でも連続講座形式でもよいこととする。

② 次回2月23日(日)の第74回例会の勉強会は、テーマが決められないので総会決定に基づいて、「政治の現況について」を勉強会のテーマとする。



新刊紹介  『自衛隊も米軍も、日本にはいらない!
「災害救助即応隊」構想で 日本を真の平和国家に』(花岡しげる著)

平和を愛し、戦争を憎む国民にとって待望の本が現れた。
『自衛隊も米軍も、日本にはいらない!――「災害救助即応隊」構想で日本を真の平和国家に』(花岡しげる著 花伝社 1月27日刊)だ。第1章の冒頭にはこう書かれている。

「自民党や9条改憲を支持する人たちは、二言目には『野党は改憲反対と言うばかりだ。もし改憲に反対ならばきちんとした対案を出すべきである』と言います。……
そこで本書では、第9条の自民党改憲案への対案として、現行憲法と全く矛盾しない安全保障政策を提案します。」と。

そして「第5章 外国から攻められたらどうする? の心配は無用」では、その(1)「日本は国境を天然の要塞でまもられている」とあり、四方を海に囲まれている利点を挙げ、しかし空襲や宇宙からの不意の攻撃は防ぎようがなく、つまるところ、友好的な話し合いしかないことを示している。「話し合いで解決しないから戦争が起きる」と反論する人には、「話し合いで解決しない問題が、武力で解決できるのか」と再反論。そして、「時間をかけて最後まで話し合いで……折り合うしかないのです。」ときっぱり断言する。

本書の最大の特色は「第7章 防災平和省と『災害救助即応隊(ジャイロ)』実現のロードマップ」である。その(1)「国会で実現させるためには」では、「①新党の立ち上げ」と「②『護憲連合会派』の結成」を挙げ、政策実現の具体的な段取りを示しているところが注目される。

非常に説得力のある、読みやすい本だ。
表紙の帯には、東京新聞の望月衣塑子記者が推薦文をこう書いている。
「9条の理念をいかに守り、体現していけるのか、本書にはそのエッセンスが詰まっている。」

著者の花岡さんには「平和創造研究会」(宇井さん主催)でお目にかかったことがあり、その容姿から音楽関係の方と思っていたが、実は東大法学部卒、カリフォルニア大学バークレー校経営学修士で、国内外で働いた実務家であることを初めて知った。

花岡さんのこの貴重な構想を、みんなで話し合い、肉付けし、伝え、そして広げていこうではありませんか。まずは図書館にリクエストなどして、読んでいただければ幸いです。

福田玲三

2020年2月9日

完全護憲の会ニュース No.73号……..2020年01月10日 

発行:完全護憲の会
〒140-0015 東京都品川区西大井4-21-10-312
電話・FAX :03-3772-5095
Eメール:kanzengoken@gmail.com
ホームページ:https://kanzengoken.com/

目 次

第72回例会・勉強会の報告

別紙1 政治の現況について
別紙2 事務局報告
別紙3 緊急警告案「安倍首相の憲法私物化を弾劾する」
別紙4 「労働組合の社会的役割と課題」

第72回運営・編集委員会の報告

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第72回 例会・勉強会の報告

12月22 日、港区三田いきいきプラザにて例会を開催した(参加者9名:会員75名)。

例会では鹿島委員が座長を務め、政治の現況(別紙1)を草野委員長が報告、つづいて事務局報告(別紙2)及び「緊急警告」案(別紙3)を福田共同代表が説明し、一括して討議した。

政治の現況報告については、「そもそも原発はCO2を大量発生させる産業だ。低炭素社会に貢献できない」「独は廃炉を進め、米の新規原発計画は頓挫。日本は相変わらず新規原発を狙っている」など、地球温暖化防止に対する日本政府の姿勢が批判された。温暖化の原因は本当に人間社会が生み出すCO2なのか、と懐疑論も提起された。また、内閣支持率逆転の中で「安倍一強がなぜ続くのか」について意見を交換。立憲民主党の政党合流の動きについて「結党時の経緯が無視され、党内議論がない」「山本太郎率いる『れいわ』に対し立憲民主党から批判が出されている」など、最近の立憲民主党を疑問視する意見も出された。「緊急警告」案には異論が出ず、初参加者の紹介と暫時休憩の後、勉強会に移った。

今回は初めて労働組合運動をテーマにした勉強会が開催された(別紙4)。既存の正社員組合や大企業労組が闘う姿勢をなくし、資本・経営側の労働政策が一方的にまかり通る中で、労働基準法違反の劣悪な条件下で働く非正規の労働者たちが大量に生み出されている。深刻な生活の危機に直面するこれら非正規労働者の駆け込み寺として、彼らが個人で加盟できる労働組合(コミュニティユニオン)が増えてきている。その現場で活動中の石田嘉幸氏(ビルメンテナンスユニオン運営委員長)に講演をお願いした。

講演は多岐にわたって約1時間。「サービス従業員国際労働組合(SEIU)と日本の非正規労働組合との違い」「日本の『企業内労働組合』の特性」「日本の『労働者』の自己規定の『思想内容』が核心(労働者自身の生き方、考え方が鍵)」「自己責任論を疑う」「賽(さい)の河原という感覚から、全力を出す力動感へ」など、石田氏が長年蓄積してきた労働組合活動の経験と分析を聞き、現状の理解を深めることができた。

質疑、意見交換では、「派遣切りに対し労働組合は何もしなかった」「労働組合の形態や活動は具体的な状況に対応して考えるべきではないか」「コミュニティユニオンは駆け込み寺であり、組合員が定着しない。これをどう乗り越えていくか。後継者、財政など課題が山積している」「資本主義の桎梏(しっこく)は限界にきている。革命が近いとの論もある」「現実がひどすぎるから各地にコミュニティユニオンができている。賃金に加え、憲法で保障された人権も一体化して活動すべきではないか」「副業を認める会社も出てきている。組合が全く機能していない。低賃金、長時間労働からどう脱却できるのか」「当面、政府の補助で最低賃金1500円を求める取り組みが重要な闘いの柱となる。労働組合も具体的な提案をして、政府に強く働きかけるべきだ」「人権問題も含めて、政治を動かせる具体的な行動・戦術が労働組合に求められている」など有意義な議論が続き、時間切れとなった。

孤立しがちな非正規労働者を組織的に支援することの重要性、しかし支える側のコミュニティユニオン自体も財政難で、継続的な支援が維持できるかどうか、組合員が不安定な立場なので組合に定着しない、後継者不足、等々の課題を抱える。各人自らの生き方、考え方、闘い方を見直すという論も示唆的だった。

