完全護憲の会ニュース No.58 2018年10月10日

                <例会参加の方は本ニュ―スをご持参ください>
             発行:完全護憲の会
             連絡先 〒140-0015 東京都品川区西大井4-21-10-312
                 電話・FAX 03-3772-5095
                 Eメール:kanzengoken@gmail.com
                 ホームページ:https://kanzengoken.com/

             目 次

      第57回例会・勉強会の報告                 P.1
       別紙1 政治の現況について                P.2
         ① <社説>「知事選きょう告示 沖縄の進路が決まる  P.2
         ②【社説】安保法成立3年 「専守防衛」踏み外すな   P.3
       別紙2 事務局報告                    P.4
       別紙3 緊急警告030号                  P.5
          「安倍首相に改憲案提出の資格なし、退陣せよ!」
      第55回 運営・編集委員会の報告(略)            P.6

         第57回例会・勉強会の報告

     9月23日(日)、三田いきいきプラザの会議室で開催。参加者4名、会員72名。
 司会は草野運営・編集委員長が担当。まず別紙1の通り「政治の現況について」の主なニュース一覧と、この間の2本の新聞社説が提出(さらに当日の参加者用に産経、毎日、東京の3社の社説が追加)され、次のような意見があった。
 「この間、政府は陸上配備型迎撃ミサイル『イージス・アショア』の配備候補地として秋田・山口両県をあげた。秋田はハワイへ、山口はグアムへむかう北朝鮮からの経路の真下にあたる。つまり米軍の防備であり、日本を守るためではない」「韓国に駐留する米軍は国連軍を名目としている。半島の南北間で終戦が宣言されれば、国連軍は撤退せざるをえない。日本駐留米軍の必要も薄れるのではないか」「自民党総裁選に立候補した石破茂元幹事長は『正直、公平』を掲げた。これは、人倫の基本であり、安倍晋三首相への正当な批判になっている。他方、石破氏もタカ派、改憲派だとの冷めた見方もあるが、戦術的に言えば、敵のあいだのあらゆる『ひび』を、どんな小さなものでもすべて利用すべきではないか」
 ついで「事務局報告」(別紙2)が行われた。
そのあと勉強会に移り、講師の王道貫氏から「いわゆる『日米地位協定』に関する知識の整理及び考察」が報告された。その要旨は次の通り。

 地位協定は、条約の下位にあるくせに、明文レベルで、堪え難いほどに酷い(→米軍が明文を守っても理不尽。しかも、守らないことしばしば)。しかし、米国または日本で公開された密約・議事録ではさらに酷い。しかし、公開されていない合意文書では、さらに酷い。
 その遠因は1951年2月、ダレス米国務省顧問が構想した3区分発言にある。すなわち、「条約の細かい議論に入る前に①どの部分を49ヵ国条約に、②どの分を2ケ国条約に、③どの部分を議会承認や国連登録が必要ない秘密の了解にすべきか、だ」と。
 そして同年9月8日、サンフランシスコ講和会議のひらかれたオペラハウスで、日本が『49ケ国条約』に調印、そして同日、町はずれの第6軍司令部下士官クラブで、日本は吉田茂1人の署名で『2ヶ国条約』に調印した。これが『安保条約』だ。翌52年2月28日、『日米行政協定』が結ばれた。この協定の正しい訳は『事務方合意』だ。
 この行政協定が1960年に改訂されて『日米地位協定』と呼ばれたが、その正しい訳は『事務処理合意』だ。このように『安保条約』にもとづく『事務処理合意』に、国民の基本的人権を侵害する懸念の高い条項を紛れ込ませたのが『地位協定』であり、その実態は法の下克上と呼ぶにふさわしく、その遠因は1951年当時の米国務省顧問ダレスの構想にある。
 この様な条約や協定は、実体的にも手続的にも瑕疵(かし)があり、公序良俗に反するものとして無効だ。1947年に締結された米比軍事協定が冷戦終結、緊張緩和にともなって一時解消された(後に復活)例に学び、朝鮮半島の緊張緩和にともない、これら条約や協定は廃棄にむかうべきだ。

 以上の貴重な報告をめぐり、大いに勉強になったとの発言とともに、横田空域問題なども出され、われわれがあまりにもひどいこの実態を知らなすぎた、との反省を込めた議論がなされた。

