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違憲性に対する緊急警告

緊急警告005号 日本政府、「ヘイトスピーチ」特別報告者の訪日延期も要請

 国連人権理事会の「ヘイトスピーチ(差別憎悪扇動表現)」問題特別報告者であるリタ・イザック氏は昨年(2015年)秋、日本政府に公式の訪日調査を求めたが、政府から「16年秋以降でないと調整が間に合わない」と断られたことが明らかになった。これは、緊急警告004号で指摘した、「表現の自由」特別報告者に対する訪日延期要請と同様、都合の悪い調査結果が参院選前に公表され、選挙に不利になるのを防ぐためには、国連機関の訪日調査受け入れ義務をも平然と無視するという、日本政府の独善的な体質を改めて示したものである。前号で指摘したのと同様、「国際法規の誠実遵守義務」(憲法98条2項)の精神に反するのみならず、ヘイトスピーチの蔓延によって、在日コリアンらマイノリティの人格権(13条)や平等権(14条)などが侵害されている状況を暗に認めた (さらに…)

緊急警告004号 日本政府、「表現の自由」特別報告者の訪日延期要請

昨年12月に予定されていた「表現の自由」に関する国連特別報告者による訪日調査が、日本政府の要請により、直前になって延期された。デービッド・ケイ氏は国連人権理事会で「表現の自由」問題を担当する特別報告者で、2013年12月6日に成立した特定秘密保護法の現状などについて調査するため、昨年12月1日から8日まで日本を公式訪問することが決まっていた。ところが、訪日予定日直前の11月13日になって日本政府が突然ケイ氏に訪問延期を申し入れたのである。政府は表向き、「ケイ氏の受け入れ準備が整っていない」ことを延期の理由 (さらに…)

緊急警告003号 「ナチスの手口」、緊急事態条項の危険性

安倍首相は今年の年頭から憲法改定を目指す意向を繰り返し語り、その具体的項目の一つとして「緊急事態条項」を挙げている。自民党の古屋圭司改憲推進本部長代理も昨年9月30日、「本音は9条(改憲)だが、リスクも考えないといけない」ので、「大災害や他国からの武力攻撃の際、首相の権限を強化する緊急事態条項新設から着手したい」との本音を漏らしている。参院選で仮に改憲勢力が3分の2以上を占める事態となれば、真っ先に発議される改憲案は緊急事態条項の新設になることが予想される。ところが、自民党が2012年4月に公表した改憲草案 の98・99条に規定された「緊急事態条項」(下記参照)を見ると、ヒトラーがワイマール憲法を骨抜きにして独裁権力を掌握するために成立させた「民衆および帝国の苦難を除去するための法律」(通称、「授権法」または「全権委任法」)とそっくりなのだ。安倍首相 (さらに…)

緊急警告002号 またしても憲法無視! 臨時国会召集義務違反

現内閣は、憲法違反の「安保法制」強行可決に続いて、またしても憲法無視の暴挙を行った。憲法第53条は、衆参いずれか4分の1以上の議員が要求すれば、内閣は臨時国会の召集を決めなければならないとしている。
昨年10月、時あたかも内閣改造の直後、野党5党はこの規定に基づき、「安保法制」強行可決、環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意や新閣僚の不祥事追及を目指し、臨時国会の開催を求めたが、現内閣は首相の外交日程や年末の予算編成を理由に応じなかった。 (さらに…)