なお、1月の勉強会は、総会開催のため休会とする。

<別紙1>  政治の現況について

(1)主なニュース一覧 (2019/11/21―12/20)

*ジーソミア(GSOMIA日韓軍事情報包括保護協定)韓国、破棄通告を停止(2019.11.23)
*ローマ教皇、長崎、広島で核なき世界訴え(2019/11/24)
*政府、75歳以上の医療費2割負担へ検討開始(2019/11/27)
*立憲民主党枝野代表、国民民主、社民に政党合流要請(2019/12/2)
*中村哲医師、アフガン東部で銃撃され死亡(2019/12/04)
*臨時国会閉会記者会見、安倍首相「改憲、必ず私の手で」(2019/12/9)
*反社会勢力の定義は「困難」、閣議決定(2019/12/10)
*川崎市で刑事罰を盛り込んだヘイト禁止条例が成立(2019/12/12)

(2)新聞社説、ニュース記事
(議論の活発化のため、あえて意見の異なる主張も掲載)

①東京新聞 TOKYO Web (2019.11.25)

【ニュース】ローマ教皇 長崎・広島で訴え 核なき世界の実現 可能であり不可欠
ローマカトリック教会の頂点に立つ教皇(法王)フランシスコ(82)は24日、被爆地の長崎と広島を相次いで訪問し演説、核廃絶を訴えた。長崎では「核兵器のない世界を実現することは可能であり必要不可欠だと確信している」と強調。広島では「真の平和は非武装の平和以外にあり得ない」として、核兵器を含む大量破壊兵器の保有や核抑止も否定、被爆地訪問は自らの義務だと感じていたと述べた。
教皇として故ヨハネ・パウロ二世以来、38年ぶり史上2度目の被爆地訪問となった。

24日午前、原爆落下中心地碑がある長崎の爆心地公園に到着した教皇は、長崎について「ここは核攻撃が人道上も環境上も破滅的な結末をもたらすことの証人である町だ」と指摘した。平和実現のため「核兵器禁止条約を含む国際法の原則にのっとり飽くことなく敏速に行動していく」と強調。米国の「核の傘」に依存し、同条約に参加していない日本に対応を促す発言とみられる。

軍拡競争は無駄遣いとして、武器の製造や維持、改良は「とてつもないテロ行為だ」と批判。来春の核拡散防止条約(NPT)再検討会議を前に核保有国と非核保有国側との間にある溝が浮き彫りになっている現状を念頭に「相互不信によって兵器使用を制限する国際的な枠組みが崩壊する危険がある」と警鐘を鳴らした。

午後には広島に移動。平和記念公園での集いでは、戦争のための原子力利用は「犯罪以外の何ものでもなく倫理に反する」と強調。最新鋭の兵器を製造したり、核の脅威を使って他国を威嚇したりしながら「どうして平和について話すことができるのか」と述べ、世界各国の指導者に核廃絶に向けた具体的な行動を迫った。
さらに、原爆と核実験、あらゆる紛争の犠牲者の名により「戦争はもういらない」と叫ぶよう呼び掛けた。

教皇は23日に来日。26日までの滞在中、東京都内で東日本大震災被災者との交流を行い、天皇陛下との会見や安倍首相との会談も予定されている。

②朝日新聞DIGTAL (2019.12.7)

【ニュース】辞任・試験中止・桜は「共同成果」 合流要請の枝野氏
立憲民主党の枝野幸男代表は6日、国会で統一会派を組む国民民主党の玉木雄一郎代表や社民党の又市征治党首、無所属の野田佳彦前首相らと国会内で会談し、事実上の政党合流を要請した。次期衆院選に向け、野党勢力の結集を進めて与党に対抗する必要があると判断した。
枝野氏は会談で「2閣僚を事実上の引責辞任に追い込み、英語民間試験を中止させ、『桜を見る会』の様々な疑惑を浮き彫りにできたのは共同会派の成果だ」と、臨時国会前に結成した統一会派の成果を強調した。そのうえで、「より強力に安倍政権と対峙(たいじ)し、次の総選挙で政権を奪取してまっとうな政治を取り戻す。立憲民主党とともに戦っていただきたい」と求めた。

これに対し、玉木氏は「こちらも連携強化を呼びかけてきた。大きな方向性は一致している」と返答。党名、政策のあり方などを念頭に、対等な立場での交渉が必要との認識を示した。「参院は衆院ほど信頼の醸成が行われていない。円滑に運ぶような対応を求めたい」とも述べた。

又市氏は「提案は重く受け止め党内で議論する」と応じた。野田氏は「大きな提案をいただいたことは基本的に歓迎したい」と語った。

③朝日新聞DIGTAL (2019.12.9)

【ニュース】首相「改憲、必ず私の手で」 名簿は「適正に廃棄」強調
臨時国会が9日、閉会した。安倍晋三首相は首相官邸で記者会見し、国の税金を使って首相が主催する「桜を見る会」について、「様々な批判があることは十分に承知している」と述べた。しかし、招待者名簿については「適正に廃棄をしている」と語るなど従来通りの説明を繰り返した。

記者会見は約33分間行われた。首相は約13分間の冒頭発言で、今国会で承認された日米貿易協定などの成果を誇ったが、桜を見る会に自ら触れることはなかった。

質疑で記者から桜を見る会について問われた首相は、「公費を使う以上、これまでの運用を大いに反省し、今後、私自身の責任において全般的な見直しを行っていく」と語った。ただ、名簿データの復元は「不可能」との認識を示した。

また、オーナー商法で消費者庁から行政指導を受けたジャパンライフ元会長を招待していたとされる問題についても質問されたが、首相は元会長とは「個人的な関係は一切ない」とした。

一方、憲法改正については改めて意欲を示した。今年7月の参院選で憲法改正の議論を行うかどうかを問うたと強調。今国会では衆院憲法審査会で2年ぶりに自由討議が行われたことに触れ、「まさに選挙による国民の声を受けたものだ」と評価した。その上で「来たる通常国会の憲法審査会で、与野党の枠を超えた活発な議論を通じて、令和の時代にふさわしい憲法改正原案の策定を加速させてまいりたい」と発言。さらに「憲法改正は、必ずや私の手で成し遂げていきたい」とも語った。

④産経新聞 THE SANNKEI NEWS(2019.12.2)