<別紙1>     政治の現況について

(1)主なニュース一覧(2018/8/21-9/20)
① 沖縄県が辺野古埋め立て承認を撤回(2018/8/31)
② 中央省庁の障害者雇用水増し実態が明らかに(2018/8/28)
③ 防衛省、過去最大の5兆2986億円の概算要求。7年連続増(2018/8/31)
④ 自民党が党の総裁選めぐり報道機関に「公平・公正」報道を「要請」(2018/9/4)
⑤ 北海道「胆振東部地震発生」(2018/9/6)
⑥ 防衛省、海自潜水艦を南シナ海に極秘派遣し対潜水艦訓練実施(2018/9/13)
⑦ 政府が安保法適用、シナイ半島多国籍軍に陸上自衛隊派遣検討の報道(2018/9/18)
⑧ 自民党総裁選、安倍晋三氏が三選。憲法改正推進表明。(2018/8/20)

(2)新聞社説、ニュース記事
① <社説> 知事選きょう告示 沖縄の針路が決まる ――琉球新報(2018/9/13)

 県知事選は13日に告示され、30日に投開票される。沖縄の針路を決める今年最大の政治決戦だ。有権者は立候補者の公約を十分に吟味し、大切な1票を投じてほしい。
 選挙戦は前宜野湾市長・佐喜真淳氏(54)と衆院議員・玉城デニー氏(58)による事実上の一騎打ちとなる。
 翁長雄志知事の死去という不測の事態を受けて行われる今知事選は過去に例のない超短期決戦だ。佐喜真氏は8月14日に、玉城氏は同29日にそれぞれ出馬を正式表明し、前哨戦を展開してきた。
 自民、公明、維新、希望の各党が佐喜真氏を推薦した。玉城氏は政党の推薦を受けない方針だ。安倍政権を中心とする勢力と県政与党を中心とする勢力が激しく対決する構図になっている。
 佐喜真氏は「県民の暮らし最優先」を掲げ、全国平均並みの県民所得300万円の実現や子どもの保育費、給食費、医療費の無償化、跡地利用の推進などを打ち出した。
 玉城氏は「新時代沖縄」を提唱し、各国との交流を促進する万国津梁会議の設置、中・高校生のバス通学無料化、「観光・環境協力税」の導入などを打ち出した。
 日米地位協定は、同じように米軍が駐留するドイツやイタリアに比べると著しく不利な内容だ。両氏とも協定の改定を求める姿勢を示した。
 米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設が名護市辺野古で進む中、建設に反対する県が、前知事による埋め立て承認を8月31日に撤回したばかりだ。新基地建設の是非が最大の争点になる。
 佐喜真氏は「政府と対等な立場で、一日も早い普天間飛行場の返還を実現する」と述べ、新基地建設の是非については触れない方針だ。
 玉城氏は「普天間の閉鎖・返還を政府に要求する。辺野古に新たな基地は造らせない」と述べ、阻止するためあらゆる権限を行使する構えだ。
誰が知事になるにせよ、就任してすぐに、新基地への判断を迫られる。各候補者は、有権者が抱くあらゆる疑問に真摯(しんし)に答え、正々堂々と選挙戦に臨んでほしい。
 次期知事は、屋良朝苗、平良幸市、西銘順治、大田昌秀、稲嶺恵一、仲井真弘多、翁長雄志の各氏に続く第8代の知事だ。1972年に日本に復帰してから13回目の知事選となる。
 戦後27年間、米軍施政下にあった沖縄では68年に主席選挙が実施されるまで、全住民の代表を直接選ぶ権利さえ認められなかった。主席公選の実現は自治権の拡大を求める沖縄住民が勝ち取った成果の一つといえる。
 沖縄以上に選挙の大切さを身にしみて知っている地域はなかっただろう。
 あれから50年。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられてから初の県知事選だ。ぜひ投票所に足を運んでほしい。若い人たちにとっては選挙の意義を学ぶ絶好の機会だ。