【主張】COP25開幕 日本の低炭素化は原発で
スペインの首都マドリードで、国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が2日から13日までの日程で開かれる。

地球温暖化防止の新たな国際的取り組みである「パリ協定」の運用開始が年明けに迫る中、実施ルールの細目の仕上げが主要な課題だ。
先進国だけが二酸化炭素CO2に代表される温室効果ガスの排出削減義務を負った「京都議定書」とは異なり、先進国と途上国が共通ルールの下で排出削減に取り組む。これがパリ協定の最大の特徴である。

各国のCO2排出削減についての情報公開をはじめとする重要なルールの大部分は、昨年のCOP24で採択を終えている。

しかし、今回のCOPは、チリでの開催が決まっていたにもかかわらず、同国の反政府デモや暴動で不可能になり、11月にスペインに変更されたという事情がある。短期間で大規模な国際会議の開催を実現したスペイン政府の努力に感謝したい。

この尽力とほぼ同時期に行われた米国のパリ協定離脱通告は、極めて残念だ。世界全体のエネルギー起源CO2排出の15%を占める米国は、中国(28%)に次いで第2の当事者国である。

また、中国がパリ協定で示している「削減目標」では、2030年まで排出増大が続く仕組みだ。米中に対しては、2大排出国としての真摯(しんし)な自覚を求めたい。

パリ協定では、産業革命前から今世紀末までの気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑えることを目指している。

日本は「30年度に13年度比マイナス26%」というCO2の排出削減目標を表明しているが、原発の再稼働が遅々として進まず、火力発電で穴埋めをしている現状のままでは達成不可能だ。

気候変動の激化に世界の国々が切迫感を抱くCOP25では、日本に対して削減のさらなる上積みが求められよう。

世界の要請に応え、先進国の一員としての責任を果たすには原発再稼働の円滑化が不可避である。安倍晋三政権の急務は、再稼働の遅れの原因の洗い出しだ。それなしには、26%削減さえ難しい。

小泉進次郎環境相には、マドリードの国際舞台で低炭素社会の実現に果たす原発のプラス面について正面から論じてもらいたい。

⑤東京新聞TOKYO Web (2019.12.13)

【社説】へイト禁止条例 共生の土台を築くには
公共の場所でのヘイトスピーチ(憎悪表現)を罰則付きで禁止する全国初の条例が川崎市議会で成立した。人の尊厳を守る実効性とともに、運用には過度な制約とならぬ歯止めも必要だ。

川崎市では、激しいヘイトスピーチやデモが繰り返され、2016年に国のヘイトスピーチ対策法が成立する契機となった。

条例では、市内の道路や公園などの公共の場所で、特定の国や地域の出身であることを理由としての、不当な差別的な言動を禁じている。具体的には住んでいる場所から出ていくことや、生命などに危害を加えることをあおったり、人以外のものに例えるなどして著しく侮辱したりすることを指す。

市は違反者に勧告や命令を行い、命令から6カ月以内に3回目の違反をした場合は学識者で構成する審査会に意見を聞いた上で氏名を公表、捜査機関に告発する。裁判で有罪が確定すれば50万円以下の罰金が科される。

インターネット上での書き込みは刑事罰の対象外だが、拡散防止に必要な措置を講ずることを市に求めている。
今も続く差別的な街頭宣伝に恐怖や苦痛を感じている住民がいる。ネット上でのヘイト被害も深刻となっている。その現実のもとに今回の条例は成立に至った。一方で、憲法の表現の自由との兼ね合いで、懸念の声もある。

権力による言論や表現の規制は容易に拡大しかねず、戦前は権力者側の弾圧の道具として使われたという歴史がある。ヘイトスピーチ対策法が、罰則を設けない理念法となっているのも、その反省を踏まえてのものだ。

昨年、新宿区がヘイト対策を理由にデモで使える公園を四カ所から一カ所に減らし、表現の自由を侵害するとして議論も起きた。

川崎市は審査会の人選や、審査基準を明確化するためのガイドラインの作成など、来年の施行に向けて、丁寧で開かれた議論を続けてほしい。施行後は、刑事罰が被害救済につながっているのかの検証も必要だろう。

本来は差別の意識そのものをなくしていくことが一番の対策だ。外国人労働者の受け入れ拡大も始まっている。差別の扇動が横行すれば、共生社会の土台は築けない。教育など根元の部分に加えて、違いを認め合うことのできる社会の実現に向けた努力を粘り強く続けることが、私たち一人一人に求められている。

<別紙2>   事務局報告
福田玲三(事務局)

(1)当会支援者・故吉田英夫氏の『かまきり通信』受贈
当会発足時からの支援者・吉田英夫氏が昨2018年12月10日に他界されてから満1年になる。吉田氏は「ぴぃすうぉーく松江」の事務局長を担当するかたわら、月2回刊の『かまきり通信』を、小泉政権時代の2005年8月から10年間発行した。タイトルの「かまきり」は、力のないものが強者に立ち向かう「蟷螂(とうろう)の斧(おの)」から取ったもので、この名前の付け方からも吉田さんの謙虚で不屈な人柄が偲ばれる。

闘病を余儀なくされて最後となった同『通信』第237号(2015年6月)は「何が起こっても不思議ではない内外情勢、安倍首相は何処へ行く?」と題して「傭われ人は、とかくご主人の顔色を窺いがちだ。安倍首相も超大国の勢いにかげりが生じ、以前と比べるとずいぶん羽振りが悪くなったなア、ということを敏感に察知しているからだろう。/そんな雇い主のプライドを刺激するような不用意な発言は、勤めて避けるように気を遣っている。だからわが衆参両院で、野党に新安保法制の説明をする際にも、およそ分かりにくいことこの上なしといった、言い訳めいた言葉しか出てこないのだ。……」で始まっている。吉田氏の視野は一地方都市の松江から世界に広がっていた。

「ぴぃすうぉーく松江」の仲間たちの協力によって、その『通信』第1~237号のすべてをまとめた冊子が、故人の1周期を前にこのほど発刊され、当会に寄贈された。貴重な「時代の証言」だ。

(2)憲法改正に反対54%、内閣支持率逆転
共同通信社が12月14、15日に実施した全国世論調査で、安倍首相の下での改憲に反対は54.4%で、前月比5.2ポイント増、賛成は31.7%だった。安倍内閣の支持率は続落して42.7%、不支持率は続増して43.0%となり、支持と不支持の率が逆転した。(『東京新聞』12月16日朝刊)
ところで、「菅義偉官房長官は12日の記者会見で、今年の漢字に関連し『桜』をどう思うかを問われ『見たくも聞きたくもない』と苦笑して答えた。……思わず本音をこぼした格好だ。」(『東京新聞12月13日』)本当にそうか、本音をこぼすほどの余裕を菅官房長官は持てたのか?事実は別のところにあるようだ。

「『安倍離れ』が始まった。その一番手が菅義偉官房長官ではないか。……準備万端であるはずの定例記者会見において、名簿データーのバックアップに関わる質問で5回も中断し、秘書官から11回もメモを差入れさせる。要は本気で安倍政権を守る気迫が皆無だということだ。のらりくらりかわしているのではなく、もはや菅氏にとって『他人ごと』なのではないか。」(佐藤甲一の政治時評『週刊金曜日』12月13日号)

この時評から解けば、「見たくもない聞きたくもない」の本音は、実は露骨な安倍首相への嫌味だったのではないか。この解釈の方が真実らしく思われる。

(3)当会シリーズ9号『未来への小さな礎 ―戦争の惨禍を見つめて―』発刊へ

当会の勉強会で6回にわたる映画『語られなかった戦争・侵略』シリーズを上映した際に、山岡聴子氏に解説をお願いしたが、それをまとめる編集会議が12月16日に港区勤労福祉会館会議室で行われた。
当日、5時間にわたる校正作業で成文を作製した後に下版し、年内発行に間に合わせた。予価400円。

(4)集会の案内

*満州報国農場とは何だったのか――朝鮮大旱魃と食糧戰爭
講師:小塩海平氏(東京農業大学教授)
2020年1月10日(金)14:00~16:00  会場:日仏会館507号室(渋谷区恵比寿)
会場の都合上、参加希望者は早めに次へ連絡ください。utsumi@jca.apc.org(内海)

*学習会:「核ミサイル防衛」の復活と日本の進路――「世界週末時計2分前」のリアル
講師:藤岡惇さん(立命館大学名誉教授)
日時:2020年1月25日(土)13:00開場 13:30開会
資料代:800円
場所:キリスト友会東京月会(都内港区三田4-8-19)
主催:米国の原爆投下の責任を問う会
連絡先:090-1769-6565 水澤寿郎

*韓国・朝鮮人元BC級戦犯者問題写真パネル展
日時:2020年2月11日(火)~16日(日) 16日午後に講演会を予定
場所:西東京市 芝久保公民館(電話042-461-9825)

*放射線教育の問題点と対策――「専門家」の言説の解読と解毒の方法試論
報告:王道貫氏 (現在小中高で行われている放射線教育に見るレトリックとトリック)
日時:2020年2月15日(土)18:30~20:45
主催:平和創造研究会(peacecreationforum@gmail.com)
場所:東京ボランティア・市民活動センター会議室B(飯田橋・セントラルプラザ10階)
参加費 :300円

*講演会:植民地支配 徴用工とは? 日韓友好は歴史を学ぶことからはじめよう!
・「徴用工問題と日韓の歴史認識」山田 朗さん(明治大学教授)
・「日韓の真の友好をめざして」 宋 世一さん(在日韓国民主統一連合副議長)
日時:2020年2月23日(日)13:30~16:00
参加費 *:500円(学生無料・介助付き参加は介助者無料)
場所:目黒区民センター 中小企業センター第1・2会議室(目黒駅下車・徒歩10分)
主催:戦争はごめんだ、いのちを守るオールめぐろの会

<別紙3>  緊急警告案 第035号「安倍首相の憲法私物化を弾劾する」
安倍首相の憲法私物化を弾劾する

安倍首相は12月13日、都内で開かれた内外情勢調査会で講演し、自身が主催した「桜を見る会」について「申し訳ない」と述べた後、改憲に関して「国民はどういう議論が行われたかしっかり見ている。それに応える中身の議論が行われることを期待したい」と述べ、来月召集の通常国会での論議に進展を促した。

臨時国会で衆院憲法審査会が2年ぶりに自由討議を行ったことについては「これまで議論に応じてこなかった野党も出席せざるを得なかった。野党の中から憲法の中身を議論すべきだという意見がでたのは民意の勝利だ」と述べた。

その上で「『たやすい道ではないが、必ずや私自身の手で(改憲を)成し遂げたい』と2021年9月までの自民党総裁任期中の実現に重ねて意欲を示した。総裁4選は『考えていない』と述べた。」(東京新聞 12月14日朝刊)

この改憲意欲は臨時国会が閉幕した12月9日に首相官邸で行われた記者会見でも表明された。

だが、国務大臣や国会議員に「憲法を尊重し擁護する義務」(第98条)があるのは憲法のイロハだ。

改憲の発議が国権の最高機関である国会にある(第96条)ことも憲法のイロハだ。

行政府の長が国会での改憲論議を促すなどのことは、越権の最たるものだ。

総理のこの姿勢は時事川柳で次のように批判されている。
「改憲も私物化すると宣言し」(「朝日川柳」12月11日)

首相が主催し批判を受けて来年の開催中止を決めた「桜を見る会」をはじめとする首相の醜態は、時事川柳の格好の標的になっている。それは以下のように庶民の痛憤を代弁している。

「来年を止(と)めて蓋(ふた)する姑息(こそく)な手」
「止めるほどやましいことがあったんだ」
「今までの無駄遣い分どうする気」(『朝日川柳』11月14日)
「血税で夫婦がもてなす花の宴」
「詰め腹を切らされ怒るシュレッダー」(同11月22日)
「笑止化に歯止めかからぬ安倍政権」
「ボス猿の蚤取りせっせ内閣府」
「筋書きがモリカケサクラ瓜三つ」(同11月29日)
「この国は『隠す』と『捨てる』で日が暮れる」
「断捨離で台風一過待つのかね」
「見る会に使いたいです『闇営業』」(同12月4日)
「客いても都合で締める安倍商店」
「閉じたって満開のまま年跨(また)ぎ」
「日本に要る頬っ被り禁止法」(同12月10日)
「一字から万事が見える桜かな」
「信なくも立ち続けてるその不思議」
「支持率の落ちて天下の怒気を知る」
「文科省目玉二つを落っことし」
「首里首里と奏で辺野古を忘れさせ」(12月14日)

だが、このような風刺川柳は戦前には絶対に許されなかった。
「手と足をもいだ丸太にしてかえし」などの川柳で反戦を訴え続けた鶴彬(つるあきら)は、反戦的との理由で1937年に検挙され翌38年に29歳で獄死している。「川柳界の小林多喜二」と言われる所以だ。