② 【社説】安保法成立3年 「専守防衛」踏み外すな  ――東京新聞(2018/9/19)TOKYO Web
 安全保障関連法の成立から三年。今、私たちの眼前にあるのは戦後日本が貫いてきた「専守防衛」を踏み外し、憲法九条が蔑(ないがし)ろにされている現実だ。
 安倍晋三首相率いる内閣が「平和安全法制」と称し、強行した安保関連法の成立から、きょう九月十九日で三年を迎えた。
 安倍氏は、連続三選を目指す自民党総裁選の演説会などで、安保法について「日米はお互いに助け合うことのできる同盟になった。助け合うことのできる同盟は、その絆を強くするのは当然だ」と、その意義を強調し続け、支持を呼び掛けている。

◆違憲性は拭い去れない
 「助け合う同盟」とは、集団的自衛権を部分的ながら日本も行使できるようになったことを指す。
 おさらいになるが、集団的自衛権とは、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が攻撃されていないにもかかわらず実力で阻止する権利のことだ。
 日本の歴代内閣は憲法九条に基づいて、集団的自衛権について、主権国家として有してはいるが、その行使は憲法上、許されないとの解釈を堅持してきた。
 この解釈を変え、集団的自衛権の行使を一部容認したのが二〇一四年七月一日、安倍内閣の閣議決定であり、安保法はこの閣議決定を基に策定された。
 戦争放棄と戦力不保持の憲法九条が、日本国民だけで三百十万人の犠牲を出し、交戦国にとどまらず、近隣諸国にも多大な犠牲を強いた先の大戦に対する痛切な反省に基づくのは論をまたない。
 日本防衛のための必要最小限の実力組織として自衛隊が発足したが、専守防衛に徹し、他国同士の戦争には加わらない九条の精神を一内閣の判断で独善的に変えていいわけがない。安保法の違憲性は引き続き問われるべきだろう。

◆活動拡大で既成事実化
 にもかかわらず、国会での追及は手ぬるいと言わざるを得ない。安保法成立当時の最大野党、民主党は分裂し、野党共闘にも影を落としている。安保法廃止を求める野党各党はいま一度結束して、憲法論争に果敢に挑むべきである。
 安倍政権が成立後の三年間に進めたのは、安保法の既成事実化と自衛隊の活動領域の拡大、その裏付けとなる防衛費増額である。
 ここ数日、自衛隊をめぐる報道が相次いだ。その一つが、政府が秋田、山口両県への配備を計画する地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」について、だ。
 北朝鮮が、米空軍が戦略爆撃機を配備する米領グアム島に弾道ミサイルを発射した場合、日本の地上イージスが迎撃することもあり得ると、防衛省が認めたという。
 日本を守る名目で導入される防衛装備品が、米国を防衛する集団的自衛権の行使にも使われて当然という、安保法に基づく日米の軍事的一体化を象徴する事例だ。
 安倍内閣はまた、エジプト・シナイ半島でイスラエル、エジプト両軍の停戦監視活動をする「多国籍軍・監視団」(MFO)に、陸上自衛隊の幹部自衛官数人を、司令部要員として派遣することを検討しているという。
 国際平和への貢献は必要だとしても、国連が統括しない米国中心の軍事的活動だ。参加打診は以前からあったとされるが、なぜ今、という疑問は拭い去れない。
 国連以外の国際機関の要請でも自衛隊を派遣できるようになった安保法の適用事例拡大に主眼があるのでは、と疑わざるを得ない。
 海上自衛隊の潜水艦とヘリコプター搭載型護衛艦が十三日に、南シナ海で対潜水艦戦の訓練を初めて実施したことも看過できない。
 南シナ海は、日本にとっても重要な海上交通路であり、中国が一方的に権利を主張し、軍事拠点化を進めることは、航行の安全確保の観点からも認められない。
 首相は「特定の国を想定したものではない」とするものの、中国けん制の意図があるのだろう。
 かといって中国をはじめ各国が領有権を主張し合う「係争地」に乗り込んでの訓練が緊張を高めるのは当然だ。それが、武力による威嚇を、国際紛争解決の手段としては放棄した日本の役割なのか。