自民党の改憲草案(2012年4月27日決定)によれば、現行憲法の第21条「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」に対し、「2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは認められない。」との制限条項を追加している。「公益及び公の秩序」は、国家権力に都合のいい治安の維持を最優先することであり、表現の自由をはじめ平等権、生存権、幸福追求権も含めた基本的人権全体の無力化を意味する。

これは戦前回帰そのものであり、恐ろしいことだ。

<別紙4> 「労働組合の社会的役割と課題」

報告者:ビルメンテナンスユニオン運営委員長 石田嘉幸

【報告要旨】

①労働組合の組織率の低下や、ストライキの減少のみに目を向け、「自分・達」の弱体化として捉える傾向性には反対する。

②「労働組合運動」が前提としてあるのではなく、「現在の生きるための闘争が労働運動・労働組合の形態をとる場合」がある、に過ぎない、と考えるべきではないか。

③「賃金額」を追求するだけでは全く不足、我々がいかに喜びを持って生きられるのか、そのためにどのような制度を社会に作り上げる必要があるのか、それらの問いと情熱によってのみ、社会運動も政治運動も構成される。

④したがって、闘争の「原型」は労働運動とか、貧困問題とか、ジェンダー問題とかに区分されず、誰にも共有される不定型な力動であり、現在の一見些細な運動の中にそれらのベクトルは必ず含まれて発現しており、それらを自覚化して励起していく事こそが、現在の課題ではないか。

⑤「自己責任」論を内側から破壊し、「我々」という編成に至る道筋を目指そう。

※ビルメンテナンスユニオン ホームページ:http://greenseal4.sakura.ne.jp/BM-index.htm
ニュース:http://bmunion.blog62.fc2.com/

 

 

 

 

 

資料1:労働争議件数の推移1946年~2018年
出典:(独法)労働政策研究・研修機構

資料2:労働争議参加人員数の推移 1946年~2018年
出典:(独法)労働政策研究・研修機構

完全護憲の会ニュース No.72号……. 2019年12月10日

発行:完全護憲の会
〒140-0015 東京都品川区西大井4-21-10-312
電話・FAX :03-3772-5095
Eメール:kanzengoken@gmail.com
ホームページ:https://kanzengoken.com/

目 次

第71回例会・勉強会の報告

別紙1 政治の現況について
別紙2 事務局報告
別紙3 「シリーズ№9冊子」

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第71回 例会・勉強会の報告

11月24 日、港区三田いきいきプラザにて例会・勉強会を開催した(参加者10名;会員75名)。

例会では、鹿島委員が座長となり、政治の現況を草野委員長が報告(別紙1)、つづいて事務局報告を福田共同代表が行い(別紙2)、政治の現況報告と事務局報告を一括して討議した。

討議では、11月23日午前0時に失効する寸前となっていた日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効回避について、「韓国・文在寅政権は破棄の決定を撤回すべきである、という点で朝日新聞と読売新聞の論調がほぼ同じだった」「アメリカの圧力がかなりあったのではないか」「この問題の根底には安保体制の是非が前提となっている」「失効によって安保体制を見直すきっかけになれば良かったのだが」「仮想敵を作り日米韓体制の危機を煽ることによって政権は軍需産業を育成している」「貧困、過労は自衛隊の人員募集にも効果的だ」「異議を唱える場が増々少なくなっている」「徴用工問題で安倍政権が関連企業に圧力を掛けている」「被害者に向き合った対応をしない限り問題は解決しない」などの意見が出された。

衆院憲法審の国民投票対象巡り議論では、東京新聞の社説「憲法公布の日に ワイマールの悪夢から」の内容の重要性が全体で確認され、国民投票法は国民主権を破壊するものであることが強調された。

この後Y氏より、10月例会の席での「あいちトリエンナーレ2019」に関するご自分の発言内容について訂正とお詫びがあり、事実を確認した経緯のほか、天皇表現に対してタブーが存在し、「表現の自由」や「知る権利」が司法の場でも制限されていることなど、書面とともにご報告をいただいた。

つづいて勉強会に移り、前回にひき続き山岡聴子氏から「シリーズNo.9冊子」(別紙3)の解説を受け、全体で議論した。山岡氏の「戦争に反対する気持ちを読者にどう伝えるか」「こんな恐ろしいことになぜ日本人は突き進んで行ったのか」との問題意識の下、「渡部良三」「国体の本義」「福沢諭吉」「戦争における暇と笑い」「戦争加害者と被害者の心理および立場の逆転」「終戦と敗戦の意味するところ」などについて意見が交わされた。

また、冊子のタイトルについては、山岡氏の新案「集団の暴走に抗う ―戦争が終わった‟奇跡“を未来へつなぐ―」に対して、草野委員長案「若い世代に伝えたい いまを生きる私たちが知らなければならないこと」と、福田代表案「再び戦争をしないために 語られなかった侵略」が提起された。しかし結論には至らず、今後引き続き議論していくこととなった。

なお、12月の第72回例会後の勉強会は以下の内容で開催される予定である。
テーマ:「労働組合の社会的役割と課題」
講 師:石田 嘉幸 氏(ビルメンユニオン運営委員長)
12月22日(日) 13時30分~ 三田いきいきプラザ集会室A(都営地下鉄 三田駅出口A9徒歩1分)

<別紙1>政治の現況について

(1)主なニュース一覧(2019/10/21-11/20)
*徳仁天皇「即位礼正殿の儀」が国事行為として行われ、各国の元首や王族、政府高官のほか、三権の長や閣僚、知事ら約2000人参列(2019/10/22)
*辺野古、県の埋め立て承認撤回を取り消す裁決は違法との訴訟、福岡高裁那覇支部が却下判決(2019/10/23)
*衆院憲法審、今国会初の議論 国民投票対象巡り議論(2019/11/7)
*東京地裁「安保法制違憲」訴え棄却。憲法判断示さず(2019/11/7)
*「桜を見る会」来年中止、首相「私物化」批判受け(2011/11/14)
*「大嘗祭」挙行、「公的行事」として公費支出24億4千万円(2019/11/14-15)

(2)新聞社説、ニュース記事(議論の活発化のため、あえて意見の異なる主張も掲載)

①【ニュース】衆院憲法審 今国会初の議論 国民投票対象巡り議論(東京新聞TOKYO Web 2019.11)