◆自衛隊明記で9条変質
 自民総裁選で優位が伝えられる安倍氏は自衛隊の存在を明記する九条改憲を訴え、連続三選を果たした後、今秋の臨時国会に自民党改憲案を提出し、二〇年中の改正憲法施行を目指すと明言した。
 しかし、集団的自衛権の行使など安保法の違憲性を問わず、その活動を行う自衛隊の存在を憲法に明記すれば、他国同士の戦争には参加しない九条の精神を、さらに変質させることになりかねない。
 眼前で起きる安保法の既成事実化や自衛隊の活動拡大を放置していいのか。平和国家の道を歩んできた戦後日本の試練でもある。

<別紙2>    第57回例会 事務局報告

                      福田玲三(事務局)2018.9.23
1) 来信(水谷正信・愛知県)
 残暑お見舞い申し上げます。
 1945,8,15 日本国敗戦記念日です。
 大日本帝国陸海軍のアジア、太平洋侵略戦争について、書物、映画、NHK, 民放の特番ドキュメントの映像を見て、日本の軍隊が中国偽満州、植民地朝鮮、台湾からフィリッピン他太平洋諸国を占領し、約2000万人の命を奪ったことを知りました。
 ◎反戦映画として見た作品は真空地帯、二十四の瞳、ひめゆりの塔、野火、きけわだつみの声、人間の証明、夢千代日記、黒い雨、三たびの海峡、はだしのゲン、一枚のハガキ、キャタピラ、火垂るの墓、等々。
 ◎ドキュメント番組として、インパール白骨街道、泰麺鉄道、フィリッピンマニラ市街戦、南京大虐殺、ノモンハンの闘い、神風特攻隊、沖縄と満州からの開拓民の集団自決、陸軍兵士8000人の精神病者のインペイ、731部隊人体実験等。映像の中で元兵士(生存者)の真実の言葉が、いかに残虐な行為でアジア・太平洋の人民を苦しめたかが良く解りました。
 ◎兵士の証言  ①戦友の死は名誉の戦士ではなく、犬死だ。②上官の命令は天皇の命令とし銃剣で中国人を殺害させる。③野戦病院で、負傷し退却できない兵士に手榴弾か青酸カリを渡すと、涙ながらに語る人。

 敗戦と同時に国は加害の関係書類焼却命令を発するが、心ある人々が自宅に隠した事実がありました。
 以上、あの侵略戦争について理解できました。
◎お送りしました『日本がおこなった戦争をこころに刻む11章』、私が今まで読みました中で、この本の内容が高校生から成人までよく分かるように、真実の歴史が正しく書かれています。私は32冊購入しました。一つのお願いですが皆様のお仲間のため何冊でもお注文下さい。注文先は森正孝さん(静岡市葵区長沼2-18-15) に電話054-263-0989してください。1冊200円です。
    ※参考:完全護憲の会として40冊購入の申し込みをした。

2)新会員
 新会員1名が入会され、1名が逝去され、計72名。

3) 次の例会・勉強会
10月21日(日)13:30~16:30 三田いきいきプラザ(都合により当月のみ第3日曜日)
11月25日(日)13:30~16:30 神明いきいきプラザ、または三田いきいきプラザ    

4) 集会の案内
①米国の原爆投下の責任を問う会 第7回講演会
 題名:核時代における科学者の責任 講師:慶応大学名誉教授 小沼通二氏
    10月13日(土)13:30~17:00 キリスト友会会堂 港区三田4-8-19
    資料代:1000円(学生300円)
②第16回平和学習会
 【テーマ】学校における権利の衝突
 【報告者】山岡聴子(冊子『平和に向けて活用したい道徳』著者)
 【報告の主旨】「学校における生徒、教員、保護者というそれぞれ立場の異なる人間が、各々の主張のはざまで自己を実現する難しさを、いくつかの問題を取り上げて考え、また、そこに常々流れる軍国的要素をあぶり出し、学校教育の平和へ果たす役割を考えてみたい」
    2018年10月14日(日)13:30~16:30 【資料代】:300円
    東京ボランティア市民活動センター(TVAC)A会議室
        (JR飯田橋駅隣、セントラルプラザ10階)
③朝鮮半島の『大転換』と日本の進路
 講師:権 赫泰さん(韓国・聖公会大学教授)中野敏男さん(東京外国語大学名誉教授)
    10月20日(土)18時開場18時半開会 資料代800円
    文京区民センター 3A(地下鉄「春日」or「後楽園」下車すぐ)
 主催:3.1朝鮮独立運動100周年キャンペーン実行委員会 
    連絡先電話:渡辺070-6997-2546 矢野090-2466-5184
④『週刊金曜日』東京南部読者会
    10月26日(金)18:30~20:30 大田区生活センター会議室(JR蒲田駅徒歩5分)