衆院憲法審査会は7日午前、審査会メンバーによる9月の欧州四カ国視察の報告と討議を行った。衆院憲法審の実質的な議論は、今国会初めて。
視察団長を務めた前審査会長の森英介氏(自民)は、国民投票の際のテレビ、ラジオCM規制について「各国とも十分な検討が行われていない。議論を深めていくことが望ましい」と報告した。山花郁夫氏(立憲民主)は「憲法改正とは別に国民投票が重視され、しばしば行われていた」と視察結果を説明。国民投票の対象を、改憲以外にも広げる議論の必要性を訴えた。階猛氏(無所属)も同様の考えを強調した。

新藤義孝氏(自民)は「憲法施行時に想定されなかった、社会情勢の変化に対応する必要がある。実情を踏まえた憲法改正議論の必要性を改めて痛感した」と改憲論議の加速を促した。

これに対し、奥野総一郎氏(国民民主)は、ドイツが基本法(憲法)を63回改正していることを巡り「(国によって)状況が異なる。日本が一度も憲法改正をしていないことが特殊だという結論にはならない」と指摘した。

北側一雄氏(公明)は、大規模災害発生時の国会議員の任期延長について「憲法論議を進めるべき課題だ」と語った。議員団はドイツ、ウクライナ、リトアニア、エストニアを訪問した。

②【ニュース】「安保法制違憲」訴え棄却 憲法判断示さず―東京地裁(時事ドットコム2019.11.7)

集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法は違憲で、施行により精神的苦痛を受けたとして、市民ら1553人が国に、1人当たり10万円の慰謝料支払いを求めた訴訟の判決が7日、東京地裁であった。前沢達朗裁判長は「(原告に)損害賠償で保護すべき利益はない」と述べ、請求を棄却した。憲法判断はしなかった。原告側は控訴する。

前沢裁判長は、原告側が侵害されたとする「平和的生存権」について、「具体的権利が保障されたものではない」と指摘。戦争の脅威が増大し、精神的苦痛を受けたとする主張も「具体的な危険が発生したとは認め難い」と退けた。

原告団は判決後に記者会見し、「思いを踏みにじる内容で、到底受け入れられない」と反発。憲法判断がされなかったことを「政権を忖度(そんたく)し、なすべき判断を回避したとしか考えられない」と批判した。

原告側代理人によると、安保関連法をめぐり賠償や自衛隊の防衛出動などの差し止めを求めた集団訴訟は全国22地裁に計25件起こされ、判決は2件目。1件目の札幌地裁も憲法判断を示さないまま訴えを退けている。

③【社説】憲法公布の日に ワイマールの悪夢から(東京新聞TOKYO Web 2019.11.3)

今年はドイツのワイマール憲法誕生百年に当たります。民主的な憲法でしたが、ナチスに蹂躙(じゅうりん)されました。そんな人類史も忘れてはなりません。
1919年は大正8年です。日本ではカイゼル髭(ひげ)が流行していました。政治家も軍人も…。カイゼルとはドイツ皇帝。確かに威厳ありげに見えます。髭の形が自転車のハンドルに似ているから「ハンドルバームスタッシュ」の異名もありますが…。

その髭の主・ウィルヘルム二世は前年に起きたドイツ革命により特別列車でオランダに亡命していました。何両もの貨車には膨大な財産が満載でした。

◆完璧な基本権だった
ドイツは帝政から共和制へと変わりました。新しい議会がワイマールという東部の都市で開かれ、「ワイマール憲法」が制定されました。生存権の条文があります。「経済生活の秩序は、すべての人に人たるに値する生存の保障をめざす、正義の諸原則に適合するものでなければならない」と。

労働者の団結権なども保障されます。男女の普通選挙による議会政治も…。「ワイマル共和国」(中公新書)で元東京大学長の歴史学者林健太郎氏は「基本権はさすがにすぐれた憲法学者の作だけあって、最も完璧なもの」と記しました。基本的人権の保障が近代憲法の第一段階で、第二段階の社会権を装備した先進的憲法でした。

でも、この共和国は難題に直面します。第一次大戦後のベルサイユ条約で領土の一部を失ったうえ、多額の賠償金を負っていました。空前のハイパーインフレが襲いました。物価水準は大戦前に比べ25000倍を超え、マルク紙幣は額面でなくて、重さで量られるありさまです。さらなる災難は世界大恐慌でした。6、700万人ともいわれる失業者が巷(ちまた)にあふれました。

◆独は「戦う民主主義」で
ここでチョビ髭の男が登場します。そう、ヒトラーです。「ベルサイユ条約の束縛からドイツを解放する」と訴えて…。30年の選挙で右翼・ナチ党の得票率は18.3%だったのに、32年には37.3%と倍増します。その翌年に高齢の大統領がヒトラーを首相に任命しています。「強いドイツを取り戻す」ためでした。

直後に国会議事堂が放火される事件が起きます。政権を握ったヒトラーはこれを機に、言論の自由や集会・結社の自由など憲法に定めたはずの基本権を停止する大統領令を発布します。いわゆる国家緊急事態宣言です。

皮肉にも正式名は「人民と国家防衛のための緊急令」です。憲法にあった緊急事態条項を巧みに利用したのです。決して選挙で過半数を得たわけではないのに、憲法停止という強権を手にしました。有名な全権委任法をつくったのも同じ年。違憲の法律も可能になるもので、ワイマール憲法は完全に息の根が止まりました。

チョビ髭の男から独裁者たる「総統」へ。その権力掌握がいかに早業だったかがわかります。林氏はこう書いています。「ドイツ国民は(中略)官僚の支配に馴(な)れており、みずからが国家を形づくるという意識と慣行に欠けていた」と。「敗戦(第一次大戦)によって突然、民主主義と政党政治という新しい実践を課せられたとき、彼らはそれをいかに駆使するかに迷った」とも。

民主主義を重荷に感じると「上からの強力な支配に救いを求める人々が増えた」という指摘は今日にも通じるものがあります。
この反省から第二次大戦後、当時の西ドイツは「戦う民主主義」の道を歩みます。憲法秩序に反する団体の禁止などを基本法に書き込んだのです。「自由の敵には自由を与えない」精神です。現在も同じです。

日本国憲法は「戦う民主主義」の考えを採りませんが、近代憲法の第三段階である「平和的生存権」を採用しています。公布から73年たち自由と民主主義は根付いたかに思われます。でも、錯覚なのかもしれません。

貧富の格差とともに貧困層が増大し、若者が夢を持てない。老後の生活も不安だ――そんな閉塞(へいそく)感の時代には、強力な指導者の待望論に結びつきかねない怖さが潜みます。政治家も付け込みます。

◆民衆の不満は「愛国」で
敵をつくり、自らの民族の優位性を唱えます。危機感をあおり、愛国を呼び掛けます。民衆の不満を束ねるには古来、敵をつくる方が便利で簡単なのでしょう。

現在、改憲テーマとして俎上(そじょう)にあるのは、戦争放棄の九条ばかりでなく、緊急事態条項の新設も含まれています。独裁者はチョビ髭の男とは限りません。ワイマールの悪夢を繰り返さぬ賢明さと冷静さが必要です。

④【社説】GSOMIA 「日米韓」安保協力の試金石だ(読売新聞オンライン2019.11.16)

米国の同盟国である韓国は、北朝鮮の軍事挑発の抑止に向けて、日米韓連携を維持する決意はあるのか。日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の扱いが試金石となろう。

米国のエスパー国防長官が韓国の鄭景斗国防相と会談し、韓国政府による日韓GSOMIA破棄決定の再考を迫った。このままでは、協定は23日に失効する。
エスパー氏は会談後の記者会見で、GSOMIAは「日米韓の効果的かつ迅速な情報共有において重要だ」と強調した。失効すれば北朝鮮と中国が利益を得るとの見解も示した。日米韓の亀裂を狙う中朝への警戒感の表れだろう。

GSOMIAは、同盟国や友好国の間で、敵対する国に関する機密情報や分析を共有する仕組みだ。日米、米韓の2国間同盟を、3か国の連携にまで広げる象徴的な意義を持つ。米国が維持を強く要求したのは当然である。
韓国側は、GSOMIAの継続には、日本側の譲歩が必要だとの立場を崩さなかった。失効に至った場合、韓国は米国の信頼を失い、米韓同盟が深刻な打撃を受けることを認識していないのか。

日本が輸出管理を簡略化する優遇対象国から韓国を除外したことを、韓国は協定破棄の理由としている。だが、日本の措置は韓国の輸出管理に不備があるからだ。

韓国がこの問題をGSOMIAと関連付けるのは筋が通らない。破棄を取り消すべきである。

北朝鮮は核・ミサイル開発を継続している。米韓が即応能力を維持することが欠かせない。

米韓の間で、合同軍事演習の必要性を巡り、温度差が露呈したことは問題だ。

米国は、昨年は中止した米韓両空軍による合同訓練を近く実施すると発表した。エスパー氏は会見で、抑止力を維持する観点から、演習は必要だと力説した。
しかし、鄭氏は、訓練の意義よりも、北朝鮮との対話に悪影響を与えることへの懸念を示した。文在寅政権は、北朝鮮への配慮が過ぎるのではないか。

米韓間では、米国が在韓米軍駐留経費の大幅な負担増を求めていることも懸案となっている。エスパー氏は、韓国に限らず、米軍が駐留する同盟国に負担増を求める方針を明言した。

トランプ米大統領には、同盟国が対米貿易で巨額の黒字を出す一方、自国の防衛で米国の軍事力に過度に依存しているとの不満がある。日本も米国の要求への対応策を練らねばならない。

⑤【社説】日韓情報協定 文政権は破棄の撤回を (朝日新聞 DIGTAL 2019.11.16) ※本文割愛

⑥【社説】大嘗祭への国費支出 政教分離に違反しないか (琉球新報 2019.11.16) ※本文割愛

⑦【ニュース】桜を見る会 来年中止 首相「私物化」批判受け(東京新聞TOKYO Web 2019.11.14)※本文割愛

<別紙2> 事務局報告   福田玲三(事務局

1)当会ニュース読者からの来信、水谷正信氏より:

今年に入り安倍独裁政権に対し真面目に立ち向かうドキュメンタリー作品を観る機会がありました。①沖縄スパイ戦史②金子文子と朴烈③主戦場④アイと学校⑤太陽がほしい⑤アイキャンスピークの六作品で、日頃、金権腐敗、噓、インペイ、改ざん、暴言、パワ・セクハラの洪水で自・公・維の無知、無能、無責任の議員が日本会議の手足になり、桜井、稲田、高市等により国民をだまし、マスコミを利用し、特に読売・産経、下劣な週刊誌……またテレビではNHKはじめ民放TVまで右派系の人物が多く、国民をだまし扇動する発言が非常に目立ち怒り心頭の毎日です。

安倍の犬のNHKで1%認められるのは、月に1回か2回のドキュメント番組が放映される事です。総て録画しています。

同封しました「偽満州国への旅にて」は昔、愛高教、退職者の仲間と3日間の旅で日本軍が侵略した各地、各記念館を見学、学習したその感想文です。

「完全護憲の会」はじめ全国の組織の方々、野党の結束と国民の平和憲法と民主主義を守る戦いを継続し我々の勝利の日まで頑張りましょう。(10月23日付)

2)国会の改憲論議 (メディア報道より抜粋)

*焦点は11月21日の衆院憲法審 (朝日新聞 11月15日朝刊)
衆院憲法審査会は11月14日海外視察を受けた今国会2度目の自由討議を行った。与党は憲法改正の手続きを定める国民投票法改正の成立を目指すが、与野党の憲法観の違いは大きく、改憲論議の進め方などで歩み寄る様子は見られない。

改憲論議を進めるため、まず国民投票法改正を成立させたい与党は、来週21日の衆院憲法審での審議、採決が「今国会のタイムリミット」とみる。改正案の衆院通過後、参院でも一定の審議時間を確保しなければならないためだ。12月9日までの会期を延長しなければ、次の衆院審議が焦点となる。

与党側は14日の幹事会で、21日の改正案の採決を要求。だが、野党側は国民投票の際のテレビCM規制の議論や、文化庁の補助金不交付問題に関連して表現の自由について優先して取り上げるべきだと主張。議論は平行線をたどり結論は出なかった。閣僚の連続辞任や英語民間試験の導入見送り、「桜を見る会」の来年度中止をめぐり、野党は政権批判を強める。与野党の対立が深まれば憲法論議への影響も避けられず、調整が進む見通しは立っていない。

今国会成立困難に (東京新聞 11月21日朝刊)
自民党の森山裕国対委員長と立憲民主党の安住淳国対委員長らは20日、国会内で会談し、与党側が求めていた、21日の衆院憲法審査会での国民投票法改正案の採決を見送ることで合意した。21日は憲法審を開かない。12月9日までの今国会会期内での同改正案政略津は、困難な見通しとなった。

3)福田玲三共同代表 退院
福田代表は10月24日大森赤十字病院で胃の2/3を摘出するがんの手術を受けた後、11月4日退院、順調にリハビリを続け、11月24日の例会に出席。

4)集会の案内
おかざき憲法のつどい「民主主義とは何か ―安倍政権とメディア―」
講演 望月衣塑子さん(東京新聞社会部記者)
11月30日(土)13:30~
せきれいホール(岡崎市朝日町3丁目)
前売り700円、当日1000円
主催・おかざき9条の会

「戦場体験者と出会える茶話会」
12月6~8日 台東区・浅草公会堂(⇒報告ブログ:http://senjotaikenhozontabi.blog2.fc2.com/)
主催者「戦場体験放映保存の会」(東京):2016年から茶話会を各地で開催。机にお菓子やお茶を並べ、体験者を囲み、証言後に質疑も。若者の姿が目立ち、証言を望む人の数も増えている。当「保存の会」は、政治的主張を交えず、体験を残すことを目的に、2004年の設立以来、1700人以上の証言映像を収録した。問い合わせ:03(3916)2664(火、木、土、日、祝日)

『週刊金曜日』東京南部読者会 会終了後、忘年会を予定
12月27日(金)18:00~20:00 大田区消費者生活センター第3会議室(JR蒲田駅東口5分)
参加費:参加者による等分負担 連絡先:090-6711-9251(杉本)

5)当面の日程について
第71回運営・編集委員会 11月27日(水)14:00~    三田いきいきプラザ 講習室
第72回例会・勉強会   12月22日(日)13:30~16:30 三田いきいきプラザ 集会室A
第72回運営・編集委員会 12月25日(水)14:00~    三田いきいきプラザ 講習室

<別紙3> 「シリーズ№9冊子」

〈仮題〉『 未来への小さな礎(いしずえ) ―戦争の惨禍を見つめて― 』

山岡聴子 著

目  次(仮)

はじめに 集団における勇気  ………………… 5
一章 明治政府による領土拡張への舵取り
‘帝国主義’の衝撃…………………………………………13
勢力の駆け引きの地図の下で………………………14
拡大と縮小は多大な犠牲の上に……………………19
二章 侵略の象徴としての南京
世界の目は南京に……………………………………24
ラーベの日記……………………………………………25
ヴォートリンの日記…………………………………29
加害者の側から………………………………………34
被害者の側からの視点………………………………42
知らなかったこと、なかったこと………………48
三章 勝利への道の行き着く所
登戸研究所 ………………………………………………53
731部隊の残滓(ざんし) …………………………55
「特殊資材」(毒ガス)の使用について……… 58
発展を支えた慰安婦たち…………………………… 60
ただひたすら勝利へ………………………………… 64
四章 靖国神社を取り巻く思想
変わらぬ思想的背景………………………………… 69
福沢諭吉の目指した日本の針路………………… 70
昭和天皇と戦争……………………………………… 77
五章 日の丸を支えた赤子たち
軍人を生み出す軍国少年少女の育て方 ……………80
日本人の持つ日本観、日本人にとって事実とは………84
『国体の本義』による精神の掌握 …………………89
教学局の『我が国体と神道』 ………………………92
主義が何かの前に、人間として ……………………94
改めて日の丸について考える ………………………96
六章 ドイツの戦後を参考に
ドイツの高校教科書で教えていること …………99
ロシアとの関係から見る日本とアジアの関係……………107
無条件降伏について考える(大西洋憲章とポツダム宣言)…………110
戦勝気分の再来を憂える……………………………114
おわりに  …………………………………………………116
参考文献  …………………………………………………118

第71回運営・編集委員会の報告
11月27日(水) 13時10分~16時30分
出席: 大西、草野、福田、山岡

今回は、山岡聴子氏執筆のシリーズ№9冊子の内容検討という喫緊の重要課題が控えていたため、通常より早めの開催とした。下記1.~3.について簡単な意見交換の後、ほとんどの時間をシリーズ№9冊子の検討に費やした。しかし、全く時間が足りず、今後の対応策を決めて終了した。

1.第71回例会・勉強会について
前回に引き続いて新参加者がレイバーネットに掲載した集会案内を見ての参加であったことから、週刊金曜日と並んでレイバーネットでの紹介が有効であることを確認した。

2.緊急警告発信について
愛知トリエンナーレの「表現の不自由展」中止問題に続いて、現天皇即位儀式の一環である宗教性の強い「大嘗祭」儀式に対する憲法上の問題についても緊急警告を発信できなかったのは、私たちの非力さ故とは言え、残念だった。今後の課題である。

3.第6回総会について
① 来年1月開催の第6回総会については、次回運営・編集委員会で検討する。
② 共同代表の補充については、福田共同代表に腹案があるので、次回提案する。

4.シリーズ№9冊子の検討について
① 執筆者の山岡氏より、例会で出された意見・疑問を踏まえた修正・追加文についての説明をうけた後、仮綴じ本のページごとの検討に入った。福田代表が提示する疑問や意見の項目が多く、これに山岡氏が答えるかたちで進めたが、全く時間が足らず、残りは冊子のタイトルも含めて委員会メーリングリストを通じて検討することを確認した。
② 検討終了後、大西委員が正式版を作成するが、校正作業が不可欠なので、後日、改めて調整の上、編集会議を設定することとした。
③ 冊子のタイトルについては、例会での意見を踏まえた山岡氏の新案「戦(いくさ)を望む者たちと 望まぬ戦争を呼ぶ者たち」などを検討したが、結論は出なかった。

その後、委員会メーリングリストで意見交換を続けた結果、山岡氏の前向きな発想による最新案、
「未来への小さな礎(いしずえ) ―戦争の惨禍を見つめて―」が、もっか有力候補になっている。

5.当面の日程について

1)第72回例会・勉強会
12月22日(日)13:30~
三田いきいきプラザ集会室A
(都営地下鉄 三田駅出口A9徒歩1分)
テーマ:「労働組合の社会的役割と課題」
講 師:石田 嘉幸 氏(ビルメンユニオン運営委員長)

2)第72回運営・編集委員会
12月25日(水)14:00~
三田いきいきプラザ

3)第6回総会兼第73回例会
1月26日(日)13:30~
港勤労福祉会館別館2階和室

4)第73回運営・編集委員会
1月29日(水)14:00~
三田いきいきプラザ