<別紙3>   緊急警告030号
  安倍首相に改憲案提出の資格なし、退陣せよ! (例会検討修正最終稿)

 厚顔無恥の安倍内閣が居座っている。森友・加計問題で行政を私物化し、数々のウソをつきまくり、あげくの果てに官僚たちに公文書を改竄させたり隠蔽させたりと腐敗の極みに達しており、安倍政権の正統性は完全に失われている。にもかかわらず、国会で多数を占める物言わぬ与党議員たちが腐臭漂う安倍政権を支えているのである。
 一時は自民党総裁選での三選が危ぶまれるほどに動揺していた安倍政権であったが、ここにきて自民党内での安倍総裁三選の可能性が有力視されるという嘆かわしさである。
 そんな安倍首相が、8月12日、地元山口県下で講演し、今秋召集予定の臨時国会に「党としての憲法改正案を提出できるよう取りまとめを加速する」と明言したのである。
 憲法の「尊重・擁護」義務のある行政府の長としての首相が、自ら先導して憲法改正案を次期国会に提出するなどということは憲法違反そのものであり、許されることではない。
 さらに安倍首相と自民党総裁は不離一体なのであるから、自民党総裁としての改憲発言も慎むのが行政府の長としての節度と言わなければならない。憲法99条(憲法尊重擁護の義務)が行政府の長に求めるものである。
 マスコミは、こうした重大な憲法違反となる首相の発言を無批判に報道すべきではない。
行政府の長たる首相の改憲発言が何の問題もない、当たり前のことであるかのような認識を多くの国民に浸透させるからである。
 安倍首相の改憲発言に関しては、首相としての発言なのか、自民党総裁としての発言なのかを質しつつ、せめて安倍自民党総裁の発言として報道すべきである。
 さて、肝心の自民党としての「改正案」であるが、先に自民党憲法改正推進本部がまとめた「改憲4項目」案は正式に自民党全体の案とはなっていないようであるが、3月に開かれた自民党大会での二階幹事長の発言を見る限り、党内に異論を残したまま、これが自民党としての「改正案」となるということなのであろう。
 「改憲4項目」とは①9条に「自衛隊明記」、②内閣に絶大な権限を付与する「緊急事態条項」の新設、③国会議員の選出方法を改める「合区解消」、④教育における「国の役割」、の4項目であるが、このうち③の「合区解消」と④の「国の役割」は多くの法律家・憲法学者が指摘する通り、憲法改正のテーマとして取り上げるべきことではなく、法律にかかわる次元の問題として対応すべきことがらなのである。それをあえて取り上げているのは、国民が憲法改正を抵抗なく受け入れやすくするためと、「教育の無償化」をかかげて憲法改正に積極的な日本維新の会を取り込むためのものと言える。
 重大な問題は、①の9条に「自衛隊明記」と②の内閣に絶大な権限を付与する「緊急事態条項」の新設である。この二つについてはすでに当会の緊急警告022号(「自衛隊明記は口実、9条全面改悪の突破口とするもの」2017/8/9)と緊急警告003号(「『ナチスの手口』、緊急事態条項の危険性」2016/2/7)で言及しているので、ここでは再論しないが、自民党の「改正案」が正式に提出された段階で再度の検討を行うこととする。

第55回運営・編集委員会の報告(略)

  当面の日程について
1)第58回例会・勉強会   10月21日(日)13:30~ 三田いきいきプラザ
   勉強会:講師 後藤富士子弁護士
   テーマ:憲法第24条(家族生活)、第26条(教育権)の自民党改憲案について
2)第56回運営・編集委員会 10月24日(水)14:00~ 三田いきいきプラザ
3)第59回例会・勉強会   11月25日(日)13:30~ 神明いきいきプラザ
4)第57回運営・編集委員会 11月28日(水)14:00~ 三田いきいきプラザ

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください